ステルス・ブレット   作:トーマフ・イーシャ

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前書きってなにかくの……?
ホモホモ言っててくだらない展開かもしれませんが3話までお付き合いいただけたらと思います。


破滅の始まり

「なぁ、比企谷。私が授業で出した課題は何だったかな?」

 

「……はぁ、『高校生活を振り返って』というテーマの作文でしたが?」

 

昼休み、俺は平塚先生に呼び出された。

 

「そうだな。それでなぜ君はこんなこの世界への不満をぶちまけたような文章を書き上げてるんだ? それもなんだこの最後の『青春を謳歌せし者たちよ、形象崩壊しろ』とは! えぐいわ!」

 

そういわれても、それが率直な感想だ。俺たち民警が命がけでガストレアと戦って日銭を稼いでるのに、あいつらが親の金でウェイウェイ楽しそうにしてるとイラっとする。別に俺も本気であいつらが死ねばいいとは思っていない。ホントだよ?ちょっとガストレアに襲われて醜くオトモダチを差し出しながら逃げる様が見れればいいかなって思うくらい。

 

昨日、俺のアパートの隣部屋に住むペド見が夜中遅くまでハッスルしていたため、ほとんど眠れなかった。ペド見君はとっとと通報されて豚箱で過ごせばいいと思いました。ガストレアが来れば俺がこっそり脱獄させてやるから、それ以外は獄中生活を満喫してろ。それで平塚先生の授業中に寝てしまい、こうして連れてこられた。最初は授業態度の話だったが、いつの間にか先日の課題についての話に変わってしまった。話の主題がずれてもそのまま長々と喋るとかもう歳「衝撃の……」実に仕事に熱心な若手教師である。

 

「はぁ、君は昼食がまだだろう? とりあえず戻りたまえ。放課後、職員室に来るように」

 

怖い。放課後までおびえて授業受けにゃならなくなるじゃねえか。今言ってくれたほうが楽だ。先生が痴呆で忘れてくれてたりしない「ファーストブリッ……」若年性痴呆にならんかな。これでいいの?いいんだ。

 

 

 

教室に戻ってみると、なんだか教室が騒がしい。入りたくねぇ、何を言ってるかよく聞こえんが嫌だなあ。

 

「比企谷? 誰?」

 

おい、いまのは聞きたくなかったよ。俺の主人公的難聴スキルちゃんと仕事しろよ。逆に俺のステルススキルは仕事しすぎ。俺?仕事したくない。

 

教室の戸を開けるとそこには、黒のセーラー服の美少女。ウチの社長だ。

 

「あ、ちょっと比企谷君! ちゃんと仕事の電話には出なさいよね! 仕事の時間よ。 さあ、いくわよ!」

 

どこにだよ。ていうかなんでここにいるの? 学校は?

 

「ひ、ヒッキー? この人、誰?」

 

ヒッキーて俺? というかそちらこそ誰なの?

 

「あー上司だ。 行くぞ社長」

 

「あ、ちょっと! というか仕事外で社長って言わないで。」

 

え、仕事中じゃないの?現時点から出勤扱いじゃないの?

 

「がんばってね~ヒキタニ君、先生にはこっちで言っておくね」

 

「ん、悪い」

 

「え、姫菜? どういうこと? なんでヒッキーと仲いいの?」

 

今の会話にそんな要素あったか?

 

 

教室を出て里見と合流し、廊下を歩いていると周りの人がみんな社長がすれ違うと口を開けて振り返る。

 

「な、なあ比企谷。なんか俺ら、召使いとか言われてすごく目立ってるんだが……ていねぇ!?」

 

いるよ。ちょっと透明化しているだけだ。

 

 

 

防衛省についた俺は、マリオネット・インジェクションを発動させた状態でついていく。社長曰く、透明化した状態で後ろに控えておき、有事に備えて警戒してほしいとのこと。

 

防衛省の一室には東京エリア中の民警会社社長と、その後ろに控えるプロモーターとイニシエーター。荒事専門、みたいないかつい男と幼女が並ぶ光景はなかなかシュールだ。

 

部屋に入ると里見はガチムチっぽい男とどつきあったり、そのイニシエーターの幼女と見つめあったりしていた。あいつホントにロリコンでゲイなんじゃないの?

