超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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あけましておめでとうございます(錯乱)
いつにも増して遅れてしまいました。ごめんちょ。
まぁ読んでくれる人なんか居ないでしょうけどねHAHAHAHAHAHA!.....はぁ。
ともかく、シークバーを見てる人ならお気づきでしょうが、今回は遅れ多分も含めてマシマシになっております。






先に謝っておきますよ?
今回、初月、親潮ファンにとって不快な展開になっているかもしれません。
ダメだったらお使いのPCを初期化するか、端末をぶん投げてください。

あと、文中に警告タグつけてあるからだでしょうけどキマシタワー要素があります。
皆さんも一緒に叫びましょう。せーのっ!

キマシタワー!

あ、何処であろうと今読んじゃったんだからその場で叫びましょう。(外道スマイル)








75.殴り込みって楽しいよね。

ーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーー

妖精さんによるダイナミック改修が終了し、同時並行で行われていた隼改に積み込まれた。

これで一応は回収が可能となる。数百人クラスとかだったら無理だがな。

まぁ流石に数百隻もの軍艦を隠蔽するのは難しいんじゃなかろうか。

そう楽観的に考えている。そうじゃなきゃやってられん。

只でさえアメ公なんぞいう穢れた土地に踏み込まなきゃならんのだ。艦娘を助けるのは大事だ。私がしたいと決め、実行に移すために天龍田まで送り込んでいる。

しかし土地がアカン。嫌いな土地だし、どうせなら戦争で堂々と上陸したかった。

占領する勢いで片っ端から破壊しておきたかった。

しかし今回は私とゴミ共組織との戦争だ。主目的も占領では無く艦娘の救出だし。

目的を履き違えてはいけない。

''積み込みかんりょうしたです?''

''アメストリアにつんだです?''

''出撃準備かんりょうです?''

「了解した。別命あるまで休んでいてくれ」

一応取り決めで私の突入タイミングは天龍達に任せている。

此処から一日も掛からずに突入できるし。

 

本当は必要ないんだが、使用する火器の整備でもしてようか。

アメストリア製の火器は整備要らずで有名なのだが、これも時間逆行術式が部品一つ一つに刻まれているからだ。

しかし術式が機能を停止した場会を想定してあるのがアメストリア兵器。

戦車なら緊急弾を積んであるし軍艦なら弾薬も修理器具も積んである。

同じように重火器にも解体できる機能は付いているし、修理器具も一式銃床に積み込まれている。

露天艦橋に転移し、M634を取り出す。

そして運搬形態の半分に折る機能を応用してピンを抜いて文字どおり二つに分解してバレルを抜き取る。

歪みもないし、傷もない。新品のままだ。

平衡器もギアボックスも正常そのまま。コッキングレバーもしっかりと奥まで引き込めるし、その際に排莢機能と薬室解放もしっかりと行われているのを確認。

一度組み立て直し、汚れ...は付いていないが気休めに拭き取っておく。

「お姉ちゃん、夕立が目を覚ましたそうよ。あと19.8mm重機関銃も汚れは付かないからやめなさい。恥ずかしいわ」

「.........容体は?」

「特に問題はないみたいね。警戒艦隊か何かの軽巡洋艦に襲われて中破。命かながら逃げ延びて息を潜めていたんでしょうね」

深海棲艦にもアメストリアスペックはいたしは、今回ソロモン海域には頭おかしい練度の艦隊が居た。気づかれていたと思うのだが...態々潰すまでもないと判断されたのだろうか?

タイミングよくリバンデヒらが突入したからだろうか?

まぁそこはどうでもいい。無事だったのは変わりないし。

ソロモンで夕立を発見できたのは因果を感じるが気にしないでおく。悪魔なんか居なかった。

 

鎮守府の医務室に移った。

礼儀としてノックしてから病室に入ると簡素な病院服に身を包んだ夕立がベットに腰掛けていた。見る限り、劇的ビフォーアフターを遂げた改ニにはなっていないようだ。なりようがないが。

「夕立、体の調子はどうだ...?」

「...大丈夫っぽい。...誰っぽい?」

「あぁ...失礼した。私は大日本帝国海軍ナウル鎮守府所属、アメストリア型戦艦一番艦アメストリアという者だ。説明させていただくがよろしいだろうか?」

「ぽい!」

イエス、ととっていいのだろうか。

「私達は先程ソロモン海域解放のために敵艦隊と交戦。

これを撃破したのちに貴官を確認し中破していたため此処、ナウル鎮守府まで保護させてもらった。」

「ありがとうっぽい?」

「いや、礼には及ばん。それで...此処からが本題だが、現在貴官の所属はないものとなっており、船体の修理も出来ていない。判断は任せるが、このナウル鎮守府に所属してみないか?

無論希望する他の鎮守府があれば利便をはかるが...」

「......ここに、駆逐艦の子はいるっぽい?」

「勿論だ。現在は暁、響、雷、電、吹雪が所属している。」

「吹雪ちゃんもいるっぽい?」

「うむ。何か?」

「ううん...夕立、アイアンボトムで沈んだっぽい。

あの時は、沢山の仲間も沈んだっぽい...吹雪ちゃんも、暁ちゃんも、比叡さんも霧島さんも。

あの時沈んだっぽい。勝手に仲間意識をもってたのかも...」

「別に悪いことではないだろう。」

「ぽい?」

「問題は本人の意思だろう。

そもそも、我々は艦娘であるし、その点で言えば仲間と言えよう。

たしか吹雪は現在鎮守府に居るはずだ。暁は遠征に行っている。比叡、霧島の両名は...非番だな。今日は。」

アイアンボトムサウンドというば、アメ公を含めると50隻以上の艦艇が沈没している名の通り鉄床と化す、一部の艦娘にとってはトラウマの海域なのだ。提督諸氏なら史上最凶のマップという認識があるのではないだろうか。MI?地理院が引き直すくらいには殺ったし。ノーカンノーカン。あれ新規だろまず。......こほん。私達以外の戦艦を動員しなかった理由の一つでもある。比叡とか逃走しそうだし。鬼ごっこ→クレイジーレズ共に捕食。美味しく頂かれましたエンドは避けなければならない。

あと今回私達はアウトレンジから撃破した為現地には行っていないが、いずれ然るべき儀礼は行うつもりだ。

「........後で、会ってみるっぽい」

「...そうか。何かあったら、私の妹に聞いてくれ。出来る限りの支援はさせてもらう。」

「貴女は何処かに行くっぽい?」

「うむ。少し、所用があってな」

『......お姉さん、天龍から暗号通信だよ。』

「......了解。すまない夕立。所用の時刻になったようだ。私から艦娘には通達してあるから、自由に歩き回ってもらって構わない。食事をとってもらっても構わないし、妖精さんに言って船体を修理して出て行ってもらっても構わない。」

「......少し、考えるっぽい...」

「...そうか。まぁ、ゆっくりして行ってくれ。此処は世界一安全な鎮守府だ。」

そう言って、私は艦橋に転移した。

 

転移して、妖精さんから解読された通信文に目を通す。

まぁ予測はできるがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「機関始動。出撃用意」

''きかんしどー!''

''あつりょくじょうしょー!''

''主機起動したです?''

''エネルギー伝達したです?''

照明、情報を表示するコンソール、立体ホログラムの順に明かりが灯って行き、後方から唸るような機関の音が響いてくる。

システムが立ち上がり簡易点検を開始。

艦内の照明が全て付き、照明灯も灯り都市が浮かび上がる。

大和型の超巨大版艦橋が照らし出され、此処にも光が射してくる。

「錨上げ。」

''いかりあげるです?''

''主錨、副錨両方あがたです?''

恐らく18tの錨が火花を散らしながら海底から巻き上げられ、船体の窪みに嵌ったのか、ガコン、と鈍い音が響く。

「両舷、微速前進。」

ぐん、と反作用で身体が引っ張られる。

スクリューが回転を始め、人工海流を作り出し始めたからだ。

船体はその巨大さに似合った鈍さで港から出ると、隔壁に向けて少し増速する。

 

そしてナウル鎮守府第二隔壁にから離れると一気に増速。

機関の唸り声が甲高くなり、流れる景色は一気に早くなる。

「機関最大。最大戦速で向かうぞ。」

''あいあいさー!''

''どんどんすすむです?''

''日付変更線まで7時間です?''

''目標座標までは19時間です?''

''それいじょうかかるかもー?''

''遅くなるかもしれませんなー''

「とりあえず出来るだけ急いで向かってくれ。救出は一刻も早いほうがいい。」

''どういです''

''いえすおふこーす?''

''さんせーい!''

