あれからしばらく経ったがそれ以降ハンターはめっきり数が少なくなり日に一回見ればいい方くらいの頻度になっていた。個人的には静かで大助かりだが。
(向こうじゃひたすら魚と睨めっこしながら、あるかどうかもわからない力の制御だなんて悟りが開けることしてたからなぁ。平和でいいわ)
だがこれはこれで暇なものだ。怪我は特にないから好きな場所に行けるが今まで一つの場所にいつづけたから今更他の場所に行く気にもなれなかった。
(何かないかなぁ。静かで尚且つ少しの刺激に溢れたプチイベントは……)
寝て過ごしてもいいけど久しぶりにあそこから出て来たんだから何かしたい。でも思いっきり動きたくはない。
(そういえば蜂蜜食べたいなぁ………)
ふと蜂蜜のことを思い出し起き上がった。あの孤島には蜂蜜などあるわけもなく四年間も口にしていなかった。久しぶりに食べてみてもいいだろう。だが凍土中を蜂の巣は見当たらなかった。誰かが食べたのか、元からないのかは分からないけど。
(運が悪いなぁ。仕方ないし、渓流にでも行きますか)
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(ここも久しぶりだな………結構変わっちゃったね)
前に住処にしていた高台は他のモンスターの卵があった。別のモンスターが使っているのだろう。ステルス状態でエリア内をしばらく歩き回っていると蜂の巣を見つけた。
(蜂蜜食べるのも久しぶりだし、しばらくしたら砂漠とか沼地にもまた行ってみるのもいいかもしれないなぁ)
皆がどうなったかも気になるし、それもいいかもしれない。しばらく蜂蜜を食べ歩きしながら歩くと崩れた人工物を見つけた。多分元々はもくせいの家だったのだろうが木の破片がバラバラに吹き飛んでいた。
(なんかモンスターの攻撃じゃなさそうだね。嵐でもあったのかな?)
気にはなったけど特に重要じゃなさそうだし蜂蜜も十分食べたので戻ることにした。空を飛んで戻っている最中に遠くに凄い大きな雲を見つけた。進路は分からないけど出来ればこっちに来ないで欲しい。ただでさえ寒いのに嵐なんて凍え死ぬかもしれない。いざとなったら極限状態になって体温上昇させる力業もあるけど。今から少しずつ薪でも溜めておこう。極限を使わずに暖まるなら炎に当たってるのが一番だ。無駄な体力消費を防ぐためにもそうしよう。
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ギルド本部より白帝竜観測隊に連絡
ユクモの村に伝わる災害をもたらすアマツマガツチが雲と共に移動したという情報が上がってきました。周囲に嵐を起こしている大きな雲を見つけたら注意してください。また行方不明になっていたゴア・マガラですが渓流にほど近い場所に住むモンスターが狂竜化している事から渓流付近にいると考えられます。場合によってはアマツマガツチ、ゴア・マガラが一堂に会する可能性もあります。白帝龍以外の動向にも注意してください。