超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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ONE PIECEに海軍艦艇出したらどうなんだろうって想像してたら遅れました。すまぬ。


58.ふぁいあ〜

ーーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーー

バババババババッッッ!!!という重い重低音の銃声が重なり、金色の薬莢が排出口から吐き出され甲板に転がってゆく。鋼鉄のタングステンよりも硬度の高いフルメタルジャケットの、7.92mmの弾丸が遠くの的を抉り火花を散らす。

 

そう。現在は艦娘たちに射撃訓練を施していた。

やはり、本職が砲撃とありかなり練度は高く、最初こそ扱いに戸惑っていたものの今では私の甲板に設置された臨時の的(1000m先)に平気で命中させている。

響きを除き全員がM69であるが、そのM69の射程は3000mを誇る。

まぁぶっちゃけるとちょースゲーアサルトライフルな訳なんだがマガジンの交換が必要無い為、銃撃が途切れる、という事が銃を破棄しない限り起こらなくなったということである。

これは戦場や実戦ではとても大きなメリットとなる。兵士が攻撃すべき時に攻撃できない原因は大体下記の三つに分けられる。

 

一つはリロード。銃には弾薬数という制限があるからだ。これは現在地球上のすべての銃器にかかっている忌まわしき楔である。マガジンに入っていた弾丸が切れれば次のマガジンを入れる為にマガジンキャッチを押してアモを自重で落としてから新しいマガジンを押し込む。そしてコッキングレバーを引いてチャンバーに初弾を入れてからやっと引き金を引くことで弾丸が発射され音速を超え敵を撃滅する。どうしてもリロードするときはそちらに意識を持って行かれる。弾切れは銃から遠距離攻撃の手段を奪うに等しいからだ。そのためにそちらに集中するとその間に撃たれたり斬られたり潰されたりする。致命的な欠点だ。

しかし弾薬数というのはある種の保険だと思う。銃本体の耐久力を長持ちさせるという効果があるからだ。銃弾は今の所バレルに刻まれたライフリングを通ることで回転力を得て高速でより威力を持って発射される。つまり銃を撃つと絶対にライフリングを通るのだ。

ライフリングとて絶対に壊れないという便利な御都合主義万歳な設定はない。消耗し擦切れる。命中力は格段に悪くなり威力も落ちるだろう。M2などがバレルを交換するのはその理由も一つだ。

 

二つ目は弾切れ。これはもうどうしょうもない。攻撃手段を失ったも同義だ。確かにCQCとかコンバットナイフとかあるだろうが、実戦で使用される機会は少ない。大体榴弾砲の雨にさらされるかミサイルの洗礼を受けて敵さんが大☆爆☆発☆しているからだ。あとはM249ことミニミやM4...最も最近はM4を使っていないようだがアサルトライフルが処理する。つまることろ、よほどのことがない限りコンバットナイフやCQCのみでの戦場は訪れない。無いとも限らないが。

 

そして、三つ目が負傷者を搬送するときだ。

例えば、10人の小隊があったとしよう。彼らはある作戦で某中東の国家で紛争に介入していた。そんな時、敵からの銃撃。警戒していた彼らはすぐに物陰に散開し、反撃をしてゆく。

大体敵が使うのはAKやライセンス生産された粗悪銃である。威力はまぁまぁ高く、いくら殺しても殺してもどこからか現れるウジ虫が扱う素人級の馬鹿な撃ち方だろうが当たるときは当たるのである。ついにその内の一発が隊員の一人を貫き伏した。

この時、この隊員を運ぶのに四人のまだ戦える戦力を動かして安全圏に運ばなければならない。つまり、残存兵力は10人から5人に半減するわけである。かつ衛生兵もそちらに動員される為その後負傷した隊員には完全な対処はされないという最悪の事態を引き起こす。

 

 

 

おっと話がずれたな。ともかく撃ち続けれるのは得だZE☆っていることだ。

利点としてかなり大きい。かつ命中精度と扱う艦娘の腕が良ければなおさらだ。

 

「撃ち方やめ!」

 

私が声を張り上げると全員が引き金から指を離し銃口を下に向けてマガジンを抜きとりスリングで下げる。うん。完璧だ。安全確認はしっかりとやっている。

 

