超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。
これからもこんな駄作を宜しくお願い致します。やっぱりクオリティ落ちてきてます。ハイ。

ではではパンツァーフォー...じゃなくて両舷全速、第三戦速!


閑話 はっぴーにゅーいやー!

ーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーー

本日は12月31日。師走の最終日、今年最後の日にちだ。

今、ナウル鎮守府には所属する全艦隊が揃っており、珍しく第一から第三隔壁までを完全に遮断し、誰も受け付けない体制へと移行し、全要塞砲が起動。装填済みで地平線を睨みつけている。半径500kmの高性能レーダーが全ての方位を探査し、敵が現れようものなら要塞砲や対空砲が撃滅する。

凸型の軍港には駆逐艦から戦艦の全艦ずらりと並び、大型の探照灯が艦橋を照らし出し影とのコントラストでまた別の顔を見せる。

駆逐艦は艦首が少し反った船体からその上に載る主砲やミサイルハッチなどが照らされ、モノクロの景色を映し出し、艦前方にある小さな艦橋や煙突、探照灯などの設備は特に入り組んでおり、凹凸が多いため複雑な影模様を描いていた。

矢矧や川内姉妹はあまりにも多すぎるくらいのミサイルハッチがドット絵のように甲板を彩り、偵察機として搭載されているF-222が珍しく地上へ姿を現し黒い機体を鈍く反射している。軽巡洋艦は全艦で統一した20.3cm三連装砲は決まったデザインだが船体は個々が微妙に異なりまた違った主砲のように見える。何故か那珂はクリスマスカラーようなカラフルな照明で自らの船体を彩っており、逆に川内は夜戦において視認されにくいようにステルス性のある黒い塗装で照明に照らされていても分かりにくい。唯一デフォルトのままなのは神通だけだ。外面上は。内面?しらんよ。

背負い式の35.6cm砲を反射する重巡洋艦達は姉妹毎に並び、一つの桟橋に二隻ずつ停泊。艦載機や弾薬などの鋼鉄製の箱が置かれており、所々に濃い灰色の塗装が剥がれた跡があって幾度となく激戦をくぐり抜けたという事が分かる。更に甲板や砲塔には煤が黒々と砲身を染め上げ、砲塔付近の甲板には鈍く反射している薬莢が転がっている。

金剛、榛名、比叡、霧島の四姉妹はキッチリと仲良く並んで停泊しており、控えめな照明に照らされていた。金剛は心なしか明度の高い探照灯に照らされ、榛名は優しいオレンジ色の探照灯に照らされている。比叡は金剛に負けずの明るい照明で、霧島は妙に51cm三連装砲を照らしている。なんでや。

長門、陸奥、大和や武蔵はその姿を変え、より巨大化し強力な戦艦へと生まれ変わった。しかし150cm三連装砲はその口径ゆえに反動が大きく、満足な連射が出来ない。そこで、妖精さんと相談していっその事口径縮めて砲身長くして威力増やそうという話になっているのだ。流石にさ?大和型の拡大では150cm三連装砲は辛いものがあるんだよ。

46cm三連装砲でも本来かなりの衝撃とバラスト圧があるのに、その四倍の口径を持つ主砲へと換装すると、無理があったのだ。一々船体が馬鹿みたいに傾き連射や命中精度を犠牲にする。ならいっその事口径を無理ない範囲に収めて、代わりに長砲身で威力を賄う事にしたのだ。開き直りとも言う。

赤城と加賀は既に航空母艦から離れている為か戦艦側に停泊しており、対抗心か瑞鶴が戦艦よりに停泊し、その隣に翔鶴が寄り添うように停泊。どちらも灰色の装甲空母へとその姿をグレードアップさせ、甲板上にはF-222が待機していた。

他にも雲龍、葛城、天城の三杯や蒼龍飛龍もF-222やGF-21、FB-99を甲板上に展開しておりいつでも発艦出来るように備えられている。そして飛行甲板の至る所にある照明が船体を照らし出し、幻想的な光景へと航空母艦を変えていた。

