東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 熱中症って意識の混濁だけではなく、頭痛や手足が攣ったりするんですね。

 超痛い。

 さてさて、Э→えー と言うロシア字です。

 神子さんのキャラがブレブレかもしれませんが、それでも良ければどうぞ。


豊聡耳神子の日記 Э月

Э月(;一_一)日

 

 青娥が最近一人の人間相手に苦戦しているらしい。

 

 暇を見つけては通っているようで、布都も同じところに行っている。

 

 青娥の心は喜びと焦り、苛立ちと挑戦心が垣間見えていて、放っておいても大丈夫でしょう。

 だけど、彼女にこういう感情を与えられる相手にも興味がある。

 

 布都の話では、波紋の呼吸は普通の仙人では手も足も出ない程に習熟していると言う話だ。

 

 人間なのに仙人の奥義を使う。

 

 それだけでもとても惹かれる話ですが、鬼やあのフラワーマスター相手に武器一つで戦う事の出来る人間だと言う話を聞けば、是が非でも仙人の道に入ってほしい。

 

 しかし、青娥が誘っても来ないと言う事は何かしらの意思があるという事。

 それが何か、気になりますね。

 

 

 

 

 

Э月Σ(゚∀゚ノ)ノキャー日

 

 海原参護。

 彼の在り方は、ひどく歪だった。

 

 参護の家に行った時に最初に驚いたのが、仙境の様な家とその周囲の空間でした。

 

 日常的に波紋の訓練をしていると聞いていますし、その練る量の多さから考えて、仙境は波紋の訓練を長年続けていた土地に形成されるのではないか? という仮説が立てられる。

 

 次に驚いたのが、彼の内面。

 

 凪いだ海の様な、燃え盛る火柱の様な、金剛石の様な、内面。

 

 自身に与えた護る対象を守り抜く金剛石のような決意、その為に何を犠牲にしようとも構わないという炎の様な決意、そしてそれらをやり抜く凪いだ海の様な心。

 

 なるほど、何を護りたいのかは分かりませんでしたが、これは青娥でも無理でしょう。

 

 そして一番驚いたのが、銀色の闘気。

 

 波紋と気功を練り合わせることで双方の特徴を活かした新たな力になるという事を知ることができた。

 

 少々癖がありましたが、上手く使えたのは僥倖(ぎょうこう)です。

 参護は指摘したらすぐに修正し、想像以上の結果をもたらしてくれる。

 

 これは調べる価値があると思います。

 

 

 

 

 

Э月(゚д゚)(。_。)ウンウン日

 

 少し前から布都は参護と鬼ごっこという名の波紋の練度比べをしている。

 

 布都の練度だと負けて当然ですが、競い合う事で確実に布都の実力は上がっている。

 

 自分の領域を侵されない限りは、紳士的で人当たりも良く、気が利いていて面倒見も良い。

 

 そして、自身の領域を犯した者に対しては全身全霊を持って戦う。

 天狗の新聞によると、里を襲った中級の妖怪を倒したという話だ。

 

 人間が妖怪に勝つには特殊な力を用いる必要がある。

 参護は波紋や気功を持っているし、銀色の闘気がそれにあたるだろう。

 

 しかし、話では銀色の闘気を会得したのは、件の妖怪を倒した後だと言うではないか。

 

 つまり、波紋を使った彼だけの奥義があるはず。

 

 それこそ格上の相手を倒せるほどの逆転の一手になる技が。

 

 戦い自体は好まないようですし、模擬戦でも見せてはくれないでしょう。

 

 そうなれば、純粋に彼が怒った時の戦いになりますが、それも容易にやるわけにはいかない。

 

 参護自身もそうだけど、彼の家に出入りしている者達はみんな高い戦闘能力を持っていたり、参謀とも呼べる頭脳を持っている者が多い。

 

 参護を怒らせ、排除対象として見られた場合、彼を仙人にするどころか我々が幻想郷という世界から追い出される可能性もある。

 

 彼の技。

 

 時期が来るのを待つのが賢明ですね。

 

 あと、布都が負けて悔しそうでした。

 

 いつもギリギリで躱されると言っていたが、勝つにしても度合いを調整しているのだろうか?