''それなー''

どうしよう...私やることなくなった。

あっちに着くまで何かできるわけでもないし...あ、大和とか長門、赤城あたりには夕立を気にかけるように通達しておくか。

全艦娘はソロモン海域で拾ってきたとしか知らされていない為、詳しい情報に関してはそれこそ当事者か青葉くらいしか知らないだろう。

吹雪がどう対応するかは不明だが、夕立のあの明るさに少し陰りがあったのは事実。

サバイバルしてたのだから無理もない。だからこそ仲間と呼べる存在が側に必要なのではないだろうか...と勝手に妄想している。正解とは限らんけど。

 

やる事を思いついたので、艦橋に立てかけてあったM634を片手に格納庫に転移する。

格納庫は以前とは大幅に姿を変え、航空母艦が一隻丸々入るのではないだろうかと思う程巨大な空間が広がっており、外界との出口は上に撥ね上げる式にした為機構が変更されており、巨大なシリンダーが見える。

そしてメインの存在たる内火艇の隼改。吊るし式に変更した為天井を這うレールに噛んだクレーンに吊るされた巨大な前衛的デザインの艦船。

主砲の姿は伺えず、側面の上陸用ハッチの切れ目が嫌に目立つ。

高雄型のような、またはさらに凹凸を削ったような艦橋。そしてその後方にびっしりと生い繁る45mm対空機関連装砲群。結構かっこいい印象を受ける。

 

乗船してみると艦橋はアメストリア型戦艦に準じた軍艦色の艦内には最低限の操作盤と展開型ホログラフィック展開装置が設置してあるだけ。未来的なデザインに変化している。

艦橋の自動調光機能付きスモーク加工された窓から外を伺っても、タンカーのように目立つ凹凸がなく、つるつるしている。

しかし主砲の形をした切れ目が幾つも並んでいたり、ミサイルハッチのタイル床が敷き詰められているのはよく見れば分かった。ステルス性バッチリだな。

...と。今回の目的は此処じゃあない。隼改にある格納庫だ。

 

隼の格納庫は案外何もなく、剥き出しの骨組みと装甲に囲まれた台形の空間で、

等間隔に天井に埋め込まれたLEDっぽい照明が床一面を照らし出していた。

そんな明るい空間に影を落とす塊が一つ。

重厚で、無骨な意匠の軍用車両。兵員()()()のクセに砲塔を持ち88mmと75mm砲の火力を搭載した輸送車の定義を問いただしたくなる車両。もう装輪戦車って呼んでいい気がしてきた五七式と七九式だ。

そのうちの1両に乗り込み、其処に使用予定の武器を積み込んで行く。

アメストリアらしく車内にも容量は小さいが量子変換器が搭載されており

ある程度の物資などは詰め込む事ができた。

他には...やはりアイツも積んでおくべきだろう。アハトアハトも積んでおく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

''ーーーーーーさん、アーーーリアさん''

''アメストリアさん''

''げっとあっぷです?''

''あうぇいくです?''

「........うみゅ、.......妖精さん、か......?」

''そーです?''

''妖精さんですぞ?''

ぼんやりとした視界に、小さな影が複数。

おっといけない...知らぬ間に寝落ちしてしまったようだ。

フラリと危なげなく起き上がると、狭い空間が迫り来る。

「......ここ、は...五七式、か......ふわぁ...」

どうやら、五七式重装甲輸送車で寝落ちしていたようだ。

アメストリアらしく輸送車の座席でも立派な高反発座席のため長時間座っていても疲れないようになっているし、やる事ないから太刀に寄りかかってボーッとしていたらいつの間にか寝てしまっていたようだ。太刀がひんやりしてるし船体揺れないし...言い訳は哀しくなってくるな。

「現在位置は?」

''あと数分で到着するです?''

''ですです?''

「そうか。会敵は?」

''深海棲艦の艦隊と三回あったです?''

''でもでも艦娘さんすりーぷしてたからミサイルうったです?''

''警戒網はスルー余裕です?''

''よゆーです?''

「そ、そうか...」

確かにアメ公の警戒網なんぞは日本に比べたら数段緩いし適当だが、何しろ私は全長がkm単位なので、数十キロ先からでも視認できる。あとはお察しください。

 

さてさて、時刻は夕方に差し掛かってきた午後3時頃。時差があるから時計があてにならない。電波式じゃないからさ。

最近はニートしてた光学迷彩と電子妨害をかけて投錨。

格納庫のハッチを開いた。

''クレーン降下するです?''

''おちるです?''

''海水浸かるです?''

隼を吊るしていた二基のクレーンがゆっくりとアームを伸ばし隼を海面に下ろしてゆく。

隼の体積分、海水が除けられ、私の船体に白波となって波打つ。

 

「クレーン切り離せ。機関始動。」

固定していたクレーンが切り離され、露出していた接続部が格納される。

遅れて隼後部にある船舶用粒子エンジンが起動し、新たに搭載された水流噴進式推進器がジェットエンジンのように空気を取り込まず、純粋な熱エネルギーを噴射し始める。

シャッターに絞られている為出力が小さい状態のためまだ前進はしないが、これを一気に解放するとアフターバーナーを噴いた戦闘機のように急加速して一気に最高速まで加速する事ができるという優れもの。

駆け出しが遅い私とは対照的な内火艇だ。あれだな。タンケッテみたいなもんだ。

「両舷最大速40ノットに絞れ。シャッター、解放しろ。」

私の一言で推進器のシャッターが解放され、一気に急加速。

爆雷のような水柱を上げながら一気に進んで行く。今思ったんだが、こと隼改はゆっくり進むことが困難ではないのか?舵は複数あるから小回りはまぁそこそこあるから良いとして、速度調整が難しい。戦闘機の技術を流用した感がする設計だし、そもそも畑が違うだろう戦闘機と内火艇じゃ。

ノズルでの調整で速力を制御するといっても加速は良いが、減速、停船はかなり厳しいものがあると思う。シャッターを噴出口に塞ぐように展開すれば発生するエネルギーは反対方向に流し、原則はできると思うが...スクリューみたいな微調整が出来ないのは厳しいな。

側面にも噴進器を付けたのは素直に評価できるが。

「進路、強襲揚陸予定地点に合わせ。

天龍、聞こえるか?」

『ーーーこちら天龍。こっちは既に準備が出来てるぜ』

「そうか。龍田はどうした?」

『試験導入した治癒符のお陰でそこそこの回復はしたぜ。...姉として、感謝する!』

「......礼には及ばん。私も艦娘が第一だからな。艦娘の為なら最大限の支援は惜しまないつもりだ。」

『......オレはお前のそういう所、嫌いじゃないぜ』

...よせやい。恥ずかしい。

天龍のデレ期はとても貴重なものだから感謝は有難く受け取っておく。

「兎も角、此方はあと5分で到着する。そちらはどうだ」

『オレは既にポイントで待機中。龍田は船の方で待機させてる』

「......そうか。すまないな、こんな汚れ仕事ばかり負わせて」

『別にオレは嫌じゃないぜ。この任務。そもそも今回は拉致された艦娘の救出だろ?今までの任務だって無駄にならないって信じてるし、実際無駄になったことはないだろ?』

「無論だ。貴官らにしてもらっている情報収集の成果は余すところなく活用させて貰っているし、それによる結果として大本営との交渉などで上手く処理することが出来た」

『こちら龍田よぉ〜。ゴメンなさぁい...回復が間に合わなくてぇ...けど、出来る限りの後方支援はさせて貰うね』

『龍田、お前はまだ...!』

「.......龍田、どこまで動ける」

『そうねぇ...正直に言うと今も痛むわぁ...』

「下がれ。任務に支障が出る」

『ーーーいやぁねぇ...これくらいじゃ龍田は駄目にならないよ』

ぞくりときた。此処まで来るピンポイント殺気..恐ろしいな.......

「...すまない。侮辱だったな。謝罪する」

『いいわぁ...許してあげるわぁ』

やっぱり龍田には明確な拒否が出来ない...こう、リバンデヒとかはやはり妹だしそう思ってるから遠慮無く拒否もしたし抵抗もしたが、龍田はこう、逆らえない...訳じゃ無いが、殺気が違うからなぁ...天龍の気持ちも分かる。

''到着するです?''

''揚陸、準備です?''

ぐん、と発進した時の逆。慣性でたたらを踏む。

推進器にシャッターが展開されたのだ。出力が上がって、速度以上の水流が送り込まれ、激しい波が立ち、減速していく。

「陸軍妖精さん以外の妖精さんは此処で戦闘態勢のまま待機。万が一、()()があった場合は対空砲の使用のみにしてくれ。主砲は私が戻った後ならば幾らでも撃ってくれて構わない。流れ弾はコラテラルダメージだ。」

''ならしかたないです?''

''もーまんたいです?''

''うぇいとするです?''

''アップ始めるです?''

「ふふ、よろしく頼む。」

 

 

息を吐く。此処からは、戦場だ。

格納庫に移動し、88mm搭載型の五七式重装甲輸送車に乗り込むと、陸軍妖精さんが続いて各車両に乗り込んで行く。

隼が港に到着。砂浜に艦首を突き刺しつつ、側面の上陸用ハッチを開放。

桟橋には流石に入らなかった。水深もかなり足りないが、隼の全長的に入れる港自体少ないし、あったとしても大体警備員か警備兵がいる。無駄に事を荒立たせるのは救出後でいい。

「全車、出撃せよ」

陸上兵器用粒子エンジンの甲高いモーター音のような機械音が一斉に響き渡り、簡易点検が一瞬で済まされる。

''電探、データリンク、サスペンション、タイヤ内空気圧、全て問題なしです''

''砲塔、旋回確認!俯仰角共に異常なし!''

''全自動装填装置よし!''

''初弾装填です?''

