MASKED TAIL   作:響く黒雲

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力の代償…

ツバサ達が帰って来て一週間…

フェアリーテイルはようやくパーティー気分が抜け、皆仕事に専念していた

 

そしてルーシィはリクエストボートの前で依頼書を眺める

 

「う~ん… あたし一人で行けそうな仕事あるかな~」

 

「一人?ナツ達と一緒に行かねーのか。」

 

ルーシィによるとグレイは新メンバーのジュビアの面倒を見るため仕事へ

コウマは早速長期の仕事に出かけ、エルザは鎧の性能の抗議のためハートクロイツ社に行っていた

 

「ナツとツバサがいるだろ?」

 

「はぁ~~~… 見てあれ。」

 

ルーシィが指差す先には…

 

「ナツ!! ホラ…火だよ食べて。」

 

「食欲ねえ。」

 

「どーしちまったんだナツ!!!!」

 

元気の無いナツと

 

「どうしたの?ツバサ、疲れたの?」

 

「ん~ なんか体に力が入らねえ…」

 

「ツバサお前もか!!!!」

 

無気力にだれているツバサがいた

 

「今ごろになってエーテリオンの副作用が出てるのかしら。」

 

そしてナツはふらふらと倒れてしまう

 

「ありゃあ当分仕事はムリそうだな。」

 

「でもねっ!! 何か仕事行かないと今月の家賃払えないのよォ~ ナブ手伝って!!」

 

「俺はやめとくよ、自分にしかできねえ仕事をずっと探してんだ。」

 

結局ルーシィはナツに頼む事になるのだが…

 

「やっぱ帰ろ… 調子悪ィ…」

 

「待ってー仕事行こーよ!! 家賃払えないんだってばー!!」

 

しかしナツはそんなルーシィを相手にせず帰ってしまった

 

「んじゃなルーシィ…」

 

「今日はもう寝た方がいいよ。」

 

「俺も帰るわ。」

 

「大丈夫?ツバサ、ふらふらよ。」

 

「サンキューミラ、でも大丈夫…」

 

そう言いながらツバサはふらふらと帰っていった

 

「ナツはともかくツバサまであんな風になるなんて…」

 

「ああなったのは三年ぶりかしら。」

 

「三年前に何かあったんですか?」

 

「うん、でもその時はふらふらって言うかぐったりって感じだったから大丈夫だとは思うんだけど…」

 

そうは言うものの不安を拭い去れないミラだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に辛うじて着いたツバサは着いたとたんに激しい痛みが襲い倒れこんだ

 

「ぐっ、くうっ、うう!!」

 

ツバサは苦しみながら床を転がり回る

そして痛みが収まってふと自分の腕をみる

視界はノイズが掛かったかのように見えにくかったがその腕は…

 

「……」

 

怪物のような異形の腕になっていた

 

「はぁ… 収まったと思ったんだけどなぁ…」

 

暫くそのままだだったがツバサの腕は元に戻り視界のノイズは収まって通常の状態に戻った

 

「思ったよりも時間が無いのかもな…」

 

誰も居ないその部屋でツバサは一人寂しく呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~マグノリア某所~

 

「雷神衆が帰ってくる… ついにこの時が来たぜぇ。」

 

「妖精は共食いを始める、ジジィ… お前の時代は終わりだ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日ツバサはミラとマカロフと共に買い出しをしていた

 

「街は収穫祭ムード一色じゃのう。」

 

「そうですねー。」

 

「そりゃそうだろ、この街の人達はみんな祭が大好きだからな。」

 

「みんなもファンタジアの準備で忙しいって。」

 

「あれは我フェアリーテイルが大陸に誇れる大パレードじゃからな。」

 

「ラクサスも参加すりゃいいのに。」

 

しかしラクサスの名を聞いたとたんマカロフの機嫌が悪くなる

 

「奴の話はよせやい。」

 

「レビィから聞いたんだけど街には帰って来てるらしいですよ。」

 

「何じゃと!?」

 

「へー、ラクサス帰って来てるんだ。」

 

「………」

 

「どうしました?マスター。」

 

「………… よりによってこんな時期に……」

 

マカロフはそう呟くとラクサスとツバサが小さい頃を思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~十数年前のファンタジア~

 

「じーじ、じーじ。」

 

「じーじはファンタジアに参加しないの?」

 

「しないのー?」

 

「今年はお前達と見るって約束じゃろう?」

 

「そっかー。」

 

「そーなのかー。」

 

「よし!! 行くぞツバサ!!」

 

「待ってよーラクサス兄ちゃん!!」

 

そしてラクサスとツバサは手を繋ぎなから楽しそうにパレードの場所に向かって走る

 

「俺も早くフェアリーテイルに入りてえなー。」

 

「僕も入りたーい!!」

 

「まーだ早いわい。」

 

そしてパレード前に着くが…

 

「見えねえ。」

 

「見えないよう。」

 

「じゃの。」

 

人が多すぎて小さいラクサスとツバサでは山車が見えなかったのだ

 

「「………」」

 

残念そうにうつむく二人…

そんな二人を見かねたマカロフは二人を担いで巨大化した

 

「「うわぁ…♪」」

 

「どうじゃラクサス、ツバサ、あれがフェアリーテイルの魔導士じゃ。」

 

「すげえ… すげえよじーじ!! 俺のじーじは最高のマスターだぁ!!!!」

 

「おじいちゃんすごーい♪」

 

「ほーかほーか。」

 

きらびやかな山車とフェアリーテイルの魔導士達を見た二人はマカロフに称賛を送る

それを聞いたマカロフは誇らしげに二人を見つめるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつからあんな風になっちまったんじゃろうな…… ラクサス。」

 

そんなマカロフの嘆くような呟きは夕焼けの空に消えていった


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