絆道~始まりのミチシルベ~   作:レイリア@風雅

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第23話 挑戦者

 

 

「では、確かに預かりました」

 

 

任務報告書を確認したイルカは正面にいる男、カカシに頷いた。

遠慮がちにカカシの顔を伺い、口を開く。

 

 

「……ナルトの奴……仲間とうまくやれてますか?」

 

「ま!ぼちぼちね!」

 

「最近忙しくて、まだ帰って来て一度も会えてませんから……ちょっと心配で……」

 

 

そう言ってイルカは少し寂しそうに頬をかき、視線を落とす。

カカシは少し逡巡するように斜め上の方角を見、口を開いた。

 

 

「イルカ先生もご存知の通り、あのうちはサスケも一緒なんでライバル視してはギクシャクしてますけど……。

結果として実力はバリバリに伸びてますよ。

尊敬するアナタに追いつくぐらいに!」

 

「……!

そうですか!」

 

 

照れくさそうに、本当に嬉しそうな笑みを浮かべるイルカを、カカシは微笑ましいという気持ちと同時に複雑な気持ちを抱いていた。

ドロッとしたどす黒い感情が自分の中に溢れていくのを感じ、ため息をつきたくなる。

 

あの子だって、ナルトと似た環境だっていうのに

この人の頭にさえあの子の存在はまるでないのか……。

 

 

「ユウのことは聞かないんですね……」

 

「え?」

 

 

ふと、不意をつかれたような表情にドロドロとした感情が増していく。

殺気が溢れそうになるのを必死で堪えながら、自分はこんなに短気だっただろうかと内心首を傾げた。

 

 

「ああ……ユウは、昔からなんだかんだとやりくりの上手い子でしたからね。

正直、あんまり心配はしていないんです。

ナルトは問題児だったから……」

 

「ッ!……ま、そうですよね」

 

 

急激に怒りがしぼんでいくのが分かった。

ああ、そうか、自分はイルカに期待をしていたのかもしれない、と思った。

親の仇の器であるナルトでさえも認めたイルカならば、ユウのこともある程度理解し、心配していてくれているのかもしれない、と。

もしかしたら、何かしら気がついて、気にしてくれてるんじゃないかと……

 

そんな“あたりまえ”なことを、期待してはいけなかったのだ。

 

そう理解したと同時に、強いがゆえにとても弱い小さな後ろ姿が脳裏をよぎり、カカシは瞳を伏せた。

 

 

「ユウは、昔から優しい子でした」

 

 

その言葉に目を見開き、バッと顔をあげる。

柔らかい笑みを浮かべ、イルカは瞳をそっと細めた。

 

 

「アイツ、誰にも見られていない所でいつも人助けをしてたんです」

 

 

ある時は苛められている同級生をさりげなく助けたり

またある時は何か物を失くした同級生の探し物を見つけ出し、こっそり見つかりやすい所に置いたり。

 

 

「大人でさえ見落としてしまうようなさり気無さで、いつも困っている人を助けて……何よりそれをひけらかさず、誰にも気付いてもらえなくてもその優しさを周りに与えてくれていました」

 

「……そう、だったんですか……」

 

 

優しさなんて与えられなかったも同然な彼女が、逆に他人に優しさを与えるなんて奇妙なことだと思う。

しかし、それが出来てしまえるユウがなんだか誇らしいと思えた。

 

 

「だからオレは安心して見ていられるんですよ。

もちろん、本当にユウが挫けそうな時は支えてやりたいと思っています。

でも……例え周りの大人たちがアイツに殺意を向けていても。

それに負けず、優しさを与えられるユウを知り、関わった人間なら……必ず同じだけの想いを返してくれるはずです」

 

 

今は辛くても

いつかその優しさと綺麗で純粋無垢な心をたくさんの人間が知っていくことになるはずだから

それは、誰からも愛されるはずだから

 

 

「だから、ユウはきっと大丈夫ですよ。

オレはそう信じています」

 