輸送車の癖に、上に無人の砲塔が載っているためか、装填する音がやけに大きい。

いやまぁ88mmだから当たり前だけれども。

私も有事に備え、M634と145式歩兵小銃のコッキングレバーを再度引き絞る。

後方、兵員用ハッチが閉められ、順に装甲車輌が走り出してゆく。

妖精さんの操る一見無人にしか見えない操縦席に設置された高感度カメラによる鮮明な映像を見るに、ジェットコースターみたいな視界だ。下は見えないことは無いが、車体で隠れており、格納庫の陸へ伸びる橋に乗り上げたのか一度視界が上に跳ねあげられ、急降下。

優秀なサスペンションのお陰で私自身は倒れることはなかった。

しかし中々にスリリングな映像を拝見させて貰った。ああいうの嫌いなんだが...だってびっくりするじゃん。急に上向いたかと思ったら一気に落ちて橋がかかる陸が映し出される急な場面転換は苦手だ。一七式戦車とかは良かったんだがなぁ...そもそも上向かないし。重すぎて。

 

車列は陸に足をつけた順から車体に埋め込まれた展開式のランプ...リトラクタブルヘッドライトとか言った日産240SXとかに搭載された珍しい...装甲面を考えた結果だろう前照灯を点灯させ、速やかに砲塔を旋回。周囲警戒を開始。

''全車、上陸を開始。''

''落伍車輌、なし''

''全車周囲警戒を開始''

「了解。天龍との会合地点に向かう。警戒を厳とせよ。」

装輪を回転させ、砂浜特有の湿り気のある砂を巻き上げながら装甲車輌が一列で動き出す。

あ、言い忘れていたが今回の作戦、大本営には通達してあるがアポなし突撃だから。

一応所属が面倒なことになったためジャーマングレーで全車塗装し直して私の戦艦徽章を描いてもらっている。因みに徽章のデザインは背景に船体、そして曼珠沙華に錨だった。嫌味か。

そんな所属不明の車列は舗装された道路に乗り上げると、一気に速度を上げてゆく。

前照灯が前にいる七九式装甲輸送車(強化型)を照らす。

「天龍、聞こえているか」

『おうとも。既に上陸を確認したぜ。今むかってるところだ。』

「承知した。あと58秒で着く。」

『げぇっ!?ちょ、ちょっと待ってくれ....!?』

「............。」

『わ、分かったよ。しゃーねーなー。よっとっ!』

何故か天龍が力を入れる声を出したと同時に、天板に鈍い金属音が鳴り響く。

ーーー侵入者!

砲塔のターレットリングに手をかけて艦娘パワーに任せて攀じ登りハッチを乱雑に開け放って145式歩兵小銃を音の下方向へ向ける。

「......っ!?」

そこに立っていたのはやや草臥れた、ボロボロになりつつあるコートを着込み、目深にツバ付き帽子をかぶった不審人物。

容赦なく引き金を引き絞ろうとしーーー「ま、まってくれ!オレだ!天龍だ!」

......。念の為未だに銃口を向けたまま上から下まで、ジロリと睨みつける。なんかブルリと揺れてたけど気にしない。

「......本当に天龍なのか?」

「ほ、本当だ...ほら」

そう言って天龍(仮)は帽子をとって天龍(確信)に進化した。

 

...こほん。確かに、いつも付けてる眼帯はあるし、瞳の色も記憶に合う。しかし少々薄汚れているのは如何なものか。いやさ、送り込んだ主犯が言えたことじゃないが。

「...失礼した。入ってくれ」

「お、おう...すまない。紛らしかったな」

実にな。一瞬本当に殺そうかと考えた。

明らかに不審者のいでたちだったし。高速移動するこの車列にピンポイントで降りてこれる力量を脅威と判断したからだ。

 

車内に入り込んだ天龍はさっさとコートを脱ぎ捨てた。その下にはいつも着用している制服指定のブレザー。そして自己流にカスタマイズされたであろう装備の組み合わせが見えた。

ピストルベルトにホルスターが下げられており、様々なポーチが装着されている。

救急用ポーチに何かと便利な結束バンド。他にも経験で厳選されたであろう装備が並んでいる。

「さて...天龍。改めて報告を」

「あぁ。救出目的がいるのはコロラド州のとある郊外らしい」

「目視確認は?」

「破落戸が多いもんでかなりキツかったがなんとかな。けど艦娘らしき姿を一切確認できなかったんだ。奴ら徹底してやがる」

「......そうか。確率は?」

「そうだな...こっちでマークしてた奴も幾つか来ていたし、大体そいつらが集まるのが金曜か土曜だ。何かしら周期でやってるんだろ。それでそれが始まったのがトラック諸島での轟沈記録が急増したのと同時期だ。ほぼ確定だろうとオレは考えるぜ」

「...拉致された艦娘の船体は?」

「それがな、よくわかんねぇんだ。いや、一部は見つけたんだがほぼ残骸になっててな。スクラップ扱いだったし、隠蔽もかなり終わってるんじゃねぇかな」

しかし艦娘は船体が沈むと死んでしまう。艦娘が死ぬと船体も沈むという切っても切れない強固な前提条件だった筈だが。何かしらの解決策でも出たのだろうか?それとも実際は纏めてあって探知できていないだけか?アメリカは無駄に広いから人目につかずに大量の船体を隠しておくなんぞ簡単だろう。武装とか船体に積まれている艤装が剥がされていることは想像に難しくない。もしかして以前MI/AL作戦で制圧した偽装タンカーに積んであった12.7cm砲もそこからの横流し品である可能性がある。

「.....そちらはリバンデヒに任せる。」

アメストリア型戦艦の情報担当、リバンデヒに既に命令してある。

探し出してテイクアウトしてこいと。あっちは別働隊だがな。会うのはナウル鎮守府だろう。

「なら安心だな。」

「うむ。龍田、そちらばどうなっている?」

『あらあらぁ...心配してくれてるのかしら〜?うれしいわぁ...』

大丈夫なようだ。うん。

「......目的地まではどれくらいかかる?」

''そうですなー''

''このまますすんで''

''あとよんぶんのいち時間です?''

''ですです?''

 

つまりあと15分、と。

まぁ確かにかなり速い速度で走ってたからな。すぐに着くだろう。

揚陸地点も同州内だし。

幹線道路を法定速度ガン無視で走れば尚更。防音性が高すぎるから聞こえていなかったが、操縦席の画面には警察車両らしき白黒の車両が進路妨害してきているが妖精さんは一向に無視。天龍らから齎された目的地点に向かっている。

 

私の中央演算処理装置でちょちょいと状況を把握してみると、州警察はパニック状態。

州政府に緊急事態だと再三告げているらしい。しかし州政府はチキっているのか重い腰を上げずにウジウジしている。チャンスだな。

州兵が出てきたら戦争できるのに。少し残念だが目的ではないので今回は諦めることにする。

「そうだ、天龍。貴官は武装ばどうするつもりなんだ?」

この五七式に乗り移ってきて以来拳銃くらいしか武装が見当たらないのだ。

私の記憶が正しければM634を始めとする結構な武装を渡しておいた筈だが.....?

「あぁ、そのことなんだか...龍田に全部没収されちまったんだよ」

「.....?」

どういうことやねん。二人分武装も装備も渡しておいた筈だが...

「ほとんどの物資、武装は船体に置いてきてんだよ。オレが通常活動で持ち歩くのこいつ位だしな」

そう言ってホルスターを叩く天龍。よく見れば私が支給した11mm口径の拳銃だ。

しかし相当なカスタマイズされているのか、強化型軽量スライドに別製品のグリップ。よく見れば撃鉄も別のものに入れ替わっている。なにしてんの。

というかよく部品合ったな。

「......少々火力に不安があるな。何がいい」

「室内で振り回せる小銃だな」

「...M69だ。海軍正式採用の艦内戦闘を重きに置いた中型小銃だ」

「おぉ、コレは良いな!」

以前、金剛らにも配給した海軍用の小銃。G-36が参考にされているのか独特のボディにコッキングレバー。光学サイトが乗っけてある特徴的なフレーム。

やはりこれパク...これ以上はいけないな。妖精さんに殺される。

 

''到着1分前です?''

''減速開始です?''

''スピードダウン?''

''前照灯消すです?''

先頭から順に、照らしていた前照灯が消されてゆく。

元々暗視装置はあるので意味なかった前照灯だが、今回は救出作戦。ついでにゴミ掃除。

察知されて逃げられたら困るのだ。

画面を見るに、既に郊外へと突入しており、警察のバリケードなんかを物理的に突破したのがついさっき。SWATらしき部隊もいたが、どうなったかは知らん。激しい銃撃戦らしきものはあったが、七九式装甲輸送車(武装強化型)が動き出してから一瞬で片がついた。

 

「天龍、装備再確認」

「了解!拳銃よし!小銃よし!」

天龍がホルスターから拳銃を抜き取りコッキング。M69も同様にコッキングレバーを引いて初弾を装填。

「救急キットよし!縄よし!ナイフよし!」

身につけている装備は少なく、身軽そうだ。

対して私は出来る限りの治癒符をホルダーに詰め込んでそれを三つ。

それに固定用に大量の包帯をポーチに入れており、他にも両腰の五式自動拳銃のホルスターに別弾格のマガジン。145式歩兵小銃に背にはM634を折りたたんで下げている。重武装にも程があると自覚しているが、治療用に色々持って行ってたら多くなった。

仕方ないね。

 

五七式が停車した。

同時に車列が変化して目的の建物を包囲するように停車。

内、七九式装甲輸送車と五七式重装甲輸送車の二輌は裏取り要因としてそのまま裏へ。

私達も兵員用ハッチが開くと同時に飛び出し、建物を見上げた。

制圧対象は極普通の三階建てのアパートといった風貌で、周囲に完全に溶け込んでいる。

しかしその前に駐車してある車両は確かに高級車が多いし、人通りも少ない。

確かに温床地帯にはなっていそうだ。

「天龍、後ろは任せた。」

そう言って145式歩兵小銃のコッキングレバーを引き絞る。7().()6()2()×()5()1()m()m()N()A()T()O()()が排出され、次弾が再装填される。

無論隠蔽工作だ。私達の使用している重火器はNATO規格も使用できるように作られている。実際は7.92mmなのだが、メカボの入れ替えで7.62mmも使うことが出来る。

よって今回はNATO弾の入った弾倉を態々用意して装填しているのだ。

 

駆け足で扉を蹴り飛ばした。但し自慢の艦娘パワーでドアは吹き飛んだ。

すぐさま145式歩兵小銃の銃口を険しなく向け、処分対象を発見次第、引き金を数秒引き続けてれば、それだけで終わる。

「一号車、直接火力支援要請。奥にいる奴を吹き飛ばせ」

''やっちゃうです?''

''フォイヤー!''

