俺、総二と愛香が大好きです。   作:L田深愚

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便宜上モブの娘に名前を付けました。
あとケイスケさんとショータロー先生に謝っておきますごめんなさい。


第十八話「魔狼、月に吼える」

「くそっ! また逃げられた!!」

 帰還したコンソールルームで、総二が苛立ち紛れに机を叩く。

 今回現れたエレメリアンは、初めはドイツ、日本に来てからは熊本、次は群馬、長野と、俺たちが駆けつけるや一目散に退却し、日を変えては別な場所へ再襲来するというヒットアンドアウェイ戦法を繰り出してきていた。

 おかげでこのところアルティロイドくらいしか戦果は無い。

「なんて逃げ足の速い奴なのかしら……」

「戦いもせずに逃げ出すなんて、今までの奴らとは違いますわね……何か目的があるのでしょうか?」

「それよりも襲われた女の子たちの方が心配だよ、あんな目に遭わされるなんて……」

 自然と拳に力がこもる。幸いにも属性力は奪われていないが、被害者の中高生たちは頭に女性用の下着を被らされるというTHE変態そのものな格好にされ、友人や姉妹の名を叫びながら悲嘆に暮れていた。

 思春期の少女がそんな姿にされたら、自分の意志でなくとも心無い者たちから陰口の対象にされ、下手をすれば友情や家族との関係に罅が入ってもおかしくない。

「今回のエレメリアンは下着属性(アンダーウェアー)……今回の被害者たちって、ひょっとして好きな子のパンツ被ってハアハアしてる人たちだったんじゃないでしょうかね……?」

「そう言えばあの子たち……………………女の子に気持ちが向いてた。多分名前叫んでた相手だ」

 俺は今になって気付いてしまった、出来ることなら知りたくなかった真実を絞り出すように告げる。

 それを聞いた総二と愛香の二人はがっくりと崩れ落ち、この国の暗澹たる未来を呪った。

「しかし敵が無駄に大人しくしてるのが厄介ですねえ……誰かがパンツ被らされるまで属性力探査器(エレメーラサーチャー)に引っかからないのは正直悔しいです」

「トゥアール、幼女の盗撮出来るんならどうにかして被害者の候補絞り込めないか?」

 以前基地を見学中だった会長の操作ミスによって発覚した、科学の粋を凝らした人工衛星を駆使して天空の高みより行われていた痴女の犯罪を、少しでも世のため人のために役立てられないかと思案したものの、答えはやはり難しいとのことだった。

 エレメリアンは感情が高ぶるか戦闘態勢に入らない限り、探査網に引っかかるほど属性力は高まらない。俺たちが襲来直後に駆け付けられているのも、普段現れるエレメリアンたちが得物を求めて興奮しているからに他ならないのだ。

 人間単体の属性力に合わせればエレメリアンの反応が紛れ、巨大なエレメリアンの基準に合わせれば人間の反応を感知できなくなる。ままならぬものだ。

 そんな折、不安げな顔で結維が俺の袖を引く。

「心配しなくてもお前、認識攪乱装置(イマジンチャフ)もらってただろ」

 もはや結維のツインテール属性は、かつての会長と同じくエレメリアンに狙われる程に高まっている。故に属性力を隠蔽するために、携帯用の認識攪乱装置が渡されていた。

 俺たちの属性力はテイルブレスやドライバーの機能で隠蔽されているが、恋香さんをはじめとする予備メンバーにはイマジンチャフが不可欠だ。

 自分も狙われるのではなどと不安がる、兄の下着を度々失敬することに定評のある怪盗パンツガールが口を開く前にバッサリ切り捨て、俺はあのエレメリアンが男物にも反応するのかという謎に思いをはせた。

 

□□□□

 

 アルティメギル基地の廊下を歩く一人のエレメリアン。照明に煌めくその体毛は黄金に染まり、精悍な面構えと相まってモチーフとなっている狼の気高さを見る者に与えている。

 だがその頭部を騎士の兜か軍帽のように覆っているのは、穴が二つ開いた白い布……小さな赤いリボンがワンポイントとしてあしらわれた女児用のパンツだという事実が、その気高さ凛々しさを粉微塵に打ち砕く。

