遊戯王GX 転生者が精霊達と過ごす学園生活   作:星無

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前回の続きでVS迷宮兄弟の後編+αです


第九話 龍の深淵 蹂躙される門番たち[後編] そして…

「私のターン!ドロー!このターンから攻撃が可能になる!

 

弟よ、私もお前のモンスターを使わせてもらうぞ」

 

弟は頷く

 

「私は、カイザー・シーホースを生贄に捧げる!

 

カイザー・シーホースは光属性モンスターの生贄になる時、2体分の生贄に

 

することが出来る!

 

出でよ!雷魔神-サンガ!」

 

場にいくつか雷が落ち顔に雷と文字が書かれた魔神が現れる

 

雷魔神-サンガ 攻2600/守2200 攻撃

 

「更に私は、二重召喚を発動!もう一度、通常召喚を行う!

 

私は再び地雷蜘蛛を召喚!」

 

地雷蜘蛛 攻2200/守 100 攻撃

 

「そして、生け贄人形を、地雷蜘蛛を生贄に発動、

 

出でよ!水魔神-スーガ!」

 

今度は、水流と共に額に水と書かれた魔神が現れる

 

水魔神-スーガ 攻2500/守2400 攻撃

 

『「この瞬間、ローズの効果が発動じゃ、相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが

 

特殊召喚された時、強制発動じゃ、相手の場の特殊召喚されたモンスターを

 

手札に戻す、ただし…この効果は1ターンに1度しか発動できんがの…

 

戻るがよい!水魔神-スーガ!せっかく魔法カードを使ってまで

 

召喚したのに残念じゃったの…」』

 

『わたしのまえにとくしゅしょうかんはむだですよ!ね、まま!』

 

私の腰あたりに抱き着いて顔をすりすりしながらローズがそう言う

ええ、そうね…ローズの前に1度目の特殊召喚は無意味…

 

「ぐぅっ…!おのれぇ…!ならば…その邪魔な龍!片付けてくれる!

 

雷魔神-サンガで月華竜 ブラック・ローズを攻撃!雷衝弾!」

 

サンガから雷が放たれ、次々に降り注ぎながらローズに迫る

 

『ひっ…まま…カミナリこわい!』

 

『「妾の家族に手は出させぬ…罠発動…くず鉄のかかし…相手モンスター

 

1体の攻撃を無効にする…」』

 

くず鉄で出来たかかしに雷が当たり止まる

 

『「そして、くず鉄のかかしは発動後、再度セットされるのじゃ、

 

またまた残念だったの…

 

そして…妾の場にカードがセットされたということは…?

 

どうなるんじゃったかの~?」』

 

「…また龍が召喚されるのか!?」

 

『「その通りじゃ…さあ…出番じゃぞ!

 

太古の森よりフィールドを制圧する精霊よ、

 

かりそめの姿にその身をやつし降臨せよ!妖精竜 エンシェント!」』

 

私の場に妖精の羽が生えた体の長い竜が現れる

 

妖精竜 エンシェント 攻2100/守3000 守備

 

そして、例の如くその下に少女が現れる

背中に妖精の羽を生やし、ウェーブのかかった髪を右側にサイドテールにして、

その体に合うほど小さなブライダルドレスを着た少女だった

 

『わがあるじ!よびだしてくださったのですね!わたくしは

 

エンシェント、エンシェとおよびください!…あれ?おかあさま…?』

 

ローズと同じね、ええ、今は一体化しているから貴女のおかあさまよ…

 

『おかあさま!』

 

ローズの隣からエンシェは抱き着いて来た、

 

『「さぁ、ターンはどうするのじゃ?」』

 

「私はカードを1枚伏せて…ターンエンド…後は任せた…弟よ…」

 

…あの伏せカードでは私達の障害にならない…!

あら?…何故、私はあのカードが障害ではないと思ったの…?

