超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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マルイのL-96で射撃訓練してたら跳弾でまっすぐ跳ね返ってきて見事に命中(自爆)した諷詩です。
皆さんは狭い密閉空間で砂はぶっ放さないように!←


51.迷惑な視察 lll

ーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

米国海軍の将官を私の本体へ乗せ、30分というどう考えても可笑しい時間でナウル島へと向かった。途中、何回か深海棲艦による奇襲があったが主砲でわざわざ潰した。これには米国海軍への威圧も含めている。あの主砲の発射時の爆音の衝撃破は精神的にインパクトを与えるからな。

中々に便利である。

『こちらカイクルだ。此方でも姉さんを確認した。先導は五分後を予定している。』

「了解した。カイクル、ご苦労だな」

『いや、パフォーマンスの一つだろう。これ位はなんでも無いからな』

「そうか。」

私一隻だと抑止力というか武力というか、見えない抑止力では無く、見える抑止力が足りないので、妹達に要請し、カイクル、ノイトハイルが途中で合流する事になっている。因みにリバンデヒはナウル鎮守府の警備だ。まぁそういう事で、反応を見に行く為将官達を入れていた貴賓室へ向かう。

 

「アメストリアです。失礼します。」

ちゃんとノックをして入る。これ基本な。

「どうした?」

「いえ、ナウル鎮守府への到着があと12分46秒となり、先に失礼ながら私の妹達が先導を務めさせていただきます。それをお知らせに参りました。」

なんで私が敬語使ってるんだろうなあ...()のアシストもあり違和感の無い(多分)英語を喋れているはずだが...あ、前回からナチュラルに英語に切り替えてるからな?米国海軍の将官が日本語を喋れるわけ無いだろ?私が合わせてやったんだよ。

まぁ、観察には少しといってもあと1分位だが、時間がある為、ドアの近くに直立不動となり、後ろで手を組む。軍隊式だ。

「ところでアメストリア、この艦は何ノット出ているのだ?」

「はっ.......85ノックですダレス少将」

私艦娘だぞ?そんな事分かっているに決まっているだろう。

「随分と早いのだな...この様な巨大戦艦がその様な速度を出すには相当のエネルギーを必要とするだろう。そのエンジンはどういうものだ?」

なんか堂々と技術見せろついでによこせって言われたんだが...なんて返せばいいんだ......?

馬鹿なのか?ウンターガングエンジンなんか最新技術の塊だし、この年代では複製不可能だ。しかし、その開発途中で何かが出来たら、私には対応できない。その不確定なモノには介入するのはあまりにも危険すぎる。というかメリットがない。別にこの地球は私の母星ではない。特に思い入れもない。

「我がアメストリア國の最新軍事技術につき、他国への技術供与は大日本帝国を含め一切行っていません」

そう言って曖昧に微笑む。尚微笑めているかは不明。さっさと話題ズレせやオラ!

兎も角、あんな世界を揺るがすクラスの技術なんか米国如きに与えるわけねーだろバーカッ!

 

すると、空気を読んだかの様に実にいいタイミングで腹の底から叩かれる低い重低音が鳴り響く。

カイクルとノイトハイルの汽笛だ。なんか前に言った気もしないでもないが、あの巨艦の場合、鳴らさんでも遠くから見たらすぐに分かるのだが、霧や、他の星の場合、視界がよろしくない場所もあるのだ。そんな時に位置を知らせるのが汽笛である。

別にレーダーなどもあるが、損傷した場合の位置を知らせるの手段として、汽笛が今尚使われている。まあ、何せ遠くの相手に知らせる為の汽笛だが、威圧の面でも使用される。

敵が攻撃準備の為に主砲に装弾したり、対空戦闘のために艦内を走り回ったりと。その時にあの大音量で汽笛が鳴り響いたらどうだろうか?乗組員は作業を止め、萎縮してしまうだろう。

その間に私は攻撃を開始する。するとあら不思議。反撃無く一瞬で撃破する事が出来るのだ。

事実、海中に潜れるアメストリア型戦艦以外だったらガラスは砕け散っていただろう。音は空気の振動で伝わるのだ。

「あ、あれは..君の妹さんかね?」

「えぇ、アメストリア型戦艦三番艦カイクル、アメストリア型戦艦四番艦ノイトハイル。二人とも私に引けを取らない戦闘力を持っています。くれぐれも気をつけるようお願いいたします。」

流石にカイクルやノイトハイルがキレたら制圧にはかなりの火力と数が必要となり、犠牲は夥しいものとなるとおもう。いやマジで。

カイクルは本気出せば至近戦闘だったら私瞬殺されるし、ノイトハイルは私が食われる(性的に)と思うのだが...つまり私でも宥めれるか分からないほどの危険性も持っている。まぁ、安全な戦艦ってなんだろうって話になるがな。

 

「機関停止!錨おろせ!」

''機関てーし!''

''錨下ろす感じです?''

