超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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間に合わなかった...テスト勉強と言う中ボスに苦戦しておりました。すみません。

61.の後半です。何故か10000文字突破。不思議。


62.課外授業、ガキは好かん

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私だ。アメストリアだ。あ、なんか最近この挨拶してなかったな。

それは兎も角、一般道を幾つか経由して学校へ向かっているのだが、市街地を見るとレンガやコンクリート製の頑丈な建物が数多く並ぶ事に気づいた。木造は少なく、大多数はコンクリート製のビルだった。当然と言えば当然である。

 

深海棲艦の攻撃が小康状態とはいえ未だ戦時中。直撃は言うまでもないが至近弾でも中々の威力を持つ。

着弾した対象の破片に砲弾の破砕片。強力な衝撃波に炸薬の爆炎と砲撃のダメージは二次効果によるものが大きい。そんな凶悪な攻撃に対して木造はあまりにも頼りなさすぎ、また延焼の危険性もある。

だからコンクリート製が多いのだろう。かつ帝都のようなコンクリートジャングルではなく、法律で制限されているのか高層ビルが見当たらず、七、八階のビルが散見できるが五、六階のビルの方が圧倒的に多い。車通りは普段通りなのか渋滞が発生しないかどうかの程よい交通量。

私としては動き易いため便利なのだが、いかんせん私達の乗る装甲車輌は巨大である。というかアメストリアの兵器達は陸海空全てにおいて巨大である。市街戦において装甲車輌を投入できない気がしないでもないのだが、そこの所は解決されている。

 

まず、兵士は妖の者。身体能力や感覚、技量が桁違いに高い。某土管工の1upジャンプみたいなジャンプを野外戦闘服の軽めのBDUにそれに付属するダンプポーチやインカムなどのアクセサリー。陸軍ならばM145一艇に五式自動拳銃。そして個人の裁量で持参しているショットガンやグレネードランチャー、対戦車擲弾発射機(RPG)などなど。総重量40〜60kgのフル装備のままで飛んでしまう。

その上撃たれても吹き飛ばされても復活して攻撃を続ける。銃器や兵器には時間逆行術式が部品一つ一つに刻まれているため破損しても次の瞬間には修復されており、より強くなってゆく。そんな兵士が最低ライン。妖怪さえも辞めているような兵士もいるのだ。

砲に届く位の機関銃を振り回す兵士やミニガンを振り回す兵士。

対人 対装甲戦闘車両 対艦 対航空機 破壊活動 要人警護 殲滅活動 なんでもござれの兵士だっているのだ。大隊規模で、師団規模で、軍団規模で。要請すればいくらでもやってくる不死身の軍隊。

敵には悪夢である。

 

 

だから市街戦でも全く問題にならず、攻撃ヘリ(変態機動の例のアレ)や対地攻撃機も支援に回る。

テロなどの組織壊滅はアメリカさんお得意のピンポイント爆撃の様にチマチマと殺らずにB-97というCT-7の爆撃機版でその都市ごと消し飛ばす。発想が第二次大戦だが大規模な戦術の基盤には第二次大戦の戦術が取り入れられている。海軍とかモロに受けてるじゃん?主砲の連射とかさ。

 

まぁ、そんな訳で(閑話休題)

 

移動しやすいというわけだ。装甲車輌(五七式重装甲輸送車)の幅がでかくて二車線使っているが。

こういう場面では上からRPGとかが来るのが定番で、先頭車両が炎上して車列が停止するのが常だが残念ながら効かないしwww (^д^)m9 プギャー!

暫くするとビル群から離脱した様で郊外へと車列が向かう。ビルなどの姿が一気になくなり、なだらかな丘陵地帯に市街地が広がっている様だ。

つまり、目的地は近いということが分かる。一軒家が多くなり、ところどころに高射砲塔が散在しており、見る限り対空ミサイルは無く、30〜45mm対空砲が平均五門から七門配備されている。

まぁ、それくらいが妥当じゃ無いだろうか。深海棲艦の標的になりにくいし。一般的に敵本土攻撃の最優先目標は軍港や軍需工場などの軍事拠点だ。市街地まで落としているのはB-29でHAHAHA!してた連中くらいだ。したがって市街地は標的になりにくいのだ。余程のことがない限り。

しかしこういう路地が狭く、屋上が多い場所はアンブッジュするのに最適だ。思わずM145を撫でる。念の為M634もようにしたほうが良いだろうか...うーん...本当に悩ましい。大火力だし連射できるし...うーーーーん.......ほーんっとに悩ましいっ!