 

『気付いたようじゃの、主よ、これが妾と一体化している際の能力

 

龍の超直感(ドラゴン・センス)相手が出した正体不明のカードを直感で

 

障害になるかならないかが分かる、危険察知能力の究極系だと思ってくれればよい

 

じゃが、分かるのは障害になるかどうかのみじゃ、カード効果まではわからん』

 

成程…注意力があがると思えば便利かもね…

 

迷宮兄弟・兄(迷)LP8000 手札1枚

 

「任せろ兄者!私のターン!ドロー!

 

私は手札から天使の施しを発動!カードを3枚ドローし手札を2枚墓地へ送る!

 

そして私は、エクスチェンジを兄者に発動!

 

私と兄者の手札を1枚交換する!兄者…」

 

「ああ…お前に託したぞ…」

 

「私は死者蘇生を発動!先ほど天使の施しで墓地に送った風魔神-ヒューガを

 

特殊召喚!」

 

『「…お主…さっきの妾の話を聞いてなかったのか…?

 

ローズの効果が発動し、ヒューガは再び手札に戻る…」』

 

「しまった!」

 

『「…迷宮兄弟の兄の方よ…お主も苦労しておるのじゃな…」』

 

「…」

 

「ぐっ…攻撃してはまた龍が呼び出される…!私はこれでターンエンドだ!」

 

迷宮兄弟・弟(宮)LP8000 手札1枚

 

『「妾のターン!ドロー!

 

ふむ…このターンで決めてくれよう…ファイナルターン!」』

 

「このターンで決めるだと!」

 

「我等の無傷のライフ8000をこのターンで削りきると言うのか!」

 

『「ああ、その通りじゃ…妾はカードを一枚伏せる、そして再び

 

妾の娘を呼び出す!鋼の逆鱗に触れたいヤツはご自由に…

 

機械竜 パワー・ツール!」』

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300/守2500 攻撃

 

私の場に体が機械の竜が現れる

そして少女も…少女は裸に作業用つなぎを着ており

眼鏡をかけてエンシェと鏡合わせのような

逆のサイドテールの髪型をしている

 

『ふむ…わたくしのけいさんでは、あるじによびだされたようだ

 

もしやあなたがあるじですか?わたくしのははとおなじかんじがするのですが』

 

ええ、私が貴女達の主、そして母の感覚がするのは

私が今マヤと一体化してるからよ

 

『ふむ…なるほどははといったいかとは、きょうみぶかい』

 

といいつつ私の腰からよじよじと登ってきて頭の所まで登り頭にしがみ付いてきた

 

『もうしおくれた、わたくしのなまえはパワー・ツール、ツールとよんでくれ』

 

ええ、よろしく、ツールちゃん、でも何で頭にしがみ付くの?

 

『くせだ、きにしないでくれ』

 

…哲学的に見せかけてマイペースな子ね…髪型似てるけどエンシェちゃんとは

どういう関係なの?

 

『ふたごというやつだな…』

 

見た目はそっくりだけど、哲学的マイペースとお嬢様気質の甘えんぼか…

随分違いがあるのね…

 

『あっ!ツールずるい!おかあさまのあたまにしがみつくなんて!』

 

『エンシェはこしにしがみついてるからいいだろう?

 

わたくしまでこしにしがみついたらははがうごけなくなるではないか』

 

2人共…今はデュエル中よ…あの頭に文字が書いてある2人が相手…戦える?

 

『『はい!』』

 

素直でよろしい

 

『「妾は今セットしたカードを発動する

 

装備魔法、団結の力、パワー・ツールに装備する

 

団結の力は場の表側表示のモンスター1体につき装備したモンスターの攻撃力を

 

800ポイントアップする効果を持っておる

 

妾の場にはモンスターが5体、よって攻撃力は4000ポイントアップする!」』

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300/守2500→攻6300/守2500

 

「攻撃力6300だと!?」

 

「だが我々には攻撃したモンスター1体の攻撃力を一度だけ0にするサンガが居る!

