Muv-Luv Alternative ~鋼鉄の孤狼~ 作:北洋
【西暦2001年 11月21日 21時03分 国連横浜基地近辺 廃墟ビル群】
……── リボルビング・バンカーが、敵リーダー機の頭部に突き刺さった。
キョウスケは反射的にトリガーを引きそうになる。
トリガーを引けば確実に相手の頭部はザクロのように砕け、戦闘不能になるだろう。しかしキョウスケはトリガーを引けなかった。
モニターに映るリーダー機と思しき機影……それが不知火の物ではなく、撃震だと気づいたからだった。
(リーダー機は不知火だったはず……!)
戦闘開始前、夕呼は確かにそう言った。
ならば目の前の撃震は何者なのか?
答えはコクピット内に響いたロックオンアラートが教えてくれた。背後の戦術機集団からだ。この撃震が有人機でリーダー機であるなら、自身を狙わせるようなことをするはずがない。
(こいつは囮か! やってくれる!)
キョウスケはリボルビング・バンカーで頭部を撃ち抜き、アルトアイゼンに制動を掛け反転させた。距離を取るため加速することも考えたが、この距離、このタイミングでロックオンされたらアルトアイゼンでは完璧な回避はほぼ不可能だ。背部に集中しているバーニア類を狙われるより、堅牢な前面装甲で攻撃を受ける方が良いとキョウスケは判断したからだ。
反転するとアルトアイゼンを狙う機体がモニターに映り込む ── 夜間迷彩を施した不知火の長銃が月光で煌めいた。
直後、コクピットが激しく揺られた。
アルトアイゼンの肩が大口径弾で撃たれ、装甲が抉られていた。制動、反転、砲撃と衝撃が重なり、体勢を崩したアルトアイゼンをキョウスケは地面に着地させた。
(120mm砲弾よりは威力がある! だが見つけたぞ! あとはぶつけるのみだ!)
廃墟ビルの上で砲撃体勢を取る不知火。しかしアルトアイゼンとの間には何の障害物も存在せず、空中で2機の間を直線で結ぶことすらできる。アルトアイゼンにとって、絶好の加速、突撃のための準備空間が広がっていた。
キョウスケは再びアルトアイゼンを飛翔させるため、最初の一歩を踏み出させた。
「この距離、もらったぞ ──ッ」
だが、その時、地面が爆ぜた。
砲撃された訳ではなく、アルトアイゼンの直下の地面が爆発し、指向性の爆圧でアルトアイゼンの足が跳ねあげられる。損傷は軽微。だが、足場が砕け体勢を崩したアルトアイゼンは1歩後ずさるしかなかった。
すると、今後は廃墟ビルの壁面が爆発した。黒煙と共に対BETA用と思われる散弾が吐き出され、アルトアイゼンの装甲を見舞った。
大きなダメージはないが、黒煙で視界が妨げられ、気勢を挫かれてしまった。
(対BETA用であろう地雷に音感地雷を組み合わせたトラップゾーン! 小細工をッ、しかし、まんまとしてやられたという訳か!)
罠に掛かった獲物を確実に仕留めようとする猟師のような、そんな印象を相手に受けた。
アルトアイゼンがたじろいだ瞬間を見過ごさず、撃震から120mm砲弾が飛んでくる。キョウスケはアルトアイゼンを動かし、砲弾を回避するも、移動先の地面が再び爆発し音感地雷も連動して猛威を振るってきた。
間髪入れずに別の撃震が120mm弾を発射。アルトアイゼンは被弾する。
(キリがない! 多少の被害は止むを得ん、はやくトラップゾーンを抜けねば……!)
