「それにしても作者､小説ばかり書いていていいのか?」
･･･まあ､皆様が楽しんでいただける小説を書くのが自分の仕事なので･･･｡
「おいおい･･･本末転倒だろそれ･･･｡」
ええいっ！それでも自分は書き続ける！
皆様！どうか感想というなのパワーを下さい！！
黒ウサギたちとコミュニティに向かって歩いていると､十六夜に話しかけられた。
「なあ結城､ちょっと世界の果てまで一緒にいかねぇか?」
「世界の果てか?う～ん･･･確かに行っては見たいが黒ウサギに迷惑が掛からないか?」
「行ってきてもいいか?」なんて聞いても「駄目です！」なんて言われそうだしな｡
「なら気付かれる前にとっとと行こうぜ！黒ウサギは迷惑掛けてなんぼだろ?」
十六夜･･･それはいくら何でも酷過ぎるぞ･････｡
このままじゃあ本当に{黒ウサギ}から{苦労サギ}なんて呼ばれるかもしれないな･･･。
「･･･しかし､せっかく箱庭なんて所に来たんだ､行かなければ損だな｡」
「よっしゃ！やっぱそう来なくちゃな！！」
十六夜はそう叫ぶと､俺の腕を掴んで物凄いスピードで走り出した｡
後で黒ウサギに謝らないとな･･･。
～三人称said～
十六夜と結城が世界の果てに向かってしばらくたった頃｡
残った飛鳥と春日部､黒ウサギは都市の外壁まで辿り着いていた｡
入り口には一人の少年が座っており、それを見た黒ウサギがピンと耳をたてて走り寄っていった｡
「ジン坊っちゃ～ん！！新しい方を連れて参りましたよ～！！」
近付いてくる黒ウサギに笑顔を向ける少年は、後ろの二人を見ると､待ってましたといわんばかりに
声を掛けた｡
「お帰り黒ウサギ｡そちらの女性二人が?」
「はい！こちらの御四人様方が.....」
クルリと振り向いた黒ウサギはそこにいるはずの存在が見当たらず､体がカチンと硬直する｡
「...........え?.......あれ?私の記憶に間違いがなければ､あとお二方いませんでしたっけ?
ちょっと目付きが悪くて､口が悪くて､全身から【俺問題児！】ってオーラを出している殿方と、
可憐で、とても優しくて、和服を着ていたまるで【大和撫子】のような殿方が･･･｡」
「ああ････十六夜君と結城君の事?
彼らなら『ちょっと世界の果てを見て来るぜ！』っていって、あっちの方に走り去って行ったわ｡
まあ･･･結城君は十六夜君に掴まれて拐われたみたいだったけどね･･･｡」
飛鳥はそういい遥か遠くの断崖絶壁を指さした｡
「な、なんで止めてくれなかったんですか！?」
「だって『止めてくれるなよ』って言われたんだもの｡」
「な、ならなんで黒ウサギに教えてくれなかったんですか！?」
「･････『黒ウサギにはいうなよ』と言われたから｡」
「嘘です､絶対嘘です！実は面倒くさかっただけでしょう皆様方！！」
「「うん」」
黒ウサギがガックリと項垂れる中､ジンが話を聞いて蒼白になって叫ぶ｡
「た、大変です！世界の果てには野放しにされている幻獣が！」
「幻獣?」
「は、はい｡ギフトを持った獣を差す言葉で、出くわせば最後､とても人間が太刀打ちできる相手では有りません！」
「あら、それじゃあ彼らはもうゲームオーバーなの?」
「･････ゲーム参加前にゲームオーバー?･･･斬新?」
「冗談を言っている場合では有りません！」
ジンは彼らの身を案じているのか､事の重大さを伝えようと必死だった｡
「ハァ･･･。
ジン坊っちゃん､申し訳有りませんが､御二方のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「分かったよ。黒ウサギはどうするの?」
「･････問題児様方を捕まえて参ります｡
･･･事のついでに【箱庭の貴族】と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にした事を骨の髄まで後悔
させてやりますので！！」
そう言った黒ウサギの水色の綺麗な長髪が桃色に染まり､ウサ耳をピーンと立てた｡
飛び上がった黒ウサギは外門の側にあった門柱に水平に張り付き､飛鳥達をみた。
「一刻ほどで戻ります！
皆様は素敵な箱庭ライフを御堪能ございませっ！！」
黒ウサギは壁に亀裂が入る程の力で飛び出していった。
その速度は､飛鳥達の視線から一瞬で消えるものだった｡
「･････箱庭の兎は随分早く跳べるのね･･･素直に感心するわ･･･。」
「黒ウサギは箱庭の創始者の眷族｡
力もそうですが､様々なギフトをあわせ持った他に特殊な権限を持ち合わせた貴種です。
彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り､大丈夫だと思うのですが･･･｡」
「･･･黒ウサギも御堪能下さいと言っていたし､お言葉に甘えるとしましょう｡
貴方がエスコートしてくれるのかしら?」
「えっ･････あっ、はい！
僕はコミュニティのリーダーを勤めさせていただいております､
【ジン＝ラッセル】と申します｡齢十二歳になったばかりの若輩ですが､宜しくお願いします｡
よろしければ､御二人のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「久遠飛鳥よ。そっちで猫を抱えているのが。」
「･････春日部耀｡」
「････さあ、さっそく箱庭に入りましょう｡
まずは､そうね。軽い食事でも取りながら話を聞かせてくれると嬉しいわ｡」
飛鳥達はそう言いながら､箱庭に入っていった。
～Said Out～
「なあ、結城｡」
「なんだ?十六夜｡」
「俺､今はかなりの速さで走ってるんだが･･･なんでついてこれるんだ?」
「これくらいなら余裕だ。なんせ､死に物狂いで修行したからな･･･。」
「そ、そうか･･･。」
なんて会話をしながら､新幹線も涙目のスピードで森の中を走っていると､
ついに世界の果てに到着した｡
「こりゃすげぇ･･･｡」
「これ程とはな･･･｡」
俺たちの目の前に映ったのは、この世の物とは思えない程の美しい滝だった｡
勢いよく流れる水はとても澄んでいて､宝石のようだった｡
滝から出た水飛沫が日光で輝き､それが森と合わさって､神秘的な風景を作り出していた｡
確かこの滝の名前は、【トリトニスの大滝】だったか?