「……負けました」

 

 

ユウに関してはアカデミー時代の担任だった彼の方がずっと理解していたのかもしれない。

過保護になり過ぎていたのかもしれないな、と苦笑して、カカシはイルカに降参を示すように軽く両手を挙げたのだった。

 

 

+++++

 

 

「木ノ葉丸君大丈夫?」

 

 

ウドンは地面に倒れ伏す木ノ葉丸とナルトに声をかける。

そんな二人に背を向け、サクラは立ち去ろうとした。

 

 

「……ったく、あのブスデコぴかちん……アレでユウ姉ちゃんと同じ女かよマジでコレ……

ちょっとはユウ姉ちゃんを見習うべきだぞコレ

ねェ兄ちゃん!!」

 

「ちょ、木ノ葉丸くん!?」

 

「!!」

 

 

必死に止めようとしたユウであったが時既に遅し。

歩き始めていたサクラだったが、ピタリと足を止め、こちらへものすごい勢いで走って来た。

ぎゃあああああああ!!とナルトたち四人の悲鳴が木霊す。

ユウは走り去っていく面々を足早に追いかける。

 

 

「イテッ!」

 

 

その時、前方で木ノ葉丸が黒ずくめの服を着た男とぶつかり、尻餅をついた。

 

 

「!」

 

「イテーじゃん……」

 

 

男は明らかに殺気立っており、あまり穏やかな雰囲気ではない。

隣りに立っている女も、止めてくれる気はないようだ。

 

 

「!あの額あて……」

 

 

砂時計を模したようなマーク、砂隠れの里だ。

思わず身を隠し、気配を消す。

 

この時期に他里の忍……

ほぼ確実に中忍試験を受けにきた受験生……!

しかも、まだ他に三人、いや、四人いる。

 

素早く視線を巡らせ、気配のする方へと視線を巡らせる。

 

全員仲間?

いや、その割には実力の差がありすぎる。

 

 

「木ノ葉丸!!」

 

 

ナルトの声に視線を戻す。

男がうっすらとした笑みを浮かべ、木ノ葉丸の胸ぐらを掴み上げていた。

苦しそうに呻く木ノ葉丸を愉快そうに見つめる。

 

 

「いてーじゃん、くそガキ!」

 

「やめときなって!

後でどやされるよ!」

 

「ごめんなさい、私がふざけてて……」

 

「こらデブ!その手を放せってばよ!!」

 

 

どう見ても気の長い方ではない男を逆なでするナルトに頭を抱える。

どうやら、他の者を気にかけている場合ではなさそうだ。

 

 

「うるせーのが来る前にちょっと遊んでみたいじゃん……」

 

「ぐ…うっ…」

 

「てめー!!」

 

 

苦しそうに呻く木ノ葉丸が見ていられなくなったのか、駆け出す。

まぁ、想定の範囲内だ。

それを認めた男の目も危険な色が孕む。

彼は手をくいっと動かした。

ナルトの足がその動作に引かれるようにすくわれ、体制を崩す。

 

 

「うわぁっ!!」

 

 

派手に転倒したナルト自身も何が起こったのか分からないようで、戸惑っている。

一方、傍観していたユウはしっかりとカラクリも見えていたため、スッと瞳を細める。

 

なるほどね

あの人、傀儡師か……

 

 

「なんだ弱いじゃん

木ノ葉の下忍ってのはよォお!」

 

 

黒子の彼は非常に楽しそうである。

まるで、日頃の鬱憤を八つ当たりで発散している子供のようだ。

もう観察もいいだろう、と判断し、ユウはひっそりと行動を始める。

 

 

「木ノ葉丸ちゃん!!」

「木ノ葉丸君!!」

 

「く…苦しい……コレ……」

 

「こら!この黒ブタ!!

そいつを放さないとオレが許さないぞ!!

