遊戯王GX 転生者が精霊達と過ごす学園生活   作:星無

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※前回同様、今回は前半のみですが微鬱注意です


第十九話 代表戦 物語じゃない…

交流試合の日

私は起きて洗面台で顔を洗う

そして鏡を見る…酷い顔をしているなぁ…私は

ここ最近泣き続けたせいか、目の下あたりはくまが出来たかのように

黒くなり、普段からだるそうな目をしていたためか

目つきが悪いように見えた

顔からは生気が無くなり死人のようになっている…

私は鏡から目を逸らし

調理場へ向かい朝食の支度をしてから、自分は朝食を食べず

学園へと向かう

 

授業を受け、午前の授業が一通り終わってから

クロノス先生がノース校の校長と生徒が今、潜水艦で到着したので

生徒皆で出迎えに行くとのことだ

代表の私も勿論来るように、だそうだ

 

 

 

 

 

 

ノース校の出迎えに港へ生徒は集まっていた

 

「おお、よくいらしたな市ノ瀬校長」

 

「しばしウチの悪童らがお世話をかけますがよろしくお願いしますよ」

 

鮫島校長とノース校の校長、市ノ瀬校長というのね…

が互いに手を握って挨拶をする

 

「いや、私の方こそ」

 

「ところで、トメさんはお元気ですかな?」

 

「勿論、トメさんはこの対抗試合には欠かせない人ですから」

 

…トメさんが何の関係があるんだろう…

 

「なあなあ校長先生そんなことより誰なんだよ聖の相手」

 

十代は校長先生の横に立ち、そう訊く

 

「これ、十代君、行儀が悪いぞ、見なさい代表の中務くんは

 

挨拶を黙って見ているではないですか」

 

「あっ!もしかしておっさんがノース校の校長先生!?」

 

「おっさん…」

 

市ノ瀬校長はずっこける…なんだろう…このコント…

私は早く帰りたいのに…

 

「…誰なんですか?私の相手は」

 

そう訊くと皆驚いたように私を振り返る

…私が喋ることがそんなに変…?

 

「俺だ」

 

ノース校生が乗ってきた潜水艦から声がする

あれ…?聞き覚えのある声…

 

「あっ!万丈目!聖のデュエルの相手ってお前だったのか!?」

 

十代がそう叫ぶ

 

「万丈目さんだ!」

 

「さんだ!」

 

「1年…さっきからきいてりゃサンダーさんのこと呼び捨てにしやがって…」

 

…また…取り巻き出来たのね…行方不明になってからはノース校に行ってたのね…

 

「…万丈目君が相手ね…わかったわ…早く始めましょう…」

 

と辺りに強い風が吹く、ヘリ?

 

「あ!あのマークは…万丈目グループだ!」

 

「そうだ!久しぶりだな!準!元気でやっているのか!?」

 

「長作兄さん!正司兄さん!…何しに来たんだ!」

 

「勿論、お前の勝利を祝福するためにさ!」

 

…あの万丈目のお兄さんって人たち…もう

万丈目が勝つつもりでいるらしい…

今回のデュエルはテレビ中継もするとかでわらわらテレビ局の人が

集まってきた

 

…くだらない…

私は、テレビに映ろうとして悪ノリを始める生徒の間を

抜けて、一人デュエルリングへ向かった

 

 

「ではここに!」「デュエルアカデミア本校」「ノース校」

「「対抗デュエル大会の開催を宣言する」」

「クロノス教諭、デュエリストの紹介を」

 

「信じられないノーネ!私ーノ姿ーガ今、全国に流れているナン―テ

 

そ、それではこれヨーリ!デュエルアカデミア本校!ノース校!

 

対抗デュエル始めるノーネ!

 

ではまず本校!中務聖!」

 

私の名前が叫ばれるが、観客達は控えめな歓声をあげる

代表決定戦のことを覚えているのだろう…

 

「頑張れアネゴ!負けるな!」

 

「続いてノース校!」

 

「要らん…俺の名は俺が告げる黙って引っ込めと言ったんだ、おかっぱ野郎!」

 

「お、おかっぱじゃナイワーヨ!これは有名なカリスマ美容院デ!

 

あ、いつの間にヤーラガンジガラメーヤ」

 

マイクのコードが絡みつきそのままぴょんぴょんと飛んで

クロノス先生はデュエルリングから落ちて行った

 

「お前達ィ!このオレを覚えているかァ!!この学園でオレが消えて

 

せいせいしたと思っている奴!オレの退学を自業自得だとほざいた奴!

