「あれ?小太郎くん、ご飯食べないの?」
夏美が心配そうに言った。
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どうしてその小さな身体にこんな量が入るんだ、と言うほど良く食べる小太郎が、ご飯を残していた。
しかも残っているのは少しではなく、一口か二口食べたかと言う感じであった。
「今日のご飯、美味しくなかったかしら・・」
心配そうに言う千鶴に小太郎はそんなことはない、と答えた。「いや、千鶴姉ちゃんのご飯は滅茶苦茶美味いんやけど、なんやろ・・なんか気分悪いって言うか・・」
具合が悪いと言う小太郎を見、あやかが体温計を持ってきた。
「一応測っておいたほうがいいんじゃないんですの?」
「何や姉ちゃん達大袈裟やなあ。ただ食欲無いだけやで?」
「それが気になるんです、いつもあんなに食べるのに・・。馬鹿は風邪引かないって聞きますけど」
あやかから体温計を受け取ると、小太郎は熱を測るために脇に挟んだ。
「なんやて、誰が馬鹿や。オバサン」
「なんですって!?このお猿さん!」
「ま、まあまあ・・あ、もうそろそろ体温測り終わったんじゃない?」
夏美が言うと、タイミングよく体温計から測り終えたことを告げるアラームがなる。
「あ、測りおわった。」
「どうですか、私にも見せてください」
先程まで喧嘩していたことが嘘だったかのように普通に接している二人を見て、夏美は仲がいいのか仲が悪いんだかわからない、まるで姉弟のようだと思った。
「38.9度・・」
「ええっ、小太郎くん熱あるじゃん!」
夏美が言うと、いつもと同じような笑顔で「大丈夫やて、こんくらい」と言った。
いつの間にか小太郎のそばから離れ、薬を探していたあやかが小太郎の前に風邪薬のビンを置いた。
「飲んだほうがいいんじゃないですか、さっきよりも顔が赤いようですし・・・」
「うへぇ、薬嫌いなんやけどなあ・・」
そういう小太郎の後ろで、千鶴は冷蔵庫からネギを取り出し「こっちの方が・・」と言うが、必死で小太郎に薬を飲むと言われ、少し残念そうにネギを再び冷蔵庫にしまったのであった。
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「嫌や、絶対嫌や。勘弁してや千鶴姉ちゃん!!」
「そんなに嫌がらなくても、ただネギを・・」
「それが嫌なんやけど!?」
走り回る千鶴と小太郎。それを夏美とあやかは見守っていた。
「ご愁傷様・・」
小太郎は必死に逃げ回りながら思った。どうしてこうなった、と。
あれから熱が下がらなく、食欲もないままなのにいつものような態度で接してくる小太郎を見てあやかと夏美が話していた。すると千鶴は満面の笑みで冷蔵庫から2本のネギを取り出すと、ソファに座っている小太郎に近づいた。
「ん?どうしたんや、ちづる姉ちゃ・・・」
小太郎が言い終わる前に、突然ズボンが下ろされた。
「ぎゃあああ!?なんや、なっ、なに、なんや、いきなり!」
次は下着を下ろそうとする千鶴を見て、必死で下着をおろさせまいと掴み、すぐに千鶴から距離をとり後ずさる小太郎。
「小太郎くんの熱をさげるためよ?だから、ほら。おとなしく・・」
にっこりとして近づいてくる千鶴に恐怖を覚え、追いかけてくる千鶴から小太郎は逃げ回る。そして今に至るのだ。
「ちょっ、千鶴ねえちゃ・・うわ!?」
バランスを崩し、倒れる小太郎。近づく千鶴。
「う、嘘やろ・・」「フフフ、小太郎くん?さあ、ネギを・・」「ご愁傷様、小太郎くん・・」「安らかに眠ってくださいね・・」
悲痛な叫びが寮全体に響き渡った。
初めまして、浅葱魔です。今回は初投稿です。すごい駄文になりました・・しかも短いです。
665号室組の可愛さを表現できた気がしません。
この4人かわいいですよね。