超弩弩々級戦艦の非常識な鎮守府生活   作:諷詩

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やっと投稿できた...すみません。また遅れてしまいました...
やったね!テストが終わった!え?宿題?ウワァァァァ.....え?再テスト...?ウワァァァァァァァァァ........
となっていました。リアルで忙しすぎてね、死にそうだよ...


32.アメストリア、プッツンする

 

ーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私だ。何とか妖精さんが点検を終え、5ノットにて港に戻る。

しかし...何か引っ掛かる。

何か、私達が居るからか直ぐに消せるレベルだった。私達が強すぎるというのもあるが、私達は巨大である。深海棲艦とて馬鹿ではないだろう。諜報、情報収集もしているはずだ。私達は艦娘への被害を少なくするために派手に動いている。脅威として認識されている筈だ。

なのに、送ってくる数が少ない。億、兆単位で来てもらわないと張り合いがないレベルだ。

「リバンデヒ、本当にこれだけか?」

()が警鐘を鳴らしている。何か、おかしいと。

『えぇ...深海棲艦はいないわ。あまりにも少なすぎるわよ?此処大本営よ?』

そう、此処は私達は軽く攻め落としたが恐らく世界最強クラスの防衛力を持つ大日本帝国海軍の本拠地だ。

あまりにも私達がいなかったにしても少なすぎる。強襲部隊として送らずに威力偵察だったのか...?怪しすぎる...うーん...いや、あり得んだろ...

私の中に一つの最悪の仮定が出来上がる。それは、

『姉さん!ノイトハイルから救難信号だ!此処の襲撃自体囮だ!』

いやぁ...やっぱりかぁ...やめてくれ...

胸を締め付けられる。最悪の仮定が当たってしまった。

海軍に限らず、技術力UPの根源であるパラオ鎮守府には既存の艦娘よりかなり性能の高い改修がされている。はっきり言って脅威の塊だ。

横須賀鎮守府よりも単純な戦闘力は上だ。なら、狙われるのは必然と言えよう。

「全艦機関最大!最大戦速で急行する!」

違和感の正体がこれだ。やばい。本能が告げてくる。

直ぐに行かないとやばいと。

 

船体が咆哮を上げ、海面を叩き割る。十枚刄のスクリューが恐ろしい速度で回転し、水流を人工的に作り出す。主機であるウンターガングエンジン十五機が悲鳴を上げ、90ノットという船ではあり得ない速度に加速し、前方にある物体を無差別に跳ね飛ばしていく。

急がなければ...っ.......

「ノイトハイル!聞こえているか!?」

『......き......て.........よ...ちょ......ご...』

断続的な声が聞こえてくる。どこか近くか遠くか爆発音が聞こえてくる。被弾しているのか...?

「ノイトハイル!直ぐに結界を起動しろ!あと30分で着く!」

『ーーーーーーー』

 

完全に声が聞こえなくなった。代わりに聞こえるのは酷いノイズと怒り狂ったかと思うほどの戦艦の咆哮と連続的な砲撃音、中央演算処理装置の処理に発生する音、爆発音だ。

「......500cm四連装砲、150cm四連装砲、46cm三連装砲、ウンターガング弾装填。BGM-9弾頭ウンターガング。発射っ!」

高速で航行する戦艦より45発目の弾道ミサイルが撃ち出される。

砲塔には黒い塗装のされた砲弾が装填され、ハッチが密閉される。拳銃でいうマガジンに当たる給弾レールには同様の砲弾が大量に転がる。

完全なアメストリアの本気。対惑星撃滅モードだ。

「艦載機を出せ。偵察に行かせろ」

F-105が発艦し、ミサイルに劣らない速度で飛び去っていく。

あぁ...なんかイライラするなぁ...

 

五分後、偵察に出したF-105より映像が送られてきたので直ぐに三隻でリンクを繋げる。

そこには二十隻を超える真っ黒なアメストリア型戦艦に海面を埋め尽くす夥しい量の黒い影。

パラオ鎮守府からは防衛砲塔の46cm三連装砲や妖精さんの遊びで作った500cm四連装砲や対空砲の45mm対空機関連装砲が猛烈な弾幕を張っている。

艦娘は...加賀や赤城から暗い灰色の艦載機、F-105艦載機仕様が飛び立ち、落とし落とされ、

大和達超弩級戦艦が盾となり主砲である150cm三連装砲を休みなく放ち続けていた。小型の艦娘が砲弾やミサイルクラスの速度をもつ魚雷を放っていた。大乱戦だった。

 

そして、何よりも目を引いたのは最前線から一切ピクリとも動かず、深海棲艦に対してT字陣形を崩さず投錨し五基全ての主砲を放ち続けているノイトハイルの姿だった。

しかし、何処かの深海棲艦が放った砲弾が大量に交差する双方の砲弾と混ざりながらもまっすぐと飛び続け、ノイトハイルの第一艦橋に吸い込まれた。

そして、内部から船体を引き裂いた。

 