 

知らぬなら言って聞かせるぜ、その耳かっぽじってよく聞くがいい!

 

地獄の淵から不死鳥のごとく復活してきたオレの名は!」

 

「一!十!!」「「「百!千!!」」」

 

「万丈目さんだ!!」

 

「「「ウオオオオオ!!万丈目サンダー!!」」」

 

「うわぁ…すごい人気だ…」

 

…五月蠅い…白黒の世界が…白黒の人達が…

 

「オレはァ!!」「「「サンダー!!」」」

 

「万丈目ェ!!」「「「サンダー!!」」」

 

私の耳へは、相手側の歓声すらも耳障りだ…

 

「行くぞ…中務聖…!このデュエル、負けるわけには行かないからな」

 

「デュエル!」「…デュエル…」

 

「俺の先攻!俺は仮面竜(マスクド・ドラゴン)を守備表示で召喚!」

 

仮面を頭全体に被ったドラゴンが現れる

 

仮面竜 攻1400/守1100 守備

 

「ターンエンド」

 

万丈目 LP4000 手札5枚

 

「私のターン…ドロー…EMシルバー・クロウを攻撃表示で召喚…」

 

EMシルバー・クロウ 攻1800/守 700 攻撃

 

「シルバー・クロウで仮面竜を攻撃…このカードは攻撃宣言時、

 

自分フィールドのEMモンスターの攻撃力をバトル終了時まで300アップする

 

引き裂け…」

 

EMシルバー・クロウ 攻1800/守 700→攻2100/守 700

 

シルバー・クロウに引き裂かれ仮面竜は破壊される

 

「上手い!アネゴが先手を取った!」

 

「甘い!狙い通りだぜ…仮面竜の効果発動!このカードが戦闘で破壊された時!」

 

「…知ってるからいい…攻撃力1500以下のドラゴン族をデッキから特殊召喚…

 

でしょ?」

 

「フン!その通りだ!デッキから出でよ!アームド・ドラゴン LV3!」

 

どこか愛嬌のあるいかつい顔のドラゴンの子供が万丈目の場に現れる

 

アームド・ドラゴン LV3 攻1200/守 900 攻撃

 

観客席がざわめく

 

「あれは…ノース校に伝わる秘宝のカード…!まさか…」

 

「言ったはずですぞ…私は本気なのですよ…例の褒美は必ずいただきますよ…」

 

「ぐぬぬぬ、なんということだ!中務くん!負けてはならん!絶対に負けては

 

ならないぞー!」

 

校長達が何かを言いあっている…どうでもいい…

 

「バトル終了、シルバー・クロウの攻撃力は元に戻る」

 

EMシルバー・クロウ 攻2100/守 700→攻1800/守 700

 

「私はこれで、ターンエンド…」

 

聖 LP4000 手札5枚

 

「そして…恐怖の俺のターンが始まる!ドロー!ククク、俺のスタンバイフェイズが

 

来たことでアームド・ドラゴン LV3を墓地に送りアームド・ドラゴン LV5に

 

レベルアップする!出でよ!アームド・ドラゴン LV5!」

 

アームド・ドラゴンは成長し、先ほどよりいかついドラゴンになる

 

アームド・ドラゴン LV5 攻2400/守1700 攻撃

 

「見るがいい!これがアームド・ドラゴン LV5!

 

貴様の弱小狼なんぞ目にならん強力なモンスターだ!」

 

万丈目が何か言ってる、白黒で何を言われても私に届くわけもなく…

 

「早く進めて…」

 

そう冷たくあしらう

 

「その余裕も今のうちだ!俺は死者蘇生を発動!甦れ!アームド・ドラゴン LV3!」

 

アームド・ドラゴン LV3 攻1200/守 900 攻撃

 

墓地の穴から先程の進化前のドラゴンが現れる

 

「先ずはその弱小狼からだ!行け!アームド・ドラゴン LV5!

