今回は少し時間が飛びます。一週間ほど。
あとこれ書いてるの投稿日のはるか未来なんですが、ひどいですね。
修正中です。
ーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あのダイナミック進水から早一週間。
あの後提督がすっ飛んできたが、事情を説明したら提督室に問答無用で連行され、一時間みっちりと説教された。の身を案じてくれていたが、損傷なんてしていないし、反省もしていない(キリッ。
但し正座だったので足がいたい。
まぁ、ともかくだ。暇なんだよぉ......
たまにくる深海棲艦も副砲一発で吹き飛ぶし、私が出たら提督からお叱りを受けるし、あのまま船体は投錨したままだし、暑いし暑いし、やることがないのでござる。
「工廠長」
困った時は工廠長。これ古事記にも書いてる。
この青い作業服を着た妖精さんらしいご老人。普通妖精さんって二頭身くらいの小さくて可愛い筈なんだが、この工廠長、可愛いのへったくれも無く、歳とってるの?っていうイレギュラーな変人(妖精)だ。
人間と同じサイズだし。
あの後修理が面倒ということで、頭から緑色のバスクリンをかけられた。凄く染みて痛かったよ。
あのバスクリン二度と浴びん。
「アメストリアか......既に調査は終わっとるぞ」
「そうか。分かった。あの...そのだな」
「何じゃ?」
「私の、ドック作ってくれないか?」
「何故じゃ?あの島で足りとるじゃろ」
残念ながらあのままいると格好の的だし、他の艦娘に迷惑をかけてしまう為、正直邪魔だ。
機密の面でもよろしくない。
「お願い申し上げる」
膝をつき、腰を折る。手をつき、頭は顔が見えなくなるまで。
あとちゃんと床に頭をつけるのではなく1cm離して、だ。
そう、日本民族の最終奥義、DOGEZAだ。様々なスタイルがあるが、今回はスタンダードなタイプ。
スライディングDOGEZAなんかしたくないし。
兎も角、毎回あそこまで走って動かしているのだ。
かなり体力がキツイし、Lvが10を超えると長距離からの転移も出来るのだが、未だに4。まだまだだ。
「い、いやそこまでたのまれるとこっちが悪くなるじゃろうが...」
「頼む......」
「はぁ...了解じゃ。どういう感じにすればいいのかの?」
「む、では...」
二人で図面を描き起こしてゆく。
ドック(地上)に入港すると
そして下のゲートが開き昇降板が下降。
地下に巨大な空間を作り、ドック(地上)と超大型艦艇用EVで繋げて、地下に用意した埠頭?に台座ごと移動させる贅沢仕様。
某潜水艦アニメの軍港を更に発展させた。だって浪漫やん。
格納能力はこれからの戦力拡大を考慮した。
アメストリア型戦艦 4
大型艦 24
重巡 18
軽巡 12
駆逐艦 36
といった大容量になっている。
アメストリア型戦艦のドックが四つもあるのは作業スペース用だ。5×1kmのドックのため莫大な用地になる。
作業用クレーンは百を超え、何かしらの作業にもってこいだろう。
更に修理用ドックもいくつか拵えてあるが、基本は格納用のドックで整備、補給は行うし、中破までならそこで修理する。そのためそれぞれのドックの真上にはレールが張り巡らされ、吊り下げ式の強力なクレーンが配置されている。ガントリークレーンを逆さにした感じだ。
「ほぉ......これならお主の巨大な船体も隠せるの」
「うむ。私としてもこれからを想定するとこれ位は必要では無いかと思いこれ位の広さになったのだが...
こんなに巨大で近代化したのは現在の軍港のひどさからだ。
だってコンクリート製の埠頭が二個に桟橋が三つだけだぞ?
クレーンも老朽化している。あれ動くのか?錆だらけだし、一部腐食していたぞ?
