私の体はどうやらナルガクルガになったようです   作:粉プリン

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これもう、(あと幾つ新作が増えるか)わかんねえや


確認

どうも、突然ですが私はナルガクルガになっていました。まだそもそも私は誰だって思うでしょうけどね。ナルガクルガですよナルガクルガ、それも希少種。何を言っているか分からないと思うが、私も何を言っているのか分からない。頭がどうにかなりそうだった。不慮の事故とか神様転生とかそんなテンプレ物なんかじゃ断じてない。もっと恐ろしい物の片鱗を味わったよ……。

 

(と!ふざけるのはこのくらいにして。何処なんだろここ?体がナルガクルガに似てるから多分モンハンの世界だとは思うけど。友達と一緒に2ndから4Gまではやってたけど私下手くそだったからあんまり上位のモンスター知らないんだよね)

 

見た目はナルガクルガに似ていたが、よく見ると色が少し違った。首をひねって見える範囲内には今出ている月みたいな白く輝く白銀だし、これって噂に聞く亜種だったりするのかね?亜種は黒いのが強いと聞くけどね。それにそろそろこの世界の説明がないとどうやって生きていけばいいのか分からないよ……もう疲れたよパトラッシュ、ルール説明が欲しい……。

 

『月迅竜:ナルガクルガ希少種

 

性格は獰猛で攻撃的。体表の毛で月光を反射させ、更に周囲の霧に潜むことにより背景に違和感がないほど周囲の風景に溶けこむことが出来る』

 

(!……びっくりした。いきなり頭の中に声が響くなんて、もしかしてこれで念願の脳内オーダーが。まあ置いといて、にしても希少種?ナルガクルガって希少種もいたんだ。リオレウスとかリオレイアにしかいないと思ってた。しかも透明になれるなんて文字通りモンスターだね。まあそのモンスターになってるんだけど)

 

『なお、体細胞から空気中の水分を吸収しそれを霧散されることにより擬似的な霧を作り出すことが可能。また日中の太陽光の反射でも同化することが可能』

 

(……これ私のこと?月迅竜関係無いじゃん。水と光あれば光学迷彩モード維持できるじゃん。それなんて光合成?詐欺じゃん)

 

『また、食した物によって体細胞を進化させ体を文字通り作り変えていくことが可能。これによって各環境に適応することも可能』

 

(なんというグルメ細胞、確かナルガクルガって火が弱点だったよね?覚えてないけど、だとしたら火山がダメなのかね。希少種がどうかは分からないけど火炎草とか食べてたらいいのかな?どっかのテニスプレイヤーみたいに常時燃焼系になるのは勘弁だけど)

 

『進化は他のモンスターを捕食した時が一番成長率が高く、逆に植物はそこまで高くはない。無論、長期間食べ続ければ進化は十分可能』

 

(良かった。私どんくさいからあんまり狩りとか出来なさそうだし。というか面倒だし。というかこの体に違和感感じてなかったけど、普通いきなり四速歩行になったら戸惑うんじゃないの?もしかして私の順応度高過ぎ?)

 

『身体能力は通常の希少種よりも数倍の力を持ちこれらも捕食によって伸ばすことが出来る。また体内器官に特殊な物を持ち通常のナルガクルガには出来ない高度な動きも可能』

 

(ついに便利な脳内辞書となった謎の声。ファミチキください。なら私はなぜここに生まれたの?)

 

『……………………』

 

(自分の脳内ボイスに無視食らったわ。悲しい……けど感じちゃう……とりあえず行動しよ、ふざけるのも飽きてきたし。動かないとこんな世界じゃいつ殺られてもおかしくないですしお寿司)

 

そう思い身体を起こした。といっても四肢を地面につけて寝そべった状態から普通の四足歩行に戻っただけどね。どうやら高い場所にいるらしい。こんなエリアあったっけ?と記憶を探ると辛うじて塔の立ってるエリアがあったはずと思いだした。確か塔の上から飛び降りれないか試すためにクエスト一つを時間切れにした覚えがある。

 

(そういえば友達が古龍が倒せないとか言ってたけどここにも出るのかな?)

 

辺りにはモンスターの気配は無かった。もしあったとしたら死んでるだろうけどね。もちろん自分が。

 

(とりあえずはここを拠点にするとしてお腹も減ったし何か食べ物でも探しに行こう。寝て食べる子は育つ、身長ください)

 

そう思い立ち今いる広間の端まで来た。今更だけどものすごく高い。どれくらいかと聞かれたら真下の地面が見えないくらいには高い、高過ぎでしょうが……昔の人の建築技術は化け物か……

 

(確か身体能力は通常のナルガクルガの数倍だっけ。ゲームだとリオレウスとか見たいにゆっくり着地じゃなくて飛び降りてたけど、ここから行けるかな?着地してアシクビヲクジキマシター‼︎とかされても困るけどね)

 

しばらくウロウロしてたが仕方ない。根性で降りてみることにした。男は度胸だ、私女だけど。軽く後ろに下がり、助走をつけてダイビング。風を切ってまっすぐに地面に吸い込まれる。そのまま周りの風景を楽しむ暇もなくそのまま地面に着地した。痛い、文字通りビターンッと腹から地面に落ちてしまった。プールで飛び込みに失敗した時を思い出したよ。

 

(いっっっった……まだ慣れてないのかな。脚が正座した後みたいにビリビリしてる……お腹なんか中身出て来ちゃいそう……オェ)

 

着地できたことには変わらないので食料を探しに行くことにした。いつまでもこんなとこに居たくないしね。もう嫌、こんなところになんて居たくないわ!死にそう。が、

 

「おい、どうするんだよ……!」

 

「落ち着け、焦るな……!」

 

「そうよ……!まずは様子を探りましょう!」

 

目の前で三人のハンターの格好をした男女が武器を構え始めた為早くも雲行きが怪しくなってきた。死にそうなのは自分じゃなくて相手側だったか……南無三。


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