「全員素晴らしい命中率だ。しかしただ動かない的を撃っても意味が無い。これからはより実践的な訓練に移行する。」

「そのpracticeはどゆもーのですネー?」

「...私を、撃て」

ニヒルな笑みを浮かべながら言い放つ。

「「「......はぁ!?」」」

 

普通、自分撃って〜っていう馬鹿はいないだろうが、やはり一番は動く的、特に人型が最適である。敵は人型なのだから。

第一に私は銃弾が命中しようと死にはしない。痛いけどな。万が一ヘッドショットされても高速修復材があれば何とかなる。心肺停止、つまるところ死亡。そんな確実に死んでも艦娘というのは大丈夫なのである。案外丈夫なのである。以前、私が心肺停止になった時カイクルが人工呼吸する事で私は生き返ったが、あれも処置の一つである。

人間と同じ処置でも艦娘は生き長らえることができるが、艦娘としての処置でも生きることができる。そういうところは便利な艦娘だ。救命手段が二つもあるのだから。しかし、人間に高速修復材をかけたところで意味が無い。不憫だな。

 

転移を応用して2kmほど離れた甲板に降り立つと腰に差しておいた大太刀を抜刀する。

そして深く腰を下ろし右足を前に、左足を後ろに下げ胴体自体を捻ると大太刀を両手で持ちくっつける。この体勢から斬りかかるとなかなか便利なのである。

ランス構えているみたいで私はあまり使わない構えだがな。いつも『突く』というより『切り裂く』だし。

それでも艦娘の為ならやるのだ。(ドヤァ

 

私の優秀な瞳は正確に飛んできたあまり殺意の無い、迷いのある銃弾を捉え、脳内で処理するとそのままバレットラインを構築する。弾道予測線とでも言おうか。そんなものを片手間に構築しつつ大太刀を振り上げ片手で振り下ろすと逆手に持ち直し振り上げる。ただそれだけで全ての銃弾が叩き落される。初速は大体2500m/sくらいである。何Mだっていう話だが重力や酸素の影響で性能が左右されても困る為アメストリアの銃器は初速が途轍もなく速い。もう、それはもう。

更に銃弾が迫り来る。しかし、それは動揺が現れているかのように弾道がぶれている。

回避もせずに全て切り裂かれたのが驚きであったのだろう。どうだすごいだろうとは言わん。そこまで自惚れてはいない。なんか、負けだと思うから。

 

閑話休題。訓練は無事に終了した。全員が恐ろしいほどの命中率を誇り、私にも当たりそうになるなど中々に撃つ覚悟が出来てきたようであると内心ほくそ笑む。これで最低限の自衛は可能となるだろう。現在は各々の船体へ戻り自由時間となっている。かく言う私も自由時間として暇を貰い例のアングルデッキ、露天艦橋にて緩やかな時間を過ごしていた。

標高360mという東京タワーよりも高い位置からの光景は圧巻である。呉という土地からか港が多く、軍艦特有の灰色塗装された艦が多く停泊している。その多くが駆逐艦や軽巡洋艦だ。おそらく、警備か護衛だと思われる。

呉は古くから造船で栄え、有名なのはあの大和型戦艦一番艦大和を建造せしめたということだろう。確か知識によるとそのドックは未だに現存している筈だ。

大和ミュージアムという資料館も艦娘が出現する以前から存在し、スケールは忘れたが20m超えのレプリカ、ミニ大和が展示されていた筈だ。

他にも三式弾などの砲弾や零式艦上戦闘機などが希少にも展示されていたが艦娘の出現により零式二一型などは腐る程鎮守府にて生産され希少価値は消滅した。

 

「大和」というビッグネームも船体が復活したことで人気は衰えたが基本的に鎮守府が戦力を堂々と係留している筈もなく実際に大和を始めとする艦娘の姿を見ることができるのは何時ぞやの海軍式典や記念式典などのみである。

