ここ数日、この渓流に居を構えてみた(高台で寝ただけが)が、色々と変化があった。まず朝昼晩に関わらず他のモンスターが食糧を持って来てくれた。そしてジンオウガが魚を取ってくれたのだ。ドスジャギィが吠えているところに現れて魚を置いてくとそのまま去っていった。後ろ姿が格好良くつい惚れそうになったが、よく考えるとそこまで惚れる要素はないだろう。こうして飢えることはなくなり有り難いのだが流石に毎日持って来られると自分の体力諸々も低下すると思い朝昼は自分で狩りをしている。ここ最近は肉にも手を出していた。といってもガーグァやケルビだが。はじめはグロテスクだったが食べているうちになんとなく慣れてきた。この体になったことで価値観なども変わったのだろう。殺しに関しても重たく捉えることはなかった。だがそうすると皆が持ってくるものが溢れる為それとなく首を振るなどして伝えてみた。結果数が減ったが種類が増えた。茸や魚、木の実にどこから持ってきたのか分からない果物まであった。てか未熟なバナナだった気がする。誰かがジャングルまで行ったのだろうか。ほんとスイマセン。
更にハンター達もやってきた。一回目は水浴びに川に降りた時に遭遇。すぐにドスジャギィ達が来たためその場は譲った。二度目は昼寝をしている最中に頭に振動が伝わり起きると目の前にハンター達が三人ほどいた。どうやらハンマーで叩かれたらしくずいぶん石頭になってるのが確認できた。そのご適当にあしらってるとジンオウガが来て、そのまま私は怪我をしない程度に攻撃してただけで三人共リタイアしていった。
そして一番の変化が自分の体だった。ここ最近肉を食べ始めたおかげか筋肉が随分ついた気がする。体が細く小さくなったのに内側はみっちり筋肉が詰まっていて、体力も相当伸びた。
次に、尻尾の棘に状態異常のようなものが増えた。ブルファンゴを仕留める時に棘を当てたら、血が流れるのではなく急に倒れたと思ったらいびきを掻き始めたのだ。さすがに驚いたが前に脳内辞書が言ってた、食べる事で進化するっているのはこの事だったのか。他にも麻痺が有るらしくまだ完全に制御出来たわけではないが、ぼちぼちこれは練習するとしよう。
最後だが、毛並みがだいぶ変わった。これまでは月白色の薄青のかかった白だったが今は完全に真っ白になった。そのため目立ってしょうが無い。獲物に近づくときも常時ステルス状態でいないとすぐバレてしまう。最終的にステルスで狩るためかわりはないが。むしろステルス状態でいられる時間が伸びたためいい練習になったと言っておこう。
(暇だなぁ………)
そんな訳で最近は朝起きて軽く運動した後狩りに出かけ帰って睡眠。昼に起きてまた狩りに出かけ帰って昼寝。また夜に起きて皆に貰った物を食べて就寝。と健康なのか不健康なのか分からない食っちゃ寝生活になってた。
(なんかないかな………と)
なんか地面が震えた気がした。気のせいかと思い目を向けると遠くから何かが走ってきていた。一瞬ジンオウガかと思ったけどジンオウガが走った程度じゃ地響きは起こらなかった。第一あれは二足歩行で走ってるからジンオウガではないだろう。
(わーお……でっかい)
いたのはまるでジュラ紀の恐竜みたいなモンスターだった。確か、トモダチについていった時に乱入クエスト出てきた奴にそっくりだった。
(何だっけこいつの名前……い…イジ、イリ……分かんないからゴーヤでいいや)
ゴーヤはこっちを睨みつけると低い声で唸ってきた。舐められてるのか分からないが食べられる事にはなりたくないので、こっちも咆哮で先に威嚇した。
「GYAAAAaaaaoooo!」
(私の咆哮ってこんなに大きかったっけ?前はそんなでもなかったのに。喉の力も強くなったのかな?)
咆哮が効いたのかゴーヤがふらついてるが直ぐに感覚を取り戻したらしく結局振り出しに戻った。と思ったらみんなが置いて行った食料を一瞥した後どこかに行ってしまった。助かったがもう二度と来ないで欲しかった。さすがに今ゴーヤさんに襲われたら勝てる気がしないわ。
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古龍観測隊からギルド本部に連絡
先日報告したナルガクルガ希少種についての情報です。前回よりも体色が更に白に近づき、狩りをする時はほとんどステルス状態な為まるで獲物が自殺をしているようにしか見えない状況です。また常にナルガクルガの周りにモンスターが寄り付き、食料を与えるという行動を起こし、近づくハンターを撃退する行動が目立っています。最近はイビルジョーの存在も確認出来たためますます危険度が上がりました。
ギルド本部より古龍観測隊に連絡
了解しました。危険度をこちらで考慮した結果、依頼を受けられるハンターをGのみに限定する形になりました。また、他の地でこのようなモンスター同士の関係を築くならば危険度が跳ね上がる為これからの動向に注意してください。