はまち外伝   作:ふたなり2

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駅で偶然出会った奉仕部のOB由比ヶ浜、雪ノ下先輩と
喫茶店で意気投合。そこで、二人にほのかの件を相談
してみた。







留美と八幡 ( 相談 )

女子が3人も集まると賑やかなものでいつからか、

ポツンと男1人八幡がボッチに。

 

由比ヶ浜先輩から今の学校で何が流行りでファッションとか

ショップの話が止めどなく出るし、傍らで聞いてる雪ノ下先輩は

大きく頷いたり時折口をOの字にして驚いたり目を細めて笑ってた。

そんな二人を見てて何だか楽しくなって、気が付いたら夢中で

会話に参加していた。

 

横にいる八幡は窓から見える通行人を詰まらなさそうに

見ている。

 

時折ふられる会話に「そうか」とか「あぁ」とか言うくらいでまるで

興味がないみたい。

 

由比ヶ浜先輩が「留美ちゃん、好きな人とかいるの?」

 

やっぱり来たかって感じで話が恋ばなに突入だ。

 

テーブル越しにやや身を乗り出して瞳を輝かせながら楽しそうに

聞いて来る。由比ヶ浜先輩…胸が…、こ、答にくいよ…

 

「え?そりゃ気になる人とか居ないこともなくはないけど…」

 

誰かさんの事をチラ見したけど超外見てるし、

由比ヶ浜先輩見たら「ふ~ん…」って伏し目がちに

納得されちゃった。

 

雪ノ下先輩はニッコリと微笑んでるけど妙に迫力があって

背景から「ゴゴゴゴォ〜ッ!」って音が聞こえそうで怖いから、

いや本当に怖い。

 

「お二人は今付き合ってる人とか好きな人とかはいるんですか?」

 

「えっ?付き合ってる人はいないけど好きな人はね…えへへっ」

 

由比ヶ浜先輩、胸のあたりで両手を広げヒラヒラさせて超焦ってる。

 

「私も好きな人はいない事はないけども…」

 

さっきとはまるで別人、雪ノ下先輩は口元をモニョモニョとさせて

可愛らしいな。

 

二人とも俯いたり頬を赤らめチラチラと目線を八幡に向けてたり、

お互いの顔を見たりして苦笑いをしたり急に焦りまくりで、

まさか自分が聞かれるって思ってなかったみたい。

 

どうやら、自ら地雷を踏んじゃったの?

由比ヶ浜先輩も雪ノ下先輩も八幡に気があったりして?

八幡って本当は凄くモテるんじゃ…

 

えっ?マジ?

 

たっぷりお砂糖とミルクを入れたコーヒーを

啜りながら知らん顔だよ、八幡。ほんと朴念仁

 

そういえば、ほのかちゃんの事を二人にも相談してみようか?

いい時間になってこのまま解散となっても何だかと思うし、

せっかく知り合った先輩達ともっとお話がしたいのが本音かな?

 

ほのかちゃんの件は荷が重いし八幡だけじゃ頼りないとかじゃなくて、

やっぱ同性の先輩の方が恋ばなはしやすいよ。話だけでも

聞いてもらおう。

 

「ねえ、比企谷先生?ほのかちゃんの事、二人の先輩にも話を

聞いてもらってもいいですか?」

 

「あ〜同性だし、いいかもな。良いアドバイスを貰えるかも

しれんな。それは其れで助かるし楽になるまである。」

 

「面倒くさいから、どうぞどうぞって感じで言ってない?」

 

「そんな事はないぞ、疑惑の目で見るのやめてね怖いから。」

 

「何を困ってるの?私達で役に立つ事ならいいけど、ね、

聞いてあげようよユキノン!」

 

「そうね、少しでも話して気が楽になればそれはそれで

良いし解決の糸口が掴めたり出来るかもしれない。

私達で相談にのれる事ならいいのだけれど。」

 

「有難うございます。聞いて頂けるだけでも助かります。

実は同じ奉仕部の部員でクラスメイトの一色ほのかちゃんから

片想いを告白したいと相談を持ち掛けられているのですが

難しくって、比企谷先生にも聞いて貰っているんですが

上手くいく方法がないかなって…」

 

