はまち外伝   作:ふたなり2

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事故で死んだ小町は光の中で白猫のユキに会う。

ユキは小町に助かるチャンスを話した。

たがその内容は難しいものだった。







小町 again ( 白猫ユキちゃん )

 

 

光の中から現れた白猫のユキはチリリンと鈴を

鳴らしながらあたしに近付いた。

 

「びっくりさせちゃって、ゴメンね。」

 

「ううん、平気。でも、ユキちゃん今ウチにいる

カー君より綺麗で可愛いよ。それでどうしたの?

ユキちゃんがお迎えに来てくれたの?」

 

「うん、小町ちゃんの案内人として迎えに来たんだ、

だけど生前小町ちゃんの行ないが良いと言う事で

転生出来る可能性があるんだ。」

 

「えっ?なになに?それどう言う事なの?」

 

「慌てないで聞いて。」「無理だよ、もうすぐ小町火葬にされちゃう!」

 

「残念ながら小町ちゃんが生き返る事は無理なんだ。」

 

「・・・・そっか、仕方ないよね。」

 

いくら痛くなくても自分が燃やされちゃうの絶対に嫌だ!

死んだあたしが悪いんだ・・・やっぱ悲しいや・・・

ポロポロと涙が頬を伝う・・こんな残酷な事ってあるの?

 

「でも、生まれ変わるのが凄く早くなる事は出来るの。」

 

「ぐすっ、生き返るんじゃないのか・・・生まれ変わってもねぇ・・」

 

「そんなにしょげないでよ!生き返るのには順番があって

大変なんんだから!あたしだってまだまだだし。」

 

「えっ?どの位待つの?」

 

「混んでるし割りと早くて五百年先かな?」

 

「うそ?・・・マジで?」「そう、マジで。」

 

「あと、生前の行いによって行く所が違うから

余計に時間が掛かるよ。」

 

「何処へ行くのよ?」

 

「知らないの?」「えっと、噂に聞く・・・とか?」

 

「そう、そんなとこだよ。」

 

ユキは手をなめ顔を洗いながら言う、嫌だよ。どっちも嫌だよ。

何とかならないの?行くならエンジェルちゃんのいる天国に

行きたいよ。

 

「上に言っても暇で暇で退屈すぎて死にそうになるし下は下で

メチャクチャ罰を受ける。」

 

「うわ~ん!そんな事聞いたら余計行きたくないよ!

ユキちゃん何とかならないの?」

 

「さっきも言ったけど、一つだけ小町ちゃんが早く転生出来る

方法があるんだ。」

 

「それって、難しいんじゃないの?」

 

「難しいかどうかは、小町ちゃん次第だよ。どうする?やってみる?」

 

「う~ん、このままだとどっち行ってもダメダメだし

チャレンジしてみようかな、ユキちゃんも助けてくれるの?」

 

「うん、相談に乗ることは出来るよ但し色々決まり事や期間があるんだ。」

 

お座りしたユキちゃんはゆっくりとあたしができる方法を

話し出した。

 

「生前小町ちゃんは家族を大切にしてお兄ちゃんを慕い大変心優しい

行いをしていました。あたしも凄く可愛がってくれたし大変感謝してるよ。」

 

「そんなことないよ~、でも褒められると嬉しいね。」

 

「家族思いの小町ちゃんがお兄ちゃんや両親を悲しませている事が

心残りになっていて今回の可能性になったのです。」

 

「うん、ありがとうユキちゃん!」

 

「小町ちゃんの最大の心残りそれは受験とお兄ちゃんに彼女を作ってもらい

自立してもらう事ですね。」

 

「あ~お兄ちゃんは、ほっといたらず~っと一人でいると思うし

結構モテてるのに何やら理由を付けて女の子を寄せ付けないからなぁ。

ヘタれるし機会を作ってあげても進展しないし。」

 

「これから小町ちゃんは霊体となってお兄ちゃんの彼女を作ってもらうよう

働きかけをしないといけません。」

 

「えっ?何で?」

 

「将来お兄ちゃんが結婚した相手との間に生まれた子供こそが小町ちゃん

貴方になるのです。」

 

「え~~~あたしがお兄ちゃんの子供として生まれ変わるの?

なんか嫌だなそれ・・・」

 

「嫌とか好きとか言ってる場合じゃなく方法がこれしかないの。

生まれ変わるにはお兄ちゃんの血が必要になるのよ。」

 

「うわ~面倒くさそ~。」

 

「この世もあの世も楽はさせてくれないよ、小町ちゃん?

止めとく?」

 

「分かった、文句言わずにやる!お兄ちゃんに彼女を

作らせるのだ!そして、結婚させてあたしを生んでもらうんだ!」

 

「但し、禁則事項があるんだ。」

 

「何?やってはいけない事?」

 

「そう、先ずはお兄ちゃんにこの事は絶対に言ってはいけない。

言った時点で小町ちゃん貴方はあの世に行ってしまう。」

 

「げっ、会ったらお兄ちゃんに即行で話してあたしを生んで

もらおうと思ったのに・・」

 

「霊体の状態でお兄ちゃんに会えるのは1年間だけ。」

 

「えっ?後はどうなんの・・」

 

「一年かけてお兄ちゃんに幸せな家庭を作ってもらい子供を

生んでもらうよう導き更生させる。」

 

「だから、一年経っちゃうとどうなんの?」

 

「タイムリミット・・・あの世に逝っちゃう。」

 

「結局、逝っちゃうんだ。」

 

あくまでお兄ちゃんが結婚して子供が出来なければ

小町ちゃんは復活できないよ。結果は子供が生まれた時のみ。」

 

「また、女で生まれてくるのかな?」

 

「それも分からない。」

 

「じゃあ、次は男の子になるかも?」

 

「その可能性もある。」

 

「小町、一度男の子になってみたかったんだよ~」

 

「性別はコロコロと変えられないよ、それにお兄ちゃんは

妹を愛してるんじゃないの?」

 

「そうだった、てへっ!」

 

「じゃあ、結婚したお兄ちゃん達に子供が出来なかった場合は

どうなるの?」

 

「その場合もダメ。あの世もそんなに甘くないんだ。」

 

「はぁ~、ダメ元でもお兄ちゃんが幸せになればいいか・・・」

 

「頑張ってみるよ。」

 

「ユキちゃんはあたしと何時も一緒にいるの?」

 

「呼んでくれれば現れるよ。」「お化けみたいだね?」

 

「お互い様だよ、後一つだけ・・」

 

「小町ちゃんの霊体が見えるのはお兄ちゃんだけだよ、お父さんや

お母さんには小町ちゃんの姿は見えないし声も聞こえないから。

霊体となった小町ちゃんの体は物に触れる事は出来ない。

壁とかはすり抜けることは出来るけど余り遠くまでは行けない。」

 

「分かった、お兄ちゃんを怖がらせないようにしないとね。

あとお兄ちゃんが小町と話したと二人に言ったら悲しませるもんね。」

 

「いいかい、もう一度だけ言うよ。絶対にお兄ちゃんに秘密を

言っちゃあいけないよ。全部パアになっちゃうし即あの世だよ。」

 

「りょ~かい!まかせて!」

 

「じゃあ、小町ちゃん頑張って応援するよ。」

 

「ありがとう~・・・」

 

 

光の中のユキちゃんは間も無く消えていきあたしの意識も

やがて薄れていった。

 

 

to be continued

 

 





小町は八幡に会えるのか?八幡の反応は?


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