当たり前といえば当たり前である。

誰が好き好んで他の国の間者がいるかもしれない可能性があるのに軍機の塊である戦艦を飾らなければならないのか。

かつ、展示用に戦艦を裂けるほど戦力に余裕は無い。

つまり艦娘のリアル船体ではないものの「戦艦」と最も身近に接せるところは大和ミュージアム他ない訳で未だに人気は衰えない。否、深海棲艦との戦争以降むしろ増加しただろう。

 

けれども、いくら私の技術が来ようとも戦線の拮抗は崩れない。

いたちごっこなのだ。深海棲艦との戦争は。こちらが新型を出せばあちらもそれ以上の存在を出してくる。私が来れば深海棲艦もアメストリア型戦艦を出してくる。本当もう嫌になってくる。国民守るだとか国守るだとか主張主義守るだとか割ともうどうでも良くなってきた。

けれども、現在進行形で進むこの問題は解決せねばならん。

 

「はぁ...」

「〜〜♪〜〜♪」

 

そう。リバンデヒが抱きついているのである。

せっかくこれからの事考えてたのに...考えてないけど。

とりあえず...私の深淵は教えるつもりは更々ないが効果的かつ艦娘の負担が少ない戦術や長期的な、後で効果を発する長期的な作戦を教えていこうか。使えるかは兎も角。

 

「なぁ、リバンデヒ。」

「ん〜〜?どうしたのかしらぁ〜?」

「お暇もらったら日本を探索するぞ。」

「ふふふ〜アメストリアでも日本は人気よねぇ...大体は平和すぎて落胆と失望とともに帰ってくるらしいけれど」

 

やはりそうなのだろうか?現代日本はあまりにもぬるま湯に浸かりすぎている。

戦争中だというのもだ。全部に任せっきりにして自分に危害が及べば政府のせいにして暴れて馬鹿みたいなデモだのテロだのを起こして挙句の果てに超理論跳躍した謎の主義掲げて今の政府倒すだの俺たちこそが正義だのとほざく愚民共が蔓延っている。

例えばジョークだろうがドッキリだろうが突然爆発音が鳴り響いた時日本人はまず何を想像するだろうか。何を感じるだろうか?

事故?恐怖?そして自分には関係ないとタカくくって安堵して気をぬく。その時点で重篤クラスの平和ボケだ。ガス爆発だったのかもしれない。タンクローリーが横転して大爆発を起こしていたのかもしれない。しかし、敵...深海棲艦かもしれないし他国かもしれない軍隊の攻撃だったら、そういう想定がない時点で相当終わってるのである。

すぐに窓を確認し自分の目でしっかりとその状況、原因、規模を確認した上で何をするべきかを考えて欲しい。感情的に怖いーだの俺には関係ないだの言ってる暇あったら動け。

これはマスメディアにも言えることだろう。

日本には様々な新聞社、テレビ局が存在する。その数はゆうに200を超えるだろう。

ネットを含めるともう考えたくもない。

そのマスメディアの中には某C国かぶれの反日マスゴミが存在する。誠に遺憾ながらもだ。

そのような根拠もない絵空事の報道を堂々と流されても私としては困るんだが更に困るのはそれを鵜呑みにして感情的に行動するステキ(笑)な市民(自称)サマ方だ。

 

反吐がでる。

 

ムカつきすぎて色々と破壊したほどだ。資材が200ほど吹き飛んだ。

自分でその情報の真偽性さえも確かめずに行動する自称市民。真面目に黄泉に還って頂きたい。例えば最近の話題かは分からんがV-22 オスプレイなどは代表的ではないだろうか。

あそこまで滑稽な茶番は中々ない。

V-22というのは初めて実戦レベルまで開発が追いついた初のプロペラの向きを変えて離着陸するヘリコプターである。

ローターの安定性がイマイチだというが今まで固定された軸のヘリコプターを操縦していた者がローターの回転軸自体が回転する摩訶不思議なヘリコプターをいきなり操縦しろと言われても無理である。しかも当初は配線ミスもあったらしいし。現在では数少ない安全?な機体だ。強いかと言われれば微妙と答えよう。確かに早いし便利だが量子変換器積んでない時点でもう役立たずだ。

事故率はかつてないほど低く、よくマスゴミが騒ぐ事故は初期のものだ。

現在では頻発していない。というかそうぽんぽんと地味に高いオスプレイが堕ちて堪るか。

なのにもかかわらずデモ起こしている自称市民がいる。

騒音ならまだ分かるが事故はもうどうしようもない。起きるときは起こる。自然災害とは違うが偶発的発生という意味では自然災害と同じだ。

自称市民の皆様は地震や洪水が起こるたびにユーラシアプレートや川にデモをするのか?