私と天龍はそれぞれ物陰に隠れると同時に、壁を突き破って数発の砲弾が飛来し、HE(榴弾)だったのか中の高性能炸薬を炸裂させて大爆発を起こす。

いやいや、この建造物が崩れるやん...ほら

「天龍ッ!退避!」

「ーーっ!」

私の声に条件反射にも似た本能的な飛び込み前転は実際、生存本能から来るものだったのだろう。

上から降り注ぐ瓦礫をとっさに回避した天龍はそのまま私に飛び込んでくる。

無論私はそれを受け止め、庇うように背を向ける。

 

妖精さんによる直接火力支援は建物の一部を破壊したのみで止まり、当初の目的たる敵の殲滅という面では目標を達成している。しかし、私達にも損害が出るのは如何なものかと思う。

アメストリア陸軍兵士とかなら大丈夫だろうが、生憎と私達艦娘に妖怪じみた回復能力は無い。

「お、おい...刺さってるぞ...?」

「問題無い。救助が先だ。」

痛みに歯を食いしばりつつ、元骨組みを抜き取り、捨て置く。

襲ってきた残骸の大部分は背に背負っていたM634に防がれたが、背を覆っているわけでは無いので見事に突き刺さったわけだ。

「...アメさん、脱げ」

「...しかし」

「救助したとしても、負傷しているのを見せるのはいけねぇんじゃねぇか?」

「.......」

一理ある。せっかく救出しても、艦娘らに怯えられたら元も子もないし私は引きこもる。

仕方ないか...M634を床に降ろす。こういう時白衣って便利だよな。単衣っていうのかもしれんけどさ。

私のところの単衣は紐で縛ってあるだけなので、それを解いて袴から引き抜けば簡単に脱ぐことが可能だ。生憎とサービスシーンにはならんが上級者は勝手に妄想していてくれ。

単衣を脱ぎ去って、天龍に治癒符を張ってもらう。そして慣れを感じさせる包帯巻きで応急治療を完了すると、足音が聞こえ天龍と同時に銃口を向ける。

音の低さから男。金具の音もするため銃か刃物の所持の可能性大。

よって、

ババババババッッッッ!!!と暴走したサブマシンガンか何かのような連射速度でM145とM69が大量の薬莢を落としてゆく。

壁を楽々貫通していった弾丸は恐らく敵を撃滅しただろう。血飛沫が上がったのを確認できた。

新しく作った単衣を羽織り直し、M634を背負いあげる。

「天龍、先行しろ。援護する」

「おうよ!」

天龍が残骸になりつつある壁に張り付くと、私に目を向けてきた。

私は頷くと天龍が廊下へ転がり、私が素早く通路に躍り出て銃口を床、壁、天井を一気に確認してゆく。

血飛沫によって原型をとどめていないR18どころかR20とかになりそうな元、人間を端に寄せながら、通路を制圧する。

通路には先程の榴弾によって死亡したと思われる死体がゴロゴロ転がっているが元移民の子孫に興味は無い。

通路には二階につながると思われる階段と、その階段下を利用した収納。内容は想像に任せる。

地下へ繋がるような怪しいものは無いようだ。

そもそもこの建造物この通路以外道がなかったため、恐らく通路にある二対のドアは残りのスペースにつながっていると思われる。

艦娘が入っていたら大変なので手榴弾等の爆発系は使用不可だ。

さっき榴弾使ってただろって?ここそこそこ内装がしっかりしてるし防音対策らしく壁が分厚いから大丈夫だと判断したんだろ。妖精さんが。

手前の右のドアを指し、銃を向けたまま蹴り飛ばす。

鍵がかけられていたらしい。金具の弾け飛ぶ音と木の粉砕される音を聞きながら人影に銃を向ける。

男っぽいガタイのいい人型は取り敢えずミンチに加工したが、どうやら艦娘ではなかったらしい。破片手榴弾を二、三個ポイして次の部屋に向かう。

天龍は奥の二部屋に担当しているはずだ。

 

ドアには「staffroom」と刻まれたプレートが煤汚れひしゃげた状態で辛うじて掛かっていた。犯人は榴弾だ。

こちらには鍵が掛かってなかったのでそっと開けて様子を見る。

 

 

......そっ閉じした。

モブAからHくらいの傭兵から更にレベルを下げたような形容しがたきチンピラっぽい雑魚共。そいつらが銃っぽい何かを持ってガン待ちしてた。怖っ...その精神が知れない。

アホすぎる。次行こ次。

悲鳴が奥の部屋から聞こえるが、艦娘っぽく無いな。

「天龍?どうだ」

「...ダメだな。ハズレだ。」

「処理は?」

「わーってるよ!ちゃんとしてるぜ。あとこれは経験だけどな。()()()()場所は本命を奥に隠すんだ。多分二階にあるだろ」

「......天龍、先行しろ。援護する」

「合点承知ッ!」

挨拶代わりか、数十発の銃弾をプレゼントしながら天龍が階段を駆け上ってゆく。

怒号と悲鳴が聞こえる。私も階段の高低差を利用して塹壕みたいに伏せて構えるが、死体しかなかったので、警戒しながら立ち上がる。

 

「......アメさん、来てくれ」

天龍に呼ばれたため、クリアリングしながら駆け寄ると、そこで絶句した。

「.......どれくらい()きている?」

「...精神的なモノを除くと数人かね」

描写はしない。だってあまりにも酷すぎるから。

 

さすがに、これは引いた。

一部、お気に入りがいたのか、大切にされていたのであろう艦娘は無事だが、それ以外は家畜以下の扱いを受けていたのか、全身痣だらけ。骨折している者も多数。酷い場合は四肢が欠損している者もいる。

酷すぎるだろうこれは。誰だやったの。マジ許せないんだが。

「......妖精さん、救出用の車輌を直接乗り付けてくれ」

''了解です?でもでもなんか雑魚さんが群がってきているので早めがいいです?''

''集まりだしたです?''

「了解。天龍、全員運ぶぞ。意識があるものは居なさそうだが...」

主に駆逐艦と軽巡洋艦で構成された攫われ組。その9割方が負傷しており、到底自分で動けるものがいない。となると回収用に用意した装甲車輌に運ぶのは私と天龍になる訳で...

私は生憎とM634を背負っているため艦娘を背負うことができないし、145式歩兵小銃も持っているため横抱きも出来ない。残念なことに。

 

「一応聞くが、意識があり意思疎通の可能なものは返事をしてくれ」

「流石にいねぇんじゃ...」

「......ぅ...」

艦娘スペックの(ソナー)はしっかりと、捉えた。

僅かに動かしたのであろう衣摺れの音を頼りに、死体のように放置されている艦娘達を避けながら探す。

 

ネグリジェと言うのだろうか。幾つかのウチの艦娘が着ていた記憶がある薄い肌着。

それを纏った艦娘。

背格好は高く、女性的な理想的なプロポーションをした魅力的な艦娘。

腕や足に傷が無いことからお気に入りだと思われる。

残念な事に名前が出てこない。多分私の知識外の新たに追加されたのだろう新規艦娘。

黒髪ということしか私には分からん。誰だっけ...

「動けるか......?」

「えぇ...なんとか、ね...」

肩を貸して、何とか立ち上がってもらう。

ふむ。160くらいか。駆逐艦...の高身長組か、軽巡のロリ組か。判断ができない。

私の知識にあるの魔のMI/ALまでだからな。史実知識はあってもゲーム的知識はそこで止まっている。正直、ソロモンを辛うじて知っていた程度。よくわからない知識量で、私自身これからの展開を知らんからちょっと不安でもある。

 

妖精さんに直接乗り付けてもらった装甲車輌に天龍と二人がかりで一人ずつ艦娘らを運んだ。

例の意識のあった艦娘は私達が乗ってきた三号車に乗ってもらっている。

五七式重装甲輸送車、七九式装甲輸送車共に割と巨大なため兵員区画も広く、今回のためにベットマシマシ装備に即席改造した野戦救急車(物理)には全員乗せることができたのは僥倖。

ハッチを閉じてもらい、この金蔓の異変を聞きつけたであろう周辺からスポーンしてきた雑魚共の相手をしているのが現在の状況。以上、ダイジェスト説明終了。

 

145式歩兵小銃ではなく19.8mm重機関銃で粉砕しつつ、天龍にアイコンタクトで輸送車に乗るように指示した。

しかしこれがいけなかった。僅かでも視線を逸らしたのが仇になったのか、気がつけばロケット音。RPGのご来店だ。

「ーーッッツ!?」

思わず、弾種を榴弾にしたまま、19.8mm重機関銃で迎撃してしまった。

当然、大爆発が空中で発生し、衝撃波が私を襲う。

破片が四方に拡散し、五七式に当たったのかカンカンと硬い金属音が断続的に聞こえた。

 

耳が痛い。

キーンという耳鳴りのような、現実感の無いような曖昧な感覚に陥り、平衡感覚を失ったのか、立ち上がることができない。

しかし、急に何かに引っ張られる感覚が私を正常に叩き戻した。

多少荒かったが、天龍が私を車内に引きずり込んでくれたのだ。無論、銃は回収して。

「っう...すまん...」

「今は良い!妖精さん、すぐに出してくれ!激しすぎるぜ全く!」

''いえすみむ!急発進します?''

''火力支援開始です?''

''主砲バンバン!''

ハッチが閉められ、けたたましい銃撃音から解放された。

私は既に汚れてしまった単衣を新しいものに作り変えつつ、壁を使って何とか起き上がる。

「...隼の妖精さん、聞こえるか」

''ばっちりです?''

''クリアな音質を確保してるです?''

''高音質です?''

「制圧した作戦目標への砲撃をしてくれ。弾種榴弾。」

''やっちゃうです?''

''攻撃開始です?''

''アップはじめるです?''

''ふぉいあー!''