 彼の名はガルムギルディ。下着属性を愛し、極めんとする孤高の戦士だ。

 その振る舞いがドン引きされてボッチなのではない。あくまで孤高なのである。

「────フェンリルギルディは死んだか……愚かなやつだ。ツインテールを蔑ろにするとは最期まで何も分かっちゃいなかったのだな」

 同じ下着属性の同胞の死を知り、脚を通す穴から露出した三角の耳が一瞬しおれるように角度を下げたかと思うと、再びピンと立ち上がり、拳を握る彼は誰に聞かせるでもなく高らかに叫ぶ。

 その様はまるで、死した戦友への悲しみを怒りで覆い隠しているかのようでもあった。

「ツインテールと下着の組み合わせこそ至高! 被ったパンツから露わになった双房こそ、頭を隠してもツインテールは隠さぬという、揺るがぬ自信に満ちたツインテール属性を芽吹かせるのだと何故解らないのだ!!」

 まともな者が耳にすればたちまち脳が理解を拒否して、頭痛どころか下手をすれば脳梗塞すら引き起こしかねない異次元の言語を独り虚空にまくし立てるガルムギルディの、背後に位置する曲がり角から現れたエレメリアンが偶然にもその光景を目撃した。してしまった。

 関わってはいけないっぽい存在を目にしたクマは、私は何も見てません、聞いちゃいませんと無言で踵を返し、そろそろと静かに、されど速やかにその場を後にした。

 こんな時は、部屋に閉じこもって一人静かにエロゲーするに限る。

 パンツを被った女の子のツインテールなどという異次元の存在に怖気を振るった暴力属性(バイオレンス)のベアギルディだったが、しかし自分好みの少女に面罵されながら彼女自身のパンツを被らされるなら、受け入れてもいいかもしれない……と少しだけ、ガルムギルディたち下着属性の戦士たちへ歩み寄りを見せた。

 

□□□□

 

 今日もまた朝日は昇る。初夏の日差しが朝食の準備に追われる家々を照らし、仕事や学校に向かうべき人々を急き立ててゆく。

 母親が食事の支度をしている間、洗濯物を干すべく洗濯籠を抱えて二階のベランダに続く窓を開けた女子高生は、いざお気に入りの下着を洗濯バサミへ挟もうとした際、隅に見慣れぬ金色の毛むくじゃらを発見して訝しんだ。

 ────目が合った。それは果たして、紛れもなく最近話題の下着を頭に被ったエレメリアンだった。

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 閑静な住宅街に響き渡るのは絹を裂く少女の悲鳴。平和な朝から一転して危機に晒された彼女を救うものは居ないのか!?

 

 その問いかけに答える者は、確かに居た。嵐のようにやってきて、悪を蹴散らしては風のように去ってゆく光り輝くツインテール。

 この世に神も仏も居なくても、ツインテイルズは必ず駆けつけるのだ。

『ツインテイルズ参上! ガルムギルディ! 今日こそお前の最期の日だ!!』

 ベランダへ降り立ち、避難を促そうとしたレッドが少女の顔を見てぎょっとするが、咄嗟にガルムギルディを引き離すべく共にベランダから飛び降りる。

「……ここ、植坂さんの家だ」

「あ、ほんとじゃない! あたしの友達に手を出そうなんて許せない!!」

 狙われたのは、愛香の友人でクラスメートの植坂澄香だった。ばれないよう小声で情報を共有する二人。わらわらと集まって来た野次馬に囲まれながら、武器を構えるツインテイルズは四方から敵を取り囲み、油断なく動向を注視した。

