主人公の見た目は作者の趣味で構成されています。
後半はほぼギャグです。
ある日、渓流でいつものように食事をしていると草むらの影に見たことの無い茸が生えていた。傘が真っ赤で白い大きな丸が等間隔に並び、柄の部分には目のような模様があった。見たことの無い珍しい茸だったため好奇心から一口食べてみた。
(なにこれ………凄く不味い………キュー)
そのまま私はあまりの不味さにその場で気絶してしまった。
気がつくといつもの高台……ではなく茸を食べてそのまま気絶していたのか、草むらに倒れていた。
「うぇ…………何あの茸、不味いってレベルじゃなかったよ。もう二度と食べ……?」
人間の声が聞こえた。辺りを見渡してみるが特に違和感は……あれ?なんか視線が低くなった気がする。
「うぇ?!」
体を見てみるといつもの白い体毛が生えた身体ではなく白いワンピースのような服を着た人間の子供の体だった。ぎこちなく体を動かしながらも急いで近くの川を覗きこんでみると赤い目をした白い髪の毛の女の子がいた。
「に……人間になったー?!」
私の悲鳴が渓流中に響き渡った。考えをまとめるために混乱する頭でいつもの高台に戻ろうとするが困ってしまった。ハンターが来れない場所を選んだせいでこの小さな体じゃどうやっても高台まで登ることができなかった。仕方ないので高台の下で今朝アオアシラが持ってきてくれた蜂蜜を舐めてた。手が汚れるがいまさらなので気にしない。するとジンオウガが向こうからやってきた。近くまで来ると私の姿が変わってる事に気づいたのか、その場で止まりこちらを見てきた。
「えっと、私だよ?変な茸食べちゃって……あっ、そんな怖がらなくてもいいよ。むしろ私今何にも出来ないし……」
思わずその場に体育座りで落ち込み始めてしまった。私の姿を見てジンオウガが鼻をこちらに押し当ててきた。
「ごめんね、慰めてくれるの?………ありがとう」
そのままジンオウガが私の足元に顔を入れるとそのまま持ち上げて首に私を乗せてしまった。
「わぁ…!すごい眺め!」
ナルガクルガは元々目線が低いため、ジャギィとかとほとんど同じ目線て生活していた。しかも私は他のナルガクルガよりも体が一回り小さいためほとんど地面に近い目線で生活していた。そのためジンオウガの上に乗ってみる景色はいつもと違って新鮮味があふれていた。ジンオウガは私を乗せたままゆっくりとした速度で渓流内を歩きまわった。途中でドスファンゴと交代して全力疾走する爽快感を味わったり、リオレイアの背中に乗って渓流を眺めながらゆっくり飛んでもらったりした。
「楽しかったー!久々にこんなに遊んだよ!」
夜は夜で渓流中のモンスターを集めてみんなで食事をしたり、リオレウスの火球とジンオウガの雷玉を空中でぶつけて花火もどきを見て楽しんだり、いつもの身体じゃ楽しめない一日だった。寝るときも高台の下にみんなで集まり寄り添って寝た。みんなが寝るまではジャギィが吠えてイビルジョーが切れかけたり、ドボルベルクの寝相が意外と悪く尻尾で危うく潰されかけたりとハプニングもあったが最後は近くにいたジンオウガの足元に顔を載せて眠った。
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(て事がこの前あったんだよ)
(なるほど、モンスターでありながらヒトの身になるとはある意味古龍よりも珍しい経験をしたようだな)
(残念ねぇ!あたしもルミナスちゃんの可愛い姿を見たかったわぁ!)
(確かにそれは一見の価値があったかもしれませんね。しかしっ!やはりこの世の究極の美はミラルーツ様に決まっています!むしろそれ以外あり得ません!)
(あらやだぁ。あたしも十分綺麗じゃなぁい?)
(黙ってろこのオカマ野郎!)
(だぁれがオカマ野郎だってぇ?!あんま調子こくとはたき落とすぞナルシスト野郎!あぁ?!)
(ここで暴れるな馬鹿共!)
(ぎゃあああああああ!!)
(有り難うございます!!)
(………うん、見事にいつも通りだよ)