デブ!バカ!!」

 

 

罵倒を吐き出したナルトは途中でサクラにしめられ、うめき声を上げる。

 

 

「ムカつくじゃん……お前……

オレ、大体チビって大嫌いなんだ」

 

「ぐっ……」

 

「おまけに年下のクセに生意気で……殺したくなっちゃうじゃん」

 

「なっ……」

「!!」

 

 

不穏な発言をしながら片目を閉じてみせる男は、果たして年下に何か恨みでもあるのだろうか

モエギとウドンは恐怖からか泣いてしまっている。

女もどうなっても私は知らない、と傍観を決め込むようだ。

 

 

「てっめー!!!」

 

「ま、このドチビの後はそこのうるさいチビね!!」

 

 

そして、男の振りかざされた拳が振り落とされる。

その拳が木ノ葉丸に到達するよりも早く、拳と木ノ葉丸の間に体を滑り込ませる一つの影。

ドカ、と殴られ、少し体制を傾けるが、すぐに真っ直ぐ男を見据えた。

その影を見た全員が目を見開き、驚愕する。

 

 

「「ユウ!?」」

 

「!?(コイツ、全く気配が無かったぞ!?)」

 

「ッお前」

 

「すみません、あたしの知り合いが迷惑をかけてしまったみたいで……。

出来ればこの子、放していただけないでしょうか?」

 

 

トントン、と木ノ葉丸の胸ぐらを掴んでいる手を優しく叩き、困ったように微笑む。

男は礼儀正しい言葉遣いに機嫌を良くしたのか、木ノ葉丸を地面に下ろす。

木ノ葉丸は逃げるようにナルトの元へと走り出し、それを見送ったユウも安心したように歩きだそうとした、その時だった。

 

 

「あ、あの……?」

 

 

今度は肩を抱くように腕を回され、逃げられなくなってしまい、体を小さく震わせる。

戸惑いながら伺うように顔を見上げると、満足げな顔が目に入った。

 

 

「さっきは殴って悪かったじゃん。

オレたち木ノ葉に来たばっかりでよォ……よく分からないから案内して欲しかったところなんだ。

侘びもしたいし、頼まれちゃくれないか?」

 

「あ、あたしより詳しい人、いっぱいいますよ?

お詫びだなんて、こちらもご迷惑おかけしましたし、お気になさらないでください」

 

「そういうわけにはいかないじゃん?

なぁ、頼むよ……」

 

「え、ええと……」

 

 

タチの悪いことに今度はユウが捕まってしまった。

せめて放してくれないかと身を縮こまらせながらも必死に言葉を探す。

その時、ヒュン、と風を切る音が聞こえた。

 

 

「くっ……!」

 

 

腕を抑える男に大量の殺気を向ける、一つの気配にあ、と声をもらす。

木に座り、石を弄びながらこちらを睨む、黒髪の美少年。

 

 

「よそんちの里で何やってんだ、てめーは」

 

「サスケくーん!!」

 

「あ!」

 

「(!結構いい男じゃない……)」

 

「さっきぶり、サスケ!

でもいきなり初対面の人に石を投げるのはどうかと思うよ?」

 

「……お前はいいからさっさとその男から離れろ」

 

「?」

 

 

首を傾げていると、不意に腕を引っ張られる。

それはやはりあの男で、サスケを睨みながらもユウを背後に押しやった。

 

 

「クッ…ムカつくガキがもう一人……」

 

「ソイツからその汚ねー手を放せ 失せろ」

 

「キャーカッコイイーーーーーー!!」

 

 

黄色い悲鳴があがり、ユウは苦笑する。

 

 

「ナルト兄ちゃんカッコ悪り~~

信じてたのにコレ!」

 

「バ…バカ!!あんなヤツオレだってすぐやっつけてたってばよ!!」

 

「フン」

 

 

そっぽを向いてしまった木ノ葉丸を見てナルトの闘争心に火がついてしまった。

対抗心バリバリにサスケを睨む。

 