 

するとその幼女は今度はこっちを見ていた。俺は透明化しているので見えないはずだが……なにか索敵系のスキルでも持っているのだろうか。しばらくすると首をかしげて視線を正面に戻す。あざとい。

 

モニタには聖天子様が現れ、今回の依頼について説明している。簡単すぎるガストレア討伐依頼。高額すぎる成功報酬。この部屋にいる全員が動揺している。しかし、俺は別のことで動揺していた。

 

 

依頼説明中にいきなり燕尾服に仮面をつけた男が入ってきてそのまま空席だった椅子に座る。 俺以外誰も気づいていない。

 

 

怖い! 怖いよ! なんでみんな気づいてないの? あれでどっかの社長なの? 舞踏会が長引いたから遅れてきたの? それとも俺にしか見えてないの? 幻覚? スレンダーマンかなにかなの? 聖天子の言ってることにみんな集中しすぎでしょ。 なんでそんな仮面かぶってんだよ!

怖い。あと怖い。

 

仮面の男が今度はけたたましく笑い出す。怖いよ! 俺の頭がおかしくなったの!?

 

『誰です』

 

みんなが仮面の男に視線を向ける。あーよかった幻覚じゃなかった。

 

「私は蛭子、蛭子影胤という。お初にお目にかかるね、無能な国家元首殿。端的に言えば君たちの敵だ」

 

「お、お前ッ……」

 

「フフフ、元気だったかい里見くん。我が新しき友よ」

 

あれか?里見がゲイなのではなく里見の周りの人間がゲイなのか? 俺は違う。

 

その後入ってきた蛭子小比奈とかいうやばそうな少女とともに宣戦布告。ブチ切れたガチムチさんによる切りかかりと一斉射撃をバリアのようなものを展開して防ぐ。

 

「名乗ろう里見くん、私は元陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊『新人類創造計画』蛭子影胤だ」

 

新人類創造計画……たしか里見も所属していたという……そして俺も『オベリスク』なる別名の機械化兵士計画に所属していた。奴も単体でガストレアと渡り合うために作られた人を超えた戦士なのか。それにしてもなんで自己紹介対象が里見限定なの?

 

蛭子影胤が展開していた斥力フィールドが唸りを上げる。俺は慌てて社長と里見を地面に押し付け、俺もかがんで回避。そのまま卓下に潜む。止まっていた弾が猛烈な勢いでばらまかれる。

 

ばらまかれた弾の勢いがなくなったころあいを見て、俺は透明化した状態で蛭子影胤の背後に立つ。このままかえれると思うなよ。

 

装着したグローブからワイヤーを放出。3メートル程だして輪を形成し、蛭子影胤の首に通す。その饒舌な口、喉事切り落としてやるよ。

 

「パパ!」

 

気付かれた!?おそらくワイヤーについているバラニウムから漏れた磁場を感じて本能的に叫んだのだろう。グローブに収納されている状態では磁場が漏れないように設計されているが、出した状態ならば理論上は磁場が漏れている。しかしバラニウム弾が大量にばらまかれたこの状態でワイヤーが発するわずかな磁場に気付くとは……。

 

俺はグローブにつながっていたワイヤーを切断、全力でバックステップ。と同時に展開する斥力フィールド。そのまま切断しようとしていたら間違いなく斥力フィールドに負けて床のシミになってるところだった……

 

蛭子影胤は俺の存在にまだ気が付いていない。斥力フィールドに触れたのは切断されて空中に漂っていたワイヤーのみ。髪の毛が何かと判断したようだ。

 

その後蛭子影胤は里見にプレゼントを贈り、蛭子小比奈とともに窓から去っていった。

 

やばいことになりそうだ……あとやっぱり里見ではなく蛭子影胤がゲイだと思いました。猛烈アタックしすぎでしょ。生首をプレゼントとかぶっ飛びすぎだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷の奴、帰りやがったなぁ~~!! 私の呼び出しを無視するとはいい度胸じゃないか!!」

 

「平塚先生。年がいもなくはしゃぐのはやめてください。ひどくみっともないです」

 




次回、ルミルミ回です。

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