超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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ども、諷詩です。また遅れました。すみません...一応言い訳として、
今回の教導編の話数が余りにも少な過ぎる事が判明したため水増し用に書いていた次第です。すんません。

では子供達と戯れるアメストリアをご覧ください。


61.三時間目、出張授業って意味あるん?

ーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーー

出向から早二週間。時の流れは速いとしみじみ思う。

光陰矢の如しとはよく言ったものだ。偶に来る塵を処理して、最近まともになって来た組を重点的に頼まれた通り教育しているが、正直なところあまり成果は無い。まず聞かない奴多過ぎるし反応が馬鹿すぎるし。はじめからやる気なんぞ無かったが、これで完全にこの呉海軍大学校に居る義理は無くなったがまだ居るつもりだ。主に原因は二つ。

 

 

一、あのもがみん姉妹がまだ帰ってこない。

 

一、新たに大本営から通達が来た。

 

 

この二つだ。

前者は良いとして、後者は大問題だ。何てったって何でわざわざ私が小間使みたいに一々動かなきゃならんのだ。

なんかこの台詞のみだと私が命令に従わない問題児なNEETみたいだが事実、私が小間使いとして使われているのは一回や二回では無い。

視察然り今回の出向然り。何となく良い感じの理由を後付けして私が良いように使われている感じがしてならない。

しかし、以前大本営を襲撃した前科がある為に強く言い返せない。力技で解決できないことも無いが何となく面倒くさい。

後処理が面倒だし今ままでのように「俺、自由!」という訳にもいかない。あの時は大して問題もなかったし何よりもフリーダムだったから自分のやりたいままにやっていたからな。若気の至りだ。楽しかったが。

 

それで、大本営からの指示というのは、「将来的に軍人への育成として、一般の教育機関への出張教室に同伴せよ」という内容。

これには私は二つの感情を抱いた。幾ら色々と終わっている大本営でも長期的な計画性を持って行動をしていることへの安堵。

さっさと戦争を終わらせるつもりが無いという一種の諦めが盛り込まれているためイラつき。

しかしそれはただの感情的な、目先を考えない考えだ。無垢で無知な聞いていて私が一番嫌いな考え方だ。

戦争というのは『国家』というものの寿命を急速に消耗する。平和な時と比べて緩やかにではなく崖のように急速に資源、人材を消耗してゆく。湯水の如く消しとばしてゆく。だから戦争で他人から分捕るのだ。それを非難するものはいるが、

人間は他の物を淘汰し犠牲にすることで生きる種族だ。戦争はその手段の一つである。と、私は考える。

 

......まだ私に前者の思考が出来てしまうとは思わなかった。まだ前世の甘ったれた人間性が残っていたとは...

意外である。

「何回想しているのかしら?(ニヤッ」

「ひゃんっ!?な、なにしてる!?」

何故か考え込んでいるとリバンデヒから襲撃された。アイェェェェェッ!ナンデ!?何で私の胸を揉む必要がある!?

電流が体を駆け抜けるような、良く分からない感覚が私を襲い、身体中から力が抜ける。この感覚は慣れない。

リバンデヒに度々夜這いをかけられ、ノイトハイルからは奴隷宣言を食らった。その度に何かとナニかをされていた私であるが、慣れることは無い。というか慣れたら負けだと思ってる。なんか...うん。

「ひうっ!?やめいっ!!」

「むっふふっー!あぁ!お姉ちゃんはやっぱり柔らかいわぁ...!」

「ひいぃ!?」

というか....場所を理解しているのだろうか。いや絶対理解してないよね。ひぅ...足も複雑に絡められ、身動きさえできなくなってしまっている。さりげなく格闘柔術を使用してきているあたり、

本当にいやらしい。

「貴女達...本当になにやっているのよ......」

呆れの混じった矢矧の声が上から掛けられる。良く見ると後ろには天城と響も着いついてきている。

天城や響は顔を若干赤らめており響は帽子で隠していた。いや天城さん。あんた痴女に近い服装してるでしょうに...。

そして響。さっきまで撃沈してた割には元気だなおい。

「んっん!失礼した。リバンデヒ、離せ」

「はーい...」

リバンデヒが悪びれた様子もなく間延びした声で答え、私の拘束を解くと何処かへと歩いて行った。ルンルンとしているのは気のせいでは無い。何処かへ転移して行ったがおそらく自分の船体へ戻ったと思われる。

