私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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今回、前回の話からだいぶ時間軸が飛びます。ご注意ください。


超越

(……………)

 

とある地域に最近ある龍(・・・)の噂が広がり始めた。その龍は全身を覆う白銀の翼膜を持ち、その腕についた白刃であらゆる物を切り裂くという。またこの龍が

目撃される日は霧が深く立ちこめていることからナルガクルガ希少種ではないかと言う意見もある。

 

(…………)

 

しかし、姿を見たハンター達は次々にこれを否定した。曰く、あれはナルガクルガなんかじゃないと。何処にいるか分からないまま一方的な攻撃で帰ることとなった。分かったのは撤退する直前に見えた肩から生える二本の豪腕(・・・・・・・・・・・)だけだった。他にも豪腕には巨大な白刃が付いていた。全長は普通のナルガクルガよりもよっぽど小さいのにパワーが桁違い。など帰ってくるハンターによってまちまちな意見だった。そしてこのモンスターは決してハンターを必要以上に攻撃することがないことで知られた。こちらが戦闘継続が難しくなった時点でどこかに消えてしまうため、詳しい事は何一つ分からない謎の龍。ハンター達の間では自分の腕を確かめる為の修行になるという人もいます。是非、この謎の龍の依頼を一度受けてみては?

 

 

 

 

 

 

 

 

(なにこの記事)

 

(何でも、週間ハンター達の生き様って言う雑誌で取り上げられてるらしいにゃ)

 

(だから最近ハンターが多く来るのか……)

 

あの日から私は誰にも見つからないような場所を探した。でも結局見つけることは出来なかったためこれが最後だと思い、アイルー達を頼った。するとここから西の方に向かった場所に環境が厳しすぎてモンスターがいないという場所があることを聞いた。早速そこに向かって飛ぶこと三日間、ついにその場所に辿り着くことができた。一部を除き辺りを断崖絶壁に囲まれた絶海の孤島だった。食料は島に自生している小さな木の実と茸のみ。それですら私が一週間も食べ続ければなくなってしまう。だからそれ以内に食料源を確保するのも重要だった。幸い辺り一面が海なので海産物は豊富に取れる。私の加護に向き合いながら四年間過ごした。その結果

 

(けど、前来た時とは大違いだにゃ。あの時はいきなり体が勝手に動いてその後の記憶も軽く曖昧になってたにゃ)

 

(あの時のことはゴメンって言ってるでしょ)

 

狂信・盲信の加護をある程度まで操作することが出来るようになった。やったことは海に半分浸かり、加護で周囲の魚を操りまず加護の力を知った。次に加護の力のレベルを下げられるように試行錯誤した。これに殆どの時間がかかった。けどレベルが下げられるようになってからは特に苦労もなく行えた。やはり自分の中に感覚として残ったのが大きな要因だったようだ。今ではこうして気兼ねなくアイルー達と話していられるが前までは来た途端機械のように動く事しかなかったからあの時に比べたら全然成長したと思う。因みにアイルー達は波の穏やかな日を選んで船で一気にここに来るらしい。これには流石に驚いた。

 

(それで、力の方はどうなったにゃ?)

 

(うん、自分の加護含めて全て制御済みだよ。まあ一番の自分の加護がまだ若干不慣れだけど)

 

(でも初めよりは十分に使いこなせてると思うにゃ)

 

(そうだね………………そろそろ戻るかな)

 

(渓流にかにゃ?)

 

(いや、いきなり渓流に行ってもみんなを驚かせるだけだし。それなら前に中断した凍土に行ってみようかなって)

 

(ルナさんの決定に従うにゃ)

 

(そんな訳で今日まで色々有り難うね。自分でやろうとしたのに結局最後まで手を貸してもらっちゃったし……)

 

(気にする事はにゃいにゃ。困ったときはお互い様だにゃ)

 

(………有り難う)

 

 

〜~~~~~~~~~

 

 

ギルド本部より白帝竜観測隊に連絡

 

ハンターの報告により凍土にて全く新しいモンスターが確認されました。対象の外見はナルガクルガに近いですが決定的に違う点として尻尾が二本、炎弾を飛ばす、電撃や嵐のような暴風を全身に纏う、対象の周囲が突然爆発しだす。そしてステルス状態になるのと周囲のモンスターを率いるように行動する事からこのモンスターを四年前に姿を消した白帝竜と断定しました。またハンターの報告にシャガルマガラのように肩から二本の豪腕が生えるとの噂がありました。こちらも十分留意した上で観測を行ってください。


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