MASKED TAIL   作:響く黒雲

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追憶のAGITΩ

ツバサは夢をみていた…

自分自身がもっとも忌まわしく思う記憶を再現したかのような夢を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~2年前のマグノリア~

 

「どうした? そんなもんか?ナツゥ♪」

 

「お前悪魔か!?」

 

「何言ってんの?ナツ、ミラ姉今サタンソウル使っているから悪魔だよ?」

 

二人の男女がケンカをしていてそれを一人の少女がみていた、ケンカをしていたのは二年前のナツとミラジェーンでみていた少女は今は亡きリサーナだった

 

『懐かしいな… たしかこのあと俺とエルフマンがきて…』

 

「おい!! なにやってんだ!?」

 

「ゲッ、うるさい奴がきたよ。」

 

「本当は嬉しいクセにミラ姉素直じゃなーい♪」

 

「ほっぺたつねられたいか? リサーナ?」

 

「? 何こそこそ言ってんだ?それで何してたんだよ。」

 

「はぁ… これだからコイツは…」

 

「そうね…もう少しツバサは女の子の気持ちを考えた方がいいよ。」

 

「? 何のことだ?」

 

言われた意味がわかって無いツバサに二人の姉妹はため息をつく

 

「「はぁ…」」

 

「で、ナツ何してたんだよ。」

 

「ミラがS級クエストを受けるから連れて行ってくれって頼んでいるんだよ!!」

 

「なるほど大体わかった、それで勝ったら連れてくって言ったんだな?」

 

するとエルフマンがきて

 

「姉ちゃん、リサーナ、そろそろ行こうぜ。」

 

「わかった、今行く。」

 

「待てー!! 俺はまだ負けてねぇ!!」

 

「諦めろナツ、ところでどこに行くんだ?」

 

「ゴートの街だよ。」

 

するとツバサは何かを考えだす

 

「なぁ、それ着いていっていいか?」

 

「はぁ!? どうしてだよ!?」

 

「いや~ ゴートには旨い物があるって聞いたから♪」

 

「はぁ… 勝手にしろ…」

 

「サンキュー♪」

 

「おい!! ツバサだけずるいぞ!! 俺も連れてけ!!」

 

「まあまあナツ買ってきた物で何か作ってやるから。」

 

喚くナツにツバサは物で釣った

 

「本当か!?」

 

「ああ、もちろん。」

 

今までの餌付けが功を奏したようだ

 

「まったく…」

 

「良かったね♪ ミラ姉♪」

 

「何が?」

 

「終わったらデート出来るよ。」

 

「ッ~///か、からかうな!! どうしてあたしがツバサとデートなんか…///」

 

「?何言ってんだよ、早く行こうぜ。」

 

「あ、ああわかってる今行く!!」

 

 

口では反対のことを言って置きながら内心ちょっと期待しているミラであった…

しかしその思いは儚く崩れ去る事を今はまだしらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面が変わって今度はゴートの街になった

しかしゴートの街は酷い有り様になっていた

 

『そうだ… この時俺は街の人たちの避難を手伝ってて… それで森の外れでミラ達を見つけた時にはもう…手遅れだったんだ。』

 

 

ツバサは森の外れでミラ達を見つけたしかしミラは動けなくなっていてリサーナはビーストの前に両腕を広げて立っていた

 

「帰ろう? エルフ兄ちゃん。」

 

しかしリサーナは自分の何倍もある腕に吹き飛ばされた

そして今度はミラに標的を定めた時ツバサの中の何かが切れた

 

プチンッ

 

「やめろォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

そしてツバサの腰に光が集まり高速回転しベルトを形成した

ツバサはマカロフとの約束を忘れただ怒りに任せてベルトの両端を叩く

 

「変身!!!!」

 

するとベルトから光が溢れツバサの姿を金色の戦士に変える……がそれも一瞬、今度は炎が溢れ 瞬く間にツバサは『仮面ライダーアギト バーニングフォーム』に変身した

 

『うぉぉぉぉぉぉぉあぁあ!!!!』

 

ツバサはビーストに向けてナツの様に炎を纏った拳を全力で放った

 

 

「グオォォォォォォォォ!!!?」

 

するとどんな攻撃でもびくともしなかったビーストが吹き飛んだ

しかしそれだけでは終わらずツバサは更に殴り付けた

 

『うあぁあぁああああぁあるあぁっ!!』

 

ドゴン!! ズドン!! バキッ!! グシャ!!ドカ!!