「大丈夫かしら?」

「うむ...問題無い。」

そう言って立ち上がり、緋袴についたホコリなどをパンパンと払うと不敵な笑みを浮かべて頷く。

それだけで何故か三人の顔の赤みはより増したように思える。大方()の美貌に目を奪われたんだろう。簡単に予想がつく。

全員可愛いと思うがな。

 

 

閑話休題。

 

 

兎も角、今回の大本営からの長期的な計画とやらの一般の教育機関への出張授業だが、大本営に私達の移動手段に武装の自由を認めてもらった。これはさすがに譲れない。大本営へ大将殿の迎えをしたときの襲撃然り、どんな介入があるかどうか分からんからだ。

その為に、天城には金剛や矢矧、響の護衛に徹し、全員が船体に閉じこもることに決定。

幸いかどうかは不明だが学校は休みとなっており、自由が利くのだが、この呉海軍大学校では全寮制の為休日でも忌々しいことに直結厨がうじゃうじゃ湧いて出てくるので危険極まりない。クソガキの中に私の大好きな艦娘を放り込むほど私は老衰したつもりはないので今回の対策となった。

「では行ってくる」

「ええ、いってらっしゃい。」

そう言うと妖精さんが運転をする装甲車輌が順次発進してゆく。

動員した車輌は私の船体から引っ張ってきた五七式重装甲輸送車一輌に一式重武装車輌3輌。それに天城の甲板に一七式戦車を量子変換で格納したCH-4や多目的支援機としてF-222がスクランブル待機している。完璧とは言い難いが結構強固な護衛システムを構築している。

そう言えば一式重武装車輌に搭載したM634って人力で操作するものだったはずなんだが、妖精さんとサイズから考えて不可能だったためターレットになっている。軽く砲塔化しており、なんかもの完全に重装甲ですありがとうございますといったかんじになっていた。妖精さん、自重しよう?な?

 

私が乗るのは当然のこと五七式重装甲輸送車である。24名の兵員を載せることができる広い空間にはM634が弾帯BOXを外された状態で床に鎮座しており、座席にはあらゆる状況に対応するために超高性能炸薬。私の主砲の炸薬にも使用している爆薬を3ブロック程積みベガルM147という軽機関銃を二艇。10式自動散弾銃一艇に89式対戦車携帯砲という外見どう見てもSMAWなバズーカが並べられている。

またM145にB-401というグレネードランチャーを下のレールに滑らせており、上の20mmレールにはレッドドットサイトに3×9倍の短いスコープが組み合わせて滑らせている。それをスリングを通して肩にかけ、腰には五式自動拳銃が二艇銃剣のようにぶら下がるっている。これって結構ベルトがお腹圧迫するから長時間したくないのだが今回ばかしは仕方ない。対応する為にはこれ位は武装しなければならない。

やりすぎかもしれないとちょっと思っているが...

 

一般の教育機関への出張授業だが、当然私のみでやる訳ではない。

呉鎮守府からの広報担当が本来出向くのだが、毎回の事数人の艦娘を同伴させることが通例となっている。

前回は調べた限りだと呉鎮守府所属の伊勢、千歳に木曾、天津風に時津風が動員されている様だった。しかし今回は先日の件もある事から金剛らの動員はしない事とし、私のみでの派遣となった。

ここで私達のナウル鎮守府の違いを説明しよう。通常の鎮守府はただ軍港しかない訳ではない。鎮守府としての付属する施設がある。

事務管理に憲兵団詰所。基地全域を覆ったフェンスに簡単ながらも防衛施設。大量の対空砲やレーダーサイトなどの一通りの軍事施設は揃っており、その地域の軍事関係の総司令部としての意味も持つのだ。佐世保などは自衛隊も基地が合併されており一大軍用地となっている。

