改めて、名前が長いと思った。
メッセージで度々聞かれるのですが、当小説内にスタンドは出てきません。
波紋をメインにしています。
別に嫌いじゃないんです。
スタンド大好きですよ。スティッキー・フィンガーズが一番好きです。
最近だと、ペイズリー・パークが好き。
単純だけど、故に強力だよね。
□月(´・ω・`)日
ここ数日、里の稗田さんの依頼で海原参護さんという患者の訪問診察をしている。
里へ薬の販売をする行きか帰りの時に、彼の家へ立ち寄って診察と介護をするというものだ。
話に聞いた怪我の状況と本人の病状が一致しないから少し混乱しているけど、どうやら波紋の呼吸法という特別な呼吸の方法で治癒能力を高めているらしい。
それでも状況だけ聞いても全治三か月。
現状でも一か月は安静にしておいてもらう必要があると思う。
師匠に薬を調合してもらえればまだ早く治る可能性があるけど、参護さんが波紋で治癒力を高めているから薬の種類によっては逆効果になりえるからダメなのだそうだ。
単純に体温の上昇が一番危ない。
骨折や打撲などの外傷は早くに治ってきていたのだけど、内臓系のダメージは治癒速度が遅い。
私見だけど、外傷を急速に治す過程で発熱していて、それが異様な体温の上昇につながっているのだろう。
本人にも言ったが、周囲にいるゆっくり妖怪。
最初に会った時は異様な姿に驚いたけど、彼女たちの波長がとても落ち着いていて、私を前にしても喜びの波長を見せるだけで、敵意の波長が見えなかったのでそのまま可愛がってしまった。
今回、久々に参護さんの家にお邪魔したけど、新しい子が増えていた。
彼がゆっくりレミリアと呼んでいたので、あの紅魔館の吸血鬼を思い浮かべたが、目の前の子は近い名前を持っているとは思えないほど幼く、可愛かった。
ゆっくり妖怪たちを可愛がっていると、参護さんから
「看病してもらっていますので、家を休憩所代わりに使ってもらって構いませんよ」
と許可を貰えた。
どうやら、私が人里が得意ではないことに気づいていたようだ。
彼にも初対面で非常に警戒していた記憶があるけど、ゆっくり妖怪たちのおかげで、今はそれほど苦手だと感じない。
それならと、申し出を受けて休憩させてもらうことにしたのだ。
最近はちょっとした食料も置かせてもらっているので、これ以上入り浸りにならないように注意したい。
□月(-.-)日
やっぱり、参護さんの怪我は内臓系が深刻なようだ。
おかゆを食べている間、ずっと表情が硬かった。
ギリギリで飲み込んでいたと思う。
朝夕の二回訪問しているけど、それで十分に世話ができているのは彼とずっと一緒にいるゆっくりパチュリーちゃんが色々と動いているからね。
魔法で水瓶の水を補充したり、洗濯物を水・風・日の魔法でこなしていたり、本人は参護さんの世話をするのは楽しいのか、進んでいろいろやっていた。
ゆっくり妖怪には、ここでしか会ったことは無いけど、ゆっくりパチュリーとゆっくりレミリア……この二人は共通して参護さんと接している時の波長が非常に落ち着いている。楽しんでいるともいえると思う。
それに対して参護さんは、怪我のせいだろうけど、弱々しい。
弱っている彼を見てゆっくり妖怪たちは悲しそうにしているのだ。
きちんと体を治して、ゆっくり妖怪たちと楽しく暮らしてほしいものだ。
□月(^_^;)日
夕方に参護さんの家に行った時に、妹紅さんがお昼に訪ねてきたことを知った。
それは別にいいのだが、参護さんがゆっくりレミリアを揉んでいた。
なんでも、こうして揉んであげると喜ぶのだそうだ。
私もやってみたけど、ゆっくりパチュリーちゃんとゆっくりレミリアちゃんの揉み心地が違うことに少しばかり驚いた。
ゆっくりレミリアちゃんはいつも笑顔だったけど、揉まれている時の笑顔は一段と輝いていた。
こんな表情をされれば答えてあげたくなるものだ。
永遠亭に帰るのが少し遅れて師匠と姫様に心配されてしまった。
てゐはてゐで、男かとか、お赤飯とか言い出すし……。
明日から絶対に遅れないようにしよう。
□月(._.)日
今日も夕方に参護さんの家に向かっていると、妹紅さんに会った。
なんでも、朝夕に私が参護さんの看病を、お昼に妹紅さんが看病をすることにしたらしい。
姫様と犬猿の仲とはいえ、私やてゐには普通に接してくれるのは助かる。
そのことを了解して参護さんの家に行くと、枕元が焦げていた。
おそらく、妹紅さんの仕業なのだろうけど、その身体で無茶はいけませんよ。
ゆっくり妖怪たちも、あなたを心配しているのですから、しっかりと治してあの子たちを安心させてほしいものです。
そういえば、今日は参護さんが汗だくで包帯もびっしょり濡れていた。
どうせ、運動している所を妹紅さんに見つかったのだろう。
だから枕元を焦がされるのだ。
それにしても、やっぱりゆっくりパチュリーちゃんは万能だった。
魔法で家事をこなすなんて器用なものだ。
それだけ、参護さんがゆっくりパチュリーちゃんやゆっくりレミリアちゃんに好かれているという事なのだろう。
でも、ゆっくりレミリアちゃんは手伝いができないし、一人では大変だろう。
ゆっくりパチュリーちゃんに
「大丈夫? 家事が大変ならちゃんと誰かにお手伝い頼まなきゃダメよ?」
と、言ってみたが、小首をかしげる仕草をしていた。
多分わかってない。
□月(T_T)日
朝、参護さんの家に行くと、ゆっくり妖怪が増えていた。ゆっくり咲夜ちゃんと呼べばいいだろうか?