 

そして漸く我に帰ったのかツバサは殴るのを止める

 

『ハッ…ハッ…ハッ…』

 

そしておぼつかない足でリサーナの元に向かい手を伸ばすが触れる直前で弾かれる

 

『!?』

 

それはミラだった

 

「妹に触れるな!! 化け物!!」

 

「何故だ、なんであそこまでした!! エルフマンはもう正気に戻っていたのに!!」

 

そう言われツバサはビーストの方向を見る

するとビーストはエルフマンの姿に戻っていた

 

『あ、ああ…』

 

それを見てツバサは漸く自分のしたことを理解した

 

『あああぁああぁっ!!』

 

膝を着き頭を抑えるツバサにミラは止めの一言を言い放った

 

「お前はあたしが倒す!! この化け物がぁ!!」

 

『う…う、うわぁあぁあぁあぁあああぁっ!!!!』

 

ツバサは半狂乱になり叫びながらその場を去った

 

 

 

 

 

 

そしてまた風景が変わる…

今度はマグノリアの近くの森の中だった

 

『あのあと… 俺は変身したまま森の中をさ迷い歩いていたんだ…』

 

 

ドゴォォォォォォォォン!! バキバキッ!!

 

木がどんどん薙ぎ倒されていく

その原因はツバサだ

ツバサはいまだに変身を解かず怒りに任せて木を薙ぎ倒おしていた

その黄色い瞳から大粒の涙を流しながら…

 

『うぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

ドゴォォォォォォン!! バキバキッ!!

 

そんなときツバサに声を掛けた者がいた

 

「ツバサ。」

 

『!?』

 

それはマカロフだった

 

「そんなところでなにをしておる、早く戻って来なさい。」

 

『……じいちゃん…』

 

ツバサは数日ぶりに変身を解いた

 

「俺は戻れない。」

 

「なぜじゃ。」

 

「だって… 俺は化け物だから…」

 

しかしマカロフはやさしく言う

 

「そんな事気にすることはない、さぁ… 行こう。」

 

「じゃあさ… じいちゃん…」

 

「なんじゃ?」

 

「俺はどうしてこんな力をもっているんだ?」

 

「…………」

 

マカロフは黙って聞いた

 

「なにも守れなかった… それどころか俺は化け物扱い… なぁじいちゃん、俺は人に裏切られるためにライダーになったのか? もうなにもわからないよ…」

 

ツバサは消え入りそうな声で言った

マカロフはその問に答える

 

「それはお主が決める事じゃ… しかしなツバサ。」

 

「わしは、疑って裏切られた奴よりも何百回信じて何百回裏切られた奴の方が好きじゃなあ。」

 

「…………」

 

「つらい時は泣いていいんじゃ… 誰もお前を責めはせん。」

 

「うっ、うう… うわああああああああああぁあぁっ!!」

 

そしてツバサは思い切り泣いた

 

 

 

 

 

泣き疲れた頃マカロフはツバサにある場所に向かう様に言った

そしてツバサはカルディア大聖堂に向かう

するとそこには変わり果てたミラがいた

 

「……ミラ…」

 

「!? ツバサッ!!」

 

ミラは走りよりツバサに抱き着いた

しかしツバサは化け物と言われた事がトラウマになっており逃げ出そうとしたが動けなかった

 

「今までどこにいたの?」

 

「…………」

 

「すごく心配したんだから…」

 

「ごめん…」

 

「私ツバサが行方不明って聞いて怖かった… リサーナだけじゃなくってツバサまで居なくなっちゃうんじゃないかって…」

 

「…………」

 

「おねがいだからもう私を一人にしないで!!」

 

そこまで言ってツバサは漸くミラが泣いていることに気づいた

そして自分がなぜここまでショックを受けたのか…

それは…

 

ギュッ

 

「!?」

 

「ごめん!! もう二度居なくなったりしない!! だから、だから…」

 

「うっ、うわあああああん!!」

 

自分がミラの事を愛しているからだ…

そして二人は抱き合いながら泣いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ポーリュシカの家~

 

倒れてから数時間… ツバサは漸く目を覚ました

 

「………」

 

「もう行くのかい?」

 

「うん、もう大丈夫。」

 

「そう… ならさっさと出ていきな、二度来るんじゃないよ!!」

 

「うん、ありがとうばあちゃん。」

 

「ふんっ!! さっさ行きな!!」

 

そしてポーリュシカは小さな声で言う

 

「………死ぬんじゃないよ…」

 

するとそれが聴こえたのか

 

「ミラに告白するまで死ねないよ。」

 

と言い家を出た

 

「さて… 長い間寝ちまったな… 待ってろよ皆。」

 

そう言ってバイクに乗り妖精の尻尾(フェアリーテイル)を目指す

 

「(もう… 迷いはしない… ギルドの皆からもらった光を… 俺はしっかりと、自分の中に感じているから!!)」

 

ファントムの壊滅は思ったよりも近いようだ


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