う~ん、これじゃあ収まりが効かないなぁ

“あの人”も止めてくれる気はないようだし……

 

 

「おい…ガキ降りてこいよ!」

 

 

怒鳴るが、サスケは降りようとするどころか冷たい目で男を見下すだけ。

痺れを切らした男は背負っていた物に手をかける。

 

 

「オレはお前みたいに利口ぶったガキが一番嫌いなんだよ…」

 

「おいカラスまで使う気かよ」

 

 

傍観を決め込んでいた女が焦ったように男に待ったをかけるが、止まる気配はなく、サスケを見据えたまま。

だから、ユウが女の言った一つの単語に一瞬反応を示した事に誰も気がつかなかった。

しかし、すぐにそれを引っ込めると男の手を掴み、困ったように笑みを浮かべた。

 

 

「すみません、サスケが無礼を働いたことはお詫びします。

なので、ここは怒りを抑えてはいただけないでしょうか?

――木ノ葉の里の案内も、あたしで良ければ喜んで務めさせていただきます」

 

「!?何言ってやがる!!そんなことお前がしてやる義理はねぇだろ!」

 

「悪いが……オレとしてもあそこまでバカにされて引き下がるわけにはいかないじゃんよ」

 

「それは、困りましたね……」

 

 

一つため息を吐き、ユウはサスケが座っている木へと視線を向けた。

正しくは、サスケの更に奥の方へ。

 

 

「それじゃ……“あなた”から説得してもらえないでしょうか?

そちらとしても騒ぎを起こすのは得策とは言えないでしょう?」

 

 

一瞬、なんのことなのか、ユウが誰に向けて話しかけているのかが分からず、その場に居る全員が困惑する。

その時、相手から反応があった。

 

 

「確かに、それは正しいな。

カンクロウやめろ、里の面汚しめ……」

 

 

その声を聞き、男と女の表情が恐怖に凍りつく。

引きつった笑みを浮かべ、男は唇を震わせながらその名を口にした。

 

 

「ガ……我愛羅」

 

 

ユウに返答を返した赤い髪の少年、我愛羅は、サスケからそう離れていない位置の枝からぶら下がり、こちらを見ていた。

驚愕を隠せない面々にも反応を示さず、そのままの体制で冷淡な瞳をカンクロウと呼ばれた男へ向けた。

 

 

「喧嘩で己を見失うとはあきれ果てる。

何しに木ノ葉くんだりまで来たと思っているんだ……」

 

「聞いてくれ…我愛羅、こいつらが先につっかかってきたんだ…!」

 

 

ナルトたちを差し、必死に弁解を求めるカンクロウだったが、我愛羅はただ冷え切った目で殺気を放つ。

 

 

「黙れ……殺すぞ」

 

 

殺気を向けられ、恐怖に震えるカンクロウは引きつった笑みを必死に浮かべた。

こわごわと見ていた女も機嫌を取るように笑顔を浮かべる。

 

 

「わ……分かった、オレが悪かった」

 

「ご…ご…ゴメンね……

ホントゴメン」

 

 

そんな二人の態度に、ユウは内心眉を潜めた。

 

それは、違うだろう。

それは、向けてはいけないものだ。

人に対してとっていい、態度や感情じゃあない……。

 

 

「君達悪かったな。

(あのカンクロウにいとも簡単に石つぶてを当てるとは…できるな…コイツ。

それに、アイツも……)」

 

 

サスケとユウへ視線を巡らせ、我愛羅は瞬身を使い、カンクロウと女の間に降り立った。

 

 

「どうやら早く着きすぎたようだが、オレ達は遊びに来たわけじゃないんだからな……」

 

「分かってるって……」

 

「行くぞ」

 

「ちょっと待って!」

 

 

立ち去ろうとした我愛羅たちを呼び止めたのは、意外なことにサクラだった。

彼女は緊張した面持ちで、それでもしっかりと我愛羅たちと対峙する。

 

 

「何だ?」

 

「額当てから見てあなたたち……砂隠れの忍者よね……。

確かに木ノ葉の同盟国ではあるけれど……両国の忍の勝手な出入りは条約で禁止されているはず……。

目的を言いなさい!