 

 

 

結局の所、私がただ使いたいだけである。

ここは一式重武装車輌のM634に頑張ってもらうしかないか...と言いつつ軽機関銃を手に取る。

M145は邪魔な為背中に回す。ぶっぱするには後部ハッチを下すか砲塔に身を乗り出すしかないわけだが私は砲塔を選ぶ。ヘッドショットワンパンキルされる危険性が非常に高いのだが私はそんなことで死ぬことはまず無いので気にしない。砲塔の人員用ハッチから上半身のみを這い出して、軽機関銃はM147という7.92mm口径という対人には十分すぎる口径に射程2700mという優秀な軽機関銃で、重量3.9kgと取り回しもしやすい。20mmレールはハンドガードやギアボックスにも設置されている。私はそこにフォアグリップやフラッシュライト、レールカバーを取り付けている。機能性を重視しており、3×9倍スコープを滑らせている。暗視装置搭載型だ。そして硬い装甲の上にバイポッドを展開し、前方に向ける。

 

 

 

その後は特に問題も無く進んだ。市街地と言えどどこぞの人口過密とは違い区画整理されている為整然と並んだ様々なデザインや意匠の民家は見ていて飽きなかった。実に生活感に溢れており、本来私達軍隊が守るべき対象だ。

 

私は余りそう言う意識は無いのだが。だって私艦娘第一の艦娘LOVE勢だぞ?ナウル鎮守府さえ無事ならあとどうでも良いしー?まぁ、確実に問題発言となってハイエナ共に揚げ足を取られるから余り言わないが。うん。多分な。既に行動で示した気がするのだが、気にしてはいけない。良いな?私との約束だ。

 

''目標を目視しました!''

「こちらも確認した。中尉殿の車輌にも通知しろ」

 

若干車列減速し、私も砲塔から車内に戻る。

147式軽機関銃のバイポッドを収納すると立てかけて、背に回した145式歩兵小銃を手に取ると、いつでも撃てるようにスリングを腕に絡め、肩に銃床を当てる。窓から様子を見ると車列の行く先には典型的な建物配置の変哲のない学校が広がっていた。

2mくらいのコンクリート塀で囲い、グラウンドの端には樹木を植え、その奥には体育館や屋外プール、くの字型やT字型の白く汚れで所々黒ずんだ校舎が聳える。いや、適切ではなかったな。校舎は商船迷彩が施されたままだし、特別教室の棟は爆撃によって一部が崩れたのかブルーシートが掛かっていた。生々しい、戦争の傷痕がこんな所にもまだ残ったままなのだ。

まぁ呉付近にあって、これだけのサイズをもつ施設なんだから深海棲艦も軍事施設と誤認してもまぁ不思議ではない。迷彩もあるしな。

正門へと回りこみ、堂々と入っていくのだが、例のごとく視線がヤバイ。校舎の窓から興味津々の様子で見下ろしている。おう勉強はどうした。

 

担当と思われる年配の教師の案内で空き地に車列を止める。一式重武装車輌や五七式重装甲輸送車が等間隔で駐車し、わらわらと妖精さんが出てくる。かく言う私も後部ハッチが開くと同時に外へと足を踏み出したのだが、この空き地木が植えてある以外は何も無いただの空き地だった。しかし植えられた大樹は立派に葉を茂らせ優しい木洩れ日を地面へと届けている。装甲車輌も例外でなくまるで迷彩のように光が差して装甲を明るく彩っている。砲塔から伸びる砲身が鈍く反射し、やはりカッコイイ。

どんな背景でも絵になるからな装甲車輌は。砂漠だとデザートカラーに塗装され偽装網が砲塔などに掛けられ対空装備として四連装ミサイルポッドを装備。

森林ならば森林迷彩がダークグリーンの車輌に映え凹凸を消す為にこちらも偽装網や現地の植物が積まれている。想像するだけで胸が高鳴るな!