刹那、私の中でナニかが切れた。

「.....ぁ...き、貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

副機が全て残らず起動し、第一艦橋の電子機器全てがびっしりとした怨念に近いレベルの文字の羅列を吐き出した。中央演算処理装置がフル稼働。120基以上のエネルギーが叩き込まれ、スクリューが船体が維持できる速力を無視し更に回転を強める。

艦首の装甲の耐久力上、限界は90ノット。しかし現在の速力は110ノット。

艦首が軋みを上げ、同時に様々な場所の部品が悲鳴をあげ、エラーの文字が機器に表示される。

しかしそれを全て無視する。

私は今猛烈に怒り狂っている。

ゴミ如きが私と()の妹達に手を上げやがった。全てを消してやる!

『お姉ちゃん!船体が持たないわ!今直ぐに減速しなさい!』

無視する。

500cm四連装砲や150cm四連装砲、46cm三連装砲が最大仰角まで上昇し、有効射程に入った途端全ての砲を放つつもりである。さぁ、殺戮の時間だ...

 

しかし、それよりも先に船体が限界を迎える。

ビキビキという異音が鳴り、亀裂が入る。

『姉さん!艦首が折れるぞ!「姉さんっ!」

機関のエネルギーパイプが限界を迎え、熱の放出を開始。船内の温度が上昇していく。

当然、私にもダイレクトで影響が来るわけで、急激に体温が上昇し、息が荒くなり倒れこむ。

しかし私自ら倒れこんだ訳では無い。

「憎しみに身を任せるなっ!自らの身を守れない奴が助けに行くな!足手纏いだ。私だって怒っているんだ。殺るなら冷静にな?」

カイクルに殴られ、押さえ込まれた。

その現実を認識すると急に落ち着いてくる。

私は...怒り狂っていたのか...船体が...直ぐにウンターガングエンジンを全て停止し、スクリューにエネルギーがいかないようにする。50ノットまで減速し、妖精さんに指示を出す。

「カイクル...済まない。取り乱した...」

「大丈夫だ。もうすぐで追いつく。待っていろ」

「あぁ...」

船内の高い温度の空気が船体の二つの大きな煙突から吐き出され一気に換気する。

急激な温度の変化で白い煙が上がる。本来は煙突から煙が吐き出されるはずだったんだけどなぁ...

体も冷え、冷静になっていく。よし、いつもの私。

()はまだイライラしているが、なんとかなだめる。このままだと地球ごと消しかねない。

妹達が追いつくまでの間に、妖精さんが軽く修理をしていく。船体の艦首にある罅の入った装甲を取り替え、主機を冷却。それで大量の水蒸気が発生しまた煙突から吐き出される。

パイプも交換して、万全に戻す。一応、身体にも影響があったらしく、手首に内出血があった。

 

しばらくして、二人が追いつき、80ノットで進撃を再開する。

「全艦第一戦闘態勢!全て深海棲艦は焼き払え!妖精さん有効射程...此処か。てぇー!」

三十六発の黒い砲弾が撃ち出され遠い、水平線の彼方から黒い爆煙が上がる。

 

一分後、二千百六十発に及ぶ砲弾が放たれ、船体の砲塔側面より大量の薬莢が排出され海面が大惨事になった。砲身は自動冷却に入り、水蒸気をあげる。

その間に座標を固定し、グラニートを放っていく。

 

見えたっ!

やっと電探がパラオ鎮守府を捉え、目を凝らして見る。

「.......ぁ.....ぁ...」

燃えていた。島と見間違えるほどの全長4650mの巨艦が。

艦橋群は無残に破壊され、主砲は内部から破裂し、装甲が捲れ上がり砲身は折れている。

副砲は幾つか吹き飛んでおり、45mm対空機関連装砲は大体が砲身が欠落しているか砲塔の装甲を突き破り爆発しているか、黒煙を上げている。

鎮守府には被害は無く、全てノイトハイルが受けたと思われる。

本島から砲火が放たれ深海棲艦え放物線を描く。

私は舵を切り深海棲艦のど真ん中を進路に取る。そして、船体自体を槍とし、突っ込む。

 

振動が激しくなり、引き裂く音が響く。

黒い駆逐艦を軽巡洋艦を重巡洋艦をたまに戦艦を引き裂いてゆく。

左右についた私の全火砲が火を噴き、私の進軍による波に飲まれ転覆した深海棲艦を貫き爆破する。

結界が深海棲艦を異物として認識し排出し外にいる深海棲艦と衝突し更に被害を大きくする。

主砲が奇数砲塔は右、偶数砲塔は左で放つと次は奇数砲塔は左、偶数砲塔は右で放つ。

私の妹を大破させた報いは受けてもらおうか...


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