遊戯王GX 転生者が精霊達と過ごす学園生活   作:星無

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※前回の話から少し時間が過ぎているのと タッグフォースのある娘が出ています


第三章
第三十八話 新入生


私と十代君が大徳寺先生…いや、アムナエルの地下実験場でデュエルをして、

私達が精霊達と共に過ごした1年が過ぎていき、少し時間は流れ、

今は10月…結局あの後、幻魔は復活しなかった…いや、復活しなかったと言うより

復活出来なかったと言うのが正しいのだが…

リオンが十代に鍵を投げた際、リオンは精霊の技術で精巧に作られた偽物と摩り替えていた

そうなのだ…、しかもその直後、私を精霊達のビーチに運ぶ間にシェキナが

封印が施された場所を念入りに影糸で雁字搦めにして柱同士を抜けないように

してしまったそうだ…

正直、校長先生や創設者の海馬社長には申し訳ないとは思うけど、これで良かったのかも…

で、本物の鍵は精霊界のヴァンプ・オブ・ヴァンパイア…ヴァンプの住む城の宝物庫の

最深部の暗黒のミミックLV3の中に厳重封印…もう流石にあの紙束共も私のときみたいに

思念を飛ばして精霊に親和性のある魂に噛み付いたり出来ない…と思う…

影糸の上からなんか幽鬼が重ねがけで封印まで施したらしいし…

 

と、まあ…いつまでたっても幻魔が復活しないため痺れを切らし

ヘリで学校の理事長だと言う人がやって来た…

なんか培養液に浸されたよぼよぼの影丸っておじいちゃんだった…

ていうか…理事長って海馬社長じゃなかったんだなぁ…とか思いつつ

精霊達の責めで心ここにあらずの状態だった私はボケーッと聞いていたが、

まあ最後は十代が話し合い(デュエル)で決着を付けてお帰りいただいた

やっぱデュエル万能説はすごいね、うん

影丸おじいちゃんのデッキは幻魔が入ることを前提に組まれていたらしく

特にヤマもオチも無くあっさりと決着が付いた…

影丸おじいちゃん曰く

 

「オマエたちの様な若者を見ていたら、どうしてももう1度青春を取り戻したくなったのだ」

 

…だそうだ、まあ年を取ってない私達には分からない事だけれども…

そんなことに、使おうとしてたのか…と鍵をあずけられた皆、校長含め脱力した…

その後、お年寄りの良くないハッスルが祟ったのか、影丸おじいちゃんは腰をやらかし

あえなく病院送りとなった…

 

その後…色々な事があった…前田君はインダストリアルイリュージョン社、通称I2社の開いた

イラストデザインコンクールで優秀な成績を収めたため、留年とクロノス先生を

乗り越え…いや、クロノス先生を乗り越えることは出来なかったけど

クロノス先生はしっかりと前田君を認めて送り出し、前田君は夢を追いかけて

学園を出た…

 

そして、卒業式の日にはカイザーが十代を指名し、卒業デュエルを行い大変盛り上がった…

本当は最初は私に対してカイザーからの指名があったのだが…大勢の生徒が

見ている中で戦うこともないだろう…ということで夜中に

こっそりと…初めてデュエルした場所でデュエルをした…

結果は…私の勝ちだったが、やはり強いな、と満足気な顔をしてカイザーは

学園を卒業していった…

 

進級試験に追われ、夜中まで勉強している十代や丸藤君のために

トメさんと一緒に夜食を作ったりもした…

ちなみに私は特に問題無かった。

 

鮫島校長先生は幻魔の件を含め様々な用事がある為に外部に出た

代わりにクロノス先生が臨時として校長の座に着いたけど…ま、大丈夫じゃないかな

 

 

で、今日は新入生が入ってくる…レッド寮も人が増えるから食事の用意大変になるだろうけど…

トメさんが仕事の合間に手伝ってくれるらしいので心配は要らないと思う…

 

 

レッド寮

食堂

 

「は~い、レッド寮に来た皆~入学おめでとー、私、2年の中務聖このレッド寮の食事当番と

寮母的な事やってここに住んでます、何か分からない事があったら聞いてね」

 

「はい」

 

「はいそこの君」

 

「中務先輩はどうしてオベリスクブルーなのにオシリスレッドに居るんですかー?」

 

「…広い部屋嫌い…」

 

「へ?」

 

「はーい他に質問ある人ー」

 

「はい黄昏の姫って有名な先輩が最初は女子なのにオシリスレッドに入れられたって

聞いたんですけどどうしてですかー?」

 

「………飛び級だと思われてオシリスにされた…」

 

「えっ…」

 

「「「…」」」

 

どうしてくれようこの空気…

 

『完全に凍り付いてるね…』

 

ねえ幽鬼…やっぱり私先輩に向いてないのかな…

 

『ん~…やっぱ先輩っていうよりお母さんだからじゃない?ってことは私がお婿さん!?