残念ながら今回はただの移動の為何も無い。偽装網も現地の偽装も迷彩も。偽装網は車内に積んである。あ、今使うか。侵入者対策に役立つ。光学迷彩もあるがわかりにくくなるので却下。

五七式重装甲輸送車の後部ハッチを閉じると車輌全体を覆う様に偽装網を掛け、直線を消す。

 

現在はヒトヒトマルマル、10:00だ。出張授業は三時間目。

大体50分くらい準備時間があるため、ある程度のクオリティを持ったプレゼンをすることができるだろう。中尉の指示に従って機材を運んで行く。見たところ、プロジェクターにZ旗、パソコンだった。()によるとセキュリティも固くなく掌握するのにはそう手間はかからないとの事。いや、そんなこと聞いてないから。するつもり無いしすること自体めんどいから。私が紹介するときには使用するかもしれんが。

さて、考える。インパクトを与えより印象に残るプレゼントは何か。ガキどもに興味を持ってもらわねば今後の軍事力に直結するため出来るだけ面白く、固くない物を...

 

...

 

......

 

........

 

...あ、思いつかん。どうしよ...将来の艦娘の戦力兵装の充実さを説いて資料映像もクラッキングで流すか。

私について紹介しても面白くないだろ?別にナウル鎮守府以外にアメストリア型戦艦が来るわけでもあるまいし。しかも私の圧倒的な火力を見て艦娘みんなが私のような火力を持った軍隊だと勘違いされても困る。というか私という規格外の火力(便利屋)を当てにされて私達の負担が増えるのも困る。以前大本営の作戦指令書をクラッキングして見たんだががっつりアメストリア型戦艦を主力火力として採用する作戦を立案していた。確かにさぁ?私達大体の作戦で対応できるけどさぁ?私達が万が一轟沈したりしたらどうするん?私達だってアメストリア型戦艦(深海棲艦)

に囲まれて寄ってたかってボコボコにされたら私でも、沈む。主砲が500cm四連装砲であろうと絶対干渉結界があろうと万能ではないので沈む時は沈むのだ。無論沈むつもりは毛頭ないので、大和達深海棲艦絶対殺すマンの艦隊を随伴することにしている。相変わらず駆逐艦が少ないことはご愛嬌だ。やっぱり拡充すべきかなぁ...駆逐艦という名の軽巡クラスの火力艦とか幸運艦とか。

 

それは兎も角、しっかりと大本営にはクラッシュ食らわせておいた。クリックしたら毎回クラッシュする様にしておいた。ムフフ。

体育館と思われる大型の施設にプロジェクターなどを運び込み、一度ステージから降りて床に立つと右腕を上に掲げる。そして砲弾を作り出す。

幅5m、縦7mの巨大すぎる砲弾が作り出される。半分くらいを金色に輝く新品の薬莢に覆われ、黒い弾頭は天井の大きめの照明に照らされて誇らしく輝いている。重量45t以上だが、私からすればこんなものは持ったに入らない。

直ぐに消すと45mm対空機関連装砲を作り出す。これはゆくゆくは全国配備してもらう予定の為公開しても問題はない。あー、でもこれでは伝わりにくいか...............,.

よし。大体の予定は決まった。あとは待つだけだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、これより海軍広報課の方々に海軍さんのお仕事を紹介していただきます!」

 

その一言で、体育館に集められた高学年の注目がステージに集まる。しかし私はもう少し後に出るのだ。待機する。

中尉達が先にでると、黒い一種軍装の姿に驚きの声が上がる。声が高くてうるさいな...中尉と部下が素早く設置しておいたプロジェクターとPCを操作してすでに下ろしておいたスクリーンに画面を表示させる。因みにデスクトップは呉鎮守府から望む軍港だった。見た限り阿賀野型軽巡洋艦と鳳翔、大和がいる。洋上には駆逐艦が数隻。睦月型と陽炎型だな。

そしてワープロを開くと今日の日付とながもんのカラー画像がつけられた画面が表示される。

「あ、ながとだぁー!」「戦艦だー!」と馬鹿みたいな反応をしている。

 