 

アームド・バスター!」

 

シルバー・クロウはアームド・ドラゴンの爪で引き裂かれ破壊される

 

「破壊されたペンデュラムモンスターは表でエクストラデッキに…」

 

聖 LP4000→3400

 

「更に!アームド・ドラゴン LV3でダイレクトアタック!アームド・スマッシュ」

 

私に向かってアームド・ドラゴン LV3が走ってきて

私の腹を殴りつける、そのままソリッドヴィジョンの軽めの衝撃で

私はそのまま後ろに飛ばされ、仰向けに倒れる

 

聖 LP3400→2200

 

「あー!万丈目君女性になんてことするんスか!」

 

「黙れ!これはデュエルだ!女だろうと男だろうと関係ない!」

 

仰向けに倒れたまま私は考えていた…

どうでもいい…何を言っても白黒の彼等は

ただのGXという物語の登場人物だ…そんな相手とデュエルをしても…

このまま…サレンダーしてしまおうか…

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ、この瞬間!相手モンスターを戦闘で

 

破壊したアームド・ドラゴンはLV7になる!はははははははははは!

 

さあ立ち上がれ!次のターンで貴様にトドメを刺してやる…!」

 

アームド・ドラゴン LV7 攻2800/守1000 攻撃

 

万丈目 LP4000 手札4枚

 

私は立ち上がるが…

自分のデッキをじっと見つめる…

この右手をデッキに置けば…もう…

 

「聖様!勝ってくださいまし!」

 

そんな声が観客席から私の耳に届く…

観客席の方を見ると席から立ったももえが大声で叫んでいた

 

「ちょっと!ももえ!…何やってるのよ…!黄昏の姫がこっち見てるじゃないの!

 

アンタそんなことして後で何されるか…!」

 

「何をされても構いませんわ!ジュンコさん…それに客席の皆さんも!

 

どうして聖様の応援をしないんですの!?聖様は私達、この学園の代表なんですよ!?」

 

客席の生徒達は目を逸らす…

いいの…ももえ…私はこれだけ嫌われてるの…

この物語の登場人物を蹂躙し続けた私には似合いの最後よ…

 

「聖!勝て!お前は俺と三沢に勝ったんだ!それでそこに立っているんだ!」

 

…十代…でも…私には…もう何も出来ない…

 

「アネゴ!勝ってくださいッス!上手く言えないけど…アネゴがずっと元気

 

無かったのは知ってるッス!でも…でも…」

 

…丸藤君…

 

「中務!お前は、お前を推薦してくれた人たちの気持ちを無駄にするつもりか!

 

お前を信じてお前を送り出した俺達の気持ちはどうなる!

 

そこに立っているということは俺達の気持ちも背負って立っているんだぞ!」

 

三沢君…

 

気持ちを背負って立つ…私には精霊が居た…

私は…それで、この世界の住人を心のどこかで見下していたのかも…しれない…

転生をして…この世界に生まれ直し…精霊という特別な存在が私には…

それでこの世界の住人は、所詮物語の登場人物と…

気持ちなんて無いと…誰かに動かされているだけの物だと…

心のどこかで思っていた…だからこそ精霊を失った時に…この世界が白黒へと

姿を変えたのだ…ただのつまらない物語の1つに…

でも…彼等にも気持ちがある…私もその世界に生きる1人…

誰かに動かされるわけでも無く…自分の意思を持つ…

そこに、今生きる人達に、私も全力で答えなければ…ならない!

 

私はゆっくりと目を閉じ、深呼吸をする…

目を開けると…世界が色を取り戻していく…

全ての物があざやかに色づき、物語の世界から…私が今存在する

現実の世界へと…

私は…この世界で…この、物語ではない現実の世界で…生きる!

 

私は手を広げ観客席に向ける

 

「レディース&ジェントルメーン!これより中務聖による

 

エンタメデュエルをご覧に入れます!」

 

観客はシンと静まり返った状態から少しずつ歓声でざわめく状態に変わり

それが一気に広がっていく…

私は全身に歓声の嵐を浴びながら万丈目に向き直る

 

「私の場にはモンスターが存在せず、相手の場にはモンスターが2体!」

 

「2体だけじゃない!お前のターンのドロー前に罠発動!リビングデッドの呼び声!甦れ!

 

アームド・ドラゴンLV5!」

 

アームド・ドラゴン LV5 攻2400/守1700 攻撃

 

「これは失礼!3体のモンスターが相手の場には居ます!しかし…

 

私の手札には万丈目君のモンスターを超えるモンスターは居ません…

 

これが私の運命のディスティニードローとなるわけです…

 

上手く引けたらご喝采!行きますよ!ドロー!」

 

私はデッキの上からカードをドローする…来た…!

 

「私はスケール3の相克の魔術師と、スケール8の相生の魔術師で

 

ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

私の後ろに光の柱が立ちそこに長い跳ねた青い髪の

盾と刃が一つになったような武器を持った男性の魔術師と

弓を構え、片目を隠した羽衣を纏う女性の魔術師が

浮かび上がる

 

「相克!?相生?時読みと星読みじゃないのか!?」

「黄昏の姫が初めて使うカードだ!」

 

「これで、レベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!