直後、隼から飛来したであろう46cm砲弾がアパートもどきをピンポイントで吹き飛ばし、絶大な威力を持って根こそぎ殲滅した。46cm榴弾だからな。そこそこの威力はある。

「ふぅ...天龍、怪我は無いか?」

「おう。無傷だぜ。アメストリアは...一応無事なようだな?」

「無論だ。」

いや、体の節々が痛いっす。

ちょー痛いっす。RPGの衝撃波をモロに受けたからかそのあと転がったからか身体が痛い。

破片が刺さっていた傷跡が再び開いてきている。

 

「あの......」

「...む、すまない。挨拶が遅れたな。私は大日本帝國海軍ナウル鎮守府所属、アメストリア型戦艦一番艦アメストリアと言う者だ。貴官らの事は前から知っていたが、この度救出作戦を実行した次第だ。できる限りの支援はするつもりだから

遠慮無く言って欲しい」

「あ、はい...陽炎型駆逐艦四番艦、親潮です。アメストリアさん...聞いたことがあります」

おやしお...オヤシオ...親潮...はっ!SS-511か。いや違う違う。あいつは1960年就役の国産潜水艦だ。駆逐艦じゃない。

でも陽炎型駆逐艦四番艦というのは分かるが、艦娘としての知識が無い。となるとミッドウェー以降となるわけか。キャラを知らんから話し辛いな..。境遇から考えても...ね?

()()大本営に強行突入した方ですよね?」

「......そうだが。」

 

......その覚え方されてんの!?

あれ黒歴史だから忘れたかったのに...良い思い出無いし。痛かったし機関幾つか爆発するという割と危険な被害でたし。初めてだったな。物理的に心臓にダイレクトアタックされたの。

「遠征組から聞いたことがあります。...その後、すぐ売られちゃいましたけど...」

「...すまない。」

「......なぁ親潮。他の艦娘に関しては、アメストリア預かりになっても良いか?まずは治療が必要だぜ、アレは」

「はい、構いません。寧ろこちらから感謝したいくらいです...」

「拉致された艦娘はあそこにいた艦娘で全員だろうか?」

「いえ!...実は、初月がよくわからない男に連れ出されて...」

「下手人の名前は分かるか?」

「はい。おぼえてます。たしかーーーです」

「天龍、分かるか」

「あぁ。マークしてたやつの一人だ。住所、交友関係、職業から趣味まで全部洗ってある。

たしかアンクルトムの小屋の奴らも目をつけてる札付きのワルだな。成金の資産家だ」

「近いか?」

「そうだな...ここから120kmといったとこだな。」

遠いな...このまま行くと2時間ほど掛かってしまう。

護衛すべき負傷艦娘達も沢山いるし、いま調べたらもうニュースになってる。

常連どもが警戒を始めていてもおかしくは無い。

「妖精さん、隼にヘリは積んであったか?」

''ありますなー''

''こんなこともあろうかと''

''じゃじゃーん!CH-76です?''

''ヘリなのにプロペラ無いです?''

''噴式です?''

''はやいですなー''

「そうか。すぐに飛ばしてくれ。少し必要になった。あと、車両群はこのまま隼を目指す。受け入れの準備を整えてくれ」

''あいあいさー!''

''医務室、ひらけごまです?''

''武装、用意です?''

CH-76というのは、「CH」とかついていながらプロペラ使っていないジェット輸送機だ。

しかしオスプレイみたいに主翼の両端に発動機が付いており、垂直離陸が可能な重装甲と足の速さが自慢の輸送機だ。あれならすぐに向かうことができるだろう。

「天龍、これより追加任務だ。武装の再点検、弾薬の再装填を済ませておけ」

「了解。でもよ、7.62mmはだめだな。イマイチ弾道が安定しねぇ。」

「そうか...7.92mmを使うか?」

「できればそうしたいな」

「承知した」

 

7.92mm口径の純アメストリア製M69を天龍に渡した。

今度こそ本来のM69。7.92mm口径は割と反動が強いのだが運用が妖怪前提の為そこら辺は考慮されていない。しかし艦娘となれば身体機能は高く、7.92mmでも運用する事が出来るだろう。

 

「親潮、申し訳ないが、私達はこれから初月の救出へ向かうことにした。この車両は私の内火艇へと向かっている。安心して欲しい。装甲に守られた安全なシェルターの役割を果たしてくれるだろう。困ったことがあれば妖精さんに言ってくれ。恐らく殆どの事はできるだろう。」

「わかりました。本当に何から何まで、ありがとうございますわ。」

「元はと言えばこの作戦も私の独りよがりだからな。気にしないで欲しい。貴官らの船体も私の妹が探しているはずだ。恐らく回収は開始されているだろう。」

 

そう言っていると、この五七式重装甲輸送車の防音性能を持ってしても響き渡る大音量のジェット音。もう到着したか。

19.8mm重機関銃は邪魔なので、同じく7.92mm口径にアップグードさせた145式歩兵小銃と一応用心にA-10自動散弾銃を持って行く。

そうして砲塔のターレットリングを利用してよじ登り、砲塔から外に出た。

 

上空には既にCH-76が並走?空?しており、後部貨物ハッチを開いていた。

強風が私を襲う中、ゆっくりと降りてきたハッチを掴み、何とか搭乗する。

さっきからサイレンが煩い。ヘリのエンジン音も聞こえるため警察か何かのヘリも近くに来ているのだろう。ライトも照らされている。

五七式から出てきた天龍を回収し、試射ついでに背中からA-10を出して、ちょうど視界に入った黄色の塗装ヘリにアイアンサイトを向けて、引き金を引く。

散弾を装填していたため、当たってはいないが、威嚇にはなっただろう。妖精さんに言ってハッチを閉じてもらう。

「...天龍。警察、メディア、州兵も動き出している。迅速にカタをつけなければならない。分かるな?」

「おうよ。何時もはこんな大事にしないけどな。陽動でやったことはあるぜ」

「そうか。兎も角、到着後そうだな...10分でカタをつける。すぐに初月を回収したらそのまま隼に戻る。その後は隼を私の船体に戻し、ナウルへ帰還予定だ。」

「オレ達の船体はどうすんだ?」

「それなら龍田に頼む。」

 

『まぁかせなさぁ〜ぃ。天龍ちゃんの体はしっかりと持ち帰るわぁ...』

言い方やめい。龍田ボイスとあってエロいだろうが。

「......なぁアメストリア。オレの船体、無事だよな...?」

「保証しかねるな」

「......。」

「と、兎も角!今回はスピード勝負だ。妖精さん、あと何分で到着する?」

''そーですなー''

''8分の1時間です?''

''450せかんずです?''

ふむ、7分半か。最近分かりづらい伝え方してくるから困っているんだが、誰だろう変な知識仕込んだの。妖精さんは良い意味でも悪い意味でも純粋なんだから変に知識仕込んだら何が起きるかわかったもんじゃ無い。ノリで核作るんだから警戒が解けないんだよ。

気苦労が絶えない。その分恩恵も受けてるけどさ。

 

初弾を装填し、光学サイトを起動させる。

アメストリア製の未来感溢れる、銃身温度や距離、重力影響に気温湿度などの気象情報が浮かぶ上がるホログラフィックによって構成された不思議な光学サイトを覗き込み、ドットがしっかりと表示されていることを確認する。

腰に吊るしてる五式自動拳銃も両方コックし直しておく。

''到着1分前です?''

''準備おねがいです?''

ガタン、と機内の照明が落ちて赤い光に変わる。

A-10自動散弾銃を後ろから回してマガジンをスラグ弾に換装する。

多分知らない人もいるだろうから言っておくがスラグ弾はショットガンの癖して弾丸が一発に収束されてる「何だこいつ」的な立ち位置の銃弾だ。

狩猟に主に使われる銃弾で、森林など障害物が多い中獲物を仕留める際に活用される。

まぁ散弾だと殺せない可能性もあるしな。

あと威力が高い。炸薬分のエネルギー一発に纏めているから当然だが、結構強い。

レバーを引き絞り、シェルを薬室に送り込んだのを確認する。

''到着30秒前です?''

''ハッチおーぷんせさみんです?''

モーター音と共に冷たい風が吹き込んでくる。

徐々に開けてくる視界には人工的な明かりがはるか遠くに密集した、牧草地の上を飛んでいるのか、人気の少ない暗闇が飛び込んできた。

あれだろ、敷地大きすぎて住宅街にふさわしく無いから半ば追いやられるように郊外にあるんだろ、成金屋敷。ざまあない。

 

''到着10秒前です?''

機体が降下を始めた。反作用から減速も感じ取れる。

145式歩兵小銃の銃床を肩に当て、天龍を流し見る。

天龍もM69を構え、目を閉じていた。刃の如し殺気に似た覇気をビシビシ感じる。

地面が映った。さて、作戦開始だ。

 

銃声が響き、火線がこちらに伸びてくるのを確認したが先か、ごろりと転がって整えられた芝生に伏せて回避する。

どうやら既に警戒されていたらしく、チンピラなのかマフィアなのかよくわからん破落戸が出待ちしてた。ウザいな成金の分際で。

同じく転がってきた天龍を確認し、虐殺を開始する。

 

まんまMG-42の潰れた銃声。

LMGのような掃射に対応できなかった多数の破落戸がミンチにランクアップする。

怒号と悲鳴。加えて軽い銃声。敵側は大混乱のようだ。知ったこっちゃないけど。

匍匐前進の要領で進んでは撃ちを繰り返して接近する。その間に天龍は艦娘スペックを活かして素早く破落戸に近付くと超至近距離で掃射したりM69を槍のように使ってバッタバッタと薙ぎ倒していた。あの...天龍さんや。M69はそういう使い方想定されてないんですが...全長とかハンドガードとか。......ん?

そいつ、銃剣ついてませんか?私あげた覚えないぞ?もしかして愛用品か何かですか?