詰まる所駐屯地の超グレードアップ版の軍事基地なのだが、ナウル鎮守府に限っては存在しない。

そもそも提督棟のみで全ての事務処理が可能で守るべき対象となる都市が存在しないため鎮守府を守るためだけに特化した防衛システムを設置できる。だから、あんな要塞になったわけだが。妖精さんが荒ぶったんだ。しょうがない。

仕方ないったらしかたない。気にさせるな。私が心労で倒れる。

 

一般道に入る前に地味に広大な用地を擁する正面の庭とでも言うのだろうか、なかなか広い西洋式庭園が広がるなか邪魔しない程度に抑えられたアスファルトの道が正面エントランスを描くように半円に通り、そこから正門へまっすぐ車輌用と歩行者用の道がある。

そんな土木関係だけでいくら掛けたか分からない金と血でできた道を4輌の重武装車輌が威風堂々たる姿を見せると明らかに重装甲の戦闘車両が走り去って行くためか注目が集まる。

一部は携帯向けて写真を撮っているようだが、軍機の塊の為あんまり撮影は遠慮したい所が本音だ。

「妖精さん、急いでくれ」

''了解です!''

すると音も立てずに車輌が加速してゆき、厚さ200mmの耐爆ガラスに映る景色がガラリと変わる。

丁度正門を出たようだ。しかしすぐに一般道とはいかず、緩衝帯として更に広いスペースがある。そこには申し訳ない程度の、最低限の防衛施設がある。具体的にはM2のトーチカや地雷、クレイモアなどの設置型トラップなどだ。

しかしその設備の貧弱さはお察しのとおりだ。大方予算のしわ寄せが来た結果だろう

予算管理の杜撰さがよく分かるが、そんな事はどうでもいい。関係ないし。

 

......

 

 

............

 

 

.................

 

 

......何か、団体さんが居座っている。

大体人数は50〜60人程度で拡声器でリズムよくdisってる。

バカの集まりだろうか、と言うか絶対そうだろう。阿呆っぽい感じのやつらばっかだし意味不明な主張だし。

 

軍縮しろーだの、深海棲艦との和平を模索しろーだの、戦争反対だの。

戦場を知らないから言える甘ったれた妄言だ。そうやって暇を潰せてるのは誰のおかげだと思ってるのだろうか、そこをよく考えて欲しい所だが言っても無駄だろう。奴らは国民のため子孫のためと言いつつ自分達さえ良ければ他はどうでもいいっていう連中だ。

現在は警備部隊が必死に止めているが、いかんせん数が多い。一応介入すべきだろう。船体にたどり着かれたらたまらん。穢れるじゃあないか。妖精さんに全車輌停止の旨の指示を出してもらい、五七式重装甲輸送車の上にある砲塔のハッチを開けて外へ出る。

一式重武装車輌は既に全装甲化されたM634が団体さんに向けられている。まさかとは思うが実弾じゃないよな?妖精さん。え?空砲何か積んでない?ちょい..何やってるの妖精さん......インカムをつまみ、指示。

「上部砲塔旋回。団体に向けろ。」

すると重苦しいモーター音と共に砲塔が旋回し、弾道を計算した結果算出された仰角に砲身が上がる。

「弾種、儀礼用空砲装填」

ガコン、と全自動装填装置に弾頭のない砲弾が装填され、ナノミリ単位で照準の修正がされる。

全自動装填装置の下には私の主砲の様に3発分だがストックされており、機構は500cm四連装砲と全く同じだ。

量子変換で出せるのは1500発以上。実質無限だ。補給廠から転送されるし。私の場合船体から送られるためやっぱり無限だ。

「ってぇーーー!」

轟音が轟き砲身から閃光が煌めく。白い白煙が勢い良く飛び出すとそれより早く衝撃波が団体さんを襲う。

 

遅れて第二射。再び砲声が響き僅かにくすんだ薬莢が車体と砲塔の隙間から排出され整備されたアスファルトに鈍い音を立てて落下する。

 