 

揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け!光のアーク!

 

ペンデュラム召喚!出でよ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!

 

EMウィップ・バイパー!EMシルバー・クロウ!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500/守2000 攻撃

 

EMウィップ・バイパー 攻1700/守 900 攻撃

 

EMシルバー・クロウ 攻1800/守 700 攻撃

 

「来たか…だが一番攻撃力の高いオッドアイズでも俺の

 

アームド・ドラゴン LV7には敵わない!」

 

「…それはどうかしら…!お楽しみはこれからよ!私は、

 

EMウィップ・バイパーとEMシルバー・クロウでオーバーレイ!

 

漆黒の闇より…愚鈍なる力に抗う反逆の牙!

 

ダーク・リべリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

 

私の場に現れる漆黒のドラゴン

 

ダーク・リべリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500/守2000 攻撃 ORU2

 

「それでもまだ、俺には届かない!」

 

「慌てないで!まだよ!

 

和合を見定める相生の魔術師よ!その神秘なる力で天空高く星を掲げよ!

 

相生の魔術師のペンデュラム効果!自分フィールドのエクシーズモンスターに

 

レベル5以上のモンスターのレベルと同じランクを与える!

 

私は、ダークリべリオンのランクをオッドアイズのレベル7を選択し

 

ランク7に変更する!」

 

相生の魔術師は弓を引きオッドアイズとダークリべリオンの間に

矢を打つ、矢が当たった場所から光が溢れ

ダークリべリオンのランクが上がる

 

ダーク・リべリオン・エクシーズ・ドラゴン ランク4→7

 

「ランクとやらが上がっても攻撃力はそのままだ!」

 

「対立を見定める相克の魔術師よ!その鋭利なる力で異なる星を一つにせよ!

 

相克の魔術師のペンデュラム効果!レベルの概念を持たないエクシーズモンスターに

 

ランクと同じレベルを与え、エクシーズ素材に出来るようにする!」

 

ダーク・リべリオン・エクシーズ・ドラゴン ランク7→レベル7

 

…あの3体のモンスターを一気に倒すにはあの子の力を借りるしかない…!

お願い!私に力を貸して!

 

「私は、レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと

 

ダーク・リべリオン・エクシーズ・ドラゴンでオーバーレイ!」

 

私の2体のドラゴンは銀河の中に溶け合い1つとなる

 

「二色の眼の龍よ!その黒き逆鱗を震わせ刃向かう敵を殲滅せよ!

 

エクシーズ召喚!いでよ、ランク7!

 

怒りの眼輝けし龍!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!!」

 

オッドアイズの様に2色の眼を持ち、漆黒の体

鋸のような尾、ダークリべリオンよりも鋭い牙を持つ

鋭利な竜が現れる

 

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン 攻3000/守2500 攻撃

 

「攻撃力…3000…だが…!そのモンスターだけで俺のアームド・ドラゴン

 

軍団を全滅は出来ない!」

 

「オッドアイズ・リべリオン・ドラゴンは…エクシーズモンスターを素材に

 

エクシーズ召喚に成功した時!相手の場のレベル7以下のモンスターを全て破壊する!」

 

アームド・ドラゴン3体はオッドアイズ・リべリオンの体から出た

雷で破壊される

 

「更に破壊したモンスター1体につき1000ポイントのダメージを与える!

 

万丈目君に3000のダメージ!」

 

「何だと!?うわああああああ!」

 

万丈目 LP4000→1000

 

「はぁッ…はぁッ…」

 

「そして!オッドアイズ・リべリオン・ドラゴンはこのターン3回の攻撃が出来る!」

 

「馬鹿な!?3回の攻撃だと!?」

 

「行け!オッドアイズ・リべリオン・ドラゴン!

