私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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気づいたらランキング入りしてました。
皆さん有難う御座います!


遭難

ミズハさんに加護のことを聞いたため自分の力を理解出来た。これならいつかはこの力を制御して自分の意志でオンオフ切り替えらることも可能かもしれない。そんなことを考えながら飛んでいたため気付いた頃には私はもうよく分からない場所に来ていた。周りを溶岩に囲まれていてまるで火山のようだったが、火山じゃあんな風に火柱が立つことなんてなかったからここは火山とは別の場所なのかな?

 

(慣れてて良かった……火山もそうだけどここも十分暑いよ。さっさと移動しちゃおう)

 

そのまま飛び立とうとすると足元に巨大な氷柱が突き刺さった。驚いて飛び退こうとしたがいつの間にか氷柱が脚と尻尾と地面をがっちり掴んで固まっていた。

 

(何者ですかな?ここは私が統べる土地。何人足りとも侵入することは許しませんよ)

 

溶岩の滝の上から話しかけてきたのは私の何倍もある真っ黒な龍だった。四足に翼とリーゼントみたいな角が生えていた。話しかけて来たってことはこの人は会話できる組なんだ。

 

(あの、ここには迷い込んだだけなんです!別に侵入とか…そういった事はなくて)

 

(貴方……古龍ではないのになぜ私達と意思疎通が出来るのですか?)

 

(えっ?)

 

寧ろ古龍じゃないと意思疎通出来ないの?だからあの時渓流でジンオウガに話しかけても反応なかったのか。だとしても私は古龍じゃないんだよな……あ

 

(もしかして……加護を持ってるからじゃないでしょうか?)

 

(加護の存在まで知ってるとは、一体誰に教えてもらったのですか?)

 

(えっと、ついさっきオオナズチのミズハさんて方が教えてくれました)

 

(………はぁ、あの方ですか)

 

(……何かあったんですか?)

 

(こちらを見ては身体をちょっとだけ触らせろ、としつこく……)

 

すいません、それ私もやられました。

 

(そうだったんですか………)

 

(しかし驚きました。古龍以外で加護をお持ちとは。申し遅れました、私は黒煌龍アルバトリオン。名前をカドラと言います)

 

(私はナルガクルガ希少種でルナミスって言います)

 

(ルミナスですか、素敵な名前ですね)

 

(この名前、アンセスさん……えっとミラルーツさんに貰ったんです)

 

(あの御方にあったことがあるんですか!)

 

(は、はい!)

 

(あぁ、あの高貴で麗しい身体。全てを見透かすようなあの紅く輝く瞳。そして怒りと共に撃ち放たれる雷!あの方こそ正しく神にふさわしい……)

 

(えっと、私そろそろ行きますね?)

 

(更には怒りと同時に現れる紅い雷の紋様。力強く羽ばたくその姿!どこをとっても究極の美が生み出した)

 

(すいません有り難うございました!)

 

これ以上はここに居るとアンセスさんについての話で日が暮れちゃうから悪いけど一人で話してる間に逃げよう。出来ればどっちに孤島があるか聞いておきたかったけどこうなったら勘で辿り着こう。どうにかして辿り着けばいいや。最悪また遭難でもしたら塔に戻ってから考えよう。

 

 

〜~~~~~~~~~

 

白帝竜観測隊からギルド本部に連絡

 

ここ数日で白帝竜の居場所が不明になっています。火山から飛び立つのを最後にその後は姿を表す事がありません。また見間違えかもしれませんが白帝竜が飛ぶ時に翼から炎が出たり、小型モンスターを食べる際に火を吹きかけて焼いて食べたような形跡が見られます。この食事方法を取るモンスターは火山にはおらず白帝竜が更なる進化を遂げた可能性があります。近隣の町や村に強く呼びかけて広範囲に注意を促してください。

 

 

ギルド本部より白帝竜観測隊に連絡

 

了解しました。火を吹いて肉を焼くと言った行為は今まではモンスターの食事には見られたことが無いため白帝竜にはある程度の知恵があるかも知れません。また白帝竜のこれまでの移動を追うと次は孤島や水没林の方向へ進んでいると思われます。捜索の際はそちらを探してみてください。注意に関しては既に行動範囲内に存在する街のギルド間で情報を交換し注意を呼びかけています。今後の調査報告によってはクエストの内容改定も視野に入れています。そちらの情報に期待しています。


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