闇夜に加えて黒煙と視界は最悪だったが、ターゲットである不知火は煙の隙間から確認できた。
相も変わらず廃墟ビル上で長銃を構え、アルトアイゼンを狙っていた。上等、とばかりにキョウスケはフットペダルを踏み込もうとする。
だがその刹那、長銃の銃口から弾が発射された。
先ほどの大口径とは違う小口径の銃弾が、もの凄い連射速度でアルトアイゼンに襲いかかってきた。コクピットを襲う振動。ダメージコントローラーが警告を発していた。
だが再び鼻先を押さえられたキョウスケは、着弾音に反応して爆発する音感地雷に加え別個に降り注いでくる撃震の120mm弾に、反射的にアルトアイゼンに防御態勢を取らせてしまった。
大量の弾幕と地雷の炎と黒煙が、廃墟ビル群の一角に立ち込める ──……
●
【同時刻
まりもは勝利を確信した。
試作01式電磁投射砲の銃弾は確実にアルトアイゼンを捉えていた。
電磁加速され発射される弾は、火薬で撃ち出される突撃砲とは違い効率よくエネルギーが銃弾に伝わるため、結果的に威力は突撃砲のモノより高くなる。
アルトアイゼンを捉えた弾は、初撃で使った180mm大口径弾よりも小口径だが、その分連射は非常に効く。その速度、毎分800発以上。突撃級の装甲殻ですら同一部位への連続命中で破壊することは可能なのだ、アルトアイゼンの装甲とてそれは同じはず。
さらに銃弾の連続命中と地雷を使ったトラップゾーンが絡まり、満足に身動き1つとれないに違いない。まりもは黒煙で見えなくなったアルトアイゼンを狙い、電磁投射砲の引き金を引き続ける。
(どうする? このまま射撃を続けるか? 止めるか? いくらあの戦術機が硬いとはいえ、この電磁投射砲を当て続けていいのか?)
まりもの中で疑念が沸き上がった。
試作01式電磁投射砲 ── その原型になった試作99式電磁投射砲ですら、アラスカでの実射試験で歴代のキルレートを塗り替えた代物だと、まりもは夕呼に聞いていた。
戦闘不能に追い込むどころではない。
相手を大破、死亡させてしまうのではないか?
南部 響介。昨日知り合ったばかりの男だが、彼も既に横浜基地スタッフの一員なのだから無意味に殺していいはずがない。
葛藤。
しかしまりもの優しさをあざ笑うかのように、目を疑うような光景が網膜投影され脳に送り込まれてきた。
「嘘、でしょ……?」
黒煙と銃弾の雨あられの中から、アルトアイゼンが一歩、また一歩とまりもの不知火の方向に近づいて来ている。
両腕で頭部とコクピットを庇い、全弾被弾しながらも前進してくる。
また一歩前進した際、地雷に巻き込まれ黒煙で目視できなくなったが、まりもはその前に見たアルトアイゼンの翡翠色の双眸に寒気を覚えた。
「撃ち抜く、このまま!」
まりもはトリガーを思い切り引き絞った。
南部 響介と赤い戦術機は並じゃない。手心を加えれば、逆にこちらの喉元に牙を突き立ててくる狼だと、まりもの勘は告げていた。
人は狼が襲ってきたらどうする? 逃げるか、自分の身を守るために撃ち殺すだけだ。
試作01式電磁投射砲は静寂であるはずの廃墟ビルに、轟音を撒き散らし続けていく ──……
●
……── 耳を劈く金切音の中、キョウスケは静かに反骨心を燃やしていく。
相手の長所を封じ、自分の長所を最大限引き出す ── そんな状況に持ち込む相手パイロットの技量に敬意を表した。
そして手心を加えようとした自分の自惚れを唾棄する。
相手のパイロットは一流 ── プロフェッショナルだ。
キョウスケにとて、自分がプロであるという自負はある。
相手がプロとして全力を尽くしているにも関わらず、自分は相手の身を案じていたなど侮辱以外の何者でもない。
全力には全力で対抗する。それが礼儀というモノだと、キョウスケは意を決した。
「ダメージチェック、アルトまだいけるな?」
機体コンディションを現すボディアイコンが、四方八方からの砲撃のため黄色く染まっていた。120mm砲弾とレールガンの恐るべき連射能力で、装甲が相当持っていかれたことを現している。しかし危険域を示す赤色や、機能不全を示す黒はどこにも見当たらない。
