私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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女帝

(ルナさん、これが言ってた奴にゃ!)

 

(これが……?)

 

あれから三日程立った日、アイルー達がたくさんやって来た。私の頼んだ物が見つかったらしい。しかしここ三日間、私にとっては凄く気の休まらない日々だった。原因はあの女の子だ。少し目を離すと集落から出てエリア内を歩き回る。その度に探しまわったり、言うことを聞いたり、彼女を襲おうとするモンスターを何とか説得したり。気づけば誰も彼女を見ても襲わないようになってた。

 

(これってどこで手に入れたの?)

 

目の前に大体饅頭ほどの大きさの色鮮やかなビー玉みたいなのがいくつか置いてあった。

 

(大型モンスターの死体があった場所に落ちてたりするにゃ。僕達じゃ使い道がないし、それににゃにか変な感じがするから貰ってくれるとこっちも助かるにゃ)

 

(変な感じ?)

 

(大型モンスターの気配だったり、よくわからない力みたいにゃのを感じるにゃ)

 

私自身が大型モンスターだからなのか特に変な感じはしなかった。

 

(それじゃあ………貰うよ?)

 

(どうぞにゃ)

 

鉱石でも食べる感覚で齧ったがものすごく硬い。歯が欠けるほどではないけど硬いせんべいを食べてる感じだった。食べ終わったが何か体の中で変化したような感じはしない。そんないきなり劇的に進化したら驚くけどね。

 

(これで、発熱器官が増えるかな?)

 

(えっ?)

 

(…………えっ?違うの?)

 

(一応それっぽいものを持って来ただけにゃ。発熱器官がつくかは運次第にゃ)

 

(…………凍土行くの諦めようかな)

 

(だ、大丈夫にゃ!きっと発熱器官も出来るにゃ!)

 

(だといいけど……)

 

 

ーーーーーー

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ーー

 

 

(ルナさん、にゃにか変化はあったかにゃ?)

 

(何もないよ……なんかウズウズしてる感覚はあるけど。前みたいに火を吹いたり電撃が出たり分かりやすい変化はないね)

 

(ごめんにゃさいにゃ……僕達が変な物を食べさせちゃったからにゃ……)

 

(平気だよ!絶対そのうち何があるよ)

 

だが、予想に反して特に変わったことはなく数日が過ぎた。謝ることはないとアイルー達を宥めて自分達の集落に帰した後、火山で何かないかと探していた。

 

(他に何かないかな……この辺りは探し尽くした気がするからもうないのかな……)

 

すると空が曇った。いきなりだったので驚いて空を見上げると原因が分かった。何か大きな影が自分の上にいたのだ。その影は自分を追い越すとゆっくり旋回しながらこちらに着地した。

 

(おや、貴方でしたか)

 

(カドラさん?)

 

なんでカドラさんがこんなところに?住んでる場所はもう少し向こうだった気がするけど。

 

(いや、ここ数日前に凄く大きな加護の力を感じたのですが……まさか貴方だったとは)

 

(大きな加護ですか?)

 

(えぇ、ここ最近なにか変わったことはないですか?)

 

(特に……あっ、でもアイルー達に小さな光ってる石みたいなの物を幾つか貰ったのでそれを食べました)

 

(小さな光る石………もしかして宝玉ですか?!)

 

(えっ!………えと、分からないです。アイルー達がこれを食べれば発熱器官もつくかもしれないって。私がそういう物がないか頼んだんです)

 

(これは面倒なことになりそうですね………とりあえず移動しましょう。ここでハンターに遭遇すると不味いですから)

 

そういってカドラさんは飛んで行ってしまった。慌てて着いて行くと前にカドラさんとあった場所についた。

 

(ここなら大丈夫でしょう。さて、まず貴方が食べてしまったものですがあれは宝玉と言われているものです)

 

(宝玉……ですか?)

 

(えぇ、宝玉とは言わば力の源。私達がハンター達に恐れられている力はこの宝玉の力なんです。もちろん私も持ってますよ)

 

(私も持ってたりするんですか?)

 

(ナルガクルガ希少種のステルスは周囲の環境と自分の体を使った擬態に近いものなので宝玉の力ではない…………はずです)

 

(はず?)

 

(なんと言うか…………無いはずなんですけど貴方からは色々な宝玉の力、言い換えれば加護が感じられるんです。それに貴方本来の加護も何だか前にあった時よりもだいぶ変容しているみたいですね)

 

(えっと…………つまり力が強くなったってことですか?)

 

(力が強くなったというよりは扱える力が増えた、と言ったほうが正しいですね。さっき言った通り加護の力が増えたのですから。僕は水を除く四属性の加護が在りますが、貴方はそれ以上にたくさんの加護が感じられるんです。おそらく僕以上にあると)

 

(そ、そうですか…………あの、私の加護はどんな感じなんですか?)

 

(そういえば聞いてませんでしたが、貴方自身の加護は何なんですか?)

 

(ミズハさんは崇拝だろうって言ってました)

 

(崇拝ですか…………そうするとだいぶ変わりましたしおそらくより強制力が増した感じになると思います)

 

(……本当ですか?)

 

(えぇ、さしずめ狂信や盲信と言ったところでしょうか?まだ力に馴染んでいないのでそこまでの効力は発揮しませんが、最終的にはおそらく……神と崇められる可能性もないとは言い切れません。それほど加護の力は良くも悪くも強力です)

 

(……………そうですか)

 

(今日は休んでください。このまま悩んでもいいことはありません。もし何かあったら僕も力になりますよ。乗りかかった船ですし)

 

(有り難うございます……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(非常に不味い方向に傾きそうですね。彼女が力の方向性だけでも決めることが出来ればいいのですが………それに、おそらくあの(・・)宝玉も食べたのでしょう。まったく、普通宝玉なんていくつも食べたら自壊するか精神が耐え切れないのに………あの者はどうなってるんでしょうね


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