マイナイフってやつですかね。

 

エントランス付近のゴミ掃除は終了したため、二階以上の高い部分を警戒しながら、一気に接近してゆく。人間って集中してる時自分より高い場所を気にしなくなる事が多いからな。

これ、鬼ごっこに使えるぞ。見つかったら逃げ場がなくなるという難点付きだが。

A-10で立派な高級木材製玄関扉の蝶番を破壊し、蹴り破る。

鍵が弾けとび、一気に内部が浮き彫りになる。

 

.....うわー、ないわー。

よくある、貴族の屋敷をイメージしてもらったら良い。そのまんまだから。

これ見よがしに高そうな調度品と床にはペルシャ絨毯が敷かれ、二階に繋がる螺旋階段。

「天龍、一階を頼む。邪魔するやつは処分して良いぞ」

「言われなくてもやるさ。」

そう言って同時に走り出し、スポーンした破落戸に向けてスラグ弾をお見舞いしてゆく。

血飛沫を上げながら物言わぬ肉塊に昇格してゆく残骸を蹴り飛ばしながら145式歩兵小銃に持ち変える。

光学サイトを覗きながら、慎重にクリアリングしてゆく。

細い廊下とありアンブッシュされたら避けようがないのだ。壁から壁へ。

常に障害物を背にゆっくりとかつ大胆にクリアリングしてゆくと、また破落戸が飛び出してきた。条件反射的に数秒間トリガーを引き絞り続け、壁にスプラッタな現代アート(笑)を作成してゆく。どうせ焼くし何やっても変わらんだろ。

 

光学サイトが敵の熱源を見つけ、表示してくれる。

見たところ二、三人が群がっているご様子。壁に背をつけて手になんか握っているところを見ると待ち伏せのつもりらしい。

関係なく壁ごと撃ちぬき、肉塊に進化させてゆく。

っと。やけに豪華な扉が目に入った。

多分「アタリ」だろう。容赦なく蹴破ると、そこには豚がいた。

いや、比喩でも何でもなく、直喩で豚がいた。でっぷりとした油だらけの体にこれまた油だらけの豚顏。豚が服を着ているようなシュールな光景に一瞬止まってしまうも、警戒していたであろうなぜか固まっている護衛を消し飛ばし、銃口を豚に合わせる。

撃ったら豚汁が出てきそうで怖いな...

「ヒィィイ!?い、命だけは助けてクレェ!」

「断る」

「な...か、金なら望むだけくれてやる!他に欲しいものがあれb」

処理する。ゴミは入念に。10秒ほど7.92mm弾をぶち込んで、更にスラグ弾を100発ほど。既に赤い液体に変身した豚を一瞥し、部屋を見回す。

「......あったな。」

本当にあるとは思わなんだ。隠し帳簿。

開いてみると今までの取引先の名前に取引額、取引物に評価までつけられている。

確実な物的証拠だろう。とりま回収しておく。帰り際に適当に置いとけば警察かなんかが拾うだろう。

更に見回すと、隣に寝室なのか扉があり、先がありそうだ。

待ち構えられていたら堪らないので、そっと開ける。

誰もいないようだ。というか明かり自体ついていない。慎重にドアを開け、銃口をベット付近に向けたところで、光学サイトに熱源を知らせる影が突然現れた。

「ーーっ!?」

その黒く、思いの外素早い動きに動きが硬くなってしまい、初撃を受け止めるほかなかった。

しかし私はアメストリア型戦艦。馬力は人間の比ではない。

ライトのポール部分らしき凹んだ金属棒を弾き飛ばし、下手人を膝で押し倒す。この距離は小銃よりも五式自動拳銃の方が有利だ。素早く抜き取ると、そこで私は静止してしまった。

「......初月で、間違いないか」

「ヒッ!...そ、そうです!僕が初月だ!」

狼のような少女。夕立の様に左右に跳ねる耳の様な特徴的な黒髪に鋭い顔立ち。

しかしその整った顔立ちはやや窶れ、怯えた恐怖の色に染まっていた。

すぐにどき、銃をホルスターに戻す。因みに膝立ちだ。

「すまない、私はアメストリアと言う者だ。貴官を救出すべくここに突入した。同行願いたい」

「......そ、そうか...分かった。」

 

薄手の服一枚のみの初月には外の空気は寒いだろう。作った厚手のブラウスを渡して着てもらう。私とサイズが大幅に違うためか、萌袖になったがまぁ問題はないだろう。

ブレーカーが落ちたのか真っ暗になってしまい月明かりのみとなった。

ギュッと初月が左腕にしがみついてきたのを無視して扉に銃口を向けて、殺気を乗せて睨みつける。しかし光学サイトにも熱源はなく、ただブレーカーが落ちただけの様だ。

 

「初月、移動するぞ」

「分かった。助かる」

 

さりげなく手を繋いできたので、離さないように指を絡めて立ち上がる。

身長の差もあって若干手を繋ぎにくいが、そんなこと言ってる暇はない。

走って一階に急ぐ。

 

一階も変わらず照明が落ちているため暗かったが窓が多かったのと玄関口が何故か全開になっていて、蹴破ったドアに複数の足跡が確認できる。

 

「確保できたんだな」

「あぁ。そちらはどうであった」

「何もねぇな。それらしき場所も証拠も何もありゃしねぇ。」

「そうか。こちらで裏帳簿は回収した。撤収する」

 

噴進機の轟音が近づいてくる。CH-76だろう。

 

「あ、あの...少し良いだろうか」

「む?何だ初月」

「僕以外の艦娘達は...」

「ふふ、親潮と同じことを言うのだな。」

「じゃぁ...!」

「うむ案ずるな。既に救出済みだ。既に私の内火艇に回収済みだ」

「内火艇...そうか。感謝するアメストリア。」

「いや、礼には及ばんよ。」

やっと笑顔が戻った。はにかむ程度の者だったが、それだけでも十分可愛い。

初月って可愛いな。初見だがそう思う。

''アメリカ空軍からスクランブル確認です?''

''急いでらいどするです?''

「了解した。直ぐに乗り込むぞ!」

遠くからサイレンも聞こえてくる。やはり動きは早い。

しかし問題にはならないな。空だし。

 

着陸したCH-76に全員で乗り込むと直ぐに離陸。ハッチを閉じて最大速度で隼に帰還する。

その間天龍はM69を機内ガンラックに掛けると座席に座って深く息をしていた。

やはり戦闘は誰であれ緊張する者だ。

私も145式歩兵小銃を立てかけて座席に深く腰掛けた。初月はというと暗闇が映る窓から静かに成金屋敷を眺めていた。その心情を察することは出来ないし、深く足を踏み入れる勇気は私にない。所詮私ができるのはその場しのぎの応急的なことだけだ。

 

数々の艦娘を抱える私の言葉として不謹慎極まりないが、私に他人の人生を曲げる勇気なんてない。しかしこんな中途半端極まりない私には艦娘たちも妹達もついてきてくれる。

私が立案した作戦にも文句言わず付いてきてくれる。大規模作戦とは関係なく北方遠征や演習など決して暇ではない任務にも行ってきてくれるし、ちゃんと誰一人欠けず帰ってきてくれる。私が立てた作戦のせいで負傷しても私にカチコミしてこないし、むしろ私の心配までしてくれる。私は何もしてあげれてないのに。

でも、それが嬉しくってむずくって堪らない。

あぁ、もう。みんな大好きだよこんちくしょう。

 

''艦娘さん艦娘さん、アメリカ空軍のF-35から投降命令がでてるです?''

''どうするです?''

「無視しろ。これ以上続けるなら隼で落としても構わん。」

''あいあい''

''いえっさ!艦対空噴進弾用意するです''

''敵機補足です''

血気盛んなことで。

そう言っている間にもCH-76は隼目掛けて飛行を続け、目視できるようになった。

というのも警察が隼の上陸している周辺に封鎖線を引いておりライトやらで明るくなっているし、野次馬どもが群がっているようですごい目立つからだ。

今の所隼の45mm対空機関連装砲などは沈黙しているらしく、周辺を飛び回っている蚊共を落としていない様子。

しかし、いま発砲した。といっても対空砲ではない。

艦首、ステルス性を考慮して展開式になっていた甲板の蓋が外れ主砲がせり上がると旋回し、とある角度、仰角に砲身を向けると、12発に渡って榴弾を発射した。

無論30秒に一発という訳ではなく、私達には常識となってしまった連射である。

46cmと侮るなかれ。当時世界最大の艦載砲の砲声は巨大で、衝撃波を周囲に撒き散らした。

それを横目に隼の後部甲板に着陸したCH-76は噴進器を切ったのか出力の下がるタービン音が聞こえてくる。

更に、CH-76は驚くべき事に主翼を畳み始めた。

伊-400型に乗せる晴嵐みたいに主翼を機体に沿わせるように畳んだら、甲板ごと下降して行き、機体を船内に飲み込んで行く。初月が大層驚いていた。

というか隼が見えた頃から大和じゃないか!?って混乱していたが、今回は更に予想を超えるアクションであったらしい。

まぁ驚くわな甲板ごと下降するEVとか。

 

無事格納庫に降りたCH-76は後部ハッチを開け、ようやく役目を終えた。

私は妖精さん達をなでなでして労った後、初月を連れて船内に降り立った。

「こ、ここが船内...まるで工廠のようだ」

「ある意味そうでもあるな。ここは格納庫だが多目的に設計されている。様々な用途に使用できるよう広く作られているからな。」

因みに妖精さん談だ。修理、改造くらいなら船内でできるらしいぞ。工作室はあるようだし。

見回すと、作戦に使用された五七式と七九式が並んでおり、その周辺は騒然としていた。

医療担当の妖精さんがせわしなく動き回り、担架を次々と館内の医務室に運び込んでいた。

やはり、そうなったか。

''艦娘さん、ほーこくです?''

