私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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四月から全体的に更新が遅れるとは思いますがなるべく続けていこうと思います(エタ回避)


黒嵐

(なんでこんな状況に……)

 

目の前では嵐を纏ったアマツマガツチとゴア・マガラが戦っていた。アマツマガツチが水弾を撃ち込むとゴア・マガラが両腕でガードし、カウンターでアマツマガツチの頭に殴りかかる。それを空中に飛んで回避するとまたお互いに睨み合った。何故こうなったのかは少し前に遡る。

 

 

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(やっぱり蜂蜜は美味しいね。ずっと食べてたいよ……いや、四六時中じゃなくてだね……聞こえてないか)

 

今日も今日とて渓流に来て蜂蜜を食べていた。隣にはアオアシラが座って一緒に食べているがこちらの言葉は通じていない。どうやらこのアオアシラは加護を持ってないらしい。まあ大体のモンスターは持ってないから確率はそう高くない。むしろこんな簡単に喋れるモンスターに遭遇する方が怖い。

 

(平和だな……のどかだし、やっぱりこっちに住もうかな?)

 

だか前にいた高台は他のモンスターの巣になっており他の候補も先客がいる。その辺で寝ていてとハンターに即見つかり面倒な戦いに巻き込まれる。そう考えるとここに住むのも難しいのかもしれない。

 

(いい場所があればそこに住むんだけど、そう簡単には見つからないよね。そんな場所があったら他のモンスターが見つけてるだろうし)

 

すると突然アオアシラが慌てて逃げ出してしまった。何かしてしまったのかと思い、辺りを見渡すと足元に薄く黒い霧のようなものが漂っていた。

 

(これって……アイルーが言ってたゴア・マガラってやつ?)

 

黒い霧は渓流の奥から流れ出しているようだった。そこまで行けばこの霧を出してるゴア・マガラの正体も掴めるかもしれないと思い渓流の奥へと進んだ。岩場を駆け上り、倒木を越えていくと段々と霧が濃くなりそれと同時に風も強くなってきた。

 

(幾ら何でもこの風はおかしいでしょ。向こうはほとんど無風状態だから霧も漂ってたんだし、この風って人為的に起こされてるもの?)

 

この世界に巨大扇風機みたいな発明品なんてないだろうし、そうなるとあと考えられるのは加護を持ったモンスターになる。

 

(でも自然を操る加護を持ったモンスターなんて古龍ぐらいしかいなさそうだし、逆に飛龍種とかで周囲の地形に影響与えるやついるのかな)

 

進み続けてついに霧と風の発生場所近くまで来れた。どうやらこの巨大な高台の上にいるらしい。どうにか吹き飛ばされないよう上に飛ぶと高台の上に着地する。

 

(……風強いなぁ)

 

そこにいたのは全身が黒い鱗に覆われた四本腕に黒い霧を出している龍と宙を舞い、水弾や水流のレーザーを撃ち込み時折尻尾の一撃を与えようとしている白い龍だった。

 

(貴様は招かれざる客だ!即刻ここから出て行け!)

 

(うるせぇな!誰がどこにいようが関係ねぇだろ!)

 

二人?ともお互いに主張し続けてるため攻撃はますます激化していく。こちらに被害が出そうになるため、そろそろ声をかけることにした。

 

(あのー!聞こえますか!)

 

(あぁ?!今忙しいんだよ!邪魔すんな!)

 

(なんじゃ!貴様もここに侵入した者か!)

 

(いや、このまま続けたらこの辺一帯穴だらけになりますよ!)

 

既にレーザーが当たったりで岩が砕けている箇所もある。私の発言でようやく気付いたのか白い龍の方が攻撃をやめた。

 

(なんだぁ?俺に負けるのが怖くてびびっちまったか?!)

 

(貴様ぁ!)

 

(だから!それ以上挑発しないでください!)

 

突撃しようとしているゴア・マガラを腕を四本全て使い抑え込む。体格差もあって押さえきれなさそうだったが、自分の肩から生えている腕を見て止まった。

 

(なんだ?お前も俺と同じ種族なのか?)

 

(いえ、自分は違いますよ?ただちょっと……いろいろあって)

 

軽く島での思い出(ボッチのトラウマ)を思い出し震えた。

 

(そ、そうか。それ以上は聞かねえよ)

 

(私はルミナスって言います。二人の名前は?)

 

(俺はケイオスだ)

 

(我が名は天藍だ)

 

(じゃあケイオス、天藍はなぜここで戦闘を?)

 

(その者が我が土地に勝手に侵入したあまりか、この地の者によからぬ影響を与えているからだ!)

 

(適当なこと抜かしてんじゃねえよ!そもそもお前らが弱えからウイルスに感染してんだろ!)

 

(なんだと貴様!)

 

(あぁ?!やるのか!)

 

そのまま二人は先程のようにまた戦い始めてしまった。

 

(……もう、放っておこうかな?)

 

止めるのも面倒になってきたがこのままでは更に渓流の先にまで被害が出てくるため泣く泣く二人を止めに入った。


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