東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 今回は短めでパチェ日記。

 金曜日は会社泊まり、土曜日は仕事に付き更新はありません。

 さて、彼女はどう思っているのでしょうか?


パチュリー・ノーレッジの日記 Ξ月

Ξ月(*´∀`*)日

 

 私のゆっくり妖怪と記憶を同期した時に、あの娘と参護が今日行った思い出の場所の記憶が流れ込んできた。

 

 なんてことは無い。

 街道から少し離れた獣道を辿った所。

 

 少し開けた場所があの娘と参護さんが出会った場所だった。

 

 参護さんったら、初めてあの娘に会った時にすごい悲鳴を上げてたわね。

 

 阿求に聞いたら、その時の悲鳴は人里にも届いていたそうだ。

 

 それだけ驚いて、その対象をその手に取っていた状態で、悲鳴を上げただけであの娘を投げ捨てたり、取り落としたりしなかった。

 

 その時、私のゆっくり妖怪は参護さんが優しい人だと確信したのだ。

 

 消えかけていたあの娘の最後の希望。

 

 今じゃこの家で家事全般をこなす、一番元気なゆっくり妖怪だ。

 

 ありがとう、私のゆっくり妖怪。

 参護さんと出会ってくれて、参護さんと出会わせてくれて。

 

 

 

 

 

Ξ月(`・д・´)キリッ日

 

 参護さんが魔法使いになってくれると言ってくれた。

 

 ここまで嬉しいとは思わなかった。

 

 仙人の人達には申し訳ないが、参護さんの魔法の才は目を見張るものがある。

 鍛えれば、確実に私の研究に役立つ活躍をしてくれるだろう。

 

 阿求も萃香も自分の希望が通らなかったのに、喜んでいた。

 

 長く一緒に居られるようになるのだから嬉しいのだろう。

 

 参護さんは私の弟子ということになるのか。

 

 そう考えると、とても教え甲斐がある。

 

 講義の計画を立てておこうかな。

 

 

 

 

 

Ξ月(;´∀`)日

 

 参護さんの魔法講義を今日から始めたのだけど、驚くべき速度で知識を吸収している。

 

 元々勤勉な性格だったし、そこに魔法使いという種族になる目的が出来ればこうもなるか。

 

 魔法の知識は内容を記すだけでその本や紙を魔導書やスクロールに変化させてしまう系統がある。

 

 存在自体が力を持つ魔法なんかがそうなのだけど、捨虫の術はまさにその典型だ。

 存在を変えてしまう術は世界に深く関わる魔法なのだ。

 

 参護さんが毎日日記を付けていることは知っていたけど、さすがにその日記を魔導書にする訳にはいかない。

 

 私の講釈と私のゆっくり妖怪の図解があれば、参護さんも立派な魔法使いになれるだろう。

 

 余談だけど、あの娘が伊達メガネをかけていた。

 

 なるほど、さすが私ね。

 参考にしましょう。

 

 

 

 

 

Ξ月(=^・^=)日

 

 転生。

 阿求が幻想郷縁起を編纂するために行っている。

 

 一度死を体験するというのはどういう事なのだろうか?

 

 そして、百年近くを彼岸で過ごして転生する。

 

 人間関係は最初に戻るだろうし、三十年ぐらいしか生きられない。

 

 参護さんには彼女の帰る場所を作ってあげて欲しい。

 

 私も萃香も、その場所で阿求を迎えられる様にしよう。

 

 だから、阿求。

 

 いつでも帰っておいで。

 

 

 

 

 

Ξ月(´ヘ`;)ウーム…日

 

 参護さんの長所は波紋の修行で鍛えた精密なコントロールだ。

 

 気功にも応用させていたからもしかしてと思ったけど、魔力の操作もかなり精密で驚く。

 

 模倣にも長けていて、私が見せた簡単な魔法も模倣してみせた。

 

 もしかしたら、破格の才能を弟子に出来たのかもしれない。

 

 魔理沙とアリスにも手を貸してもらいましょう。

 

 彼は一体どれだけの技を得られるのか。

 

 波紋を鍛え続けた努力がこうして実っている。

 

 ならば、最高の環境を用意しましょう。

 

 

 

 

 

Ξ月(´;ω;`)日

 

 今日は魔理沙とアリスに頼んで参護さんの教育の協力を頼んだ。

 

 私は『火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力』のおかげで多様性に優れた魔法を教えられる。

 

 アリスは魔力の糸を使う精密性と特殊な魔法を。

 

 魔理沙はミニ八卦炉というアイテムに頼っているが、高い出力の砲撃と高密度の収束魔法が上手い。

 

 この三人が揃えば、最高の環境だと言えるだろう。

 

 阿求の居場所を護る為に、私は私のできることをしましょう。

 萃香は萃香のできることを。

 

 だから参護?

 

 参護は参護のできることをして? 協力は惜しまないから。

 

 一番阿求が支えて欲しいのは、参護さんなんだから。

 

 

 

 

 

Ξ月(´▽`)アリガト日

 

 初めて四人でゲーム大会を開いた。

 

 日常だった。

 

 本に囲まれて過ごして、知識に埋もれる。

 この目的は絶対に変わらないし、後悔も無い。

 

 だけど、こんな日常を経験できるなんて考えてなかった。

 

 萃香が騒いで、阿求が笑って、参護さんが連敗で拗ねて、私がそれを慰めて……。

 

 この四人での日常がもっと続いて欲しい。

 

 でも、終わりが見えている悲しい願いだと分かっている。

 

 阿求の寿命は人より短い。

 もう半分近く生きているのだ。

 

 数十年で終わるこの日常。

 

 だけど、参護さんは護ってくれると言っていた。

 

 阿求もゆっくり妖怪も、私や萃香の事を家族と言ってくれた。

 

 家族を護ると言ってくれた。

 

 ありがとう参護。

 

 永い永い時を、一緒に家族で過ごしましょう。

 




 短いから早いのです。

 パチェさん、師匠として参護さんを鍛える気満々です。

 参護さんの魔改造計画が進んでます。

 完成系が楽しみですねw

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