超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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真っ白に...燃え尽きたよ...

どうも、諷詩です。夏休みとあってダラダラしていたのですが、補習で急に生活ペースが乱れて色々と大変な事になってます。私は夜型だっ!



第四章 ナウル鎮守府
46.新生 パラオ鎮守府...ん?ナウル鎮守府か?


ーーーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーー

足を引きずりながら............という訳でも無く、少したどたどしいがなんとか歩き、取り敢えず提督棟へ急ぐ。設備は傷一つ無く、新品の状態であり、真新しい要塞砲の砲塔はピカピカに磨かれている。

パラオ鎮守府なんて煤汚れているのが当たり前だったからな。500cm四連装砲は流石に巨大さと使用頻度の低さが相まって比較的綺麗であったが、対空砲などは真っ黒になっていた。地面は薬莢に覆われかなり大変な事になっていた。あれは...うん。いろいろとヤバイ。

 

「報告だ。まず大和達既存艦娘の被害は軽微。既に修理は終了した。しかし私達アメストリア型戦艦についてはカイクル、ノイトハイルは無傷、リバンデヒが小破、私が中破となっている。すまない...私が殴り合いなんかしたばっかりに...かなり、揺れただろう?」

「まぁ...うん、確かにすごく揺れたけどすごかったよ?あそこまで深海棲艦に接近して砲撃をした事なんてなかったからね。良い経験だったよ」

「そうか...そうなら、良いが...迷惑をかけたな」

「いやいや、本当に気にしないでね。あ、そうだ。アメストリアもこの鎮守府を巡ってみるといいよ、色々凄いから」

「...ふむ、そうさせてもらおう。失礼する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、この要塞ことナウル鎮守府は東西南北四つの区画と地下と山に分かれているらしい。らしいというのは現在進行形で妖精さんから教えてもらっているからだ。悪いな、確認して無くて。

で、区画は西にドック。具体的な位置としてはナウル島の凹んでいる部分で、リン鉱山の方面だ。これはパラオ鎮守府のように昇降板を使った某潜水艦アニメのドック(地下)では無く、普通のドックに係留する形だ。形は簡単に言うと凸の形をしており、下の一辺が無い感じだ。右の出っ張りに私達が四隻並んで停泊し、左の出っ張りに大和達既存艦娘の船体が停泊している。無論、これからを考えて余分に大きく作られているが。

 

 

そして南は元々ヤレン地区という事実上の首都であった場所だが、私が砲撃で跡形も無く吹き飛ばし、妖精さんが元々あった国際空港を地盤から作り直し立派な軍用航空基地になった。滑走路は長さ4500mを誇り、私の船体位ある。というか、それくらい無いとCT-7が飛ばせ無い。アレは固定翼機の中では最大の航空機であり、離陸に必要な長さが2000mとちょっとよく分からない駆逐艦クラスの輸送機だ。それが離着陸出来る空港となり、大型化した。海上にも沢山並んでるけどな。バンカーは大小40を越え、格納庫は流石に地下式格納庫となった。他にも管制塔や外賓用格納庫やそれ関連の施設が幾つか。

 

東にはリン鉱石産業施設が存在していたが、私の砲撃で破壊し、今は私達の補給基地となっている。万能生産装置を三基完備し、海水浄化装置や軍需工場が幾層にも地下に構成され、地上には陸軍駐屯城があり、45mm対空機関連装砲や8cm12,7cm高角砲が所狭しと並んでいる。

更に修繕用ドックがアメストリア型戦艦用一つに戦艦サイズの乾ドック5基が設置され500mのクレーンが堂々と聳えている。主にこのエリアは「工廠」と呼ばれている。

本来工廠とは軍需工場やドックの事のため、あながち間違っていないと思う。

工廠長を始めとした妖精さん達がふぃばぁーー!!した事は言うまでも無い。妖精さん達の居住区も此処にあり、後で行ってみる予定だ。

 