「聞こう」

白い白衣を着た妖精さんが駆け寄ってきた。

''助けた艦娘さんは全員脱水症状と外的損害、精神的損害を受けてるです?''

''ついでに言えばセラピーのレベル超えてるです?''

そもそもセラピー自体信頼性が低いけどな。効果も今ひとつだし。

こればっかりは私に干渉できない部分だ。

「外的損害は回復できるか?」

''あたりまです?アメストリアの技術なめるなです?''

「そ、そうか。できれば全員正常な状態に回復させてやってくれ」

''よーそろー!でもでもナノマシン的な物入れるの大丈夫です?''

''危険性ないです?''

「後遺症がないのならば許可する。初月、」

「...何だ?」

「丁度、居たようだぞ。ほら」

丁度五七式重装甲輸送車から降りてきた黒髪の艦娘。

親潮だ。妖精さんに渡されたのか海軍の佐官用礼装を肩に羽織っている。

流石に階級章は無いが白い礼装は黒髪によく映える。

親潮もこちらに気付いたのか覚束ない足取りでこちらに駆け寄るも、それよりも早く初月が走り出し、親潮を抱きしめた。......不謹慎だが叫んでいいだろうか。

 

 

ーーー キマシタワーーーーーーーー!!

 

 

 

ぐぐもった泣き声が静かな...これは嘘になるか。僅かに砲声が聞こえてくる。

格納庫に響き、作業音を消し去ってくれる。

出会い頭突っ込んできた初月に僅かに驚いた風の表情を浮かべた親潮だが、余裕を感じさせる動きで初月の頭を撫で続けてていた。和む。というか可愛すぎる。

ウチの妹達もあれくらい可愛かったらいいんだが...何分色々と成熟しすぎているからなぁ...達観している部分があるから可愛げが無い。ノイトハイルとかはまだ可愛げがあるが、アレもリバンデヒ同様キャラだろうし、なにより気が置けない。

 

『ーーお姉ちゃん、残存してる船体を回収したわ。』

「...そうか。どれくらいあった」

『一、二隻ね』

「......何だと?」

何故に二隻しかないん。

おかしい。おかしすぎる。

何故だ?よくわからなくなってきたぞ?

だめだ。頭が混乱してきた。

『因みに聞くけれど、救出した子達は何人いるのかしら』

「意識有無区別せず35隻だ。」

『......おかしいわね。33隻分どこに行ったのかしら』

「しっかりと探したのか?」

思わず、リバンデヒの探査ミスを疑ってしまう。

だってそれくらいしか原因を思いつかなかったから。

「舐めないで頂戴。三度再探索したのよ。けれど隠蔽された船体は二隻しか見つからなかったわ。それも一隻は半解体状態よ』

「.......リバンデヒ、艦娘は船体を解体したらどうなる」

「肉体だけ残るわよ?艦娘の方が艦船としての本体という認識が移るだけよ。解体はそういう儀式でもあるのよ?』

なにそれ初耳なんですけど。

あれか。轟沈は死を意味するから艦娘も死亡するが解体は船体から艦娘へ存在概念を移譲する儀式だから艦娘は死なないと。それ誘拐し放題じゃん。

だからここまで防げなかったのか...成る程。理解はしたが納得はしていない。悪用されたのが尚更頭にくる。

「.......なら残りの艦娘の船体は解体されたと考えて間違い無いか」

『えぇ、そうじゃないかしら?』

「そうか。ならば残存した船体を回収してナウルへ帰投しろ。」

『了解よ。全速で帰投するわ。じゃあ、またねぇ〜。』

「うむ。被弾するなよ」

『あ、お姉ちゃん。』

「なんだ」

『怪我してたら折檻よ?』

「........なんだと?」

『うふふふっ♪因みにノイトハイルも参加するわよ?』

終わったっ!!私の艦生オワタ。

絶対動けなくなる。断言できる。また激しい腰の痛みで暇を出すのは辛いんだが...特に龍田の意味深な笑みとか大和の引き攣った笑みとかグサグサくるから...うぅ〜〜っ!!!

 

 

 

 

 

 

 

隼が防衛とは名ばかりの蹂躙をしていたのを止めさせた。

いい加減離脱しなければアメリカ海軍に追いつかれる。

ここが海軍基地が近くなくてよかったよ。

主砲を船体に格納し終えたが先か、スラスターを逆噴射して乗り上げていた状態から海上へ船体を戻す作業を始める。

「後速30ノット。半上陸状態から脱出する。」

''あいあいさー!''

''スラスター逆噴射です?''

''敵さんが豆鉄砲撃ってきてるです?''

「鬱陶しいな。適当な対空砲で追い払え」

''撃つです?''

''お掃除です?''

右舷の対空砲の内1基が突然旋回すると片方の多砲身を回転させ始め、思い重低音を響かせてけたたましい爆音を放出する。

ジャラジャラと下に空いた小さな排気口らしき四角形の空洞から滝のように薬莢を吐き出した。

回転する多砲身から曳かれる曳光弾が線となって陸にいた雑魚共に襲いかかり、誰彼構わず障害物ごと消し飛ばしてゆく。

何しろ45mmだ。ちはたん新砲塔よりも少し小さい口径であるため貫通力も威力も桁違い。

銃は一部を除き瓶が破裂する程度で済むが、45mmという機関砲はそれだけでは済まない。トレーラーを正面から五両ブチ抜いて全部爆散させれるだけの威力がある。

アレだな。分かりやすく言えばそこらへんにあるビル一棟なら一発で粉砕できる。一階部分なら。

そんな極めて致死性の高い機関砲弾が帯となって襲いかかったのだから被害は甚大。

ハリケーンが通った後のような荒廃し、抉れた大地が姿を現した。

''水上に復帰です?''

''ざばーんしたです?''

''進水式やたです''

「方位2-0-0。50ノットにてアメストリアへ戻るぞ」

スラスターが上手く作動して()()()()()()()()()()()。つまり船体側面に付いたスラスターが珍しく仕事して一気にその場で旋回したのだ。いいなぁ、私の船体にもつけてやりたい。しかし私の船体につけることはできない。

そもそも付けたら配線と骨組みに多大な影響が出る上にほぼ一点物の船体外殻に穴を開けてしまうことになる。何より弱点になる。装甲が薄くなるし。

術式とかでなんとかするというのもあったのだが、アレも動力源よくわかってないので手が出しづらいのだ。

 

''右舷前方、2時の方向に敵PTボートです?''

''すばしっこいのきたです?''

''うざいのきたですなー''

''我々も嫌いなのだー!''

''それなー!''

「消し飛ばせ。一応客を乗せているからな。魚雷でも撃たれたら敵わん。」

 

医療活動に支障が出るだろうが。PTボートはあのウザいボートだ。ミニ水雷艇と言っても差し支えない、魚雷を積んだそこそこの脅威を誇る。遅いが。

とにかくウザいし形気に入らんから消し飛ばすことにする。

主砲を格納ハッチから引き出し、砲身をPTに向ける。弾種はHE。

 

46cmの巨砲が雷鳴し、榴弾が撃ち込まれた。

PTは回避しようとしたらしいがアメストリア製は初速がアホみたいに早いため動き出す前に着弾。優秀な信管は被帽が潰れた瞬間に作動し、大爆発を起こす。

海面を舐めるように横に広がった爆発は弾着点を中心に海水が蒸発し、物体を薙ぎ払っていた。

 

隼はその良好な稜波性を見せ、軽快に駆け抜けた。

減速が始まったのはアメストリアから5km手前。

どうやら逆噴射を使用せずに船体を横付けするようで、妖精さんが慌しく計器を弄っていた。

私はそれを尻目に初月と親潮の様子を見に行った。

転移を使って一気に格納庫に移動すると、五七式や七九式は既に量子変換で片付けられたのかその姿はなく、念の為置いたままのCH-76がポツンと昇降機に佇んで居た。

そんな中、妖精さんが支援したのか仮の休憩所が設置されており、其処に二人はいた。

蓙が敷かれた仮の床に座布団が置かれ、軍用戦闘食のレベルを超えた普通に調理されたと錯覚してしまうほどの完成度を誇るアメストリア軍全軍が採用した[軍用戦闘食 和食仕様]

が広げられ、妖精さんが宴会を始めていた。

 

何やっとんねん。妖精さんや。

よく見なくても陸軍妖精さんで、多分今回の作戦の慰労会だろう。

それなら私が咎める謂れはないんだが、初月と親潮を巻き込むのはどうかと思うんだが...

「となり、失礼する」

「ん...アメストリアさんか。構わないぞ。」

「私も構いませんわ。寧ろ参加くださいな、是非貴女の話を聞いて見たいものです」

「...私の話など、つまらな''艦娘さん艦娘さん、巡回してた警ら隊に船体が見つかったです?''ーーーそうか。国際周波数の無線にて警告後、連装砲にて威嚇射撃しておけ」

''あいあい''

''りょーかい!''

「こほん、失礼したな。私がしたことは私の独善的な思想に基づいた自分勝手な行動の結果だ。それが偶々いい方向に傾いているだけであって、意図的にしたものではない」

「.......そうか?僕には艦娘の為に身を粉にして活動していたように見えたが」

「同じく。貴女は賢いですもの。外聞だって把握していて、その価値にも気付いていたはず」

「.......ふふ、確かに他鎮守府に居た艦娘らにアピールするなどの他の意図があったことは否定しない。私は艦娘を無条件で博愛している。艦娘のためならば例え大破しようが轟沈寸前になろうがどんなことだってするつもりだ」

「今回のように...か」

「うむ。既に数え切れないほど痛い目にあってきているから、同情や忠告は受け取らぬぞ」

「そうか。なら僕は何も言えないな」

「アメストリアさん、確かにこんな所まで私達を助けに来てくれたことに関しては、一生を賭けて返すつもりです。でもね、貴女の生き方、確実に自滅すると思います。」

「......。」

 

何を今更。

私とあう存在はそもそもイレギュラー。トゥルーエンドなど迎えることができないのは初めから知っているし、ある程度覚悟している。

ハッピーエンドかバットエンドか。いずれにせよ私が迎える終わりは両極端なのだ。

私ももう二度と妹達を泣かせないって決めてるしな。下手な終わりを迎えるつもりは毛頭ないぞ?殺りたいなら空軍でももってこい。

 

''艦娘さん、あと30秒でアメストリアに到着です?''