 

反旗の逆鱗!ストライク・ディスオベイ!」

 

「まずいまずい!カットだカット!」

 

テレビ局の人が慌てて指示する

 

オッドアイズ・リべリオンの背中の突起が展開し

光の刃の様な翼が8枚展開する

そしてそれによって増幅されたエネルギーを全身に纏い

デュエルリングのフィールドの床を削り取りながら突進していき

万丈目を下から牙で突き上げる

 

「ぐあああああああああ!!!」

 

万丈目 LP1000→-2000→-5000→-8000

 

「私の勝ちよ!万丈目サンダー!良いデュエルだったわ!ありがとう!」

 

私はこのデュエルで大切な事に気付けた…精霊達を失って…

私はデュエルまで投げやりになってしまっていたのね…

精霊達との間に残されていた最後の絆さえも…私は失いかけていた…

幽鬼…ネフィ…マヤ…ミストラル…

私…気付けたよ…この世界で生きて、どんなに時間が経っても貴女達を

見つけ出す…

 

…デュエルリングから全てのモンスターが消えても

オッドアイズ・リべリオン・ドラゴンだけは残り私を見つめていた…

 

「やっぱり…ダーク・リべリオンと良い…アナタには精霊が…」

 

と私は手のひらを上に向けてオッドアイズ・リべリオンに手を差し伸べる

するとオッドアイズ・リべリオンは私の手を傷つけないように静かに

首を私の手の上に置き、目を閉じて甘え始めた

 

「お、おい…黄昏の姫…あんなに凶暴そうなドラゴンに懐かれてるぞ…」

 

「でも…あれソリッドヴィジョンじゃないの?…なんで消えないの?」

 

「ギュァアアアアア!」

 

と声を上げてオッドアイズ・リべリオンは他のモンスターと同じく

スーッと消えて行った

 

「準…!貴様何をやっているんだ!自分のやったことが分かっているのか!」

 

「万丈目一族に泥を塗りおって!」

 

いつの間にかデュエルリングにやってきていた万丈目の兄達が

万丈目を責め始める

 

「済まない…兄さん達…」

 

「貴様!俺達の与えたカードはどうした!?」

 

「何故使わない!そうすればもっと強いデッキを組めたものを!」

 

「俺は…自分のデッキで勝ちたかった…」

 

「この…!馬鹿弟が!」

 

万丈目の兄の髭を生やしていないほうが万丈目の襟首を掴んで

無理矢理引き起こす

すこしイラッとする…間接的とは言え万丈目のお蔭で私は

デュエルの大切さを思いだすことが出来たのに…

万丈目君を責められると気分が良くない…

 

「だからお前は落ちこぼれだと言うのだ!」

 

「…うざい…アンタらもう帰りなさいよ…万丈目…サンダー君を非難する

 

資格なんかあると思ってるの?せっかく気持ちよくデュエルした後に

 

水差されると気分悪いわ…」

 

「他人の貴様には関係ないだろう!俺達がこのデュエルにどれだけ金を

 

かけたと思ってる!」

 

「知らないわよ…帰って…さもないと…」

 

「さもないと…なんだというんだ!何の権力も無い小娘が!」

 

「貴方達は後ろのノース校生徒に殴り殺される事になるわね…」

 

「何!?」

 

観客席から降りたノース校生徒がすさまじい形相で万丈目兄達を睨みつけていた

 

「おー怖い怖い、私先に寮に帰るんでそれじゃーねー♪」

 

そういってデュエルリングから降りてさっさと

出ていく、背後からなんか悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだろう

 

その後、十代達が寮に帰ってきたので

話をすると、対抗戦デュエルの勝った側の学園の校長へのご褒美っていうのは

ミス・デュエルアカデミアことトメさんからのキッスだったそうだ

なんじゃそりゃ…

 

で、万丈目君はデュエルアカデミア本校に戻ってきたそうだが…

単位足りなくてオシリスレッドからやり直しだそうだ

寮もオシリスレッドで…食い扶持増えたわね…

少しだけ忙しくなるかしら…

十代達と話をしていると十代の周りをくりくり~♪と鳴きながら飛ぶハネクリボーが見えたので

今日のデュエルで、視界の色が戻ることで精霊を見る力が戻ってきたのを把握した、

そういえば万丈目君の周りにも精霊が居たけど…なんだっけ…あの黄色いの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後、私は自分の部屋に居た、鍵はかけてある

幽鬼、ネフィ、マヤ、の白紙のカードと

ミストラルのカードを机に並べる…

 

「皆…待っててね…」

 

その4枚のカードを私はデッキケースに入れた…

また精霊が見えるようにはなったんだ…

この世界で生きていれば…きっと…いつかまた…

 




後書き
えーいつかまたとか書きましたが
そんなに長くないです
いつかはそんなに遠くは無いので精霊達は戻ってくると思います
精霊とのイチャコラ展開かけなくて作者も大分イチャイチャ書きたくて
溜まっております
次回は課外授業ですね、墓守のなんちゃら

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