まだまだいける……アルトアイゼンが答えているように、キョウスケには感じられた。
だがこうしている間にも、銃弾が暴風雨のように降り注ぎアルトアイゼンを徐々に窮地に追い込んでいく。レールガンの反動に加え度々作動する音感地雷の影響で、アルトアイゼンを加速体勢に機体を持っていくことができない。
(サマ師……いや策士と褒めておこうか)
コクピット内で苦笑を浮かべながら、キョウスケは強引に機体を操作した。
おそらく加速体勢に持っていくのは難しい。
だが一歩は踏み出せた。
アルトアイゼンが一歩踏み出す事に対BETA用地雷が作動し、視界を奪いと歩みを阻んでくるが、キョウスケはお構いなしに機体を前へ、前へと進ませた。
(まだだッ、まだ行ける……! 俺たちは自分の限界を知っている。知っているからこそできるんだ、
アクセルに敗れたあの時、キョウスケは自分とアルトアイゼンの限界を知った。そして限界を超えた。己と愛機の限界を知るキョウスケだからこそ、限界ぎりぎりの首の薄皮一枚までアルトアイゼンの力を引き出せるのかもしれない。
「アルト、今は待ちだ」
分の悪い賭けだと、笑わば笑え。
前へ、ひたすら前へ。着弾による衝撃が凄まじく、走行と呼べない代物の歩みだったが、少しずつアルトアイゼンは前進していく。アルトアイゼンの双眸が敵の不知火の姿が捉え、弾が尽きる、その時までキョウスケは歩みを止める気はなかった。
トラップゾーンに敵を嵌めての集中砲火。これだけの手を2度も使えるとは思えない。
切り札は先に切った方が負ける ── それが勝負の世界の定石だ。
しかし銃弾の雨は止む気配見せなかった。
押し切られる……そう、考えなかった訳ではない。だが、どんな時でも前進あるのみ。それがキョウスケとアルトアイゼンが命を賭けることのできる、唯一であり必殺の戦法だったからだ。
アルトアイゼンはまた一歩足を踏み出していく。
●
南部 響介は気が狂っている。そうとしか、まりもには思えなかった。
銃弾をかき分けながら進んでくる戦術機など、見たことも聞いたこともなかった。
しかしキョウスケとアルトアイゼンは近づいて来る。電磁投射砲の銃弾をその身で受けながら、一歩ずつ一歩ずつ着実にだ。
「早く倒れなさい!」
まりもの表情に焦りが浮き彫りになってきた。
既に射撃を始めてからゆうに1分以上が経過している。800発以上の弾丸を叩き込んで、アルトアイゼンは立っているどころか進んで来る。戦術機の常識を覆す程の堅牢さだった。
(本当に戦術機なの……?)
疑念が過ったが、今はそれどころではない。
まりもが前もって用意していた策は全て出し切った。
電磁投射砲の速射でアルトアイゼンが止まらなければ、化け物のような堅牢さを持つ戦術機と、真正面から撃ち合わなければならなくなる。
(これで終わりにしなければ……)
だがまりもの祈りも空しく、連射の熱が貯まり、コクピット内に電磁投射砲の使用中止勧告が表示された。
電磁投射砲のステータスをチェックする。小口径弾の残量はまだ3分の1程残されているが、砲塔が連続使用の過熱により冷却材による処置が追いつかなくなっていた。これ以上の砲撃は砲塔の劣化を加速させ、スペアの砲身に交換を余儀なくされるが、そんな時間はどう考えても捻出できない。
(時間を置けば十分に冷却され、再使用は可能だけど……今、射撃を中止しては……)
連射の恩恵で足止めできているアルトアイゼンを、むざむざ解き放つことになってしまう。
(それにあと少しで倒せるかもしれない……いえ、倒せないかも…………決めた。手札は多い方がいい。分の悪い賭けをするつもりはないわ)
試作01式電磁投射砲には、大型口径弾用にもう1つの砲塔が搭載されている。
直接過熱されておらず弾種の関係で連射は効かないため、このまま射撃を続けるより電磁投射砲の破損する確率は低いはずだと、まりもは判断した。
まりもはトリガーを離し、次の行動を不知火と自動操縦された撃震部隊に入力する ──……
●
斉射が止んだ。
「好機! 仕掛けるぞアルト!」
全身傷だらけになったアルトアイゼンをキョウスケは走らせる。