その少し離れた隣には船体として今まで一切動くことのなかった間宮が停泊しており、その姿はついでの改装だが船体全体を特殊装甲で覆い、対空砲に45mm対空機関連装砲を至る所に、10cm高角砲があきつ丸のように天にその砲身を掲げている。正直かっこいい。ただまぁ近くが1000m級の艦船達がズラリと並んでいる為か妙に小さく見えてしまう。

また、最近は専らアメストリア式の訓練に身を費やしていたタイフーン級の元原潜、ドミートリーは軍港の最も奥にその身を預け、照明も照らされていない。

実の所、大本営にドミートリーの存在を報告していない。リバンデヒやカイクルのドキッ☆拷問級の海軍再教育☆によって忠誠心はアメストリア海軍...ではなく何故か私へと向けられ、キラキラとした無垢なる瞳を向けられて大変困る。かつ最近魚雷を完全に撤廃して全てミサイルに武装をシフトして申し訳ない程度にF-2225機と20.3cm連装砲が格納式で装備されているからか服装も変化してスポーツ水着の上から提督の着るような礼装を羽織るようになった。結構様になっており、正直に褒めたら顔を真っ赤にして走り去っていった。若いな。

そして私達アメストリア型戦艦は四隻全艦がもう片方の埠頭へと身を繋げ、特に大型の探照灯でライトアップしている。300を超える区画に分かれる複雑な艦橋群に刀身のような鋭い艦首。そしてそこから伸びる緩やかな大和坂ならぬアメストリア坂に埋め込まれるは500cm四連装砲。一番から三番まで順に高く設置され、四番五番砲塔は後方艦尾側に搭載されている。大和型の超大型艦橋にその頂点に乗っかる測距儀の形をした自動射撃統制装置。

二本の途轍もなく太い煙突にその後方にある大和型のマスト。そして後部艦橋群。副砲は六基等間隔に設置され、主砲や46cm三連装砲と互いに射角が被らない位置に設置されている。

甲板下、船体から窪んだスペースにはスーパー北上さまの魚雷発射管の様に大量に設置された30cm連装電磁力砲に20.3cm連装砲。そして甲板を覆い尽くす4500基のミサイル。びっしりとしたハリネズミのような姿を見せる45mm対空機関連装砲は亀の甲羅のような砲塔装甲艦橋群付近を重点的に覆う。他にも緊急用に船体全体に配備されたM3-25 14.5mm重機関銃の連装機銃がハッチでその姿を隠している。そんな威風堂々たる威圧感を放っている戦艦は白黒だが影の濃淡で墨絵の様な美しさを感じさせるライトアップとなっていた。私の身体(本体)だがいつ見ても美しいとおもう。戦艦としての黄金比を完璧に完成させた完全な戦艦。誇張なしに大陸を吹き飛ばす莫大な火力に絶対干渉結界という全ての攻撃を拒絶する結界。ふつくしぃ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、ナウル鎮守府に所属する艦娘の船体が姉妹毎にまとまって停泊しており、探照灯の量も多くなり、様々なところを照らし出してとても美しい。やはり軍艦は良いものだ。

その操り手である艦娘はというと鎮守府の食堂に全員が集まっていた。

立食形式の今年最後の食事会には純和食の白米や味噌汁、漬物などありとあらゆる和食が並び、洋食はご飯類から麺類、ありとあらゆる英蘭仏伊独フィンランドなど各国の料理が色鮮やかに机を彩り、視覚を楽しませてくれる。

艦娘達は思い思いのグループで印象深かった戦闘や過去の思い出話に花を咲かせ、屈託の笑みを浮かべていた。また、赤城はそんなことは知らんっ!と言わんばかりの食欲を見せつけ、樽単位のご飯などが消し飛んで行く。