きゃ~!』

 

頬に手を当ててやんやんしてる幽鬼は置いておいて…

 

「とりあえず私、部屋に居るから…何か質問ある人は来てね…」

 

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

レッド寮

聖の部屋

 

 

 

「はあ…ただいま」

 

『『『おかえり』なのじゃ』なさいマイマスター』

 

『どうでした?後輩達は、先輩として上手くやっていけそうですか?』

 

「…自信ない…」

 

『自信が無い!?あのジャリ共…我がマスターが自信を持てなくなるような調子の乗り方を!?

こうなったら夜中に全員縛り上げて…』

 

やめなさい…

 

コンコン

 

ん、早速質問がある生徒が来たのかしら…

 

「はーい」

 

ドアを開けるとそこには私より身長の高くナイスバディの緑色の髪をしたオベリスクブルーの

生徒が立っていた、見たこと無い顔だし新入生だろう…

 

「あ、あの、2年の中務…先輩ですよね」

 

「はい、そうですけど…ここレッド寮よ?普通ブルーの生徒は近づきたがらないけど…

どうしたの?」

 

「私今年入った大庭ナオミです!…その…」

 

…なんだこの娘…なんで顔赤らめてもじもじしてんだろ…なんか、

こんな感じの事が前にもあったような気がしてならない…

 

「中務先輩!私と付き合ってください!」

 

…バタンッ

 

「へ?あれ?先輩!先輩!?」

 

私は速攻でドアを閉じて部屋の中に戻りこめかみに青筋を立てながら

ドアの外にいる女の子に飛び掛ろうとしている精霊4人を止めた

 

「ストップストップ!皆落ち着いて!4人で飛び掛ったりしたら絶対殺めちゃうって!

一旦落ち着こう、ハイ深呼吸ー!すってーはいてー!」

 

『…マスター…また外で女作ってきましたね…私!もうマスターの女癖の悪さにはウンザリです!』

 

シェキナはよよよと泣き真似をしながら床に崩れこむ

あのさ…女癖悪いとか言わないでくれる…私も女なんだけど。

 

『大丈夫、お姉ちゃんに新しい女が出来たとしてもその娘にも序列をしっかり教えてあげれば

いいんだよね♪』

 

幽鬼、怖い怖い、イラストと同じヤンデレ目になるのやめて

二人が恐ろしい形相になっているのに対してリオンとマヤは飛びかかろうとしていた体制をやめて

きょとんと見ていた

あれ?二人は怒らないの?

 

『『いや別に』』

 

『主の女癖の悪さは重々承知の上じゃしの』

 

『うんうん』

 

…ある意味この2人が一番ひでぇ…私のことそういう目で見てるって事じゃないの…

とにかく!私あの娘と初対面だから!あと女作るとか本当人聞き悪いからやめて…

私がそういう人間みたいじゃないの…

話つけて来るから…皆ここでおとなしく待ってて…

 

『いいえ、マスターだけでは心配です、ほったらかしにしてあの娘とちゅっちゅっ始められたら

たまったもんじゃないんで幽鬼つけます』

 

は!?このヤンデレモードの幽鬼を後ろに付けて外出ろって!?

無理無理無理無理無理無理

ていうかちゅっちゅっとか始めないから!

 

『いいから、行くよお・ね・え・ちゃ・ん』

 

あ、はい…

 

幽鬼の気迫に押されて私はあっさりと外に出てしまった

 

「あ、先輩、大丈夫ですか?すごい汗ですけど…」

 

「だ、大丈夫、ところで…さっきの事だけど…」

 

「は、はい、私世間一般体で言うところのレズでして…」

 

…何の臆面も無くきっぱりと言っちゃったよこの娘ーッ!!!!

 

「それで…その…デュエルアカデミアに中務先輩が居るって聞いて…追ってきました…

覚えてませんか…?中学生の頃…貴女を慕って後ろから見てた大庭です…」

 

今度はストーカー自白!?なんなんこの娘…なんなんこの娘

 

「す、すいません…いきなりこんなこと言って…でも…先輩の事、本当に好きなんです!」

 

…混乱した頭を整理してこの娘に言われたことを冷静に考える…

えーと中学生の頃…記憶にないなぁ…私の魂が創造神にこの身体に入れられたのは

ずっと前、生まれた時だけど…なんか魂が磨耗してるから

じっくり時間をかけて記憶共々修復したらしくて。気が付いたら

この身体だったわけだし…もしかして記憶と自覚が無い状態の私…

この娘にストーカーにあってたのかな…

 

「えっと…わ、私そういう趣味は…」

 

『うっそだー♪お姉ちゃん私に責められたと』

 

やめて!思い出させないで! 

 

「と、とにかく…私、ごめん…貴女の気持ちには答えられない…と思…う」

 

「じゃあ私とデュエルしてください!」

 

はい?

 

「この学園ではデュエルで勝てば相手になんでも言うことをきかせられるって…」

 

「いやいやいや…」

 

流石にそれは…

 

『いいじゃんお姉ちゃん受けて上げなよ』

 

えっ




後書き
聖ちゃんの明日はどっちだ

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