俺と十六夜がしばらく滝に見とれていたら､突然滝の中からから巨大なものが現れた｡
『GUGYAOOOooooaaaa！！！！』
現れたのは､巨大な蛇神だった｡
実際に見るとかなりでかいな･･･。
だが､そんなに強くはないな。神界の一番弱い神の方がまだ強かったぞ。
『何故人間の小僧と小娘がこんなところにいる?』
威圧を含めた声で､俺たちに問いかけてきた。
「へぇ･･･この蛇しゃべんのか､さすが箱庭ってところだな｡」
「十六夜､これは蛇じゃなく蛇神だ。といっても神を名乗れる程の強さは無いが･･･｡」
俺たちがそう言うと､蛇神が怒り怒鳴った｡
『貴様らぁぁぁ！！！！
誰にものを言っているのか分かっているのかぁぁぁぁ！！！！』
「「お前にだよ､蛇神(笑)」」
間髪入れずに俺たちは返した｡
『いいだろう！！
貴様らには我の試練でどこまでやれるか試してやる！！』
「ハッ！寝言は寝ていえよデカ蛇｡
お前が俺たちを試す事なんか出来ねえよ｡
むしろ俺がお前を試したいぐらいだぜ｡」
蛇神と十六夜は一式触発の状態に入っていた｡
これは俺の出番はないな･･･。
―――――――――――――
『ぐっ！！』
「おらおらどうしたぁ！この程度かよ！?」
なんて事を続けていると､髪の色が変わった黒ウサギがやって来た｡
「ええっと、確かこの辺･･･。」
「お前､もしかして黒ウサギか?随分変わったな｡」
「ああっ！?結城さん！もうっ一体何処まで来ているんですか！！」
「あ～すまん黒ウサギ､せっかく箱庭に来たんだ､世界の果てをどうして見たくてな､
今度しっかり償うから許してくれないか?」
頭を下げ黒ウサギに謝罪する｡
「ええっ！?そ､その･･･分かってくれればいいんです！
黒ウサギも言い過ぎました！だから頭をあげてください！！」
「本当か?ありがとう黒ウサギ」ﾆｺｯ
俺がそう言うと黒ウサギは顔を赤くする､なんだ?過呼吸か?
ザバアァァァァァァン！！！！
音がした方を見て見ると､十六夜がどうやら勝ったようだ。
「お疲れ､十六夜ってそれほど疲れてないか｡」
「ヤハハ､当たりまえだ、だが準備運動程度にはなったかもな｡」
「い、十六夜さん！心配したのですよ！
勝手な行動をしないで下さい！！」
「お前黒ウサギか?わりぃわりぃ｡
しかし俺たちに追い付くなんていい足を持ってるな｡」
「むっ、それは当然です｡
黒ウサギは【箱庭の貴族】と呼ばれる貴種なのですから｡
その黒ウサギが･･･あれ?」
黒ウサギは首を傾げた｡
恐らく自分が半刻以上もの間､追い付く事が出来なかった事に疑問を感じているんだろう｡
「と、とにかく御二人がご無事でよかったです､森の幻獣達から二人が水神にゲームを挑んだと聞いて､
ヒヤヒヤしました｡」
「「水神?もしかしてあれの事か?」」
『まだ、まだ試練は終わっていないぞ小僧！！！！』
「じゃ、蛇神！?って！どうやったらここまで怒らせられるのですか！！」
「なぁに、こいつが偉そうに試練を選べって言ってきたから返り討ちにしてやっただけだ。」
『いきがるなよ！！小僧！！！』
そう言うと､蛇神は巨大な竜巻を作り出した｡
洪水､土砂､暴風､人間の災害をまとめて一つにしたようなものだな｡
だが､これくらいじゃあ十六夜にはかすり傷さえ与えられないな｡
「っ！?十六夜さん下がって！！」
「バカな事を言うんじゃねえ黒ウサギ｡
下がんのはてめえの方だろうが｡
これは俺が売って､奴が買ったケンカだ！邪魔するならお前からぶっ飛ばすぞ！黒ウサギ！」
そう言って黒ウサギを怯ませた｡
『その心意気は買ってやろう。
それに免じ､この一撃を防げば貴様の勝利を認めてやる！！』
「ハッ！さっきも言ったが寝言は寝て言え｡
決闘ってのは勝者を決めて終わるんじゃない､敗者を決めて終わるだよ！！」
『フンッ！その戯れ言が貴様の最期だ！！』
そう言うと竜巻は更に威力を増し､接近した｡