最近情報収集任務から帰還した天龍は相変わらず駆逐艦に振り回されており、それを龍田が微笑ましく見守っている。

矢矧は大和と二人で少し離れた机にて談笑しており、楽しそうな雰囲気であるために大丈夫だとおもう。武蔵は長門と話し合っており、会話にちょくちょく三式弾やら九一式徹甲弾、一式徹甲弾という物騒極まりないキーワードが混ざりこんでおり、貴様ら何する気だと問いただしたくなるが、いちいち聞いていては私が倒れるのでやめておく。私の妹であるリバンデヒはドミートリーと共にロシア料理があるエリアに立ち、ドミートリーが一つ一つ解説していた。確かにリバンデヒ達は知らないだろう。良い経験だ。

カイクルは......うん。日本酒飲んでる。大丈夫か?酔っても知らんぞ?

ノイトハイルは......暁に抱きつかれている。何が起きた?結構気になるな私。

へ?私か?私は別に何もしておらんよ。ただ右手に杯があり、透き通った透明な液体が波打っており、照明を受けてキラキラと輝いているくらいだ。心なしか頰も赤くなっている気がする。

現在時刻は午後11:30。九時からゆっくりと忘年会はスタートして、和気藹々としたムードが漂い、私はそれをただ眺めていた。

「大丈夫かい?ちょっと顔が赤くなってるけど」

「......む?提督か。私は大丈夫だぞ、とても幸せだ」

「そう...なら良いんだけどね......ねぇ、アメストリア?」

「...何だ?」

提督が話しかけてきた。

そこ、リバンデヒニヤニヤするな。

「君は僕の事、す「Hey!アメストリアー!元気にpartyシテマスカー?」...はぁ...」

「そちらは随分と満喫している様だな金剛?」

「of course!勿論ネー!何時もbattleばかりしてるから今日位はbreakスルネー!」

「ふふふ、楽しんでくれ金剛。」

顔に赤みの差した金剛が飛び込んできた。

無論抱き止め、立たせてやると上機嫌で歩き去って行く。呑んでるなぁ...

榛名や比叡は既に顔を真っ赤にして倒れており、天城や愛宕の介抱を受けていた。高雄や鳥海、摩耶が飲み比べで勝負しており、賞品は間宮アイス特大サイズ。なんか色々とカオスだが、悪い気はしない。自然と、笑みが零れる。こういう生活も、悪くはない。

私達艦娘は戦闘兵器だ。しかし人の形をとり人と同じ感情や自我を持つ。それどころか精神に常人では到底耐えられないほどの深い傷を負っている者もいる。しかしそれでも前を向き闘い続けている。眩しいなぁ.....

思わず目を細め、騒ぎまくっている艦娘たちを眺める。

ん?リバンデヒどこいった?ドミートリーは完全に食事モードに移行してるし、リバンデヒが誰かと会話している訳でもなく、食事をしている訳でもない。何処いっt......「ひゃんっ!?」

電撃が身体を駆け抜け、一気に筋肉へ力が入らなくなる。

ガクリと体が崩れ去り、地面へと倒れ伏す.........前に誰かに抱きとめられ、転ぶのは回避された。尻餅をつく前の体勢だが、問題は誰がやったかだ。

幸いか分からないが、誰かが気づいた様子はない。提督は...金剛に突撃されている。

後ろに首だけを回し、犯人を睨みつける。大体目測はついているが...

「......リバンデヒ。覚悟は良いな?」

「あら、犯人は私だけでないのよ?」

「............なに?」

うっそぉーん...リバンデヒ以外も色情魔なんか居たか?

多分私は今キョトンとした表情になっているだろう。かつ同時に見計らったかの様に胸が揉まれ、抵抗するためにスタンバイしていた体制が崩れる。ちょっ、これ完全に犯罪な、光景だって...

袖括りの紐が思い切り引っ張られ袖が締め付けられると引っ張って余った袖くくりの紐同士を結び合わせる簡易の拘束が完成。確実に手慣れているな...しかし袖括りの紐はあまり頑丈ではないんだが...そこの所分かっているのだろうか?