 

減速が始まり、噴式の轟々しい濁流の音がここまで響いてくる。

ナウル鎮守府の駆逐艦のような曲芸航行を持ってアメストリアの側面格納庫に滑り込ませるのだ。あとはクレーンが素早く掴み上げると船内に引っ込めて装甲板を元の位置に戻せばもう安心。突然地球が爆発しようとも演算領域最大に回せば防げるほど、世界一安全なシェルターに艦娘らを保護することができる。

 

「リバンデヒ、そちらはどうだ?」

『こちらリバンデヒ。現在ナウルから2000海里よ。帰還後はどうすればいいのかしら』

「回収した船体を通常艦用ドックに入れて、維持をしてこいてくれ」

『無茶言うわね。正直言うと金属疲労は限界突破。あちこち腐敗して雨風にさらされ続けたからか船底には穴が開いて艤装も満足に載せれないし、ドックに移すのもやっとなの』

「......そうか。取り敢えず足場だけ組んで姿勢固定しておけ」

 

そう命じて、初月と親潮の手を掴んで裾などいろいろな面積の多さを活用して抱き込むと格納庫に据え付けられた手すりにつかまり、衝撃に備えた。

突然のことに初月と親潮は硬直し、何もできないでいたため寧ろこちらとしては都合がいい。

 

突如船体が軋み、慣性で強烈な圧力が私達にもかかった。

思わず、放り投げられそうになったがそこは艦娘パワーで何とかしがみつき、耐え凌ぐ。

隼はチハたんのごとく曲芸航行を要求するじゃじゃ馬なので、妖精さんでも完璧な操縦ができない。

しかしそんな中何故か妖精さんは減速を利用しない強引な転舵でダイナミック格納を行なうことを決定した。まぁ警ら隊とかがうろちょろしてて恐らくすぐに海軍が駆け付けてくる可能性がある中態々時間かけて減速してクレーンで吊り上げて格納。ハッチを閉じて濡れた船体を乾燥と塩化防止処理をしなければならないが、この中で一番時間を食うのは減速の時間だ。

 

これは高速航行から低速に移行すると当然船体に負担がかかるし、発生する波も巨大なものに変わり、その反動もまた船体に返ってくる。その急激な変化は主砲や対空砲にも影響し、重力や反動云々で命中精度はゼロに等しくなるし舵の効きも悪くなる。

当然と言えば当然だ。

動力が噴式である以上一瞬でトップスピードまで加速する。

スクリューのように徐々に加速というのができないのだ。逆も然り。

減速は噴式、急なものでガクンと体が引っ張られてしまう。あれだな。車乗ってて急停車した時のアレだ。今回は急カーブした時の感じだな。

 

軋む声が小さくなった頃、ガタンッ、と機械音が甲板から聞こえてくる。

恐らくクレーンが接続された音だと思われる。

 

「......あ、あの...」

「...む、すまない。」

 

まだ、抱き込んだままだった。

赤くなっている二人から離れ、立ち上がる。やることはまだまだある。

今気づいたが、113号電探によると海軍基地から既に艦隊が緊急出撃している。

隻数は六。駆逐艦が多いが、何故か戦艦が一。

全長から見てコロラド級。誰かは知らんが、妨害してくるならばそれ相応の処理をしなければければならない。

「ここからは妖精さんと過ごしてくれ。何分私の船体は巨大故な、迷い子になったら一年は出れなくなるからな」

「一年...それまたすごいな...」

「この船は違うのですか?」

「こいつは隼と言って私の内火艇だ。」

「先ほどから思っていたが内火艇の次元を超えていると思うのだが...」

「まぁ、そうでもある。しかし私本体の大きさから見ればこれくらいの大きさになるのだ。格納庫も大きいしな。何たってこの隼は46cmを二基積んでいる」

「......は?」

「...はぇ?ほ、本当なんですか?」

「うむ。46cmと対空砲を幾つか積んであるが」

「それは内火艇と呼ばないと思うが」

「そうよ。内火艇は砲を積まないし、対空砲も良くて機銃の程度ですよ?」

まぁね?私も最初は驚いたよ?何でこれを内火艇と名付けたのか本人とじっくり話し合ったらこれ、子機らしいんですわ。

内火艇兼上陸艇、補給艦に戦艦らしい。アメストリア自体多目的艦だが、子機もそれを引き継ぐか...呆れた記憶がある。

 

「正論だが、私達には通用しない。これから向かう鎮守府は貴官らにとってまさに常識外のことになると思うが、気を確かに持ってくれ」

「......?何となく嫌な予感はするが」

「そうですね。そう言えば私達の船体の現状をお教え頂きたいです」

「現在貴官らの船体は非常に危険な状態であった為ドックに入れて維持をさせている。」

 

リバンデヒが仕事してれば、の話だが。

 

「現状、貴官らの船体のみ残っていたのだが。他の艦娘を含め、一旦全員を保護するが、その後は大本営の指令か、恐らく新設されるであろう鎮守府に配備されることになると思われる」

「そ、その...実は頼みたいことがあってだな」

「...?なんだ」

「僕達を迎えてはくれない...か?」

 

まさかの着任要請である。

確かに私の持ってるカードの幾つかを切れば容易いことだ。

史実から優秀な傑作?駆逐艦の陽炎型に対空特化の秋月型。

妖精さんに頼めばそれはもう素晴らしいスペックにレベルアップしてくれるだろう。

現状主力らに配備されている駆逐艦は吹雪のみ。

ぽいぽいも加わってくれれば二隻。まずおかしい編成だと私も自覚している。だって第二艦隊の編成が、

 

大和、武蔵

長門、陸奥

赤城、加賀

蒼龍、飛龍

高雄、愛宕、鳥海、摩耶

矢矧

吹雪

 

だぜ?駆逐艦一隻やん。

軽巡洋艦も一隻、重巡は四隻いるけど14隻中四隻は戦艦、四隻は空母だぜい?

頭おかしいだろという意見は甘んじて受ける。認めんが。

アメストリア式に入れ替わってるから仕方ないんだもん。装甲硬いし戦艦の弱点改善されたし実質駆逐艦といれば対空要因でしかないのだ。ウチの鎮守府では。

でも第三艦隊にはそもそも駆逐艦が居ない。

川内型いるけど水雷戦隊組んでない。組むなら第四遊撃隊から暁四姉妹を引っこ抜いてくるしかないのだ。何時も夜戦ができなくて文句垂れ流してくるのはキツイ。色々と。

因みに神通先生は健在です。

 

うーむ。採用する需要はまぁ確かにある。

でも心配なのは拉致組だということだ。下に見てるとかじゃなくてうちも中々ハードな経歴持ってる艦娘は結構いるから関係に問題はないだろうけど、他の艦娘はどうするんだろうか。

初月と親潮だけ引き抜いて問題はないのかが気になるところだ。

しかしそれを伝えたところ、寧ろいいとの事。

 

どういうこっちゃと思っていた所拉致組は結束が強く、それ故に若干依存気味であったとの事。このままだと全員ダメになってしまう危険性が高い為一度離れてお互い回復する機会が欲しいらしい。

成る程。それなら受け入れないというのは酷だろう。私は艦娘至上主義ですしおすし?

採用するとして問題はどこに配属するかだ。

どうしようかねぇ...改装案も出さなきゃだし...

やることいっぱいやね。

 

 

 

 

 

序でに記しておくと、アメリカ海軍にはちょっと会ってしまったのだが、その時に例の視察でお世話になったコロラドにエンカウント。血の気の多い駆逐艦らを引き留めて引いてくれたのは素直に好感が持てた。

冷静に物事を見る目があるな、コロラドは。

で、なんとかナウルまでフルパワーで寄港したのだが、第一隔壁に初月も親潮もびっくり。

更に水門の開閉や警戒のためか第一、第二隔壁間で待機していたリバンデヒ、カイクル、ノイトハイルにまたまたびっくり。

 

更に更にナウル鎮守府所属艦艇が一同に会する巨大埠頭の規模、数にびっくり。

まぁわからんこともない。10kmあるしな。

ナウル島名物要塞山に対空砲塔にも驚いていたのだが、それまでのインパクトに負けたのか、ただ単に疲れただけなのか反応が薄かった。

案内は暇してたノイトハイルに押し付けて私は提督と今後を話し合ったのだが、問題が一つ。

夕立が吹雪にべったりなのだ。いや、スキンシップらしいのだが、ぽいぽいって犬っぽいじゃん?

ここでもそれを発揮し、吹雪を仲間と認識したのかべったりになり、私を主人認定したらしく、リバンデヒと物議を醸していた。いや、タメ張らなくていいから。

しかもリバンデヒ、「お姉ちゃんの方が私達のペットなのよ?」ってお前、後で寮の裏に来いよ?

 

とまぁ、いろいろ問題多発したが夕立、初月、親潮と一気に三隻も駆逐艦が所属する事とになり所属艦艇がアップ。

工廠妖精さんのヤル気もアップ。止めてくれよ?駆逐艦に波動砲載せるとか言い出すのは...?え、計画あったの?

んなの廃棄廃棄。




劇場版出ましたね。(挨拶
私は勿論初日から三週行きましたよ?特典欲しさに。
徽章は良かったです。でも二週目からの特典、非売品にする価値ありましたかね...ウワーナニヲスルダーッ!!




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