ここ最近、体調が優れない。残念な事に理由は分かってるし原因は自分だ。おそらくラージャンが掛かっていたあの黒い煙みたいな病気に掛かったのだろう。体色は変わりないがおそらく目は開きっぱなしだろう。自分でも頭の中に靄がかかりうまく考えがまとまらない時が出て来た。体の中で病原菌が浸食してるのだろう。最近食欲がいつもより増えてる。いつもなら遠慮していたのに今はみんなが持って来てくれる物を片っ端から食べてるし、そもそも皆空気を感じってるのか私に必要以上に寄って来なくなった。
(不味いなぁ……どうにかこれを直さないと。力技じゃあどうにもならなそうだし)
かと言って有効な手段を取れるわけでもない。今はとにかく耐えるしか無かった。
次の日、相変わらず頭がクラクラしてそろそろ本格的にヤバくなりそうになってる時に久しぶりにジャギィ達が現れた。見ると背中にアイルーが乗っていて割とコミカルな絵面になってた。
(聞こえるかにゃ!まだ意識ははっきりしてるかにゃ!)
(……うーん、なんとか…)
(それは多分、ゴア・マガラの狂竜ウィルスにゃ!これを食べるといいにゃ!)
そう言ってアイルー達が小さな石ころみたいな物を口の中に入れてきた。正直変化もないしお腹も膨れないので意味がないと思うんだけど……
(これ何……?)
(つべこべ言わずさっさと全部食べるにゃ!後からもっと来るんだにゃ!)
それからしばらくは朝起きてアイルー達に口の中に石を投げ込まれ、夜まで寝る。また起きて口の中に、投げ込まれ寝る、のサイクルを繰り返した。そして一週間程すると
(完全復活ー!)
(やったにゃ!成功にゃー!)
モンスターの脅威の生命力で復活した。頭の中も今まで以上にすっきりクリアになって気分爽快だ。アイルー達に今まで食べさせていた物が何なのか聞くと、抗竜石と言うらしくどうやら最近になって人間が開発に成功したものを私が狂竜ウィルスに感染したと聞いた時にアイルー達が取引で貰ってきてくれたらしい。この時ばかりは本気でアイルー達に感謝した。今度一週間くらい何か手伝える事があったら手伝っておこう。命の恩人だよ。
(ホントに有り難うございます!あとちょっとでもう駄目かと思いましたよ)
(とんでもないにゃ、それに貴方がいたおかげで孤島でイビルジョーが暴れなくなったにゃ!)
(そう言えば最近イビルジョーの姿見てないんだけどどこにいるか知ってる?)
(さぁ……この前まで孤島にいたのは確かにゃ。その後は僕達にも分からないにゃ)
(そっか、有難う…………久しぶりに蜂蜜食べれるぞ!最近は鉱石か生肉だけだったしテンション上がるよ!やっほー!)
バチィッ!
(…………………)
(…………………今の、雷かにゃ?)
(…………………私は何も見なかったし、雷のビームなんて出さなかった。イイね?)
(あっハイニャ)
(せっかくウィルスを治したのにまた変なことになるよぉ!)
(………ご愁傷さまだにゃ)