 

 

 

 

「さて、今回は巷を賑わせる有名な戦艦の艦娘に来てもらいましたー!」

........、私って巷を賑わせているのか?最近ナウル鎮守府に引きこもっていたが。確かに昔は色々とやらかしたが最近は暇してたはずだが...確かノイトハイルが某有名掲示板にお邪魔した時なんか賑わってたな。

 

やはり島見たいな戦艦は目立つのか...軍艦島の所以たる超弩弩級戦艦 土佐の八倍の船体を持つしちょっと動くだけで津波が起きて巡航速度で走ると海流変わるけどさぁ、主砲がグラウンドくらいだけどさあ、仕方ないじゃん?そういう戦艦(大陸ごと吹き飛ばす戦艦)なんだから。

それはさておき入れさっさとって言外に指示されたので巫女服に乱れが無いかをチェックし歩く。

 

私が歩く度に腰にある銃剣サイズのホルスターが宙を舞いまた叩きつけられる。地味に痛い。土足厳禁だった為に足袋のため足音は立たずに静かに歩く。と同時に艦娘パワーで最大探知。

深海棲艦はこういう時に襲撃をかけるからだ。全く油断ならん相手だ。

 

沈めても沈めても湧いてくる。対して火力も無いのに撃ってくるし。

学習しないし、()の元妹達をぞんざいに使ってるし。

嫌になる相手だ。

 

「ご紹介に預かったアメストリア型戦艦一番艦アメストリアだ。今回の出張授業の為に遥々ナウル鎮守府から来た。本日はよろしく頼む。」

 

マイク無しで自己紹介する。汽笛が大きい私にとって声量はさして問題ではない。

注目としては上々だ。私については諜報でも掴んでいたがニュースにもなっていたため私があの戦艦だといいうことに気付いた生徒も多い様だ。

 

「私から今回の海軍誘致の説明をさせて頂く」

 

そう言ってPCにかぶりついている中尉の部下に視線を向ける。すると意味を察してもらえたのか頷くと次のページに移る。心なしか顔が赤い気がする。

体育館内の照明が段階的に落とされて行き、電動のカーテンが窓を覆う。より明細なスクリーンとなり、次のページである海軍の主な活動内容が書かれている画面がより見えやすくなる。

 

[大日本帝国海軍の主な活動内容]

大日本帝国の防衛

深海棲艦の攻撃に対する迎撃

深海棲艦の泊地殲滅

全世界の海域解放

 

という夢の様な目標が掲げられている。

「この様に我々海軍(・・)は対深海棲艦戦という戦争をしている。そのため戦死数は多く、戦線はキス島からナウル島、トラック島まで伸ばしており、日々戦闘を繰り返している。」

 

そう言って画像を世界地図に変える。その地図には各鎮守府が赤点で表示されており、最近陥落したミッドウェーにある泊地には赤でバツが書かれている。公表するのか、と内心驚いた。大本営発表じゃないな良きかな良きかな。おねーさん嬉しいぞ。態々体張って殴り込み掛けた甲斐があるってもんよ。

各鎮守府が黒い線で結ばれ、防衛戦線とデカデカと書かれていた。

 

「そして、深海棲艦は様々な艦艇を導入し、我々の艦隊と一進一退の攻防戦を繰り返しているが、今の所優勢だ。何故か分かる者がおるか?」

 

そう問うと幾ばくかの生徒が手を挙げる。ふむ...少ないな。関心が。

 

「ではそこな赤い服の生徒」

「は、はい!最近海軍の装備が新しくなっているからです!」

「その通りだ。」

 

そう言って微笑みかける。するとなんか真っ赤になった生徒が大量発生。初心だなぁ...反応が面白い。内心ほくそ笑みながらそう思う。

最近妹達は反応しないし戦艦達はなれてしまったのか全然反応してくれない。駆逐艦とかは結構面白いのだがな。電とか。「はわわわわっ!!??」って顔真っ赤にしてアワアワしだす。これがすっごく可愛いんだよな。抱きしめたくなるくらい。無論抱きしめたが。

 

