はまち外伝   作:ふたなり2

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やっと、駅前まで行けるようになった小町、お兄ちゃんと買い物
デートと行きこんだが逆に詰まらなくなる。そんな時にいろはが
お兄ちゃんに声を掛けて来た。




小町again ( 活動開始 )

 

 

バタバタしてた家も日常に戻る為、家族はそれぞれ仕事や

学校に出掛けて行った。

 

毎日が日曜日みたいになってるから気楽でいいやと

思ったけど退屈で退屈で……なに?勉強はどうしたって?

 

そりゃ、やってますよぉ〜お兄ちゃんがいる時は

仕方なく……。

 

「小町お前、相変わらず三日坊主だな?自分から言いだしたくせに

もうギブアップかよ?」

 

「だって、自分のペースで出来ないしお兄ちゃん、休憩しないし。」

 

「お前な〜20分くらいで休憩ばっかしてたら勉強にならんだろ?

もっと頑張れよ!」

 

「ぶー、所詮小町はお兄ちゃんみたいに賢くないしおバカの子ですから

仕方ないじゃん!」

 

「あ〜分かったから、あと5分で休憩にしてやっからこれを覚えろよ。」

 

「あ〜い、やったね!さすがお兄ちゃん!話が分かる!」

 

「やれやれ〜」

 

お兄ちゃんがいる時は本でもページめくってくれるし楽なんだけどいないと

テレビのチャンネルも変えられないんだよ、これは不便だ。

 

「ね〜ユキちゃん、何とか物に触れないのかな?チャンネルも変えられないし

不便なんだよね〜。」

 

ユキちゃん、アクビをしながらバリバリと音を立てて爪を研いでる。

 

「う〜ん、訓練すれば軽いものなら少しくらい持てるかな、リモコンくらい

押せるようになると 思うよ。本もページくらいはめくれるかも?」

 

「お〜ひょっとしてポルターガイストってヤツ?それ行こう!小町頑張るよぉ〜!」

 

「ねっ?で、どうやるの?ユキちゃん?」

 

「まず、触れようとする物に触れると思いながら触るの。分かる?」

 

「何となく…ん〜じゃ、こうね。『絶対触ってやるぜ〜!』って強い思い込みをしながら

触るようよすればいいのかな?」

 

「そう、そんな感じで。練習すれば、少しくらいはね。でも、大きな

期待はしちゃ駄目だよ?」

 

「分かった、頑張ってみるよ。」

 

ちょっとの間で本屋さんまで行けるようになったのは進歩してるって事

だよね。公園ばっかじゃ、飽きちゃうしそろそろ、駅までチャレンジしなくては。

 

 

・・・・・・・・

 

 

「学校の方はどうなの?お兄ちゃん。」

 

「あぁ〜別に変わらん……。」

 

そりゃ、お兄ちゃんだし……小町の件があったし皆んな気を使って

くれてるんだろうな。特に雪乃さんとか結衣さんとか…一色さんとか。」

 

「ねえ、お兄ちゃん。」「何だよ?」

 

「明後日のお休みに駅まで連れて行ってよ。」

 

「今度の休みならいいか…。」

 

「でも来週はダメだぞ。」「へ?何で?」

 

「バカ、お前の四十九日じゃないか。」「えっ、もうそんなに経つの?」

 

「親戚来るしだからダメだぞ。」「ブぅ〜。」

 

「分かったよ、明後日、駅前に行こうか小町…。」

 

「うん!!」

 

日頃の訓練の賜物で駅まで何とか行けるようになってた。

引っ張られ感も殆んどなくなってて大丈夫みたい!

 

「さ〜て、お楽しみのお買い物にレッツゴォー!」

 

「おい、そんなにはしゃぐなよ〜。」

 

「だって、お買い物久しぶりなんだよ~!楽しみ

じゃん!?」

 

「お兄ちゃん、学校行けるでしょ?あたしはお留守番だもん。」

 

「それに相手いないしお兄ちゃんと一緒ならついつい嬉しくなっちゃうよ!

あっ、今の小町的にポイント高いよ〜お兄ちゃん!」

 

「そっか、お前が喜んでくれるのならいいか。」

 

「ま〜たまた、お兄ちゃんったら…さっ、元気だして行くよ!」

 

駅ビルに着いてブラブラと久々に歩き回った、と言っても端見るとお兄ちゃんが

グルグル回ってるだけかもしれないけどやっぱ目の保養になるね!

 

これが流行ってんだなって…あ〜これ可愛い〜!欲しい!