 

セットしたカードを含めればまだ耐えられる!」

 

『「パワー・ツールの効果…このカードに装備カードが装備された時

 

カードを1枚ドロー出来るのじゃ、装備特典(イクイップ・ボーナス)」』

 

『…きょうみぶかい』

 

ツールはどこから持ってきたのか人の頭にしがみ付きながら本を読み始めた

器用だね…

 

『「更に、妾はフィールド魔法、神縛りの塚を発動」』

 

私の場に、鎖付きの柱が数本立つ

 

『「フィールド魔法が発動したことによりエンシェントの効果発動

 

デッキからカードを1枚ドローする、

 

そして、フィールド魔法が場にある場合もう1つの効果を発動出来るのじゃ

 

フィールドに表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊出来る、

 

対象はサンガじゃ!森葬の霊場(スピリット・ベリアル)!」』

 

エンシェの長い尻尾が叩きつけられサンガが破壊される、

 

『ふんっ…このていどですの?つまらないですわ…』

 

『「これで最後じゃ、妾は手札からナイト・ショットを発動!伏せカードを破壊じゃ!」』

 

「かかったな!選択されたカウンタートラップを発動!」

 

『「ナイト・ショットに選ばれたカードは発動することは出来ない…

 

これで本当に終わりじゃ…」』

 

「何!?アヌビスの裁きが!」

 

『「妾は…5体のモンスターを攻撃表示に変更…さあ…覚悟するがよい…

 

No.95ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴンの攻撃

 

壊滅のフォトンストリーム!月華竜 ブラック・ローズ!

 

散華の鎮魂歌(ローズ・レクイエム)!

 

妖精竜 エンシェント!妖精靭尾(フェアリー・テイル・ウィップ)!

 

機械竜 パワー・ツール!重装解体(フルメタル・デモリション)!」』

 

私の場のマヤ以外のモンスター全てが総攻撃を加える

 

「「ぐわあああああああああああああああああ!!!!!」」

 

迷宮兄弟 LP8000→4000→1600→-500→-6800

 

私の体からマヤが抜ける

 

「あわわわわ…シニョリーナ中務の勝ちナノーネ!伝説のデュエリストが2回も負けるなンーテ…」

 

「ふうっ…」

 

『主…少しやり過ぎましたかの…』

 

…そうね…オーバーキル過ぎたかもしれないわ…生徒に荷が重いとか

言うからダークマタードラゴン持ってきたのだけれど…

墓地に居るブラスターも、除外したレダメも

完全に出番無かったわね…

ていうかマヤ…私、貴女の口調であんなに色々喋ったじゃない…

 

『そうじゃの…それがどうかしたかの?』

 

…今更すごい恥ずかしくなってきたわ…私…倒れそう…

 

『主のその癖はなおらんのじゃな…』

 

ま、これで退学は無しね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

オシリスレッド寮

 

「お夜食のおにぎりもってきたよ~」

 

「おおっ!聖ありがとな!飯だ飯だー!」

 

「アニキ~…アニキレポート30枚終わってないじゃないスか~…

 

終わらなくなっちゃうスよ~?」

 

「そんなことより今は飯だぜ飯~!夕食抜いてまでレポート書いてたから

 

腹減ってんだよ~!」

 

「もう…アニキったら~!」

 

2人は立ち入り禁止寮のぺナルティの制裁デュエルにおける

デュエル戦術レポート30枚を書いている

特に十代はあと10枚も残っている

日付が変わるまで終わるだろうか…丸藤君はあと3枚くらいだから

もうすぐ終わるだろう

 

「でもアネゴすごいっすよね~アネゴもレポート提出しろって

 

言われたのに学校に居るうちに終わらせてきて夕食準備までして

 

僕らのお夜食まで作ってくれるなんて…」

 

そう、私はもうぺナルティを終わらせている

あの時、マヤの効果のみで決めたが、他に何を出来たかと

もしゲートガーディアンとダークガーディアンを出された時に

どういう対処をしたかを書いたらすぐに30枚埋まったので

提出したらOKを貰えたのだ

 

「お!このおにぎりシャケ入ってるじゃん!好物なんだよこれ!」

 

「あ、あはは…それは良かった…」

 