否、いないだろう。つまりそういうことだ。もう少し理性を持って行動していただきたいものである。理性のない人間は人間ではないからな。それはただの獣だ。人権は無いし法律も適用しなくなる。私は、

ーーー躊躇いなく殺すぞ?

 

一切の躊躇なくその獣が何であろうと殺す。何するかわからんからだ。

あの時殺しておけば〜〜なんていう後悔はしたく無い。れっつですとろーい!だ。

閑話休題、兎も角アメストリアの国民からすれば、戦争に最も身近に接している彼女らからすれば日本とかいうUSAの属国は酷く詰まらないのだ。銃声はならないし銃を持つどころか銃弾を持つことさえできない。ふざけてんのか貴様らって言う感じである。

確かに現状銃刀法を解禁すると治安は悪化するだろう。何故か?暴力団とか言う日本版マフィアや人間のクズが己の欲のためだけに使うからだ。

別にそれ自体を否定するつもり間全く無い。私も武力の象徴だから。

しかしクズのやることはいただけない。

 

案外知られていない事実だかアメストリアでは、3桁からの惑星では治安が悪い。別に管理できてないとかではなく意図的に緩くしているのだ。

意図的にゴミどもを入れて定期的に掃除する。運動のようなものだ。

そうやって日常から戦闘を感じることで銃というモノを理解してゆくのだ。銃を強欲に使う結果が。

 

銃撃戦が各地で起こりクズが死んでゆく。

別にそれは問題じゃないしそれを目的として緩くしているのだから良い。元々国民性として謙虚だし貧欲だ。必要なものを必要なだけ。あとは緊急時。

その思想がプロミングされているから通貨というものが存在しなくてもアメストリアという軍隊は成り立っているのだ。

 

大量の万能生産装置によって国民の消費する物資が生産され国民が欲しい時に欲しい分だけ要求する。

そのシステムでアメストリアの世の中は回っている。

銃器に至っては最も親しみを持っているだろう。アメリカよりもだ。一家に一丁らしいがアメストリアは一人三丁が常識だ。ハンドガンにアサルトライフル、狙撃銃。銃は個人の好みだが。

 

そんな世界だがどこぞの世紀末のような事にはなっていないし軍隊として成立し続けあちらの時間軸で4945年。

何かと続く。王室だの皇室だのという不必要なものは存在せずに地球人が信じるジーザスみたいな何もしない神とは違って実在する八百万の神々に擁護され助けられる世界。

陰陽術が息づき科学と融合してより発展した化け物兵器を生産してゆく。日本のように四季があり暦がある。時間という概念は割とフリーダムだ。刻単位。あとは三十分単位だろう。

流石に戦闘時は秒単位、下手すればナノ秒単位だが。

 

「お姉ちゃん、私もひろしま?行ってみたいわ」

「そうか。では次に行ってみようか」

「ふふふ〜楽しみね〜」

 

ぎゅーと抱きしめてくる。あのー首絞まってるんですがこれ。息止まってるんですが...

あ...意識が...あの、視界が霞んできたのですけど...ちょっと殺す気なのかねぇ?

あのー助けてーー...う〜〜......

 

「〜〜♪」

「ふぅ......ぐぅ......り......ん...で...........ひぃ......」

「〜〜♪〜〜..........ヒィッ!?ちょっとお姉ちゃん大丈夫!?」

「ゲッホゲッホ......ぐぅ...リバンデヒ、殺す気か?」

「ご、ごめんなさいね...」

「ゲホッ...あぁー、もう良い。私は寝る」

「ちょ、ちょっとぉ〜!?」

 

素早く転移してGo to bedする。

眠い...

 

 




話が進んでない...今回の章は難産かもしれないデス。うぅ...

2018/01/18 ヒロシマはカタカナだと核攻撃の事を指すそうで、平仮名に変更しました。

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