「くっ……彼女の下着に我を忘れたことが仇となったか! だがここで退くわけにはいかん。ツインテイルズよ、いざ尋常に勝負だ!!」

「アルティロイドは呼ばないつもりか……随分殊勝なやつね。イエロー、住宅街だし野次馬も多い、重火器の使用は控えてね」

「了解ですわ!」

 なんだか最近、指示を下すたびに会長が目を輝かせている気がする……とミラージュが首をかしげる中、ガルムギルディもまた得物を取り出し、全身の毛を逆立たせてこちらを探る。得物はパンティーを互い違いに繋げたような波状剣(フランベルジュ)だった。鳥肌が立った。

 登校時間も迫っているし、いつも通り先手必勝と飛び掛かる一同だったが、横薙ぎに振るわれたフランベルジュが鞭となって伸び、ツインテイルズを弾き飛ばす。

 パンティー状の刃を繋ぐのはブラジャーを模した鎖だった。頭痛がした。

「こいつ……結構手強いぞ!」

「パンツ被った変態のくせに……って見てレッド! あたしたちの身体に……」

「ブラジャーとパンティが付けられていますわ!」

「ア……アタシにもだ……しかもピッタリジャストフィットしてやがる……!」

 テイルギアの上から女性下着を装着され、困惑するツインテイルズ。そして歓声に沸き携帯カメラのシャッターを切りまくるギャラリー。

 ────まさか鞭で打ったあの一瞬で、俺たちに下着を着せたのか……!? 困惑から遅れて戦慄が彼女たちを襲う。

「うむ! 年齢的に少々早い気もするが、レッドやブルーのような活発な子供に着けるのはやはりスポーツブラが望ましいな!!」

「だめだ、取れない……そうだ! イエロー、俺たちを踏み台にジャンプしたら全部脱ぎ捨ててあいつを蹴り飛ばせ!!」

「脱……ぐ……? わかりましたわ! いきますわよレッド!」

 頬を染めて目を見開いたイエローは、自信に満ちた笑みを浮かべるとすかさずレッドのもとへ跳んだ。

「ブルー!」「ミラージュ!」

 敵に視点を定めさせぬようメンバー間をバレーボールのトスさながらに渡り歩くイエロー。もちろん妨害されぬよう手の空いたメンバーがマグナムやランス、ブレイドでアシストしているのは言うまでもない。

「────レッド!」「応!!」

 ひときわ高く打ち上げられるイエローは、エクセリオンブーストを噴かしてたどり着いた放物線の頂点で、打ち上げ花火の如く全身の装甲を弾けさせる。無論強制的に着用された下着もろともだ。

 装甲ごとパージすればあの下着は脱げるのではないかという目論見は成功した。

「トオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「ぐうっ!?」

 腹の底から絞り出した叫びと共に繰り出された天空からの蹴撃が、ガルムギルディを打ち据える。それだけにとどまらず、上空で組みあがったユナイトウエポンへ、キックの反動で再び跳び上がったイエローが舞い戻ってゆく。

「オーラピラー!」

 砲身から放たれ、降り注ぐ拘束ビーム。だがガルムギルディは、何かを毛皮の中から取り出した。

 捉えられる直前、閃光と共に巻き起こった炎の渦にも似た属性力の迸りにオーラピラーは相殺され、キックのタイミングを焦ったイエローは、そのままボルティックジャッジメントを迎撃され、弾き飛ばされる。

「イエロー!」

「だ……大丈夫ですわ」

 仲間の元へ駆け寄るレッドたちは、変化したガルムギルディの姿に息を飲んだ。

「まさかこれは……奴の最終闘態……?」

『奴の属性力が幹部並みに跳ね上がりました! 気をつけてください皆さん』

 表情は見えない。なぜなら奴の顔面は真っ赤なブラジャーと、同じく真っ赤なレースのパンティーが織りなす火炎十字で覆い隠されていたからだ。

「然り! これぞ我が最終闘態……勝負下着の聖夜(トリプルエックスシックスアワー)だ!!」

 オーラピラー着弾の瞬間、ガルムギルディは取り出した真紅の勝負下着を勢いよく振るった。まずブラジャー(レッドアイザー)が両目にピタリと張り付き、次いでレースのパンティー(パーフェクター)を被ると顎まで一気にずり下ろし、その鼻先がクロッチ部分に触れる形で表情を完全に覆い隠す。