「アニキ~本当に終わらなくなるから続きやりましょうよ~

 

日付変わるまで後2時間ないんスよ~?」

 

「じゃ、じゃあ私、部屋に戻るね…」

 

「あっ!アネゴちょっと待ってほしいッス!」

 

「ん?何?」

 

「そ…そのっスね…僕達のデュエルが終わった時に僕に言ってくれた

 

言葉は一体どういう意味で…?」

 

「?……普通にかっこいいと思ったからそう言ったんだけど?」

 

「そ、そうっすか…」

 

「じゃ、頑張ってね」

 

バタンッ

 

 

『主よ…やっぱり罪な女じゃの…』

 

マヤ…?なんでにやにやしてるの?

 

『なんでもないのじゃ~♪』

 

何のことか分からないまま部屋に戻る

 

『マスタァァァァァ!!勝利!おめでとうございます!

 

良かった、良かったです!うええええええええん!!!』

 

ちょっとネフィ!部屋に戻るなりいきなり抱き付いて泣かないでよ…

心配…かけたわね…

 

『別に…幽鬼は心配なんかしてなかったよ…お姉ちゃんなら…

 

絶対勝つって思ってたし…』

 

幽鬼…いいわよ…来なさい…

 

『…うええええええん!!!お姉ちゃん!!!退学にならなくてよかったよおおおお!』

 

よしよし、2人共…心配かけてごめんね…

あーあー…2人共涙と鼻水で顔ぐちゃぐちゃじゃない…

マヤ…今回はありがとうね、私と一緒に戦ってくれて…

 

『妾はサポートしただけじゃ、勝利したのは主の力じゃよ』

 

…………

 

……

 

2人を落ち着かせて寝かしつけた後、

私はナンバーズファイルを開いていた…

うーん…やっぱりダークマターはやり過ぎだったわね…

聖刻デッキからは抜いてファイルに戻しておきましょう…

…うーん…ナンバーズは少し…控えた方がいいのかしら…

創造神は問題ないとか書いてたけど…一部強力過ぎるものね…

ふわぁ…眠い…今日は制裁デュエルがあって疲れてたからね…

…あ…だめだ…寝る…

私はナンバーズファイルを開けたまま眠ってしまった…

よりにもよってナンバーズ95を入れたページを開けたまま…

その隣のポケットのカードに異常が起きていたとも知らず…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン…

 

「朝チュン…なんてね…ん~寝落ちしちゃってたか…疲れてたからなぁ…

 

仕込みしてた朝ご飯…作らないと…」

 

『やっと起きたか…俺を目の前に眠りこけるとはいい度胸だな!?』

 

なんか聞いたことない声がする…誰?

誰も居ないけど…

 

『俺はここだ!』

 

ナンバーズファイル?確か昨日…ダークマター閉まったところで

寝落ちしたはずだけど…

 

『ッヒャハハハハ!お前のお蔭で俺は復活出来た!礼ついでに

 

てめぇの体を貰うぜ!?』

 

…ダークマターの隣のブラックミストから黒い霧が…

ブラックミストだけに…いやいやいや言ってる場合じゃない…

何よこれ…

黒い霧は形を成していき人型になっていく…あのシルエットは…

「ミストラル!…ミストラルね!」

 

『誰がミストラルだ!アストラルと一緒にするんじゃねえ!』

 

そこには、期待していた黒いアストラルの姿は無く

…黒いスク水を着た、首筋にナンバーズ文字で96の文字が入っている

私や幽鬼より小さい紫髪の幼女が居た…

は?…誰これ…?

 

『ククッ…どうした?恐ろしくて声も出ねえか!?』

 

…いや…違う意味で声もでないんだけど…

 

『んー…マスター?どうしたのですか…?こんなに朝早く…

 

誰ですか…その幼女…マスターまさか…喰べてしまわれたのですか!?