PCをクラッキングして制御下に置いて船体の中央演算処理装置のデータベースから引っ張ってきた画像を貼り付ける。

それは駆逐艦に配備している15.5cm連装砲の三面図に軽巡洋艦に配備した20.3cm三連装砲が表示される。

そして画面を切り替え、動画へと移行する。これは私がF-222でわざわざ撮影した資料映像だ。

 

「まず見て頂くのは今までの12.7cm連装砲の発砲映像だ。そしてそのあとに続くのは新型の15.5cm三連装砲の発射映像だ。よく見て比べてほしい」

 

そして再生する。撮影した駆逐艦は暁。新型はブッキーだ。

上空からの映像に切り替わり、揺れることのない鮮明な映像だ。暁が発砲し、砲声が響き渡る。

砲炎が長砲身の127mm砲から上がり、海面を扇状に衝撃波が広がっていた。発射された砲弾が白い軌跡を残しながら的へと飛び命中する。何故か拍手が起きた。何故に。

 

映像が途切れ別の映像に切り替わる。映し出されるのは吹雪。

砲塔の形が微妙に変化し現代化している。砲塔が速射砲の様な速度で旋回すると電探連動で仰角が上がり、発射。ありえないほどの炸薬が点火され、砲身へ砲弾が莫大な力で押し出した。

砲煙や閃光と共に砲弾が勢いよく飛び出す。同時に砲尾装填式の砲が後退し、尾栓が限定的に解放。薬莢を排出して下の開いたチャンバーから新しい15.5cm砲弾が押し込まれて駐進機によって元の位置に戻ると再び発射。その間実に1秒だ。次々と連射される砲に思わず驚きの声が上がっている様だ。用意した的は200mmの装甲板。次々とピンポイントで命中してゆく砲弾に中の炸薬による爆発、ひしゃげる金属音は迫力がある。今度一七式戦車でやってみるか。面白そうだ。

 

映像によるつかみは上々。ならここで一発インパクトを与えよう。

「現在でもなお主力を務めるのは海の王者、戦艦だ。戦艦の主砲は駆逐艦や軽巡洋艦と比べ物にならないほど大きく、威力も抜群だ。口径を知っているものはおるか?」

すると、「三十センチー!」という答えが返ってえってきたが、残念ながら30.5cm砲は第一次世界大戦の戦艦などの主砲で加農砲で運用され、敷島型などで活躍した。

 

「残念ながら違う。35.6cm、41cm、46cm、51cm、500cmなどがある。そのうち今回は有名な大和砲こと46cm砲弾を公開しよう」

 

そう言って右手に46cm砲の砲弾を作り出し、片手で持つ。大きさとしては2m。重量1tと軽い。持っている感覚さえない。

ざわり、と煩くなる。

 

「この様に巨大な砲弾だ。威力は改良によってバイタルパートを抜くことができたら戦艦でも轟沈させることができる」

 

これは大和によって実証された。そして武蔵がこれで無双した。150cm三連装砲ちょっと重いって文句言われたから口径減らして超砲身化したやつを妖精さんがフルパワーで開発中だ。

主砲の連射速度も大和砲が30秒/発だったのに対し、速射タイプでは毎秒1秒。60発/mであるため戦力差は純粋に30倍。大和型の主砲は十五門の為450倍だ。

この戦略上の重要性や戦力的な意味を理解する者は居ないだろう。

 

「そして.......

 

 

 

 

カットした。だってこれからは説明会だもん。

面白くないだろう?艦隊に提督は付いていかないから死ぬ心配はないとか船体は強いから戦力が減ることはないとか。これの説明は大本営から指示された内容だ。

これ位念を押さないと人員が集まらないのだろうか。別にあんまり関心はないが。

 

「さて、貴官には生徒とのふれあいとして昼食を共にして頂く」

「.......意図が読めないな」

「やはり直接艦娘との関わりを持った方が関心が続くとのデータがあるからな。通例だ。まあ金剛の様にやってくれ」

「......」

 

いや、あのフレンドリー全開のように振る舞うことは不可能だが......というかなんかヤダ。キャラが崩れるようでなんかヤダ。()も幼稚園児の扱いについての心得はないみたいだし。

 