腰には五式自動拳銃二丁。そこには手は届かないだろうが、腰の後ろ、背骨と骨盤の付近には別の弾頭が収められた予備マガジンが収められたミニポーチが複数あるのだ。

素早くマガジンが飛び出ない様に押さえつけている覆いを取り去り、マガジンを握り締め、腕を振り上げる。そして死なない程度、精々気絶する程度の威力で腕を振り下ろし、犯人の頭へ...「お姉ちゃん、その手が通用するのは初見だけよ?」

抑え込まれ、そのまま床へ叩きつけられる。くそっ...目立たない様に陰にいたのが仇となったか...っ!

「リバンデヒ、共犯は?」

「んー?僕を忘れていないかなー?」

 

 

......

 

 

............

 

 

...................

 

 

 

 

な ん と い う こ と だ !

 

 

 

 

よりにもよって規格外のクレイジーサイコレズの二人が集合してしまった!

終わりだ...終わりだ私。いや、割と本気で終了だよな。

()から聞いていたが、アメストリア海軍でも他の戦艦にちょっかいかけて何人も落としているらしいし誰一人不幸にしていないという憎たらしさ。

犠牲になった艦艇は少なくなく、ノイトハイルも食い物にしているのだ。

ノイトハイルもノイトハイルで色々とアウトだしSだし今まで私が色々とナニされていたかを思い出すと体が無意識に震え抵抗が100%不可能になる。十分私も落とされているようだな...くそう...。

身を捩ろうにもがっつり拘束されており関節が決められているために動くことさえも許されず、手首は痛みを感じるクラスで捻られ堪らずマガジンを落とす。

「むっふふーっ!お姉さん、今日はナニしたいー?」

「......黙れ。何も喋るな」

「おー、怖いね〜」

怖がっていない癖に何を言う。口調からも分かる通り、ノイトハイルは何処までが本気なのかわからないところがある。しかし唯一声色や態度からはっきり分かるのが私をイジメる時だ。

私の初々しい反応が面白いのかいかにも愉快です!という態度に変わる。

私としては全力で拒否したいのだが、()が愉悦そうな感じで身体の制御権を私からぶん取って私を無抵抗状態に仕立て上げるため私には味方がいない。途轍もなく悲しいですハイ。

一発の祝砲が外から響く。音からして150cm三連装砲。大和らだろうか。

 

つまりあと10分で新年ということになる。

そういう風に指示しておいたからだ。リバンデヒやノイトハイルはその祝砲に舌打ちをすると素早く散開。何事もなかったかの様に食事に混ざっている。

私はというと拘束に利用された袖括りの紐を苦戦しながらも解き、袖に違和感がなくなるまでピンと伸ばすと床に落ちたマガジンを拾い上げマガジンポーチに納めると、二度、三度ゆっくりと深呼吸すると食事の置かれた机へと何事もなかったかの様に向かう。くそう...屈辱だ。あとで絶対にシバイテヤル。

まぁ、それは後でじっくりヤるとして、新年まであと十分。

今思えば、提督の所属となってから1年と経っていないではないか。数ヶ月の間に濃密な出来事がありすぎて、何年も戦っていた気がする。いや、それは()の経験が感覚として混ざっているだけであって『私』が積んだ経験はその一部、1%にも満たないような悠久の時間の刹那に過ぎないが、私がはっきりと記憶している記録だ。

懐かしいが、一々思い出さないぞ?今までだって思い出してるしほぼ黒歴史だし。

 

そうやってぼんやりと杯片手に外を眺めていると、また祝砲が鳴り響く。

あと五分。

今年に別れを告げ、来年という暦に切り替わる瞬間。年神様が交代する時。

happynewyear!というべきなのだろうか?賀正新年だろうか?分かんない。まあ正直どうでもいい。

「姉さん、ここに居たのか」

「......あぁ。」

前回の失態から若干警戒しながら振り向く。

そこには顔を若干赤らめ御神酒を片手に僅かに笑みを浮かべたカイクルが立っていた。

おいなに御神酒飲んでんだ此奴。それは神に捧げる酒であって貴様に供えられた酒じゃあ無いんだぞ?確かにカイクルは霊格が強すぎるし付喪神と化しているだろう。アメストリアでも4900年間...正確には4950年主力艦として勤め上げ陸海空軍全軍の兵士から絶大な人気を誇っており、その向けられる敬意はやがて神聖視するものへと変化するのが常道だろう。だからアメストリア型戦艦の艦娘は神格持ちかもしれんぞ?多分戦神な。