 

そんな幼女を!?私ですらマスターに抱いてもらったことないというのに!』

 

ネフィ…寝起きで頭ボーっとしてるのはわかったから落ち着きなさい

 

『あん?幼女?ああそこの小さいお前のことか』

 

目の前の幼女は私に指をさしてそういう…

まさかこの娘…自分の姿分かってない…?なら…

私は小型デュエルディスクパッドをセットし

レアカードを入れているバインダーから罠カード精霊の鏡を取り出した

 

『はっ!デュエルディスクなんぞ取り出して何のつもりだ?

 

まさか俺を倒して封印でもするつもりか!?お前みたいな小娘が!』

 

「罠カード発動、精霊の鏡、どっちが小娘か、その鏡でよく見るといいわ」

 

『鏡だァ?…おい、誰だこいつ、鏡に俺様の姿が映ってねえぞ』

 

「…それ貴女だけど…」

 

『…』

 

「…」

 

『…え?』

 

「…」

 

私は頷く

 

『なんじゃこりゃああああああああああああああああああ!!!!!』

 

『なんじゃなんじゃ朝っぱらからうるさい…誰じゃ?その幼女』

 

『お姉ちゃん…朝は静かにしてよ…誰?その娘』

 

ブラックミストの叫び声で幽鬼とマヤが起きてくる

 

『俺は幼女じゃねえ!なんだこの姿は!このブラックミスト様がなんでこんな姿に!?』

 

「あ、やっぱNo.96ブラック・ミストなんだ」

 

『アストラルが全てのナンバーズを集め、ヌメロンコードを完成させて

 

要らなくなった俺が世界から弾き出されて、時空を彷徨ってて

 

気づいたらてめえのナンバーズが入ってるファイルに居たんだよ!

 

そんで、てめぇとそのファイルに揃ってるナンバーズ俺が全ていただいてやろうと

 

思って外に出たらこのザマだ!俺に何が起こったんだよ!』

 

「知らないわよ…ていうか朝から大声で五月蠅い…」

 

『オイ?マスターをいただいてやろうとしただと?もう一回行ってみろや

 

このスク水幼女が』

 

ネフィ、喧嘩腰はやめなさい

 

「とりあえず落ち着きなさいよ…貴女…遊馬達と戦ったブラックミストなのね?」

 

『ああ…』

 

「で、ヌメロンコードが完成して要らなくなった貴女は弾かれてこの世界に来たと」

 

『そのはずだ…』

 

「貴女…ナンバーズとしての欲望の増幅や心の支配は?」

 

『…出来なくなってる…なあ…俺…どうしたらいいんだ?こんな情けねえ姿に

 

なっちまってよ…ぐすっ…こんなんじゃブラックミストの名に傷…えぐっ』

 

「あー、泣かない泣かない…貴女…精神までそんな歳相応になってるの?」

 

『うるせぇ!ううっ…』

 

…俺口調で偉ぶってるけど大分ダメな子ね…これが

遊馬やアストラルを追い詰めた自称神なのかしら…

 

『のう主』

 

ん?どうしたの?マヤ

 

『先ほどから主のカードボックスのデッキの1つが光っておるのじゃが…』

 

早く言ってよ!

 

『言おうとは思ったのじゃがそのスク水幼女が泣き出すから

 

言うタイミング失ってしまっての』

 

まったく…光ってる…ってこのデッキは…

ゴーストリックね…ブラックミストに反応してるの?

と、デッキを取り出し床にへたり込んで泣いているブラックミストに近づくと

ぽぽぽんと音を立てて

ゴーストリックのモンスター達が精霊になって現れた…

ちっちゃ!?

ゴーストリックの精霊達は大分小さかった、十代の横に居るハネクリボーよりもちっちゃい

 

「もしかして…これが精霊の正しい大きさなのかしら…」

 

と幽鬼、ネフィ、マヤを見ると3人が3人ともわざとらしく目をそらした

 

『わ、妾達は特別じゃし…のう…ネフィ…』

 

『ええ、そうね…幽鬼もそうよね?』

 

『私は、お姉ちゃんと同じくらいの大きさがいいからこの大きさなの~』

 

…まあいいわ…

ゴーストリックの精霊達が泣いてるブラックミストに何か言ってるわね…

 

『姫様ー泣かないでー』『姫様ー頑張ってー』『ヒメサマガンバテ』

 

ゴーストリック、雪女に魔女にシュタイン…

 

『姫様には私達が付いてるよー』『付いてるよーべろべろ』

『姫・様・に・は・私・達・居・る』

 

ランタン、スペクター、キョンシー

…もしかして姫様って…ブラックミストの事?