 だとすれば彼は師に向いている。

 

 あれだけの強さを持っているのに、無力であることを知っているのは珍しい。

 そういう人間は、誰かを教え導ける。

 

 

 

 

 

 

Э月( ;´Д`)ウッ…日

 

 銀色の闘気の持続時間が停止状態で十分、行動しながらだと五分程しか持たない。

 

 参護は行動しながら三十分は最良の状態を維持し続ける。

 

 こればかりは、普段の波紋の練度でしょう。

 

 布都がやっている鬼ごっこというものを体験してみたくなり、参護に頼んだ。

 しかし、参護は修行と捉えたようで、銀色の闘気を纏った状態で全力の鬼ごっこをやることになった。

 

 呆れたのは参護の出力だ。

 加減を間違えて地面を抉り、ブレた力が噴出すると身体がよろめく程だ。

 あれだけの出力を三十分持たせられるだけの力量。

 

 どれだけの修練を積んだのだろう?

 

 良き師、才能、驕らず続ける努力。

 

 どれが欠けても今の参護はいないだろう。

 

 鬼ごっこ中はずっと間違えては修正を繰り返していたから、自分の癖もかなり習熟しているでしょう。

 

 軽く追い詰めてみたりもしましたが、切り札を使う気配は無し。

 出し惜しみをする人ではないので、負担が大きい技の可能性もありますね。

 

 中々に楽しい時間でした。

 

 

 

 

 

Э月(ΦωΦ)フフフ…日

 

 銀色の闘気。

 中々に応用が利くようですね。

 

 仙人であり、神霊ともなったこの身に無限強化・無限活性を引き起こす力はそうそう無い。

 

 たった五分。

 その間に増幅される力は相当なものだ。

 

 参護はそれを三十分。

 戦いながら加速度的に強くなっていく。

 

 それなら確かに鬼とも戦えるはずね。

 

 彼の言っていた、銀の更に上を目指すためにも、銀色の闘気を早くモノにしたい。

 

 

 

 

Э月(`・д・´)キリッ日

 

 参護の欲の一端。

 

 誰かを、何かを護ること。

 その為なら、何もいらないし、何でも手に入れる。

 

 珍しい。

 いや、誰かを護る人間は確かにいる。

 だけど、彼の行動はそれだけの為に出来る行動でもない。

 

 歪な人間は昔からたくさん居ましたが、参護の歪さは毛色が違いますね。

 

 やっぱり面白い人ですね。

 

 

 

 

Э月(∩´∀`)∩ワーイ日

 

 普段布都が参護の家で何をしているか気になったので、今日は二人で彼の家に行ってきた。

 

 彼の家にいる時に色々とお茶を出してくれたり、お菓子を出してくれたりしていたゆっくり妖怪達を紹介された。

 布都に。

 

 貴女なんでそんなに詳しいのかしら?

 

 最近は色々鍛錬や瞑想なんかをしていたから眠気があり、それを博麗の巫女のゆっくり妖怪と紅魔館の門番のゆっくり妖怪が結界と気功で回復させてくれた。

 

 身体の調子も良いし、この前できなかった、波紋での鬼ごっこをすることにした。

 

 銀色の闘気ではなく、波紋をどう使って逃げるのかを間近で見ることができた。

 

 波紋を練る量もさることながら、特筆すべきはその精密な操作力でしょう。

 

 銀色の闘気はどうしても、不安定になりがち。しかし、彼の波紋は全身での操作が可能で、落ち葉を波紋で固めて足場にしたり、蔦に波紋を流して棒状に固め、高い段差を棒高跳びの要領で飛び越えたり、更には水の上を走りながら滝を登ったり。

 

 水の上に立つだけなら仙人でも可能だ。

 

 だけど、水の上を走ったり、滝を登ったりすることは無い。

 

 人間特有の柔軟な発想。

 

 参護との修行も悪くないかもしれないわね。

 




 最近、聖おにいさんの11巻を買いました。

 あれ面白いよね。

 仏教もキリスト教も知らないと書けない内容だし。

 すごいと言えば、この二人が幻想入りした動画がニコニコにありまして、内容がさらに両方の宗教について深く書かれてる。
 投稿者さんの知識量と話の構成力に憧れます。

 火曜日は会社へ泊りになりますので、感想の返信がメインになると思います。

 あ、ワンパンマン9巻の裏表紙がすごくいい。

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