私はこれを提督に報告するために提督棟に歩いて行く。
他にも駆逐、軽巡、重巡、軽空母、正規空母、戦艦寮に分かれており、私も戦艦寮を使わせてもらっている。
全て赤レンガ造りで、横須賀に名残がありそうだ。
建てられたのあっちが古そうだが、詳しくは知らん。
二階の角にある提督執務室と書かれたドアをノックする。
「アメストリアだ。入っていいか?」
「うん。いいよ」
ドアノブを捻り、ドアを開けるとまるで別世界だった。
冷房が効き、快適な温度に保たれており、微風となって私に当たる。
くっ....!マジないっすわ。私は炎天下の中活動しているのに。ここ赤道近いからクソ暑いんやぞ?
「まるで別世界だな」
「皮肉かな?」
「......。今日はドックの大型な改修をしようと思ってな」
「資材は?」
「私の備蓄を使う。ここの資材は新造艦に回す」
「分かった。後ででいいからちゃんと報告書を出してね」
「了解した」
外に出るとモワッとした熱気に襲われ、さらにあの快適な空間が恋しくなる。
うわぁー暑いよーやだよぉーあっづい...
苦し紛れにドックを見ると、海上に五つ位の四角い建造物が出来上がっていた。
どう考えても制作スピードが可笑しいが、多分あれ、ブロックなんだろう。現地で組み立てて作業の効率化を図るやつ。またはこの世界に簡易建築機ことフィラー先輩があるか。いや、妖精さんがこれに当たるのか?
兎も角、やっとまともな埠頭に船体を寄せれる。
残骸になった島に一人悲しく投錨しなくて済む!
やっと船体を入れれる!
雨風に直にさらされずに済む...あれ結構きつい。しかも暑かったんだからな!
すぐに全力疾走。
「妖精さん!機関始動!全武装解除!」
第一艦橋の電子機器が順番に起動して行き最新情報に更新。
妖精さんが慌ただしく動き出し、簡易点検が終了。
「アメストリア、抜錨!30ノットで低速航行!」
最大戦速は80ノット程だが、突っ込むとまた座礁するため、低速で行く。
え?30ノットって高速だって?知らんがな。
前後四つの錨が巻き上げられ、ゆっくりと前へ進んでいく。
スクリューが高速で回転し始め、大量の海水をかき混ぜて行き白い航跡を残してゆく。
しかしこの船、旋回が非常に遅いのである。九十度回頭するのに五分掛かる。
舵を操り、ゆっくりとドックを目指す。誘導灯を確認。
「20ノットに減速、方位そのまま」
ドックにゆっくりと入港する。箱型の巨大な建造物。
まるで自分が小さくなって、菓子箱を見上げているかのように錯覚してしまうほどの、規模の違い。うむ、ロマンである!
「機関停止。」
同時に固定具が船体をしっかりと支える。
ジリリリリという警報ベルが鳴りハッチが海面から飛び出しドックを密閉する。
雰囲気あるなぁ...照明も艦橋の備え付けだけだし、暗闇にいる感じがする。
遅れて強力なポンプが海水を一気に排水してゆく。
そして回転型のライトが点灯し、明滅すると下の堅く閉ざされていた地面が割れ、この船体をロックしている昇降板が下降してゆく。
「おぉ......すごいな...どちらも」
この地下ドックも、作った工廠長も。
巨大な空間が広がり、高い天井には等間隔でLEDの白い照明が取り付けられ、この板が入るドックの上には巨大なクレーンがある。
視界が下がるのを止め、地下のレールに沿って板が滑っていく。
鋼鉄のドックに到着し、板が移動を止めたのを確認してからドックに移動する。
もやいに紐を掛けなくて済むのは正直助かる。このアメストリア、喫水線30mあるからもやいに掛けても大して意味ないねん。
降りる際に艦長妖精さんを肩に乗せ、技術担当の妖精さんに出て良いように言っておく。
我先にと散らばっていったが。
クルリと180度体を回すと、ドーン。
アームに固定されて刀のような鋭い艦底色の艦首が露わになり、乾いていないのか海水が垂れている。