紅魔館の吸血鬼のメイド。彼女の姿を模したゆっくり妖怪だ。
彼女はメイドなだけあって、家事が万能だった。
あの姿でテキパキと掃除・洗濯をこなしていく姿は、私も唖然とした。
稗田さんと上白沢さんへゆっくり妖怪が増えた事を報告してほしいと、頼まれた。
なんでも、ゆっくり妖怪の生態調査を頼まれているそうで、こういうことは報告しなければならないのだそうだ。
稗田さんに報告すると、とてもうれしそうにしていた。
それが、ゆっくり妖怪が増えたことによる生態調査が進むことへなのか、参護さんが確実に元気になっていることへなのか?
波長では喜んでいることしかわからない。
夕方には、治りが遅いことに参護さんが不思議そうにしていた。
そりゃそうだ、普通の人間で全治三か月、参護さんの治りの速さを考えても全治一か月の傷なのだ。
そんな怪我で、早朝訓練しようとする人は、妹紅さんに脅されても仕方ないと思います。
□月∑(゚д゚; )ガーン日
夕方のことだった。
包帯を変えようと部屋に入ると、ゆっくりレミリアちゃんが参護さんの丁度額と目のあたりに乗っかっていた。
なんでもヒンヤリしていて気持ちいいのだそうだ。
だけど、ゆっくりレミリアちゃんは普通の動物と変わらない体温だ。
つまり、参護さんの熱が上がっているのだろう。
妹紅さんにも指摘されていたようなので、私は対処だけすることにした。
冷たい水を満たした桶と手拭いで出来るだけ熱を冷ますように、寝汗をかくだろうから水分補給と着替えは小まめにするようにとゆっくりパチュリーちゃんとゆっくり咲夜ちゃんに頼んだ。
なぜか、ゆっくり咲夜ちゃんの頭には犬耳が生えていた。
今日一日の疲れをゆっくり咲夜ちゃんで癒すと、最後に参護さんの波長を見てみた。
高熱が出ているのに、波長は落ち着いていて、しっかりとしていた。
完治が近いのだろう。
しかし、治りかけると絶対に参護さんは無茶をするから少々強引でも抑えてほしいと稗田さんと妹紅さんに頼まれたのだ。
少々強引でも無茶させないようにしないと。
□月ズサーッε=ε=ε=c⌒っ゚Д゚)っ日
朝一で参護さんの家に着くと、布団にいなかった。
まさかと思い、家の中を探していると裏庭へ出る扉の近くに立っていた。
何をしようとしているのかは、明白だ。
治りかけであるが、無茶をすればまだ危ないのだ。
弾幕を作る様に指先に弾を込めると後頭部に押し当てた。
ホールドアップというやつだ。
波紋の呼吸を繰り返すことでかなり治癒力が上がるようで、全治一か月の診断よりも少しだけ早く治りそうだ。
だけど、ゆっくりちゃん達を心配させるのはダメでしょ?
夕方にも行ってみたが、玄関先にクレーターが出来てたぐらいで参護さんはしっかりと眠っていた。
どうせ、妹紅さんに見つかって威嚇射撃でも受けたのだろう。
威嚇にしては少々威力が高く思えるが、完治したなら好きなだけ運動できますから、今は休んでほしい。
ゆっくり妖怪たちは、参護さんを一生懸命看病している。
ゆっくり咲夜ちゃんには料理まで手伝ってもらった。
そういう風に包丁を持つんだなって今考えても感心する。
あと、料理の手際が良かったのも驚きだ。
ゆっくりパチュリーちゃんとゆっくりレミリアちゃんは参護さんの看病に付きっきりで、三人とも参護さんを大切に思っているのがよくわかる。
ゆっくりパチュリーちゃんを拾ったのがきっかけと聞いたけど、その後彼女たちに優しく接していなければこんな風に親身になってくれないだろう。
……完治した後もたまに休憩に寄らせてもらおうかな?
里の入り口付近って絶対通るし、程よく人が来ないから休憩するのに最適の立地なのよね。
いかがでしたでしょうか?
鈴仙は、ゆっくり達に非常に好意的な立ち位置です。
波長が見える彼女はゆっくり達が無害であると逸早く知ることができたので、色々と興味もある模様です。