アイルー達の集落を後にして私は島の中を探しまわっていた。蜂の巣があるところや茸が群生している場所に明らかに大型モンスターが来た跡があったが当の本人達は見つからず結果夜まで探しても見つからなかった。
(どこにいるんだろう……もうここにはいないのかな?)
イビルジョーは大体何処のエリアにも出るって友だちが言ってたけど、今はどこだろう。ここにはもういないとして、沼地……は何かぬかるみとかで来なさそう。ミズハさんがいた場所は多分イビルジョーは知らないと思う。火山と砂漠は蜂蜜なかったし。
(てことは……渓流に帰った?)
可能性としてはありえる話だった。それに久々に渓流に戻ってみるのもありかも知れない。
(帰ってみますか、渓流にでも!)
(疲れた…………)
そのまま徹夜覚悟で飛び続けた為辿り着いたのはもう少ししたら太陽が顔を出し始める時間だった。空はまだ暗いがあと一時間もしたら東の方は明るくなり始めるだろう。
(考えてみれば、朝までは一日中飛んでその後に徹夜で飛んできたのか、少しでいいから寝よう。じゃないと体が持たないわ)
いつもの懐かしい高台に着地するとそのまま眠りについた。
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(…………ギャアギャア五月蠅いなぁ。もう少しくらい寝かせてよ)
軽く意識が目覚めると下の方で何かが凄い吠えてる。というか下だけじゃなくて渓流全体から聞こえてくる。これは流石に何かあったのかと思い顔だけ起こすと
(………なんか増えてない?)
ここを去る直前はドスジャギィ達とジンオウガ、イビルジョー、ドボルベルクしかいなかったが高台から覗くとそれにアオアシラやドスファンゴ、更にはナルガクルガの亜種までいた。ついで上を見ると金色と銀色が太陽でキラキラ光っていた。多分、前にハンターが言ってたリオレイアとリオレウスの希少種だと思う。メッチャ綺麗だけど
(朝っぱらから騒がれるとこっちも迷惑なんだよなぁ)
しかも、肝心のイビルジョーはどこにも居なかった。あとから来るのだろうか。
(けどもう少し寝かせて欲しいんだけど、どうやって静かにしてもらおう……)
咆哮ですぐ終わるがそうすると眠気も飛ぶのでかわりに二本の尻尾を左右の岩壁に向かって叩きつけた。適当に音でも鳴らせればよかったのだけど
ズガンッ!
と言う轟音と共に壁がひび割れるとは思わなかった。モンスター達も黙りこくってるしジャギィなんか逃げてってる。
(…………なんか、我儘ですいません)
ともかく予想外だったが静かになったためもう一眠りすることにした。
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白帝竜観測隊からギルド本部に連絡
姿を消していた白帝竜が渓流に再び戻ってきました。その為渓流に住むモンスター達が非常に活発になると予想されましたが、白帝竜が尻尾を壁に叩きつけることによって自体の沈静化を測ったようです。また観測の結果、各地の鳥竜種が連携をしたり一部のアイルーとメラルーが食料を運ぶといった行動が見られます。このことから白帝竜の勢力圏が多大な範囲に及んでいると思われます。ですので反乱や暴動が起きない内に討伐することを提案します。
ギルド本部より白帝竜観測隊に連絡
了解しました。今回の情報で各地のギルドに白帝竜の討伐依頼を分散させ、より強いハンター達に依頼をかける事になりました。受けることの出来るハンターはG級のみ、またギルドから一人調査隊を派遣する事も含めての依頼となりました。討伐を進めるため、引き続き行動パターンや弱点などの情報があったら報告をお願いします。
クエスト名『女帝の帰還』
依頼者:ギルド本部
クエスト内容:これまで各地で目撃されていた白帝竜が再び渓流に帰ってきた。このナルガクルガは各地を彷徨ったこともあり非常に多彩な進化を遂げた。またエリア内には女帝を守る大型モンスターも複数確認されている。細心の注意を払ってこのクエストに臨んでもらいたい。
契約金:1500z
報奨金:45000z