北には提督棟などの建造物が立ち並び、高射砲島が人工的に近海には築かれ、高射砲塔が五本程建っている。正直やりすぎなレベルの防衛施設が揃っている。高射砲島には500cm四連装砲が一基に46cm三連装砲が三基、12.7cm三連装砲が15基配備されミサイル12000基、45mm対空機関連装砲7000基とオーバーキルな設備の島が四つ浮かんでいる。針山というのはこれの事では無いだろうか?ちょっと怖い。私でもちょっと突撃は遠慮したい。

高射砲塔の方は150cm四連装砲(固定)四基が各方面に一基ずつ。20cm三連装砲が無数。これは至る所にニョキッて生えている。ミサイルは2000と控えめで頂上がびっしりと埋め尽くされている。

対空砲だが...10000を越えてから数えるのを止めた。だってフジツボみたいにびっしりとくっついてるんだもん。あれは...キモイ。うん.......妖精さんごめんね?泣くとは思わなかったんだ。うん。本当だよ?いやさアレちょっとキモ...ゲフンゲフン!外見針山(笑)だけどさ...ね?泣かないで?

ごめんって...いや本当に...

 

すまない、話が逸れたな。建造物の方は至って普通の赤レンガ建造だった。

唯一外見に問題の無い施設だろう。断言しよう。だって異様に長い滑走路の空港とか凸型の巨大ドックとか針山島とか...うん。まともな施設が少なすぎ無いだろうか?大体の原因は私だけどさ...

提督棟は執務室と居住区に分かれ、貴賓用の部屋も完備され、食堂も此処にある。

寮は高級ホテル真っ青な部屋...というわけでも無く純和風の質素な部屋だった。

落ち着くから気に入っている。

 

そして、中央には灰色の針山がある。冗談抜きで。500cm四連装砲が掘り込まれた砲台に設置され、150cm四連装砲や46cm三連装砲、30cm三連装砲などが無数に設置され、塹壕のような堀が線を引く。五稜郭を重武装化したらこうなるという感じで、形も綺麗で色々と内部は大変なことになっている。一応、五基のヘリポートもあり、大体の事はできる万能な要塞となっている。

要約すると、

 

や り す ぎ で す 妖 精 さ ん 。

 

私でも攻略できないぞ?なんていう要塞...じゃなくて鎮守府(笑)作ってるんだよ...笑えないぞ?防衛固すぎるだろ...

''やりすぎた感じです?''

''またまだぁ!''

''もっとふぃーばーするべきだと思うのです''

''せかいさいきょーの要塞です!''

''もっとやるぞー!''

取り敢えず工廠妖精さんは止めてくれ。うん。これ以上心労を掛けるな。私が死ぬ。

これ以上の改造ってどこに何をつけるんだよ...なんだ?展開可能の防壁でも作るのか?......なんか妖精さんなら出来そうで怖いな。言わないでおこう。

そう。私は工廠にいる。提督棟から空港、ドックと巡り、今は工廠にたどり着いた所だ。

もくもくと''紫色''の煙を吐き出す煙突が地面から生え、地下へ行く人間サイズの昇降機と妖精さんサイズの小さなそれこそミニチュアサイズの昇降機が幾つも設置されている。なんか小さくて可愛い。むっ!?私も染まり始めているな...乙女(笑)に。

 

 

 

......ん?紫色の煙?何作ってんだ妖精さんは?

〔弾薬〕か?それしか考えられないが...食料とかだったらちょっと見てはいけないものを見たというとこになってちょっと食べれなくなる自信がある。一応、ホルスターからM93Rを引き抜き、昇降機へ乗る。昇降機自体は飾り気の無い軍用です!という感じの内装だが、肝心のボタンが堅苦しい機械的な文字では無く、妖精さん手書きだと思われる丸っこい字でひらがなで書かれている。

よ、読みにくい...えっと...