''錨下ろすです''

アメストリアがドックへの接岸し、錨が下される。そして流されていかないように...多分しなくても流されないが念のためドックとの縄が幾重にも繋がって行き、側面の装甲が割れたかと思うとその中からタラップが降りてゆく。

そして米国海軍の将官達をドックへと誘導してゆくと、ドックに陸軍基地から妖精さんが操る車両が走ってくる。

「アメストリア、あれはハンヴィーかね?」

「いえ、アメストリア陸軍の一式重武装車輌二台に七式装甲車輌二台です。」

そう、一見完全にハンヴィーの外見をした装甲車輌が四台走ってくる。

サイズもハンヴィーまんまだが、武装は恐ろしく、開発はアメストリアという軍隊が発足してから1年目という超ロングセラーの傑作装甲車輌だ。4900年以上にわたって使用され続けているわけだが、当然の如く、何回も改修されている。しかしどこかの重機関銃宜しく基本構造は変化しておらず、装甲を最新式にしたり電子機器を入れたりとかそんな感じの改修しかされていない。逆に言えばそれくらいしか必要ないのだ。それだけでもこの一式重武装車輌がどれだけ優秀か分かると思う。

 

この一式重武装車輌は全長2.5m、全高1.32mで重量14tとまんまハンヴィーであるが装甲はアメストリア特製の特殊装甲を持ち、硬くて地雷など全く脅威にならない。

最大速度260km/hを誇り、武装はあのM634重機関銃を一丁。乗員は四名の重武装のジープだ。

今回は護衛の名目で派遣してもらっている。

そして、その一式に挟まれて走っている二台が七式装甲車輌という武装をM3___正式名称M3-25 14.5mm重機関銃という大口径の重機関銃を銃架に乗っけた軽武装の装甲車輌だ。

サイズも外見も一式に似ているというかまんま同じで、ハンヴィーである。

まぁ、詰まる所乗っけてる銃が違うだけである。しかし、装甲については一式の方が分厚く、核にも耐える。七式もだが。あれ、マジで変わらんな。

 

''一式二輌に七式二輌ただいま到着しました!''

ハンヴi...一式と七式から陸軍装備(妖精さんサイズ)をまとった妖精さんが降車してゆく。

今回の護衛の担当だ。必要なのかは分からんが、まぁ、外交的な問題だ。くだらんな。

「了解した。ダレス少将方、七式装甲車輌へお乗りください。」

ちなみに私は先頭の一式に乗ってゆく。一輌目にダレス、ケビン、アリゾナが乗り込み、二輌目にメイガード、コロナドが乗ってゆく。めんどくさいなぁ...

 

アメストリア型戦艦一番艦アメストリアを係留する『特 大型ドック 四番』から四輌は走り出し、

軍港から出ると、島内に巡らされた舗装道路に入ると、一式や七式が時折すれ違う。偶にその無限軌道のキャタピラーを回転させながら堂々と走って行く一五式戦車という陸軍の主力戦車が走り去って行き、後から付いてくるように一七式戦車や五七式重装甲輸送車などがまとめて大隊規模が移動している。おそらく、今回の視察に含まれている大規模な陸上戦力の一斉演習の為の戦力の移送だと思う。妖精さん、お疲れ様です。

アメストリア陸軍の誇るキチガイ兵器達のオンパレードだから、その時に色々と紹介しよう。驚くなよ?少々ネタバレになるが80cm砲は野砲だ。移動するし、連射できる。

まぁ、500cm口径の艦載砲が連射できる時点で察してほしい。個人的にはナチスの作った兵器達は中々にロマン兵器が多くて見ていて嬉しいのだが、まさかのあの運用に千人単位の人員が必要なドーラを正式に戦力化したのだ。アメストリアの工廠の連中の底力と熱意を感じるな。ちょっと引くが。

 

因みに、米国海軍の将官達は終始窓の外の光景に、驚きっぱなしだった。

まぁ、あの後ルート的に軍港から巨大なF-222やC-7が轟音を立てながら離陸して行く航空基地を通りすぎ、要塞となった山に掘られている弾薬や輸送車輌の通れるかなり大きなトンネルを通り抜け、更に厳重な警備となったエリアにたどり着いた。

提督棟や艦娘の寮などの、重要な施設が集まった北のエリアだ。

「ここに来てから驚いてばっかりだな!あのエイブラムスそっくりな戦車やジャパンの戦車の様な戦車から駆逐艦の大きさの様な航空機!いやー!本当に凄いな!!」

そう絶賛するのはシルバー少将。やはり彼は武器大好き人間の様だ。まぁ、ロマン兵器の塊だから分からんこともないが、カイクルと話が合いそうだな。カイクルも武器大好き艦娘だからな。

というかあのlike度はやばくないかと度々思う。同室のリバンデヒによると私に抱きついて寝ない時はベガルM634やM115を抱き枕の様に抱いて寝ている様だし、大体カイクルが銃を持っていない時を私は見たことがない。ちょっとクレイジー過ぎませんかねカイクルさんよ。

メインウェポンも五式だしさぁ、何時も暇さえあれば斬馬刀降ってるしさぁ、偶に一七式戦車乗ってるしさぁ、アレ、どうにかならないの?

