「幽鬼とデュエルをするのはこれが始めてじゃの…容赦はせぬぞ!」
と幽鬼にマヤが指を差しながら言うと
幽鬼の口元が不気味なほど…三日月型に見える程に笑い、歪んだ
「容赦?何言ってるのマヤ…私自身の力がお姉ちゃんのデッキで活かされることはないけど…
お姉ちゃんに一番近く、長い時を過ごしてる私は…多分、貴女達の中で一番強いよ…?
全力でかかって来ないと本当に何もさせてあげないよ…」
幽鬼から黒いオーラみたいなものが見える…ちょっと待って…
どんだけ私の独占に必死なの…完全に切れてんじゃない…
「ルールはお姉ちゃんが居た世界のルールね…ライフは8000先攻ドローはなし…」
「そ、そんな凄んでも幽鬼じゃ迫力出ておらんもん!…怖いとかは思ってないぞ!?
さあデュエルじゃ!」
…マヤ…思いっきりびびってるわね…
「「デュエル!」」
「先攻後攻はこれで決めるね…」
幽鬼はコインを取り出し、上に弾いて手の甲でキャッチした
「裏じゃ」
「表………表ね…先攻は私…」
幽鬼 1ターン目
「いきなり運がないね…マヤ…私は魔法カード、クリティウスの牙を発動!」
「…なんじゃそのカード…主が使ったことあったかの?」
「…無い…結構強力だから使用控えてたんだけど…幽鬼…使えたのね…」
「このカードは伝説の龍の力を宿したカード…その効果は言うなれば…カード一枚との融合…
クリティウスの牙は罠との融合…手札の罠カード、死のデッキ破壊ウィルスを墓地に送って
クリティウスの牙の効果でしか召喚出来ない融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚
出でよ!デス・ウィルス・ドラゴン!」
デス・ウイルス・ドラゴン 攻1900/守1500 攻撃
クリティウスの牙のイラストに描かれたドラゴンが現れ
死のデッキ破壊ウィルスと混ざり合って紫色のドラゴンに変わる…
そしてそのドラゴンの咆哮が響き渡ると同時にマヤの手札のカードの一部が灰色に変わる…
「な、なんじゃこれは…」
「デス・ウィルス・ドラゴンの効果はお姉ちゃんたちの世界では効果が代わった
死のデッキ破壊ウィルスの元の効果そのもの…意味は…説明しなくても分かるよね?
さあ、マヤ、手札見ーせて♪」
悪魔だ…あそこに悪魔が居る…どんだけ必死なのよ…
「ぐぬぬぬぬ…せっかく妾自身を召喚する手立てが揃っておったのに~…」
マヤは手札を表にして幽鬼に見せる…
「えーと…聖刻龍-トフェニドラゴン…攻撃力1500以上だから墓地ね、
くず鉄のかかしは罠だから残る、聖刻龍-シユウドラゴン、墓地、
聖刻龍-ネフテドラゴン…墓地、レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン…墓地
あれあれ~?どうしたの~マヤ?手札残り1枚しかないよ♪」
鬼だ…鬼がおる…あ、鬼だった…
「ふっぐ…ぐっす…ひえっぐ…」
あ…マヤが泣き始めた…これもう無理でしょ…
「私は手札からレスキューラビットを召喚」
レスキューラビット 攻 300/守 100 攻撃
…まだやるか…私の精霊ながらえげつない…
幽鬼は私に化けるくらいだし私に似てるのかもしれないけど…
はたから見た私ってあんな感じなのかな…気をつけないと…
「効果発動、除外してデッキからレベル4以下、通常モンスターの同名モンスター2体を特殊召喚
来て!バニーラ2体!」
バニーラ 攻 150/守2050 守備 ×2
うさぎらしいデッキね…いきなりクリティウスの牙ぶっ放したときは何かと思ったけど…
「私はレベル1のバニーラ2体でオーバーレイ!頼むわよ!私のお友達!