場合によってはあなた達をこのまま行かせるわけにはいかないわ……」

 

 

サクラって結構勇気あるよね、と内心苦笑しながら、ご丁寧にもナルトの質問に答えようと中忍試験について説明する女を見、我愛羅と呼ばれた少年へ視線を移した。

 

満足に、寝たことがないのかな……

凄いクマだし、それに……

ものすごくチャクラが不安定

その上あの人達の態度とくれば……

 

人柱力

その単語がユウの脳裏に過ぎった時、女の怒鳴り声が聞こえてきた。

 

 

「てめー!質問しといてこのヤロー最後まで聞けー!」

 

「あ、なんかすみません……」

 

 

思わずナルトの代わりに条件反射で謝ると、お前が気にすることはない、と言ってくれた。

あの我愛羅という少年が関わらなければ、穏やかな性格なのかもしれない。

ぼんやりとそう考えていた時、ようやく木の上からサスケが降りてきた。

 

 

「おい!そこのお前……名は何て言う?」

 

「え?わ…私か?」

 

「違う!その隣のひょうたんだ」

 

「……」

 

「か、重ね重ね本当にすみません……」

 

「い、いや……気にしないでくれ……」

 

 

かなり凹んでしまったようで、その声に覇気はなかった。

益々申し訳ない気持ちになってしまった。

 

 

「……砂漠の我愛羅……。

…オレもお前に興味がある……名は?」

 

「!うちはサスケだ……」

 

 

サスケが不敵な笑みを浮かべ、我愛羅と視線がかち合う。

つい、と視線をユウへと移し、口を開く。

 

 

「お前は?」

 

「え?」

 

「オレはお前にも興味がある……」

 

「!……琥珀ユウ、です」

 

「ユウ、か……」

 

 

微笑したユウと、ほんの少し纏う空気を和らげた我愛羅の視線が絡み合う。

カンクロウたちは穏やかな雰囲気の二人に驚いたような顔をした。

その時、いつも雰囲気をぶっ壊すこの男が動き出す。

 

 

「あのさ!あのさ!オレは?オレは?」

 

 

言わずもがな、ドタバタ忍者うずまきナルトである。

しかし、我愛羅はやはりというべきか、興味はないとバッサリ切り捨てた。

 

 

「行くぞ!!……ユウ、お前もだ」

 

「「「は!?」」」

「え?」

 

「……木ノ葉の里を、案内すると言っていたのはお前だろう」

 

 

早くしろ、と言わんばかりに睨まれる。

 

 

「あー……っと、そうでしたね」

 

「っオイ、本気かよ……?!」

 

「うん、約束は約束だから。

じゃあみんな、またね」

 

 

言うやいなやユウは先に歩き出していた我愛羅を追って駆け出した。

 

 

「お待たせしました!」

 

「別にそんなに待っていない。

話し方も普段どおりで構わない」

 

「そ、う?

じゃあ、さっきも名乗ったけど、改めまして、琥珀ユウです。ユウ、って呼んでね」

 

 

他のお二人は?と訊ねる。

 

 

「オレはカンクロウ。さっきは殴って悪かったじゃん。

敬称もいらねーし、話し方もそのままで構わないぜ」

 

「私はテマリだ。よろしくな、ユウ」

 

 

自己紹介を済ませたユウは、時折談笑しながら里の案内をした。

とはいえ、彼女の行動範囲も決して広いとはいえないので、大した時間はかからなかったが……。

我愛羅たちが宿泊する予定の宿まで送り届け、帰路につく。

 

 

「……」

 

 

何かが始まりそうな、確信にも似た予感を胸に抱え

渦巻く不安に、ひと波乱ありそうだと一つ重いため息をついた。

 

 

 


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