私か?そんな大したものは持ち合わせてない。私は船体の制御権だけで十分だ。

「呑むか?」

「......それは御神酒だろう?」

「いいじゃないか。別にバチが当たるものじゃない。寧ろ問題はあるまい」

「まぁ、そうだが...余り良いものではないだろう...」

「ふむ、姉さんは嫌か...リバンデヒやノイトハイルは寧ろ進んで呑んでいるぞ?感じが違うそうだ。」

感じが違うねぇ......多分そのあとの酔いが違うのだろう。以前長門とともに飲み交わしたりしたが、アレは良かったと記憶している。

また今度誘おうか。

「そろそろ年明けです!皆さん杯を持ってください!」

大和が声をかけると、全員が談笑や食事を止めて朱色に塗られた杯を持ち、間宮さんや武蔵が注いで行く。間宮さんのその流れるような動きには慣れを感じるが、決して巫山戯たような雰囲気はせず、儀式という言葉が合うような厳かなものだった。

武蔵は対称に呑みたくてしょうがないという雰囲気がありありと伝わってくる。事実注がれている艦娘は気付いているらしく苦笑いを返しているようだ。武蔵ェ......

「.............ん?」

「2828」

「......」

カイクルに一本取られた。

杯に知らぬ間に御神酒がなみなみと注がれその衝撃か波打ち私の顔を歪んで映し出していた。

いつ間に注がれていたのだろうか...それなりに警戒はしており、足音でも立てようなら五式自動拳銃をすぐに抜き取り引き金を引くことが出来るくらいには。

しかしそれをカイクルは易々とスルーして杯に御神酒を注ぎ、離れた。これがどれだけ異常な事かは分かると思う。彗星でイージス艦に挑み500kg爆弾投下して戻ってくる程無謀なことだ。カイクルさん。無駄に高い隠密技能を無駄なところで発揮するなよ...

しかし注がれた御神酒を捨てる事こそ失礼に値する。不本意だが、飲むことにする。

 

年明けまではあと二分。

短いようで長い二分間。例えば二分間で何ができるだろうか?

自動射撃統制装置を起動して主砲を回して発砲。または電探が敵をキャッチして迎撃の為に45mm対空機関連装砲やSM-3、SM-2を撃ちまくれる。

大和達ならば小型だが自動射撃統制装置を搭載している為全火器が様々なことをすることが出来るだろう。私の様に艤装が大きくないから。

 

年明けまであと一分。

ミサイルとかは電探から送られる座標データを入力することを「座標を固定する」という。

最近はそれを言う前にミサイルが飛んで行くがな。

すぐに脳裏には膨大な量の図面が浮かび上がる。アメストリア型戦艦の全体図(三面図)から拡大されて行き別のファイル。本が風にさらわれてページがめくれる様に大量のファイルのなかに纏められた図面がめくられて行き、あるページでピタリと止まる。

そのページの図面が表示される。それはミサイルハッチに関する図面やミサイルの図面。

ミサイルハッチは1m×1mの大型のハッチで様々なミサイルを発射することが出来る。トマホークやグラニートからSM-3やSM-2などの太い近接迎撃ミサイルまで。しかし大陸間弾道弾はそれではいかない。あれは本来FB-99に詰める超巨大投下型爆弾(・・・・・)を噴進弾にしたミサイルを発射する為に必要なBGM-9用のハッチも15基用意している。

現在は白い家への威嚇とかにしか使ってないけどな。だってアレ簡単に言うと放射線を放出しない核ミサイルみたいなもんだぞ?爆発力は核ミサイル以上。爆心は存在を消し飛ばすくらいで、そのままMOABのように広範囲の『全て』が消し飛ばされる。