「一色ちゃんって、いろはちゃんの妹さんなんだよね…」

 

「そうだ、姉妹揃って恋愛相談って何かいわくあるかもな、

全く姉さんの方は今だに絡んで来るからうっと…面倒くさいし。」

 

「今、鬱陶しいって言わなかった?」

 

雪ノ下先輩が、八幡に微笑みかける。

 

「そう、今度一色さんに会った時に報告してあげるわ。」

 

「イヤ、聞き間違えだ。言ってない。気のせいだ。

お願いします、頼むから言わないで下さい。ごめんなさい。」

 

八幡、雪ノ下先輩に頭上がらないみたいだ、ペコペコしてる。

そばで由比ヶ浜先輩が、苦笑いを…

 

「運命的な物を感じるかな。」

 

「ほのかは姉さんのいろはと違って大人しく、

引っ込み思案な性格だ。そんな彼女がありったけの

勇気を出して告りたいと言って来た。」

 

八幡が二人にほのかの事を話してくれる。

 

「陽乃さんの劣化版みたいな、いろはに比べ言いたい事が言えず

悩んでいた本人もいろはの様に変わりたいとも言っている。」

 

「まあ、あの姉さんに勝てる人はいないと思うけども。」

 

「いや、お前の姉ちゃんよりもっと怖いのがお前の母ちゃんだろが。」

 

雪ノ下先輩が顔を赤らめコホンと咳払いをしてる。

 

「あざとい所まで真似しなくてもいいけどな。」

 

「大人しい子が相談をだなんて、よっぽど相手の男の子の事

好きなんだね。ある意味応援したくなっちゃう!」

 

由比ヶ浜先輩が、目を伏せ両手を胸に当てて感動してるみたい。

昔の話を八幡から聞いたけど思い出したのかな?

 

「うん、ほのかっちの事、応援したくなっちゃた。

考えてみようよ、ユキノン!」

 

「何だよ、そのほのかっちって?たまごっちの新型か?

また変なあだ名付けてるな。」

 

「変って言うなし、いいじゃん別に!」

 

そうそう、たまに私も「ほのかっち」って言ってるし。

 

「そうね、奉仕部の後輩が頑張っているのだから先輩として

力になってあげられればいいわ。」

 

雪ノ下先輩、ヤル気がみなぎってる感じがする頼もしい!

 

「お二人とも有難うございます!心強いです!」

 

何となく入部した奉仕部にこんな素敵な先輩達がいたなんて

思わなかった、八幡とお二人に感謝!

 

二人と明後日、次回ほのか告白作戦の対策会議をする約束をし

アドレス携番交換をしてお開きになった。

 

帰り掛け、由比ヶ浜先輩が、「ヒッキー…比企谷先生は学校でどんな感じかな?」

って聞いて来た。

 

「あのままです。千葉村で出会った時と変わらない感じかな。」

 

「そうだね、変わらないね。ヒッキーは全然変わらない。

変わらないけど、いつも優しいし頼りになる。」

 

八幡と出会う以前の私はみんなの事を「バカばっか」と言ったり

嫌っていつも一人でいた。素直になれなくてほんとは淋しかった。

凄く嫌な子だったと思う。

 

千葉村で私は八幡に助けられた…孤立はしたが少なくても気が楽になり

学校生活が維持出来た。それが理解出来たのはクリスマスイベントで

八幡と再開し忙しいイベント中でも私に声を掛け工作の手伝いをしてくれて

演劇に出させてくれた。そして人の繋がりや暖かさを教えてくれた。

 

一言お礼を言いたかった、「ありがとう」と。

 

昔から八幡は優しかったんだ…

 

お二人とも八幡のそんな所が好きになった理由なんだなと

何となく納得してしまった。

 

「気を付けて帰れよ。」

 

八幡とさよならの挨拶をして帰ってから

夕食後八幡の授業で答えられる様に予習をした。

特に現国なんかテスト以外に勉強した事ないし興味なかったけど…

 

八幡の授業だから、頑張ってみよう。あと何回もないし。

教育実習ってあっという間だよね…

 

 

その後こと考えるとやっばり淋しくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少しだけ忙しくしていました。連投出来るよう
頑張ってみます。




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