『1階 弾薬庫』『2階 妖精さんのマイハウス!』『3階 生産区画』

と書かれている。あ、既に私の脳内変換で漢字変換したからな?まぁ、可愛いから良し。

チーンという鈴の音と共に扉が開き、視界一杯に木箱が映る。弾薬庫というのは本当の様だ。

薄暗い照明の下木箱がぼんやりと照らされ、なんかどっかで見た光景がある。某ピラミッド行ったり壁に埋まってた地元民に襲われたりする冒険家の映画でどっかの軍隊と派手なトンパチした時の倉庫に似ている。なんでこういう知識だけは残っているんだ...

二階、妖精さんのマイハウス!と書かれていた空間は、まさにミニチュアであった。

まるで京都のように碁盤の目状に張り巡らされた道に個性溢れる家屋。二階三階どころでは無く、無秩序に上へ上へと伸ばされた感のある家屋の集合体が聳え、大通りには妖精さんサイズの戦車が走っていた。

小さな都市...基地が存在していた。しっかりと海まで再現され、軍艦がドックに係留している。あれは大和と武蔵、信濃だ。そして海上には長門や赤城が海を走っている。

空にはF-105を1/300程した大きさの戦闘機や大きなヘリが空を飛ぶ。あれは輸送機か...

空は天候や時間まで完璧に再現され、ファンがある事から風まで作っているのだろう。電光掲示板など存在せず、ホログラムが空中邪魔になら無い様に浮かび情報を映し出していた。最も小さすぎて読め無いが...こう、ガリバー旅行記ってこんな感じなのかなって不覚にも感動してしまう。()の知っている文化はアメストリアという國の文化だ。それを知っているからこそわかる。

この妖精さん達の都市はアメストリア國を精密に再現した物であると。

驚愕する。まさか、こんな感じだったとは、と。凄い...

 

「な、何これ..」

 

''ふふふー!驚いちゃた感じです?''

''我々の技術力は世界イチィィィィィィ!!''

''素晴らしき日本文化です!''

 

「そうだ、な...」

 

こんな所でも続いていることが嬉しい。()の暮らしていた環境に、本物では無いとはいえ、間近に見ることができた。こんな素晴らしいんだな...確かに日本の国は歴史でもある通りお世辞にも良いルートを辿ってきたとはいえ無い。まぁ、比較的マシであるが。

それでも、誇れる文化は存在したのだ。茶の湯が政治利用されようと、米が軍事品となろうと、一歩遅れて最新技術が来ようと、やはり元の日本の独自文化である日本文化は、誇ることのできる文化である。宗教観も最近の人間は壊滅的で心から軽蔑するが、物を大切にし、自然を愛し感謝する。海を、川を、魚を、山を、山の幸を、雷を、雨を、雪を、稲を、地球を。人が作りし道具にまで感謝をする。それが八百万の神という概念を生み、九十九神や妖という物を作り出した。

最近は仏閣をパワースポットか何かと勘違いしている感じだが、違うぞ?

おっと、270°話がずれたな。ともかく、此処に日本文化が残っててよかったぜということだ。以上!

 

生産区画は、ゴウンゴウンと、いう轟音を立てせわしなく機械が動き続け、〔弾薬〕〔鋼材〕〔ボーキサイト〕を作り出していく。弾薬は正直なところ弾種が決まる前の形は見たことがないが、まぁ、一式徹甲弾の様な感じだろう。気にしなくて良い。鋼材は...うん。延べ棒?ボーキサイトは...とんかつだな。ちょっと美味しそうだったのは艦娘だからだろうか?いや、赤城とかよだれ垂らして欲しそうにしてたし、多分、艦娘だからだろう。航空母艦は全体的にボーキサイト大好きだと思うが。私は残念ながら食べたことはない。なんか、食べたら負けだと思ってる。

 

私は目的を終え、地上へそ戻った。人工的な光ではなく、天照大御神の照らす太陽の光に思わず目を細める。まぶしっ...まぁ、気分転換にはなったかな。多分。ストレスは軽くなった感じがする。この後にまた会議になって無い胸糞悪い会議とか白き山となった書類をカイクルと共に処理していかなければなら無い。はぁ...先が思いやられる。

一度寝よう。そうだそうしよう。

 

 

「ふふふっ...忘れたかな?お姉さんは僕の(しもべ)さんだよ?」

急に耳の真横で囁かれ、飛び起きようとするが既に押さえ込まれており、起き上がることができなかった。目の前には笑みを深くしたノイトハイル。な、何がしたい?