前方からのレールガンの圧力がなくなり、アルトアイゼンは主脚走行で体勢を整え、勢いを付けることができた。バーニアから噴出する炎がアルトアイゼンの巨体を地面から浮き上がらせる。バーニア噴射音に音感地雷が作動するが、加速し始めたアルトアイゼンを止めることは敵わない。
メインブースターとTDバランサーの出力を上げ、アルトアイゼンの体がグンッともう一息速度を上げた。
狙いは不知火壱型丙ただ一機のみ。不知火は長銃を抱え、跳躍ユニットを噴かせてビル屋上から飛び立ったが、アルトアイゼンに捉えられない速度ではなかった。
しかしアルトアイゼンの進行方向に残り3機の撃震が立ちはだかる。
「邪魔だ、退けぇ!」
激震が弾幕を張ってくる。
だがキョウスケは銃弾などお構いなしに、両肩のハッチを開放しアヴァランチ・クレイモアで3機を微塵に撃ち砕き、不知火を追った。
激震の妨害で数秒を得た不知火は、先ほどの位置からかなり離れた場所に移動していた。キョウスケの覚えている伊隅の駆る不知火より数段速く、跳躍ユニットを相当弄っているのが一目瞭然だった。
不知火は遮蔽物のない空中で長銃 ── レールガンを構え、狙ってくる。
だが空中で体勢が安定しないためか、初弾はアルトアイゼンの肩をかすめ消えて行った。
「とったぞ!」
5連チェーンガンを斉射し、加速を活かした体当たりを敢行するキョウスケ。
「ッ!?」
しかし不知火の跳躍ユニットと、肩に増設されたバーニアを使った横っ飛びで躱された。
やはり伊隅の不知火より、今相手にしている不知火の方が速い。単純な直進速度では相手にならないが、機敏な動きでの小回りの良さならアルトアイゼンを完全に凌駕していた。
直線的な動きだけでは、タイミングを合わされて回避され続けてしまう可能性がある。
こういう場合、元の世界なら相方のヴァイスリッターと連携して攻めていた。ヴァイスリッターがけん制し、アルトアイゼンが接近戦を叩き込む。アルトアイゼンを囮にして、ヴァイスリッターの長距離砲で狙撃するなどの逆もまた然り。
だが今はいない。
アルトアイゼンとキョウスケだけの力で何とかするしかない。
「いいだろう ──」
長距離砲を装備し、高機動タイプの人型兵器 ── 目の前の不知火壱型丙に、どこかヴァイスリッターと似た趣を感じたキョウスケだったが、敵ならば倒すのみとコントロールレバーを握り直し操作する。
「── アルト、俺たちの戦い方を見せてやろう!」
機体各所のバーニアから火が上がり、アルトアイゼンの巨体が旋回する ──……
●
「行ける! 夕呼がカスタムしたこの壱型丙なら、機動力で負けてないわ!」
まりもはアルトアイゼンを回避し、不知火を旋回させながら思った。
万策は尽きた。あとは正面からぶつかるしかまりもに残された選択肢はない。
だが香月 夕呼特製のこの不知火壱型丙ならば、アルトアイゼンから逃げ切ることは不可能でも、攻撃を紙一重で躱すことは可能だった。
蝶のように舞い、電磁投射砲の大口径弾で蜂のように刺す。
まりもは目論みを果たすため、不知火を旋回させ電磁投射砲を構える ── が、予測していた地点にアルトアイゼンの姿はなかった。
アルトアイゼンは既に旋回を終え、不知火に向かって加速し向かって来ていた。
「そんな! あの速度で、不知火より旋回速度が速いなんて!」
まりもは電磁投射砲の発射を諦め、跳躍ユニット全開で突進してくるアルトアイゼンを回避した。赤い鉄の塊が、猛然と空を裂きながら不知火の鼻先をかすめて行った。
そしてまりもは見る。
アルトアイゼンがメインブースターの勢いを止めず、全身にあるスラスターやバーニアを全開に吹かし、そこに機体に捻りを加えてターンしている様を見て愕然とした。
非常識極まりない馬鹿げた旋回方法だ。Uターンというより、Vの字のターンであったが、あれなら機体の失速も抑えられ移動する距離も縮小できる。
(あのターン、もっと低速なら私にだってできる……でもあの巨体、スピードであの挙動……機体と衛士に相当なGが掛かっているはず! 下手をすれば失神、良くてもブラックアウトは起こしそうなものなのに……! 南部 響介、これがあの男の実力だって言うの!?)