シャイニート・マジシャン!」
シャイニート・マジシャン 攻 200/守2100 守備
青い長い髪をした小さい女の子が出てくる
「うう…まぶしい…幽鬼っち…酷い…こんな日差しが強いところにボクを呼び出すなんて…
ねむい…かえりたい…」
手に持ってる枕に顔を擦り付けながらやる気なさそうにそう言う…
「いいじゃん、シャニっちもたまには外でなよ…」
「むうううう…」
「ターンエンド、さあマヤ、何か出来るならやってみなさい…」
幽鬼 LP8000 手札2枚
「ひっぐ…何もここまでせんでも…わ、妾のターン…ドロー!」
マヤ 1ターン目
「あ、ウィルス・ドラゴンの効果で今ドローしたカード見せてね♪」
「…邪神官チラム・サバク」
「攻撃力2500…墓地ね…♪」
「…妾はカードを1枚伏せてターンエンドじゃ…」
マヤ LP8000 手札0枚
幽鬼 2ターン目
「その伏せはくず鉄だよねさっき見たし、私は手札から魔法カードを発動
クリティウスの牙…」
「2枚目じゃと!?」
「私がクリティウスと合体させるのは手札のタイラント・ウィング
さあ現れなさい!タイラント・バースト・ドラゴン!」
タイラント・バースト・ドラゴン 攻2900/守2500 攻撃
「タイラント・バースト・ドラゴンは自分のモンスター1体に攻撃力400アップの装備カード
として装備出来るの…デス・ウィルス・ドラゴンに装備!」
デス・ウイルス・ドラゴン 攻1900/守1500→攻2300/守1500
「そしてこの効果でタイラント・バースト・ドラゴンを装備したモンスターは3回の攻撃が
出来るようになる…デス・ウィルス・ドラゴンでマヤにダイレクトアタック!」
「くっ…くず鉄のかかしじゃ!一回目の攻撃はこれで無効…」
「でも…あと2回残ってるよ…二回目の攻撃!」
「あんっ…」
マヤ LP8000→5700
「更に追撃!」
「いやあん!」
マヤ LP5700→3400
マヤ…ダメージを受ける度に涙目になりながら後ろに仰け反ってるけど…
その度に…その…なんだ…揺れて揺れて…
女の私にもこれはいくらなんでも目に毒だと思う…
「ぐっ…じゃが…まだ妾のライフは残っておる…次のドローにかけるのじゃ…!」
「…バトル終了…私はモンスターを1体裏側守備でセットしてターンエンド…」
幽鬼 LP8000 手札0枚
「妾のターン…ドロー!」
マヤ 2ターン目
「…効果処理…そのカード見せて…」
「妾が引いたのは…ラーの翼神竜(よくしんりゅう)-球体形(スフィア・モード)じゃ!
攻撃力は、?(不明)表記じゃ!よってウィルスの影響は受けん!」
「!」
ちょ…マヤ自身神だからって…それデッキに入れる!?
「聖刻と以外に相性いいんじゃ♪」
「まさか…入れてるなんて…思わなかった…」
「ククッ、これは予想外じゃったようじゃの幽鬼…幽鬼の場のモンスター3体をリリースして
幽鬼の場にラーの翼神竜を通常召喚じゃ!」
幽鬼の場のモンスターが3体墓地へ送られる
「あー!シャニっちー!」
「ふああ…墓地で寝てるね…」
シャイニート・マジシャンは枕を抱えてあくびをしながら墓地へ歩いていった…
どんだけ動きたくないのよ…あの娘…
そして3体のモンスターの姿が消えてそこに黄金の球体が現れる…
ラーの翼神竜-球体形 攻 ?/守 ? 攻撃
「どうじゃ!ラーは相手の場に召喚することも出来るのじゃ!そして、その攻撃力は
不明表記のまま故に0じゃ!これで次の幽鬼のターン…幽鬼がラーをリリースできる
モンスターを引かなければ…」
「…」
「まだ逆転出来るチャンスがあるのじゃ!妾はこれでターンエンド!」
「…」
マヤ LP3400
「…私のターン…ドロー」
幽鬼 3ターン目
「…残念…ラーをリリースできるどころか…モンスターですらないわ…」
「良し!これならまだチャンスがあるのじゃ」
「私はラーの翼神竜-球体形をリリース!」
「へっ?」
「デッキから召喚条件を無視してラーの翼神竜を攻撃力、守備力を4000にして
特殊召喚する!」
「ちょ、え?」
ラーがその球体の姿を展開して黄金の竜の姿になる…
明るいビーチが太陽神の力で更に明るくなる
ラーの翼神竜 攻4000/守4000 攻撃
「幽鬼もそのカードを入れておったのか!?」
「…球体形態も入ってるよ~…いや~…マヤも入れてるとは思わなかったけどね…」
「わ…妾のラーが…じゃ、じゃが妾にはくず鉄のかかしが…」
「バトル!この瞬間速攻魔法、封魔の矢を発動!自分、または相手のバトルフェイズに発動
出来て、このカードの発動後、お互い、魔法、罠カードの効果を発動出来ない!」
空から無数の矢が降り注ぎ、伏せられた状態のくず鉄のかかしに突き刺さる
「げっ…」
「さあ、攻撃よ…ラーの翼神竜でダイレクトアタック!ゴッド・ブレイズ・キャノン!」
「うええええん!本当に何もさせてもらえなかったのじゃああああああ!!!」
マヤはそう叫びながらラーが吐いた炎に吹き飛ばされて砂に倒れこんだ
WIN 幽鬼
「さ、これでお姉ちゃん独占一番乗りに一歩近づいたよ!待っててねお姉ちゃん!」
その幽鬼の言葉に私は軽く身震いをした…