MASKED TAIL   作:響く黒雲

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改造魔導士

ツバサとコウマは着々と塔を登っていた

 

「なぁツバサ。」

 

「何だよコウマ。」

 

「この塔高い上にでかいから登るのも一苦労だな。」

 

「そうだな、これだけの規模だとみんなを探すのに苦労しそうだ。」

 

「お前こんなときでも仲間の心配かよ。」

 

「当たり前だろ、ナツは暴走するし、エルザは狙われてるし、グレイは露出狂だし「それ関係無いよな?」ルーシィは弱いし、ハッピーは止めないだろうし、ルーシィは弱いしよ~「ルーシィ二回目だ。」それだけ心配なんだよ。」

 

「まぁ、俺も今のジュビアは浮わついてて心配だけどな。」

 

 

 

 

 

塔の各地…

 

 

「「「「「ハックション!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「あいつらは家族のいない俺にとって家族のような存在なんだ… それを生け贄にするだと? ジェラールの奴ただじゃ置かない。」

 

「おお、恐い恐い。」

 

そうこうしていると二人は大きな広間に出た

 

「此処もまた広い所だな…」

 

「ああ… 油断するなよコウマ。」

 

「ああ分かって… !? 誰だ!!」

 

すると暗がりから一人の男が現れた

 

「……」

 

「お前がジェラールの言っていた戦士か?」

 

「……そうだ。」

 

「(随分と感情の起伏が無い奴だな…)そうか、なら退いてくれないか? 俺達は先を急いでいるんだ。」

 

「……断ると言ったら?」

 

「んなもん決まってる、押し通る!!」

 

そしてコウマは男に向かっていった

 

「コウマ待て!!」

 

「こんな奴俺一人で十分!!」

 

「………」

 

しかし男は冷静に躱し逆にコウマにカウンターを食らわせ吹き飛ばした

 

「グハッ!!」

 

「コウマ!! 」

 

直ぐ様ツバサはコウマに駆け寄った

 

「コウマ!! 大丈夫か!?」

 

「ああ… なんとか… それより奴の腰を見ろ…」

 

「腰?……なっ!?」

 

ツバサはコウマに言われた通りに男の腰を見てみるとそこには風車を模したベルトが着いていた

 

「何故お前が“タイフーン”を持っている!! 魔皇力を持たないお前が!!」

 

「………」

 

「答えろ!!」

 

「……… これはただのレプリカだ。」

 

「レプリカ…だと…? ふざけんな、近年になって出てきたベルトなら未だしも… タイフーンは最初期に現れたベルトだそ… 複製できる筈が無い。」

 

「……… 現実を見ろ… 現に実物が此処にある… 疑うと言うならば見せてやろう。」

 

そう言うと男は不思議な構えを取った

左手を腰に置き右手を左斜めに伸ばす

そこから右上に向かって右手を旋回し入れ替えるように今度は左手を右上に伸ばし右手を腰に置く

 

「ライダー……… 変身!!!!」

 

するとベルトの風車が回り出しエネルギーを放出する

 

「トオッ!!」

 

その場で飛び上がり一回転して着地する

するとそこには男の姿は無く代わりに黄色い手袋にマフラーを着けた飛蝗を模した戦士がいた

 

『………』

 

「おいおい… マジかよ… 本当に変身したぞツバサ。」

 

「ああ… 間違いない… 伝説の一号、二号にそっくりだ…」

 

『…… 驚いたか? だが一号、二号にはこんなものは付いていまい。』

 

すると男はツバサとコウマに指先を向けそこから魔力弾を発射した

 

「「グアァァァァァァァッ!!!!」」

 

『ハッハッハッ!! 冥土の土産に聞かせてやる… 俺がどうやってこの力を手に入れたか。』

 

「「………」」

 

『俺は元々、魔力の無いただの人間だった… だがある時俺は闇ギルドに拐われ何かの実験の被験者になった、他にも被験者はいたが俺以外は全滅… だが俺だけは生き残り力を手に入れた… 選ばれし者だけが持てる改造魔導士の力を!!!!』

 

「うう… 改造…魔導士…だと…?」

 

「…… なんて… 事を…」

 

『…… ああ、余り感情を出せなくなったが… 最高だぜ、この“ホッパー”の力は。』

 

「く、狂ってやがる…」

 

『…… 俺から言わせて貰えばお前達の方が狂ってるぜ… その力さえあれば世界を自分の手に出来るというに… まぁいい… これから死ぬ奴らには要らん世話だったな。』

 

そしてプロトホッパーはゆっくりとツバサとコウマに向かって歩き出す

 

二人は今までかつて無い程のピンチを迎えていた




プロトホッパーはショッカーライダーをイメージしていただけると幸いです。

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