 

まぁ、私が脳内で散々愚痴りつつも並行思考でなんとか車輌から降りた後も提督棟へ案内して行き、そこにいたリバンデヒに交代した。そして私は一目散に自室へ全力ダッシュし......用として寮から沢山の艦娘が提督棟を遠目に見ているのに気づいた。しかしその多くの目にはあまり良い感情は無く、敵国という印象がビシビシと私に突き刺さる。あ、ちょっと痛いぞ?いつから殺気って物理的攻撃力持つようになったんだ?

「あの...アメストリアさん、米国海軍の視察団というのはどのような感じでしょうか?」

大和が問いかけてくる。その目には無念という悲しみの感情が浮かんでいた。

同じ疑問を持つ艦娘は多いらしく、見た限りでも、

 

大和、武蔵、長門、陸奥、金剛、榛名、比叡、霧島

赤城、加賀、蒼龍、飛龍、龍驤、大鳳、葛城、天城、雲龍、翔鶴、瑞鶴

利根、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、青葉、衣笠、最上、三隈、鈴谷、熊野

天龍、龍田、矢矧、川内、那珂、神通

暁、雷、電、響、吹雪

 

というナウル鎮守府所属全員が集まっていた。相当に興味あるんだな。というか仕事しろよ。

特に長門と金剛、葛城に利根に衣笠と三隈は今回の警戒艦隊だろ?仕事しろよ。興味と仕事の優先順位が色々と違うと思んだが...まぁいいけどさ。

「特に、悪印象は持たなかったな。米国海軍の上層部も馬鹿ではないだろう。まともな人材を送ってきた。かつ、既に数々の兵器達が見られている。技術漏洩の危険性がある。」

「そうか...」

そう言って考え込み始めるのは武蔵。あとは長門も考え始めた。なんかギャップが凄いな。連合艦隊の旗艦としての貫禄があるからか様になっているが、普段のキャラ崩壊こと小さいもの好きを知っているものとしてはな。あれは...ロリコンというのか?いや、よく分からん。うん。いいや。

「ここに居る全艦へ通達する。これから視察団はこのナウル島の代表的な施設へと向かうが、貴官らの接触は可能な限り避けたいと思っている。だから、全艦自らの船体へ乗艦し、艦隊として海へ出て貰いたい。」

「それは...下手な接触を防ぐためかしら?それとも、''敵国''であるメリケンという私達との関係性を考慮した意味かしら?」

中々鋭い点を付いてくるな加賀よ。ぐっちょぶだ。

「両方だ。特に相手は米国海軍だ。艦についてのアイデアを与えたくない。」

これは本心だ。本来、砲と言うのは連装砲、三連装砲、四連想砲になるに連れ命中率が下がって行く。そのため、イージス艦などの現代艦艇は単装砲に削り、その火力の低さを連射力と高い命中率で補っている。といっても個人的には砲の数が少なすぎて多数の敵の同時攻撃には完全に対応できないだろうと考えている。単装砲一基に対空砲二門とか舐めてるだろ。幾らミサイルで解決するからってあれは酷すぎる。あと、外見的に単装砲はあまりよろしくない。これは個人的解釈だがな。戦艦らしい偏見に満ちた火力重視の考えだが、現代艦艇の装甲の薄さや攻撃力の低さは深刻である。弾薬の共通化などは評価できるが、それが当たり前だ。

 

閑話休題

 

さて、私はまた戦闘車輌に乗っている。待ちに待った陸軍の演習である。

少将達はまた七式装甲車輌に乗り、前後を一五式戦車で固め、演習の行われる広大な空き地へと向かう。上空を時折完全に外見ブラックホークなヘリが飛ぶ。もう外見がブラックホークだから、私はブラックホークと読んでいる。妖精さんにはそれが通じなかったが。

私は先頭の一五式戦車の砲塔に立ち、妖精さん達の報告を聞いていた。

''第一戦車大隊準備完了であります!''

''第二機甲大隊指定の位置に着きました〜''

''野砲の設置終わった感じです?''

''全車輌の配置完了しました!''

まぁ、こんな具合で準備が着々と進んでいる。あとはヘリの大隊が航空基地から来ているのだが...

''こちらCH-4の一番機ですー!同型機5機にCH-31六機、AH-3915機、AH-605機あと二分で到着するデス!''

残念ながら、今回の演習にC-7やC-203やC134などの輸送機は使用しない。まず着陸出来んし、使わんし。既に戦車100輌以上が集まってるのに航空戦力は対地攻撃機だけで十分だ。

 

「さて、あと5分後に陸軍大規模演習を開始する。」

 




なんかNHKでサンダーバードがアレンジされていましたね。
人形だからこその魅力があったんですけど...なんか違和感を覚えました。

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