私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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鉱石

(あっついなあ……砂漠で慣れて良かったわ。経由せずにここに来てたら間違いなくぶっ倒れてたわ)

 

ただいま火山の麓にある森林に来てます。がとにかく暑い。まだ火山までは距離があるのにここからでも熱気が飛んでくるのだから、実際に登り始めたら熱中症とか有り得そう。

 

(けどここで色々やらないと今度は寒い所に行けないだろうし。寧ろここ頑張ればただ踏ん張りが効かないだけの場所なんだよな。凍土とか雪山)

 

今回は少し遠出してユクモとポッケの中間辺りに位置する火山を選んだ。と言ってもユクモ側から来たせいか遠くで縦にローリングするのが見える。多分ウラガンキンだと思うから若干ユクモ寄りになってるが仕方ない。

 

(まずは恒例の食事からだね。砂漠と違って殆ど砂の大地じゃなくて、緑もちゃんとあるから久しぶりに茸とか食べれるわ)

 

落ちてる僅かな木の実と草食モンスターの食生活とは違ってここなら色々なものが食べれそうだった。

 

(まずは麓から探して徐々に上に登ってみますか。ついでにいい寝床も見つけないと)

 

 

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(そういえば、鉱石とかは今まで食べたことなかったけど美味しいのかな?)

 

試しにそこら辺に転がってる石を食べてみる。スナックみたいにイケるが味がしない。やっぱり鉱石をちゃんと掘らなきゃ駄目か。かと言っても爪はそこまで頑丈でもないし採掘なんてしようものなら一発目で折れる自信がある。やるにしても鉱石食べてからだ。

 

(そうだ、確か落としたら爆発する岩があったはずからそれ使えばいいかな?)

 

記憶を頼りに探すもなかなかそれらしいものが無い。

 

(うーん、見つからないな。衝撃に弱いなら棘で起爆してだいたいどこにあるかで探そう)

 

二本の尻尾を回し棘を一斉に前方に飛ばす。一本でも既にショットガン状態だった為今回は前面が棘で埋まった。と、一部で爆発が起こり壁が崩れた。

 

(お、ラッキー。一発目で当たったわ)

 

爆発が起きた壁を除くと岩の瓦礫の隙間にキラキラ光る鉱石がいくつか転がっていた。

 

(…………うん。普通に美味しい。じゃがりこ食べてる気分だ)

 

もっと探すため他にも色んな場所で起爆しては鉱石を食べの繰り返しで初日は終わった。

 

 

 

 

次の日

 

(………………はいはい、供物供物。もう私寝てるだけの生活をしてろって言われてるのかな……)

 

起きたら目の前に輝く瓦礫の山が出来上がっていた。がよく見ると全部鉱石のようだ。火山の方を見ると山頂付近で熱線が伸びてたり、上空からブレスが乱射されたり、赤いボールが幾つも壁に体当たりかましてたり、ゴツゴツした斜面をローリングしてるのが見えたり。もう軽い運動会モドキだった。

 

(そこまでして私に何を求めるんだ君たちは。私に神になれと?)

 

実際にジャギィなんかが襲われているのを見かけたら助けには入るがそれでも偶にだしそもそも関わったことない大型モンスターまで一緒になって暴れているのだから余計質が悪かった。

 

(…………食べよう。もう私は考えることをやめた)

 

 

 

 

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白帝竜観測隊からギルド本部に連絡

 

白帝竜が火山へと居を移動しました。それに伴い。火山でのパワーバランスも白帝竜を頂点とする物に変わったようです。また火山頂上付近ではモンスターが活発に採掘をするなどの行為が見られます。中には小型モンスターと協力するなどの面も。火山に近づく際の注意をお願いします。

 

 

ギルド本部より白帝竜観測隊に連絡

 

了解しました。おそらく今までの件から察するに鉱石は女王への供物のような扱いでしょう。また対象の尻尾が増えた事は他のモンスターには見られない独自の進化法の可能性があります。これがどのように作用するかは未知数な為その辺りも観測、お願い致します。


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