(やっと辿り着いたー!ついに孤島上陸!)
あれから一日中空の旅を続けた結果見事孤島を見つけることに成功した。孤島と言っても潮の関係で朝と夜に一度ずつ海の上に道が出来るが僅かな時間のため殆どのモンスターはここに来ない。空を飛ぶものは別だけど。来てもハンターくらいだ。
(久しぶりに美味しい物食べられる!楽しみだなぁ!)
火山や沼地にも茸や鉱石などの食べ物は豊富にあったけどやっぱりたまには蜂蜜も食べたいし魚とか果物も必要だよね。そうして島の中を巡ってみたがおかしな事に他のモンスターの姿がどこにも見えなかった。たまにアプトノスらしき影を見るがどれも島の奥や鬱蒼とした森の中に逃げてしまった。すると岩陰に動くものを発見した。
(あれってアイルー?実際に見ると小さいな。……今は私大きくなってるから比較対象が違うじゃん)
アイルーは岩陰にある茸を取ろうとした結果岩のスキマに挟まったらしくもがいていた。尻尾を下に差し込むとゆっくり上に持ち上げた。アイルーは突然持ち上げられたためびっくりしていたがこっちを見ると何故か首を傾げた。そのまま固まっていたが納得したのか尻尾伝いに背中に名乗るとペシペシ叩いてきた。
(……なんか便利者扱いされてる気がするのは気のせいかな……)
歩き出すとたまにアイルーが尻尾を掴んで進みたい方向に曲げる。途中から面倒くさくなったので尻尾の先にアイルーを乗せると顔の近くまで伸ばした。これならいちいち動く尻尾を捕まえようとしないでいいだろう。しばらく左に右に進み、上に飛んだりと繰り返すと木の板で塞がれてる場所を発見した。私の上から降りたアイルーが木の板を何回か叩くとしばらくして仲間のアイルーが出てきたようだ。ちょっとだけ顔を出してこちらを確認すると板を全部外し始めた。
(私も来いってこと?そこ通れるのかな……)
結果からすればギリギリ通れた。通常のナルガクルガよりも小さかったため穴は通過できたけど背中が引っ掛ったり刃翼が掠ったりと疲れる穴抜けだった。穴を通った先はアイルーの集落らしくそこら中にアイルー達がいた。
(流れで来ちゃったけど良かったのかな?なんかみんなこっち見てるし警戒されてない?)
すると一番大きい家?の中から変な冠を被ったアイルーが出てきた。
(こんにちわにゃ。さっきは仲間を助けてくれてありがとうにゃ)
(アイルーも喋れるんですか?)
(喋れるというには語弊があるにゃ。僕達アイルーはヒトの言葉を理解するアイルーと他のモンスターの言葉を理解するアイルーがいるにゃ。たまに両方理解する者もいるけどあくまでたまににゃ)
(ヒトの言葉を理解するアイルーはハンター達に?)
(そうにゃ、ハンター達の狩りを手伝う代わりに色んにゃ取引をしてるにゃ)
(へぇ……じゃあ貴方は他のモンスターの言葉を理解するアイルー?)
(そうにゃ)
(そうなんですか……あと、聞きたい事があるんですけど。ここのモンスター達が島の奥とか逃げるのを見たんですけど何かあったんですか?)
(実はここ最近イビルジョーが来たんですにゃ)
イビルジョー?そぅだ思い出した!ゴーヤってイビルジョーじゃん。すっかり忘れてたよ。
(イビルジョーが?でもここって他にも色んなモンスターが来るしそこまでの事じゃないと思うんですけど)
(確かにイビルジョーもたまに来るにゃ。でも今回のやつは全然違うにゃ。あいつがいろんにゃエリアでモンスター達に何かを探すような指示を出してるニャ)
(それって誰を探してるんですか?)
(詳しくは分からにゃいけど、茸だったり魚だったり、特に蜂蜜のある場所に色んな大型のモンスターがやってくるにゃ)
(………蜂蜜?)
(蜂蜜にゃ)
(……………それもしかしたら私の知り合いかも知れません)
(にゃにゃ?!そうにゃんですか?ならあいつらにもう暴れにゃいように一発言ってほしいにゃ!)
(分かりました……すいません、知り合いが迷惑かけて)
(とんでもにゃいにゃ。それにさっき仲間を助けてくれたしこれでおあいこにゃ)
(有り難うございます。それじゃあそろそろ行きます)
(またここに来る事があったらここによってほしいニャ!)
(分かりました!必ず来ます!)