本当の威力は破滅をもたらす悪魔の兵器だ。米は解体して解析しているようだが、あれ爆薬が粒子だから開けた瞬間BON!だ。

実際に半径15kmが吹き飛んだ情報がネットに上がった事がある。あっちは必死になって否定していたがな。

「あと30秒!」

誰かがそう言った。

「20秒」

カイクルが呟いた。他にも駆逐艦がウズウズとしてた様子で言い放つ。

「10秒ですわ!」

熊野が興奮した様子で言った。顔が赤い。酔ってるな...やや顔を赤くした最上がなだめている。キマシタワー。..........ん?三隈は?

 

「5...4...3...2...1...っ!」

「「「ハッピーニューイヤー!」」」「「あけましておめでとうございます!」」

新年を迎え、皆が一斉に杯に注がれた酒を飲み干し、歓声をあげる。

やはりイベントは大事なのだろう。そう感じた。艦娘が楽しそうにしているだけで私は嬉しい。ハッピーニューイヤーと言ったのが六割。あけましておめでとうございますが四割だった

別に良い方は自由だがハッピーニューイヤーの方が言いやすいからな。うん。

「姉さん、新年あけましておめでとうございます。旧年は格別な采配を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます。本年もより一層の御采配をお願い致します」

なんか途轍もなく堅苦しい挨拶が帰ってきて絶賛膠着中の私だ。カイクル.......

「カイクル、そんな硬くなくて良いのよ。お姉ちゃん、新年あけましておめでとう!」

リバンデヒはいつも通りだったな。なんか安心した。

堅苦しくない、適当感溢れる感じだ。ノイトハイルのようなフワフワとした突つかみのない全く安心出来ない感じとは違う。

「あぁ、今年もよろsムグゥ!?」

いやいやいやいや、私にダイビングッ!されても困るから!

というか胸を押し付けるな息ができない!リバンデヒはどうやらしっかりと私の首に腕を絡めているようで抵抗しても全く外れる様子はない。

「ふふふふふふ〜〜〜っ!やっぱりお姉ちゃんは良いわぁ...イタッ!」

カイクルがやれやれといった様子でリバンデヒ(愚妹)の頭に手刀を食らわせる。

リバンデヒはそれを回避する事ができずにまともに食らった。結構クリーンヒットしたようで、割と真面目に着弾点を摩りながら蹲っていた。ざまあない。

「姉さんは私の物だ。スキンシップは程々にしておけ。これくらいで良いのだ。」

「感謝する...ひゃあんっ!?」

訂正。此奴もカイクル(愚妹)だった。リバンデヒの巫女服の襟を片手に掴み、ズルズルと引きずって行く途中、さりげない様子で撫で回してきた。慌てて振り返ると撃沈するリバンデヒを片手にしてやったりという憎たらしい笑みを浮かべて高笑いしながら立ち去って行く。恐らく、リバンデヒを連行してゆくのだと思われる。

私は顔を真っ赤にして足を竦ませていた。あんにゃろ...。

「......アメストリアさん、大丈夫ですか?リバンデヒさんに抱きつかれていましたけれど...」

大和が心配した様子で近付いてきた。一瞬ビクリと警戒してしまうがすぐに解き、ピシリと背筋を正す。大和は流石に悪意の塊であるリバンデヒやカイクルでも無ければ真っ黒なノイトハイルのようではないので比較的安心できる。あれ...これ天使か???......いや元から天使か(錯乱)

「うむ...大丈夫だ...」

精神は大丈ばないががな...

毎回私、こんな立ち位置になっている気がするのは気のせいではないだろう...うん。

なんかもう...良いや。

 




閑話に費やして本編がまだ1500文字ということは秘密。泣けてくるぜ...
あ、次くらいでやっと本格的に海上戦闘です。やった...っ!!!

あ、本編にこの話は一切関係ないので、ミニ大和云々はこの話限定の設定です。

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