「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 とっておきの勝負下着に包まれ、爆発的に属性力を増大させたガルムギルディは、興奮冷めやらぬといった叫びをあげつつ、下着で出来た鞭をビュンビュン振るってツインテイルズに迫る。

『変態だあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』

 何というか、変態オブ変態としか言いようのない姿にギャラリーもドン引きだ。

「このままじゃまずいわ……確かこの近くに公園があったはずよ。どうにかこいつを皆から引き離さないと!」

『公園は現在地から西へ一区画行ったところです!』

 友人の家の近所故、都合のいい開けた場所に咄嗟に思い至るブルーと、正確な位置を指示するトゥアールのアドバイス。

「任せろ! ブルー! 体操服属性をこいつに叩き込んで!!」

「わかったわ! 属性玉変換機構────体操服属性!!」

「属性玉変換機構────髪紐属性!!」

 テイルミラージュは鞭剣が身体を打ち据えるのも厭わずに、体操服属性の力で軽くされたガルムギルディにしがみつき、腰のエレメリーションキューブへ属性玉を叩き込んだ。

 リフレクターリボンから力場の翼が伸び、下着を被った黄金狼をつかの間の大空の旅へ連れてゆく。

 公園を発見すると同時に急降下、ガルムギルディを下にしてその脳天を勢いよく叩き付けてやる。

「うおおおおおおおおおおお! 真空ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ地ぃ獄ぅ車あああああああああああああああ!!」

 長友結は身長が高いため、知識として知ってはいても普段は使う機会がほとんどない技だが、基本的に身長2mを越える連中がザラなエレメリアン相手なら余裕でこの技を仕掛けることが出来る。

 そのままバウンドの勢いを利用して、何度も敵の頭を地面へ叩き付けたミラージュは、トドメとばかりにガルムギルディを投げ飛ばした。

「オーラピラー!!」

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

 間髪入れずに放たれた拘束エネルギー弾が直撃し、光の捕縛結界が黄金の狼を封じる。

「属性玉変換機構────体操服属性!!」

 握りしめられた右拳に重力子(グラビトン)が集まり、その質量を見る間に増してゆく。かつてリヴァイアギルディ相手に使おうとして惜しくも破られた超重力パンチだ。

 大地をしかと踏みしめたテイルミラージュは、増幅された脚力と背部スラスターの最大噴射で天空に磔られたガルムギルディへ一直線に飛んだ。

「必殺! 正ぇぇぇぇぇぇ拳突きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 金色の狼は拳で倒さなければならないという謎の使命感に突き動かされるままに、テイルミラージュの拳は烈風の疾さで金色(こんじき)の毛皮へ突き刺さり、その胴体を貫いて自身の身体ごと向こう側へ突き抜けた。

 武器でもなく飛び道具でもない己自身の拳によって強敵を打倒したという達成感に、彼の脳は幼少の頃から繰り返されてきた、野犬と戦わされたり殴り過ぎた手がグローブのように腫れ上がっても塩水に浸してまた砂箱へ突きの練習を再開するといった過酷な鍛錬を思い描いた。

 だがそれは断じて長友結の幼少期ではない。

「流石だ……強く、素晴らしいツインテールだ……テイルミラージュよ……その艶やかな黒髪にはさぞかしライトブルーの縞パンが映えることだろうな……」

 死力を尽くした戦いの末に満足して逝った漢の遺す、不愉快極まりない暴言に、テイルミラージュの機嫌はたちまち急降下した。

 土手っ腹に大穴を開けられたガルムギルディが爆散し、冥府の番犬とも狼とも言われるその名の通りあの世へ叩き返されるのとほぼ同じタイミングで、強制装着された下着が消えうせたレッドたちが公園へ駆けつける。

 