アルトアイゼンが5連チェーンガンでけん制しながら、不知火に再び突撃してきた。
当たる訳にはいかない。あまりの突進速度にコンマ数秒で懐に潜り込まれそうになるが、まりもは長年の勘でそのタイミングを予測し、不知火を回避させる。
だがアルトアイゼンは再びVターン。
不知火の移動先を制限するように銃弾をばら撒きながら、体当たりしてくる。
「舐めるな!」
不知火はアルトアイゼンを回避、すれ違いざまに電磁投射砲を発射する。しかしアルトアイゼンの速度に追いすがれず、弾は逸れ空に消えて行った ──……
●
……── その隙を見逃すキョウスケではなかった。
機体の速度を落とさず、相手との距離を詰める。
アルトアイゼンという突撃戦法前提の機体に乗り続け、生き残り続けた彼に、そのためのスキルが身につかないはずがなかった。
TDバランサーの最大出力が生み出した擬似無重力を最大限に活かし、バーニアの噴射と機体の振りで慣性を力任せに捻じ伏せる。直後、バーニアも最大出力で機体を前方に押し出す。
言うだけなら単純で明快。
しかし重く速度を持った物体程、直進するエネルギーを打ち消すのにエネルギーを要し、当然中のパイロットと機体に負担が掛かってくる。だからこそ、多くのパイロットがやれないのではなくやらないのだ。
その瞬間だけ輝いても、機体やパイロットに限界が来ては他の敵の餌食になるだけ。
だが一対一という状況に持ち込めばどうだろう?
その後の戦闘が無い状況ならどうだろう?
全力を出し尽くすことができる。アルトアイゼンも、キョウスケ・ナンブもだ。
(いけるな、アルト!)
何度目かの強烈なGがキョウスケの体に圧し掛かってくる。無理やりな軌道制御でアルトアイゼンの各関節も悲鳴を上げていた。
(それでも、前に!)
キョウスケの想いに応えるようにアルトアイゼンは無理を通して旋回し、加速し始めた。
前へ。ひたすら前へ。
どんな敵が立ちはだかろうとも。
どれだけの策を弄されようとも。
キョウスケとアルトアイゼンが取れる、最強かつ必殺の戦法はたった一つ。
馬鹿だと思われようとかまわない。だが馬鹿の一念が機人すら砕くことを、キョウスケはアルトアイゼンと共に常に証明してきた。
「零距離ッ、取ったぞ!」
レールガン発射後の隙 ── 千載一遇の好機を、キョウスケとアルトアイゼンは待っていた。
加速した機体を、そのまま弾丸のように不知火にぶつける。
アルトアイゼンの巨体が、とうとう、敵リーダー機の不知火の体を捉えていた。巨体を押し当てたまま、アルトアイゼンはさらに加速する。
空中で交錯した2機の機人は、まるで夜空を切り裂く流星のごとく、廃墟ビルを星屑のように砕きながら地上へと落下して行った ──……
その4に続きます。
蛇足ですが、レールガン強すぎだろ、とか、アルトなら余裕で突破できる、とか言う話はできればご遠慮願います。
これが私なりに考えたキョウスケとアルトアイゼンです。
ロマンと強さとカッコよさ、それがロボットとそのパイロットだと思っていますので。
次回も俺のアルトが愛と絶望の空を切り裂くぜ!
そんな感じでどうかよろしくお願いします!
ちなみにこの話のアルトアイゼンのVターンのモデルは、OGⅡのランページゴーストの突撃で見せたアルトアイゼンの旋回です。