「.......眠い...何のつもりだノイトハイル、後どけ」

「うーん...お姉さん、僕の奴隷さんだよ?指図される意味合いはないんだけどなぁ...」

「関係ない。どけ、ノイトハイル。」

「じゃあ、仕方ないね。実力行使に移らせてもらうよ」

「何を...ひゃんっ!?」

ノイトハイルがまさかの胸を揉みしだいてくる。何故にっ!?何故にそうなる!?理由が意味不明だ!そう至った過程がわからん!しかも地味に上手いし...百合?男よりマシだからまぁ良いが、妹は、無いだろう...

「ノイト、ハイるぅ!?ひぃ!...やめっ...」

「ふふふっ...可愛いなぁ...」

白衣が体を捩っている事により乱れ始め、私の羞恥心を更に強くする。前回もリバンデヒに襲われてるから恥ずかしいんだよ!次第に、体に力が入らなくなってくる。ちょっとヤバい...

そして体が火照り、息も荒くなる。私よ静まれ!あ、最後のはイタイな。やめておこう。

 

「何を、している、ノイトハイル」

「カ、カイクル?ど、どうしたのかな?」

「姉さんに跨って、何をしていると聞いている」

「えっと...あはは...」

スチャッという刀を抜き去る音が小さく鳴り、ノイトハイルの首元にギラギラと輝く手入れされた切れ味抜群の刃が差し込まれた。そう。カイクルが到着したのだ。た、助かった...

しかし、当の本人は後ろから般若が見えそうな程、キレていた。唯でさえ鋭い双眼はノイトハイルに冷たい視線を送り、ノイトハイルの首元に刃の方を当てている。峰ではなく、刃の方である。

ちょっとあぶない、かなぁ...?

「私は姉さんを呼びに来たら中から姉さんの泣き声が聞こえたものでな。何を、していた?」

「えっと....あの...僕はね?」

「言い訳など求めていない」

「あ、ハイ...僕がお姉さんを虐めていました...」

「.......確かに貴様は姉さんを自由にする奴隷宣言を獲得しているが、それは私達の妨害に関して何一つ言及されていない事を気をつけろ?」

「うん...」

す、スゲェ...ノイトハイルが論戦で負けた...九割カイクルの威圧によるものだと思うが、それでもあのノイトハイルが笑みを消ししょんぼりとした表情で頭を下げていた。

「姉さん、大丈夫か?」

「あ、あぁ...」

「随分と、甘い啼き声を出すものだな」

「う、うるさい!私だって出したくて出していない!」

「ふふ、冗談だ。それよりも提督が呼んでいたぞ?確か本日は会議出会ったはずだ」

 

あ.......忘れてた...一時的だが、忘れていた...元の予定では会議まで寝て参加して書類処理してまた寝る予定だったのだが、予想外の襲撃により睡眠時間は大幅に削れ、体力も消費した。

重い体に鞭を打ち何とか立ち上がる。まだ右足が完全ではないのだ。

じっとりと湿っていた巫女服を素早く脱ぎ捨てると新しい袴と白衣を作り出し着て行く。まず襦袢を羽織ると襟詰を更に着て袴を纏う。そして白衣を最後に羽織り、帯を締めホルスターを下げると急いで提督棟へ急ぐ。かなり...というのは言い過ぎかもしれないがそれなりの距離が提督棟と寮には存在し、戦艦寮は寮の中でもドックに近い方にあるため一番遠いのだ。だから、走って3分程はどうしてもかかってしまう。時間的にはあと7分程あるため大丈夫だが、油断はできない。

急がなければ。最近走って無いからな。遅れる危険性がある。

 

 




なんか女主人公の小説って少ないね。

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