物語を進めなくちゃいけないのに、進めると真面目トーンな話になるこのジレンマ。
今回はちょっとこの小説のゆっくり妖怪の定義を書いてます。
それでは、ゆっくり読んでいってね!
δ月(´゚ω゚`;)日
左腕の回復速度が一気に上がった。
急にいつもの波紋による治療のような速度で左腕が治ってきたのだ。
どういう事なのか?
理由は分からないが、治るのは助かる。
二か月もまともに動いていないのだ。
早々にリハビリに入りたい。
筋肉も落ちてるし、関節も固まっている。
特に骨折した部分はそうだろう。
俺の戦いのスタイルの真骨頂は速度にこそある。
加速世界は自分の速度を限界まで底上げした上で、思考速度を高速化している技だ。
つまり、元々の自分の速度が重要になる。
ましてや、銀色の闘気を習得した今こそ、地力が大事になる。
リハビリと修行が今まで以上に重要になるだろう。
そして、あの萃香の一撃を正面から受け止めて、折れず曲がらず本来の形を保っている杖。
心当たりとしては、Yパチュリーがかけていた強化術式だろう。
強化とするにもあまりに出来過ぎている。
あの一撃は音速を超えた一撃だったはずだ。
普通なら全身が衝撃波で粉々の一撃。
硬気功と波紋で強化した杖が無ければこうして生きていなかっただろう。
それでも左腕は壊死寸前、両足も骨折して、全身は打撲と裂傷が無数にできた状態になってしまった。
だけど、そうなってからできた新しい技。
銀色の闘気。
あれは兄貴が使っていた技そのもの。
四つの力を合わせられる兄貴にとっては初歩の初歩だったのかもしれないが、初歩であれだけのパワーアップができるのだ。模擬戦を良くしていたが、兄貴に銀色の闘気を出させるには至らなかった。
大体、二つ合わせて銀、三つ合わせて金、四つ全部合わせて白金となる。
見てきたから間違いない。
魔力は物質に、霊力は空間に対して特性が高いと言っていた。
波紋は活性、気功は強化、魔力は物質、霊力が空間。
これらを混ぜ合わせた白金の闘気。
……兄貴は神話世界の住人じゃなかろうか?
強くなるにつれて、兄貴との力の差を強く感じられるようになる。
実力差がわかるのが強さの証というが、自信喪失しそうです。
δ月ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)日
速いもので、もう固定しているギプスが簡易的なものに変更された。
後は確実にくっつくのを待つだけらしい。
この異様な回復力に霊夢さんも呆れていたが、未だに回復札を持って来てくれている彼女は本当にいい人だ。
今日もお礼にたくさんの食材を渡す。
まぁ、家にあっても腐らせてしまいそうなほどの量だし、彼女が食べてくれるならこれほど食材が有効に消費されることも無いだろう。
Yパチュリーが今日も左腕の汚れを一生懸命に落としてくれる。
ギプスに長い間包まれていた左腕は垢で黒くなっていた。匂いもひどかったし、自分で少しずつやろうかと考えていた時に、彼女が積極的にやってくれた。
波紋を込めて撫でてあげると、心地よさそうに目を細めてウットリと感じてくれる。
こうして、波紋や気功を込めて触れてあげることで彼女たちは、身体を維持しているようだ。
ゆっくり妖怪の誕生を考えると、当然と言えば当然の生態だろう。
彼女たちは空気中を漂う、魔力・妖力・霊力・気功などを一か所に集めて形になる。
その時に一番多く集まった力の持ち主の姿になる。
だから、Yパチュリーは紅魔館の魔女であるパチュリー・ノーレッジの魔力を多く誕生の瞬間に得ていたことになる。
俺や霊夢さんの波紋や霊力でも十分に生きていられるぐらいの力を得られている。
ならば、最も多く体を構成している魔力の主、パチュリー・ノーレッジさんの魔力を得ればどうなるのだろうか?
今まで、美鈴さんや幽香さんが自身のゆっくり妖怪に触れていたが、特に変化は無かった。
だが、意図して与えるなら?
などと考えていると、Yパチュリーは仕事が終わったようで肩に乗り、頬ずりをしてきた。
構えということだな。
世話になっているんだ、お礼ぐらいしてあげないとだめだろう。
今日はずっとYパチュリーと戯れて過ごした。
δ月( ´∀`)bグッ日
とりあえず、両足のリハビリから始めることになった。
立ち上がってみると、両足に違和感がある。
二か月近く動かせなかったのだから当然か。
アリスさんが、糸を俺に取り付けて緩々と動かしてくれる。
彼女がリハビリ担当で、鈴仙さんからやり方を教わっていた。
Y魔理沙がキノコを煎じて塗り薬を作っていた。
どういう事かと思ったが、理解した。
無茶苦茶筋肉痛が来る。
Y魔理沙は湿布薬のような物を作っていたのだ。
これがまた良く効くのだ。
アリスさんは加減が絶妙で、俺のギリギリまで酷使してからリハビリを終えるのできついが早く復帰できる。
今は、両足にYレミリアとYフランが塗り薬を塗ってくれている。
よく滑る薬だからと、遊んでいるようにも見えるが気のせいだろう。
決して、足の上で押し合いっこをしている訳では無いだろう。
たぶん。
波紋の呼吸や気功で活性と強化を繰り返しても、衰えた筋肉や関節は無理やりにでも駆動させて本調子にしてあげないとだめだ。
なにしろ、鍛錬で何度もやっていることをするだけ。
むしろ、いつもよりも楽になったぐらいだ。
アリスさんにも食事をしていってもらったが、俺の料理が良いらしく。
治ったら作ってくれと頼まれた。
これは作り甲斐のある人だな。
δ月(´Д`)ハァ…日
霊夢さんがY霊夢を連れてきた。
なんでも、境内の裏で昼寝している所を捕まえたのだそうだ。
いやいや、どんな捕まえ方をしたのだ。
なんか涙目になって震えてる。
なんでも、日向ぼっこ用に出していたせんべいとお茶を食べられたのだそうだ。
家で暮らしてもらうことになったが、Y霊夢は何というか存在が濃いとでも表したらいいのだろうか?
