MASKED TAIL   作:響く黒雲

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届け!! この心

楽園の塔の戦いから3日後…

ツバサとナツは未だに目覚めていなかった

 

「大丈夫かコイツら。」

 

「さすがに3日間も寝っぱなしってのはね。」

 

「もうしばらく休ませてやろう、まったく… 説教できる立場か?お前らは。」

 

呆れたようにしかしどこか嬉しそうに言うエルザ

 

「そう言えばファントムの二人は?」

 

「ああ… ジュビアとコウマか、もう帰っちまったよ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に一刻も早く入りてぇからマスターに頼みに行くんだって。」

 

「そうか…… 聞けば世話になったようだし私からマスターに稟請してもよかったのだがな。」

 

「つーかエルザ… お前は寝てなくていいんかよ?」

 

「ん…… 見かけほどたいした怪我ではない、聞けばエーテリオンに分解された体を復元したのはツバサ達らしいからな。」

 

「なにはともあれさすがエルザとツバサだな勝手に毒食ってくたばってるマヌケとはエライ違いだ。」

 

するとグレイの皮肉に反応したナツが起きる

 

「今なんつったァ!!!! グレーイ!!!!」

 

「素敵な食生活ですねって言ったんだよバーカ、てかお前フクロウのエサになってなかったか? 食う方か?食われる方か? どっちだよ食物連鎖野郎。」

 

「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!!!!」

 

その時だった

 

「うるせぇ!!!!」

 

「「ゴパッ!?」」

 

突如として二人に拳が飛んでくる

 

「人が気持ち良く寝てたって言うのになに騒いでんだてめえらは!!」

 

それはツバサだった

 

「「ずびばぜんでじだ」」

 

「まったく…」

 

「あははははっ!!」

 

ルーシィが笑ったのを切っ掛けにその場にいた全員が笑いだした

それは久しぶりに見たとてもいい笑顔だった

 

 

 

 

その後すっかり回復したツバサ達は楽園の塔のメンバーも交えてパーティーをした

その際に見せたエルザと楽園の塔のメンバーの笑顔が綺麗でとても美しい笑顔だったことは言う迄もない

 

 

 

 

 

その夜…

 

「ルーシィ!! ショウ達を見なかったか?」

 

「見てないけど…… 」

 

「同じホテルに泊まっていたはずなんだかとこにもいないんだ。」

 

「も…もしかして何も言わずに出て行っちゃたの!?」

 

「そうか…」

 

「追わなきゃ!!」

 

「いや… それよりもツバサ達に花火の用意と伝えてくれ。」

 

「え… ちょ…!? 何!? 花火って!?」

 

そう言うとエルザは外に出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方砂浜には…

 

「本当に俺たち外の世界でやっていけるのかな。」

 

「みゃあ。」

 

「やっていけるかどうかじゃないよ! やっていかなきゃ、これ以上姉さんに迷惑を掛けられない。」

 

「そうだぞ、今からそんな弱気でどうする… 」

 

ショウ達が舟で出航の準備をしていた

 

「行こう!! 姉さん達が気づく前に!!」

 

「だな!! 何とかなるぜ!!」

 

「前向きに考えなきゃな!!」

 

「元気最強ー!!!!」

 

しかし…

 

「お前達!!」

 

タイミングを合わせたかのようにエルザが現れる

 

「エルザ!!」

 

「くうう… 噂をすれば何とか…だぜ。」

 

「と… 止めるつもりなら無駄だぜ、俺たちは自分で決めたんだ。」

 

「………」

 

「俺たちはもう誰かに頼るのも誰かの為に生きていくのはごめんだ… これからは自分自身の為に生きてやりたい事は自分の手で見つけたい。」

 

「それが俺たちの自由なんだ。」

 

それを聞いたエルザはどこか寂しそうにしかし嬉しそうに答える

 

「その強い意志があればお前達は何でもできる、安心したよ… だが妖精の尻尾(フェアリーテイル)を抜ける者には三つの掟を伝えねばならない、心して聞け。」

 

「ちょ…!? 抜けるって… 入ってもねぇのに!?」

 

「………」

 

「一つ!!!! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)に不利益になる情報は生涯他言してはならない!!」

 

「二つ!!!! 過去の依頼者に濫りに接触し個人的な利益を生んではならない!!!!」

 

「三つ!!!! たとえ道は違えど強く… 力のかぎり生きなければならない!!!! 決して自らの命を小さなものとして見てはならない!!!! 愛した友の事を生涯忘れてはならない!!!!」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)式壮行会!!!! 始めェ!!!!」

 

エルザの号令と共にナツが現れ花火を作る

 

「お前らー!!!! また会おうなーー!!!!」

 

ピューー…… ドォン!! ドォン!!

 

次にグレイが氷で花火を作る

 

「心に咲けよ!!!! 光の華!!!!」

 

「氷もあるんだぜ。」

 

ドォン!! ドォン!!

 

それに続くようにルーシィが鍵から魔力を出して花火にする

 

「あたしは星霊バージョン。」

 

ドォン!! ドォォン!!!!

 

次に『仮面ライダーGー3X』を装着したツバサが打ち上げる番になる

 

『これは俺たちからの手向けだ、出血大サービスだぜ!!』

 

そう言うとツバサは夜空にGX弾を放った

 

ピューーー…… ドォォォォォォン!!!!!!

 

「私だって本当はお前達とずっといたいと思っている、だが… それがお前達の足枷になるのなら…… この旅立ちを私は祝福したい。」

 

「逆だょぉぉエルちゃぁん…」

 

「俺たちがいたらエルザが辛い事ばかり思い出しちまう…」

 

「どこにいようとお前達の事を忘れはしない、そして辛い思い出は明日への糧となり私達を強くする、誰もがそうだ人間にはそうできる力がある、強く歩け!! 私も歩き続ける。」

 

「この日を忘れなければまた会える… 元気でな。」

 

「姉さんこそ…」

 

「バイバイエルちゃーん!!!!」

 

「体には気を付けろよ。」

 

「絶対また会おうぜ!! 約束だぜ!!!!」

 

「約束だ。」

 

こうしショウ達は旅立って行った… 沢山の花火に見送られながら…

だが彼等なら大丈夫だろう… この日の事を忘れない限り…


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