「クラスは?」

「貴官が決めていいようだ」

 

なにその全て任せるから責任はお前がとれよっ?あとは任せた!っていうノリは何だろうか。

すごく困るんだが。殺しちゃうじゃん。私馬鹿みたいな火力持ってるんだからさ。

 

「ここか。」

 

なんか全部任せられたので、適当に選んだ。

今回はさすがに新しく作り直した編み上げの長いブーツに変えて歩いている。念のため200cmの大太刀をスリング通して肩にかけている。何が起きるかわからからんからな。

つかつかと歩いてきたが案内もないし校内の案内もないからわざわ電探で索敵して探した。三次元的なグラフィックを脳内に作り出した。面倒かった...

見上げる先には[6-2]と書かれたプレートが掲げられている。

ノックして、返答を待つ。

 

「はい!なんでしょ......う......?」

「...む?失礼した。生徒達と昼食を共にするように指示されてな。邪魔だっただろうか?」

「い、いえ、ととととんでもありません!」

すごくどもってて聞きにくかったが何とか理解した。一応オーケーらしい。多分このキョドりまくっている生徒が委員長だろうか。すぐに応答したし。いや、その確証はないな。愚直に決めるべきではないか...

 

.....何でそんなこと考えてるんだろ。どうでもいいしそんな事。

「どの班に行けばいい?」

「す、すぐに決めてきます!」

なんか初心だなぁ。昼食は見る限り...ボックスに詰められた35食分位の白ご飯にけんちん汁に竜田揚げに紙パックの牛乳だった。

竜田揚げとはなんか、悪意がある気もしないが気にしないでおこう。龍田に殺されそうだ。此処が。

 

結局各班の班長がじゃんけんして決定していた。どうやら3班のようだ。教師はいないようだが、職員室に引きこもったか?

「では失礼する。」

三班は入り口と窓側の中間。うん、中途半端だな。

大太刀を消して用意してもらった座席に座る。そして机に風呂敷を敷くと給食が運ばれてくる。陶磁器製の食器の様だ。豪華だな。

 

「いただきます!」

「「「いただきます!」」」

「頂きます」

と小声で言い、これまた作り出した和風の箸で片手で持った茶碗から白ご飯を一口。

うーん...微妙。なんかモチモチしてないしべちょべちょしてるし。鎮守府では高級米ばかりだったからか彼方に慣れてしまった。だって間宮の作るご飯はすごく美味しいんだ。

出向してからは自衛隊のミリ飯などで済ませることが多いし。

それにしても、騒がしい食事はいつ頃だろうか。パラオ鎮守府では日常だっだがナウル鎮守府となってから静かになり黙々と食べる艦娘が多くなった。更にシフト制だから非番の艦娘達の起床時間がバラバラでまず食堂に一同が会するなんて事自体起こりにくくなっている。

赤城や加賀は相変わらずすごい量を消費してるが。最初私が作ってた頃はキツかったからな。制作量的に。

さて、けんちん汁を一口。濃ゆいな味が。芳ばしい味噌の香りが口の中に広がり優しい甘さが後から来る。普通に美味だ。

白味噌だし、具も多く栄養もある。便利だなこれ。

竜田揚げは......うん。龍田に刺されたく無いので深く言わんが美味しかった。

「あ、あの......」

「む?何だ?」

「あの...戦闘ってどういう感じなんでしょうか?」

...どうと聞かれても戦闘の種類によって変わるんだが?

「そうだな...現在の砲撃戦においては超長距離砲撃の砲撃戦かミサイル攻撃がメインだな。兎に角煩いぞ?」

「そ、そうですか...」

何を想像したのか知らんがそんな派手すぎる戦闘はしないし。

牛乳を素早く飲み干すと馬力に物言わせてビー玉サイズに圧縮すると風呂敷の上に置き風呂敷を消す。長居は無用だ。さっさと帰る。

 

 

ーーーーウウウゥゥゥゥゥ、ウウウゥゥゥゥゥ、ウウウゥゥゥゥゥ!