う〜ん、でも触れない…あ〜ん、つまんない…。

 

「お兄ちゃん、帰ろっか…。」「ああっ、いいぞ。」

 

「ちぇ…触れたらな、もうちょっと面白いんだけど。」

 

「…… また見に行けばいいさ。」「ありがとう、お兄ちゃん。」

 

駅のターミナルまで戻り二人落ち込み加減でいた所にいろはさんに

出会った。

 

「先輩…? 先輩こんな所で何してるんですか?」

 

「一色か、偶然だな。何って、まぁ色々と見て回ってんだよ。

疲れたから帰ろうとしてたんだ。」

 

「そうなんですか、あたしも生徒会の会報書類で書籍のいいのが無いかと

探しに来たとこなんですよ。偶然ですね、先輩!」

 

「そうか…じゃ…そう言う事で。」

 

「ちょっと、待った〜!何で自然に帰ろうとしてんですか?」

 

お〜〜!いろはさん!ナイス突っ込み!

小町が言おうとしてる事まんまですぅ〜!

 

「何だよ、一色?疲れてるんだから帰りたいんだけど。」

 

「先輩〜少しだけ本を選ぶの手伝ってもらえませんか?お願いします。」

 

そういうと、いろはさんは健気にペコリと頭を下げて、お兄ちゃんにお願いしてる。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!この前もいろはさん、小町の為にお参りに来てくれてるし

何時もより真剣にお願いしてるよ。手伝ってあげてよ!」

 

「分かった…。」「えっ?先輩?」

 

「あ〜困ってるのか?会報の内容は今回もう決めてるのか?俺が選ぶと

お前の感覚と合わないかもしれないが参考になればいいが。」

 

「え〜〜っ!手伝ってくれるんですか?先輩?マジどうしちゃったんですか?」

 

「俺が素直に手伝うとそんなに驚く事なのかよ?」

 

「そりゃあもう、ここで二つや三つ文句や能書きを言ってから断るのが

先輩のお決まりのパターンですからあたしが反撃に出る幕もないじゃ

ないですか?」

 

「お兄ちゃん、いろはさんにパターン読まれてるよぉ〜。でも、

逆パターンで驚かせて手伝っちゃお!」

 

「残念、たまにはお前の逆を行こうとな。大成功だ!」

 

「も〜、行きますよ!先輩〜いいの選んで下さいね!」

 

いろはさんがやっと笑顔全開で答えてくれた。ありがとね。

 

本屋さんで二人の漫才が炸裂してる……この二人意外と気が合うのかな。

 

「うわっ、先輩?何ですかその本どっから持ってきたんです?

分厚過ぎて絶対に読む気になりません、ごめんなさい無理です。」

 

「お前、これ位読まないと内容はスカスカのしか書けないだろ、

どうするんだよ?あと、図書館でも回ってもいいかな。」

 

「だって、読むのに三日位かかりそうですよ?来週末には

提出しなくちゃあならないのに時間がありませんよ。それに本、高そう。」

 

「あ〜お前、それいつから出されてんだよ?」

 

「だってぇ…相談したくても出来なかったから……っ…。」

 

いろはさん、涙声で…きっと、お兄ちゃんに相談したかったのかな?

 

「いろはさん、きっと悩んでたんだよ。お兄ちゃんに相談したくても出来なくて

困ってたんだと思う。助けてあげて、お兄ちゃん!」

 

「一色、どこまでなら纏めてあるんだ?全力でやれば何とか間に合うな。

月曜の昼に生徒会室に行くからすぐに作業にかかるぞ!」

 

「先輩…いいんですか?こんなの押し付けていいんですか?」

 

「困ってたんだろ?頑張れば何とかなるから、そんなに気にするな

大丈夫だ!」

 

「先輩〜!ごめんなさい、ごめんなさい!」

 

おおっ!!!いろはさん!健気で可愛い〜!あざとくないですよ〜!

 

「俺は兎に角、これ読んでおくから自分なりに考えを纏めておいてくれ。

この後、図書館にでも関係書類を捜してやるよ。明日、学校でな。一色。」

 

「先輩、有難うございます、いつも助けてもらってばかりで…あたし、あたし。」

 

「ばっか、お前、あざといから泣くな。俺ももう大丈夫だから気を使うな、一色。」

 

「えっ、先輩…」

 

「お前もいつもの元気出してくれよ、俺も出すから…。」

 

「はい!先輩!あたしも図書館に行きます!」

 

「げっ、付いてくるの?」

 

「何ですか?駄目なんですか?あたしにも責任があります!」

 

「分かった、じゃ行くか。」「はい!」

 

 






図書館にお兄ちゃん達が行ってしまう事になり、
小町は一緒に行く事が出来るのか?



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