側面にはバルジのつもりなのか、追加された感のある台形の出っ張りがあり、下から見ると何かわからない。
あれだけでも大和超えてるからな。10隻は作れるんじゃね。資材換算したら。
「どうじゃ?アメストリア」
「すごい...予想以上だ。本当に感謝する」
「いいわい。わしも中々作り甲斐があったしの」
まさかここまで作れると思わなかった。完全に図面通りに再現されている。
工廠妖精が倒れているが、気にしない。完成までの時間早すぎたよね。妖精さん荒ぶりすぎ。
なんだろう、フィラー先輩の存在を真剣に考えてしまう。ここマイクラだっけ(錯乱)
「外に出る手段は?」
「あっちのエレベーターから地上に繋がるようにしておいたわい」
「了解した」
しばらく歩いて行く。
だって私の船体が入ってるの5kmのドックだから、各ドックが繋がっている部分に行くのにも一苦労なのだ。
妖精さんも分かっていたのか、埠頭には道路が二車線贅沢に引かれ、大量の軍事車両が往復している。
多分妖精さんが中にいるな。アメストリアの。
両舷直だし、私に止める権利ないからな。厳つい輸送車が大量に通り過ぎて行くのを見送りながら、ドックを散策する。
結局、妖精さんの運転してた輸送車に乗せてもらい、エレベーターまで向かった。
遠すぎるよ私のドック。
エレベーターに入り、地上に上がってゆく。
しっかし未来感が無い。
WWII時の塗装で、軍事用っていう感じがすごい。
確かにさ?工廠長達は兵器しか作ったことが無いのは分かるけどさ?もう少しカラーバリエーションなかったの?
後、一つ重大な問題がある。
アメストリアの船体の一室に武器庫という部屋がある。
そこには大量の重火器がガンラックに置かれており、二次大戦期の各国の銃火器から現代のH&K社やFN社、ベレッタ社など、ヨーロッパ銃器メーカーなどSCAR-Hに似た、しかし何か違う感じがした不思議な小銃やハンドガンっぽい形の50cm銃まで何でもあるのだ。
何故戦艦に武器庫が?と思ったが、アメストリアの船体は4645m、530mの超巨大で島もどきだ。
上陸を防げるはずがない。だからだろう。
まぁ、使う人がいないから10000を超える銃火器が眠っていた為、
少し使わしてもらっている。具体的には、ベルトを拝借してホルスターに45口径拳銃を吊るして袴の中に9mm拳銃を仕込ませてもらっている。用心に越したことは無いし、この身体は銃の扱いに関して慣れていたし。
「提督、アメストリアだ。」
「入って」
「ーー失礼する」
「どうしたの?」
「いや...工廠長達がついさっきドックを完成させてな。既に私の船体は入れてある。」
「知らなかったよ...君の船が凄い速度で動いていたのは見えたけど...」
こんな所からでも見えるのか...ステルス性最悪、か...
このパラオ鎮守府だが、空襲に備え、森の中に建物が建っている。
赤レンガだが、中々目立たない。まぁ迷彩が施されているからなんだが。
当然、視界も悪くなるので、私は初めの頃慌てて工廠長に対空電探や測距儀、湾岸砲に対空砲と大量に製造してもらった。
おかげでパラオ島本島は46cm砲が2km間隔で設置され、山には最新式の電探が置かれて、ミサイルも多数備えている。
おかげでこの鎮守府の資材がすっからかんになり、提督にみっちりと説教されたのは記憶に新しい。ここの提督、普段優しいけど怒ると物凄く怖いからなぁ...
電が遠征にフルで動き、やっといま溜まってきたところだ。
「あともう一隻軽巡が欲しいな。電のみだと私の消費資材量に追いつかない。戦闘をすると尽きる」
「そ、そうだよね。任せていいかな?」
「了解した。私のことは......」
「うん。大丈夫。今の所はバレてないから」
「それは良かった。」
ちょっと加筆しました。
妖精さんはチートなのです。