 

なんでこんな時にくるかな深海棲艦。というか仕事しろよ航空隊。

空襲警報が町中に鳴り響き、各地の高射砲塔の対空砲が仰角を上げる。そして各地のレダーサイトから送られ情報をもとに迎撃を開始するが、F-222には当たらない。町中から重力と反対の火線が上がる光景はなんかレアに感じる。私達や艦娘の対空迎撃とは違うからだろうか。

し、か、し。そんな中ここの生徒と言ったらパニックになったのか動かない。さっさと動け平和ボケ世代。......ダメだこりゃ。

恐らく狙いは私一択。以前話した通り艦娘が死亡すると船体は自沈する。つまりいかに対空防御が硬かろうが船体と離れて無防備になり死亡したら船体はダメになる。だから今狙った。

「妖精さん、敵影は?」

''あります!敵航空機 戦闘機4爆撃機1高度16500です!''

「了解した。」

対空砲は届かんな。m634も届かん。どうするか...

立ち上がる。そして窓へと歩きながら腰に手を当て、ホルスターから五式自動拳銃を抜き取る。

そして片手で狙いをあまりつけずに発射。

轟音と爆炎が上がり悲鳴があがる。しかし無視する。続けて撃って撃って撃ちまくる。

薬莢が床に転がり、カランッ!と甲高い金属音を響かせる。

窓が粉砕され、スペースが開いたところで、軽く駆けて窓際に手を掛け飛び降りる。

ここは4階。9m近くあるが艦首から飛び降りても平気の為問題無い。

対抗策は練っている。m634の射程は5000M。到底足りない。しかし45mm機関砲は20000Mと長い。

五七式重装甲輸送車を緊急発進させグラウンドに持ってくると二本の砲身を名一杯上げて、撃つ。ドォンッ!と重なった砲声が響き薬莢が二つ排出される。後は作業ゲーだ。M2見たいな連射速度で45mm砲が火を吹き、曳光弾の線が空高くに伸びてゆく。

見ると、火が上がった戦闘機が一機。これが限界か。

「妖精さん、主砲起動!三式弾装填!目標呉上空に侵入した深海棲艦!撃ち方初始めぇ!」

私の一声で呉湾にいる船体の主砲が旋回し、対空専門の三式弾を撃ち出す。その数20。斉射したのだろう。ここまで響いてくるな。ここまで大きかったのか私達の500cm四連装砲。確かにブラストで敵沈めれるが...音大きかったんだな......

白い軌跡が放物線を描かずにまっすぐと飛んで行くと空中で分解。大量の揮発性の高い燃料が辺り一帯に撒き散らされその中に深海棲艦が突っ込む。すると信管が起動し点火。一斉に燃え上がる。弾道の通りに炎上し、花火を咲かせてゆく。

もう落ちただろう。

''艦娘さん!深海棲艦の爆撃機が投弾していましたー!''

「何?」

マズイ。爆撃機と言うとB-97しか思いつかない。B-97はツァーリボンバーを500発投下可能でありもし落とされたらかなりヤバい。

しかしFB-99の場合もある。あちらはSBM-93という粒子爆弾と言うMOABの超強化版を投下可能だ。

五七式重装甲輸送車が迎撃を開始。薬莢がグラウンドの砂に次々と刺さり溜まってゆく。私も迎撃態勢に入る。m634を車内から引っ張り出し弾帯を機関部給弾口に突っ込む。そしてコッキングハンドルを引き初弾を装填。地面に寝そべると真上に構える。

五七式重装甲輸送車の濃密な対空砲火によってなんかクソでかい爆弾の7つは破壊。後3発は未だに落下を続けている。その視認に遅れてトリガーを引く。腕くらいの薬莢がごとりと落下し砲身が大きく下がる。そしてすぐに第二射。第三射。

3発の19.8mm砲弾が空へ超高速で飛ぶ。そして落下してきている超巨大な爆弾に命中。先端を食い破って中で爆発。跡形も無くけし飛ぶ。

ふぃーーー。疲れたぁ...色々と。

 

 

 

 

 

 




ガルパンの劇場版を拝見してきました。
もう最初から最後まで興奮しっぱなしでした!とにかくもう凄まじいですね。サンダースがあまり仕事してませんでしたが、また見に行きたいと思います。ではではそのうちガルパンも出しますね〜

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