「終わったか……」

「やったよ、澄香……」

『皆さん、のんびりしている時間はありませんよ。早く戻らないと遅刻します!』

 トゥアールの通信で今更現在の時刻に気付いたツインテイルズは、慌てて転送ポイントへ駆け込んでゆく。このまま行ければ十分間に合うのだが、車通学の慧理那は別にしても、いかんせん鞄はアドレシェンツァに置いてあるのだ。そしてアドレシェンツァの方がここより学園から遠い。

 全力疾走の末、息せき切ってどうにか遅刻を免れた一同だったが、無事に登校してきた植坂澄香の姿に救われた気持ちになった。

 

 ────もっとも。

「俺、すごいこと思いついちまった……このレッドたんTシャツ、裏返してプリント内側にして着れば、直に抱き着いてもらえる感覚を味わえるんじゃねえか?」

「お前天才か!? そのアイディアだけで大学推薦受かっちまうじゃねえか!!」

「いいこと聞いちゃった。それパンツでやっちゃおーっと。ねー」

「あのね……私……」

 放課後、とりとめのない放課後トークに興じる生徒たちの中に彼女はいた。

「女子だからって何でも許されると思うなよ!?」

 パンツへのプリントは条約で禁じられてるだろうが! と食って掛かる男子に、男子だけで決めた条約なんて知らないわよ! と反論する女子生徒。

 そこへ横でもじもじしていた女子────植坂澄香が腕を振り上げて吼える。

「この際言っちゃうけどね、そんなのとっくにやってたのよ私! むしろ今現在レッドたんパンツ穿いてるわ!!」

 衝撃のカミングアウトを敢行した彼女へ、周囲の生徒たちは皆祝福の言葉を送った。

「くそっ! 大学推薦合格おめでとう!!」

 

 ────とりとめのなさすぎるトーク内容に、無防備な鼓膜を右ストレートで撃ち抜かれた総二、愛香、結の三人は、エレメリアンに狙われるわけだと納得しつつノックアウトされたのだった。

 

□□□□

 

「────なんなのです、近頃のあの娘の弛んだツインテールは?」

 陽月学園の理事長室で、上品な黒の和服に身を包んだ婦人が扇子を手に、その整った眉を不機嫌極まりないといった様子でひそめていた。

 その襟元には、どれほどの年月をかけてたどり着いたか想像もできないような下結びの見事なツインテールが鎮座している。観束総二が見れば、たちまちその積み重ねた歴史に圧倒されるだろうことは想像に難くない。

「夜更かしに度重なる寄り道に身が入らない仕事ぶり……この有様では……保留にしていた見合いを取り付けるしかありませんね」

 合図一つでメイドを呼び、速やかに見合い写真を用意させるこの婦人の名は神堂慧夢。私立陽月学園の理事長にして、生徒会長神堂慧理那の母親である。

 今、テイルイエロー神堂慧理那に最大の危機が訪れようとしていた……!!

 

 ちなみに、結維は兄のために囮役を買って出たものの、認識攪乱装置を外し、兄のトランクスを握りしめて自らを餌として籠とつっかい棒の罠を仕掛けること数十分……一向にガルムギルディは現れることなく待ちぼうけを食わされ学校に遅刻したそうな。

 それを見ていた紐役の恋香は、未来の義妹の微笑ましい姿に終始笑みを隠せなかったという……




「馬鹿め、フェンリルギルディは死んだわ!」(マサチューセッツ州辺りの方言でもしもしお電話代わりましたの意)

ああ……怒る父親の叫びが打ち寄せる波の音となって俺を責め苛むようだ。

せっかくなので以前登場した植坂さんを再登場させましたが、実はこの「内側プリントテイルレッドパンツ穿いた愛香の友達」って原作に登場してるんです。
特典小説のEX1にてカミングアウトの後、祝福の言葉を受けておりましたが、当然名無しだったので植坂さんの名前を当てさせていただきました。

どうでもいいことですが外見イメージはオフィシャルファンブック65ページの左上の眼鏡女子です。

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