そして第三射。薬莢が落下し再び砲声が轟く。

白い砲煙が上がり、正直うるさい爆音で団体さんは黙りこくっている。おい、口開けて阿呆面晒すな気持ち悪い。

あとは防衛部隊に任せるしかない。多分大丈夫だろう。多分。

 

 

一般道にやっと入ることができた。長かった...今の所団体さんさんが居座っていたのを排除するきっかけを与えたくらいだがなんか精神的に疲れた。さて、気分爽快フレッシュし、今回広報係と合流するのは一般道の外れ、鎮守府のエントランスでのエンカウントとっているのだが、そこまでの距離が1kmと以外と長いのだ。その間、重装甲の武装車輌が4輌も走るという緊急事態にしか見えない事態となった。これヤバくねっ?と内心密かに思っているのだが、自然と一般車両が避けてくれるのでその点は便利だ。

先頭の一式は右を、2輌目は左に、五七式は前方を、3輌目の後方へ砲塔が向けられており、どの方向からヒャッハーしてきても対応できる体制になっている。しかしこれも万全とは言いがたく、地雷や特攻には耐性がない。一式重武装車輌や五七式重装甲輸送車は対空砲を積んでいないからだ。あくまで対歩兵用、対装甲車用なのだ。可動領域もM634の銃架は70°、五七式の連装の45mm機関砲に至っては65°と射程が長いから航空機が遠いなら撃墜できないこともないが、近くまで寄られると何もできなくなる。

その為に五七式重装甲輸送車には四連装のST-7ミサイルポッドが追加武装が装着できる様になっている。残念ながら今回つけていないが。

まぉ、兎も角。対空防御に難があるが十分対応できるだろう。うん。そうなって欲しいが。

というか今回襲撃があったら確実に内通者がいるか私に四六時中監視がついてることが分かるからデメリットだけではないのだがやはり面倒だ。

 

 

「私は今回大本営より指示されて出向したアメストリア型戦艦一番艦アメストリアだ。この度はよろしく頼む。」

「俺は呉鎮守府広報係課長、中尉だ。今回はよろしく頼む」

そう言ったのは筋肉質の男性。その肩の階級章には中尉を示すピンク色の下地に二つの櫻という階級章を付けている。

他の腐食したゴミ屑とは違いしっかりとした人物の様だ。後ろには部下なのか数人の士官がいる。私の後ろにある装甲車輌に目を奪われている様だが...大丈夫なのだろうか。ちょっと心配だなお姉さん。

取り敢えず段取りなどを教えて貰い、さっさとミーティングを終わらせると中尉達は軍用車なのかよく分からないが装甲のありそうなゴツゴツとした車両に乗り込んで行くと、私も護衛陣形を変更する。一輌目と二輌目の中間に中尉達の軍用車?が入るようにする。

先頭が潰された時に厄介になる車列だが一式重武装車輌はRPG-7だろうが対戦車地雷だろうが効かないので特に問題はない。

あるとすれば運転から機関銃手に至るまで全員が妖精さんである事だろうか。だってさ、無人で走ってる装甲車輌に囲まれた有人の車両とか絶対目立つじゃん。私目立つのやだしー(陸では)

何か問題起きそうじゃん?既に私達を監視している方々が複数いらっしゃるが、ばれてるからな?艦娘パワーナメんなよ?陸だろうと20km半径だったら悪意ある者は大体感知出来るし後は船体からトマホークでも飛ばすか戦闘機か爆撃機出せばいい。簡単なお仕事です☆

今回は面倒くさいし見られて問題無い件だから良いんだが、偶にストーカー根性ォ!って偵察型UAVを飛ばしてくる奴らも居て引いた。

一応ハッキングで飛ばした奴ら特定したが...うん。ラングレーとだけ言っておこう。無論データは消しとばしたけどな。建物ごと。

ん......あと10分程で着くようだ。少し寝よ...最近また寝てないし...

 

 




誰 が こ の 話 で 戯 れ る と 言 っ た ?

あ、すみませんなんか移動だけで6000いったので切ります。だから石投げないでっ、あ、それ核砲d...

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