 

『なんだよ…お前達…姫様って俺のことか?』

 

『そうだよー』『そうだよー!』『ブラックミスト様は我々の姫様さー』

 

他にもさまざまなゴーストリック達がブラックミストを慰めている…

あれ?ゴーストリック達とブラックミストって何か接点…

あ…そうか…ブラックミストのカオス体…ブラックストームが出たパックで

初登場だったわね…ゴーストリック…

それに…呼び出せると言えば呼び出せるもんね…ブラックミスト…

 

「…ちょっと失礼…」

 

とデッキのカードを確認していくと…

 

「やっぱり在った…RUM-バリアンズ・フォース…」

 

ゴーストリック達が一斉にこっちを向く、結構ビックリする

ゴーストリックにとってはいいことなんだろうけど

 

『女王様ー』

 

「女王様?…私?」

 

『うん!姫様より偉いから女王様ー!』

 

女王様はやめてほしいけど…この子達がそう呼びたいなら…仕方ないか…

 

「で?何?」

 

『そのバリアンズフォースと姫様をデュエルディスクにセットしてみて欲しいのー』

 

「…それはいいんだけど…マッチョ化しない?」

 

『しないしない!』

 

「…じゃあ…」

 

『いいのですか?マスター?そんな風に簡単に決めて』

 

「大丈夫…多分…RUM-バリアンズ・フォース発動!

 

ブラックミストをランクアップ!」

 

ブラックミストの体が光り、額、というか頭にバリアンの紋様を象った

ティアラが現れる

服もスク水から可憐な漆黒のドレスに…

 

『こ、これは…これが本当に俺なのか…?』

 

『姫様ー綺麗ー』『さすが我等の姫様だー』

 

…ブラックミスト…なんか女の自覚、目覚めてきたみたいね…

ドレス姿の自分、鏡で見て乙女の顔してるし…

 

『マスター…』

 

「何?ネフィ」

 

『…精霊増えてくるとマスター独り占め出来る時間減ってくやしいです…』

 

「……そう…」

 

こうして私に付く精霊がまた1人増えた




後書き
関係するデュエルをしたわけでも無いのにまた精霊が1人増えました
ブラックミストのミストラルちゃんです、俺っ娘です
遊馬やアストラルと自称神として戦った記憶ありですが
何故かスク水幼女になりました、ブラックミストのイラスト見てたら
あの牙の部分擬人化した時に八重歯とかだったら萌えるのになーとかいう
作者の危ない妄想でこんなことになりました
今更ですが、作者は大分考えが危ない人です、こんなヘボ小説を読んで下さる
皆々様には感謝してもしたりないくらいです。今回も読んでいただきありがとうございました





おまけ
今回初登場したマヤちゃんの娘達


機械竜 パワー・ツール 愛称 ツール
裸に作業用つなぎを着た、黄色のウェーブのかかった
髪でエンシェントと対になる
左サイドテールの眼鏡っ娘
一人称はエンシェントと同じくわたくし
哲学的に話そうと頑張るがかなりの甘えんぼ
効果を使ってカードをドローすると目の前に本が
現れるのでそれを読みだす

妖精竜 エンシェント 愛称 エンシェ
背中に妖精の羽を生やし、緑色のブライダルドレスを着た少女
エメラルドグリーンのパワー・ツールと対になる
ウェーブのかかった髪を右サイドテールにしている
一人称はパワー・ツールと同じくわたくし
ですわ口調のお嬢様気質だがこちらもかなりの甘えんぼ
効果を使ってあっさり破壊されるモンスターが相手だと
軽くすねる





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