他のゆっくり妖怪たちは魔力や霊力などで身体を構成しているせいか、儚げな存在感が時折感じられてしまう。
しかし、Y霊夢はそれこそ俺や霊夢の様なしっかりとした存在として感じられる。
もしかしたら、これが構成している魔力や霊力の持ち主の力を得続けることでたどり着ける境地なのかもしれない。
Yパチュリーはその存在感が出会ったころよりもマシになっているが、おそらく家にいるどのゆっくり妖怪よりも薄い。
もしかしたら、本格的にパチュリー・ノーレッジさんに会う必要があるのかもしれない。
それには、紅魔館に行く必要があるし、紅魔館に行けばレミリア・スカーレットさんに会うことになる。
そこまで考えてから、Yレミリアを見る。
なぜ見られたのかわからないようで首をかしげる仕草をされたが、紅魔館組を連れて行かないわけにはいかないなぁ。
もし、考えた通り存在感に影響があるなら、彼女達も絶対に本人の力を分けてもらう必要がある。
できることなら、しっかりとした存在として生きて欲しいからね。
不安は、YレミリアとYフラン。
本人にとって多分、認められないんじゃないかなぁ……。
δ月( ゚д゚ )クワッ!!日
今日もアリスさんと一緒にリハビリをした。
たまたま魔理沙も来たので、数日考えていた疑問を解消しようと試みた。
Y魔理沙とYアリスにそれぞれ魔力を分けてもらったのだ。
結果は劇的だった。
見るからに元気になったし、髪の艶が増し、モチモチお肌がさらに触り心地が良くなった。
そして何よりも、存在感が濃くなった。
今までいくら波紋や気功を注いであげても変化の無かった存在感が一気に濃くなったのだ。
それをどれだけ続けていたのか、Y霊夢の存在感はしっかりとこの世界に根を張っているように見える。
つまり、続けて行けば消える事の無い存在としてゆっくり達を確定させられる?
普通の動物や妖怪のように生きることができるのか?
だったら、やるしかない。
Yパチュリーは俺の恩人だ。
阿求様とYパチュリーにはできる限りのことをすると誓ったのだ。
万全の調子に戻したら、紅魔館へ行く準備をするべきだな。
δ月(´ε`; )日
霊夢さんが今までの札とは違う、治療効果を高めた札を持って来てくれた。
空間をつくるのではなく、直接患部に貼るタイプの札だった。
霊夢さんには世話になりっぱなしだ。
食材だけではお返しできないかもしれないけど、しっかりとお礼はしないとね。
昨日のゆっくり妖怪たちの生態仮説を説明すると、霊夢さんはレミリアさんにアポイントメントを取ってくれると言ってくれた。
元々、美鈴さんや咲夜さんに頼むのも良かったが、部下からの頼みと自分を負かした相手の言うこと、両方から頼みこむのが良いだろう。
そのあとの問題はあるが、どうにかしてゆっくり達への魔力の供給を頼む。
問題としては、ゆっくり妖怪たちの存在を彼女たちが認めるかどうか。
Y咲夜とY美鈴は受け入れてもらえた。苦笑い気味であったが……。
YレミリアとYフラン、YパチュリーとY小悪魔、彼女たちを受け入れてくれるかどうか。
ゆっくり妖怪は元となった人物の何かしらの性格を強く表に出している。
Yレミリアは幼さを、Yフランは自由を、それぞれ表に出している状態だ。
それは彼女たちにとって触れてほしくない部分なのではないか?
そう考えてしまう。
こうやって真剣に考えを巡らせているというのに、目の前ではYフランとYレミリアが空中で鬼ごっこをしていた。
しかも、戦闘機もびっくりのドックファイト。
可愛いが、さすがに壁とかに当たると危ないので受け止めて撫でまくった。
しばらくすると、幸せそうに二人とも眠ってしまった。
ゴッドフィンガーとでも名乗ろうかな?
なんちゃって。
δ月φ(゚Д゚ )フムフム…日
今日はアリスさんが連れてきたY魔理沙がYパチュリーと一緒になにやら魔法を教え合っていた。
アリスさんが言うには、魔法使い同士だとあまり見ない光景らしい。
魔法とは個人の技術の集大成であり、教えても受け取り手側次第でいかようにも内容が変わってくる。
だから、知識は教えるが魔法は教えることは無いそうだ。
そもそも、魔理沙とパチュリーさんは魔導書を盗む側と守る側だ。
そんな光景に出会うことはまずないだろうと言うほどに確率は低いそうだ。
アリスさんも研究をしている身で、パチュリーさんの居る大図書館の蔵書は非常に魅力的な知識の宝庫らしい。
アリスさんが言うには、パチュリーさんはむしろゆっくり妖怪を受け入れてくれるかもしれない人らしい。
好奇心が強いため、ゆっくり妖怪を調べることに時間をかける。
自身の姿を模していたとしても、それが生体にどう影響するかの方に興味が行くらしい。
つまり問題はレミリアさんだけになる。
彼女がYレミリアを受け入れてくれるか? 個人的にも不安だ。
いかがでしたか?
今回は萃香はお休みです。
どっかに行ってますので、この日記中は留守にしています。
フラグですガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
それでは、次回もよろしくです。