「十六夜さんっ！！！！」
「カッ！しゃらくせえぇ！！」
そう言うと十六夜は､巨大な竜巻を――拳でかっ消した｡
しかし､まだ巨大な一本がこちらに迫って来ていた｡
「十六夜！消すなら全部消せ！！」
「ヤハハ！お前も少しはやってみろ！」
ハァ･･･仕方ない｡
俺はそう思うと､足に力をほんの少し入れて覇気を纏い､竜巻を蹴りあげた｡
ドッッパァァァァン！！
「嘘！?」
『バカな！?』
「ま、なかなかだったぜ、お前｡」
そう言って､十六夜は蛇神を気絶させた｡
「クッソ､今日はよく濡れる日だぜ･･･クリーニング代は出るんだよな?黒ウサギ?」
「十六夜､よかったら乾かそうか?」
「おっ、まじか！頼む｡」
俺は指を鳴らし､十六夜についていた水をすべて払った｡
「サンキュー結城､お前こんな事も出来るんだな｡」
「まあな｡大概の事なら出来るぞ｡」
「へぇ･･･やっぱ面白いな､結城｡
それより、おい黒ウサギ､何ボーッとしてんだ?そのままだと胸とか足とか揉むぞ?」
「えっ?きゃあ！?あ、貴方はお馬鹿ですか?
ニ百年守って来た黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか！?
「ニ百年守って来た貞操?やべ、超傷付けたい！」
「黙らっしゃい！このお馬鹿様！」
スパンッ！！と良い音を立てて巨大なハリセンで叩かれる十六夜､どっから出したんだ?
「十六夜･･･少しは自重しろ｡」ﾎﾟｽﾝ
そう言って十六夜の頭を軽く叩く｡
「ヤハハ､冗談だぜ?」
その割りには目が本気だったぞ･･･。
さて･･･黒ウサギに聞きたかった事を聞くか｡
だが、その前に･････
「お～い蛇神､大丈夫か?」
俺は十六夜が倒した蛇神の元に行き､状態を確認した｡
『ｳｯ･････に､人間の小娘か、なんだ?我を笑いに来たのか･･･?』
蛇神は弱々しい声と態度で話かけてきた｡
「いや､知り合いがやり過ぎたからな､そのお詫びだ｡」
俺はそう言って能力で仙豆と虹の実を作り､蛇神に渡す｡
『こ･･･これは?』
「この豆は仙豆といって治療にもってこいの能力をもった豆だ。
まあ食べれば分かる､ほら､口を開けろ｡」
俺は蛇神の口を開けて仙豆を放り込む｡
『ｺﾞｸｯ･･･な､なんだと！?傷が･･･！』
仙豆を飲み込んだ瞬間､蛇神の傷が一瞬にして治った｡
「治ったようだな､よかったよかった｡」
『･････なぜこんな事をする｡』
蛇神は警戒する様な目で俺に聞いてきた｡
「別に怪我をしている奴を治すのに理由はいらないだろ?
それに最後の攻撃は中々良かったからな､そのお礼だ｡」
『･･･お前は変わっているな｡』
「ハハ､よく言われるな｡
だが､まだまだ甘いぞ､もっと強くなれ｡
これはその激励だ｡」
俺はそう言って虹の実を差し出す｡
『･･･優しいのだな､小娘｡』
「･･･なあ､さっきから言おうと思っていたんだが･･･
俺は男だ｡」
『な､なんだと！?
それは本当か！?』
「本当だよ･･･｡」
もうなれたと思ったんだが･･･ここまで驚かれると流石にくるな･･･。
「まあ､これで言いたいことは終わりだ､またな、蛇神｡」
優しく笑ってこの場を去る｡
『っ///､ああ､またな･･･｡』
～主人公Said Out～
･･･なんとも不思議な奴だ｡
また会えるといいな･･･今度は人の姿で･･･。
～蛇神Said Out～
どうでしたか?
白雪姫も個人的には好きなキャラクターなので､
ハーレムメンバーに加えてしまいました｡
「･･･なあ作者､別にハーレムメンバーが増やすのは百歩譲って良いとして､
増やし過ぎるとこれからが辛いぞ?」
良いんです！私はやりたい事は実行する主義なので！！
「まあ作者がいいなら別に良いが･･･読者の皆､こんな作者だが､
今後とも小説と共によろしく頼む｡」
お願いします！感想お待ちしてます！