はまち外伝   作:ふたなり2

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八幡とのデートを楽しむ留美、だけど偶然鉢合わせ
となった二人に驚く。








留美と八幡 ( ハプニングデート )

 

 

 

う~っ、遂に言っちゃった!勢いで言っちゃった!

 

どうしよう~家に帰ってから恥ずかしくなってきて

ベッドに潜り込んで枕に顔を埋め足をバタバタさせたよ。

 

帰りがけ八幡が言った「じゃあな」言葉を

思い出したら急に顔が火照って恥ずかしくなる。

 

…………そうだ、明日着て行く服考えなくちゃ。

 

まず上は明る目のカーデでいいよね?胸元のアクセントに

軽めのブローチかプチネックレス。下はやっぱスカート…ん。

この前買った可愛いプリーツスカートとパンプスでで決まり!かな?

鞄はお気に入りのトートーバックで。

 

あれこれ考えてるうちにママに呼ばれ夕飯の支度を手伝い

夕食を済ませお風呂に入って早目に休む日事にした。

 

…やっぱり眠れない。ドキドキする…。

 

今週は色々と忙しかったし、隔週休みの明日…は楽しみだ。

いい日になるといいな、そんなことを考えいるうちに眠りに付いた。

 

・・・・・・

 

天気になって良かった~♪

 

朝シャンして髪を乾かし、いつものロングを大人っぽいサイドテール風の

大きめの三つ編みにしベージュのシュシュでまとめてみた。

メークもナチュラルに・・・身支度を済ませ朝食のパンを食べてると・・・

 

ママがポツリ、「留美ちゃん、彼氏出来たの?」

 

「てっ、いるわけ無いよそんなの!」

 

「そう?やけにおめかしするし。」

 

「出来たらちゃんと言うし!」

 

「あら~それは楽しみな事!どんな彼氏が来るのか楽しみに待ってるわ。」

 

「友達と買物だもん!」

 

「珍しいわね、あなたが友達と買物だなんて。」

 

酷ど… そりゃあさ、友達少ないけどいない事ないもん!

一緒に遊びに行く事は少ないけど、あんまりだ知らない!

 

「・・・・・」

 

「行ってきます!」食パンを口にぶら下げ慌てて家を飛び出した。

 

も~うるさい、うるさい!そんなんじゃないんだから!

お礼のつもりで行くんだから・・八幡デートした事ないみたいだし。

 

ふん、ママは娘に彼氏出来るの面白がってるし、ちっとも面白くないし!

 

兎に角、ララポートに向かって駅に急いだ。

 

30分前には着いたしちよっと早いけど待合わせ場所に行ってみたら

八幡が来てた。

 

「八幡、おはよ!」「うっす、留美。」

 

「ちょっと、早くない?そんなに早く留美に会いたかったの?」

 

八幡って、ひょっとして私に気があるんじゃない?

 

「バッカ、遅刻するよりいいだろ?それに留美だって早いだろ?」

 

「まあ、そうだけどさ・・・」

 

手持ち無沙汰に髪を触っていたら八幡がやっと気付いてくれた。

 

「まあ、その何だ・・髪型変えたのか似合ってるぞ。」

 

「そう・・ありがと。」

 

やだ、顔が赤くなる反則だぞ八幡!

 

「それで何処行くんだ?」「えっ?」

 

「買い物行くんだろ?」「あっ、別に決めてないし。」

 

「何だよ?」「何でもいいじゃん!」

 

「分かったよ、付いてくよ。」

 

「んっ、取りあえず雑貨屋さんから覗いてく。」

 

「あいよ。」「八幡。」「ん?」「もっと嬉しそうにして。」

 

「何で?」「私と一緒に買い物してるから。」

 

「相変わらず、スゲー上から目線。ルミノ下さんと呼ぶぞ!」

 

「何それ?雪ノ下先輩?全然面白くなかった。雪ノ下先輩にも

言われてるでしょ、もっと愛想よくするように?」

 

「喧嘩売ってんの?」

 

「愛想よくね、八幡!」ニコっと笑顔で小首を傾げて言う。

 

「あ〜分かったから!」ブツブツ言いながら返事をしてた。

 

「うん、不気味なのは徐々に治すとして訓練してね。」

 

「はいはい。」「『はい』は一回だよ八幡。」

 

ふふっ、八幡が困ったような顔してガシガシ頭をかいてる。

ちょっと八幡さん、可愛い!

きっと、雪ノ下先輩もこんな感じなんだろうな。

八幡と雑貨巡りしながら小物を手に取って一緒に

選んだりした。可愛いアクセとか私があわせて八幡に

見て貰ったりして楽しんだ。買い物がこんなに楽しいと

思ったの久しぶりかな?最初は恥ずかしがってたけど、

慣れてちゃんと見てくれるし選んでくれてるみたい。

良かったかな、お気に入りのショップへ行って服も

選んでみた。八幡、女物はよく分からんと言うから

どっちが良い?とか言って選んだり楽しく回ってみた。

あれこれ回ったから少し喉が乾いたし休もうと

気の利いたカフェに入りお茶して一息付いて

映画館に移動してるところに彼女達にバッタリ出会ってしまった。

そう、オリジナル一色こと、いろは先輩と八幡の妹さん、小町先輩に。

 

・・・・・

 

「おやおや?其処にいるのはもしやお兄ちゃんでは?」

 

「えっ?何で小町がここに?げっ、しかも一色までも!」

 

可愛らしいお洒落な二人組がよって来た。

 

一人はほのかに似た、覚えてる一色いろは先輩だ。もう一人は

昔会った事ある、八幡の妹さん小町先輩だ。

 

「せ〜んぱい!何をしているんですか?其処にいる可愛い子は

誰なんですか?一体先輩とどう言う関係なですか?どうして二人で

買い物してるんですか?」

 

うっ、ほのかから聞いていたけどいろは先輩メチャ怖い!

笑顔で八幡に物凄いプレッシャーかけてる!

 

「ううっ、一色お前も会った事あるぞ。留美だよ、ほら一色が

会長になって合同クリスマスパーティーの時に演劇のヒロイン役を

やった鶴見留美だ。今、総武高の一年でお前達の後輩だ。

小町も千葉村とかでも覚えているだろう。其れから、

この前俺が教育実習生で総武高へ研修に行った時に

教えていたんだ。」

 

八幡が早口に一気にいろは先輩へ言い訳よろしく説明をした。

 

「鶴見留美です、お久しぶりです、一色先輩、比企谷先輩。

あの時はお世話になりました。」

 

「いやいや、留美ちゃんですね!お久しぶりだよ〜!其れはそうと

お兄ちゃんはその留美ちゃんとデートなの?」

 

いや…小町先輩デートと言われましても困るんですけど…

 

「あの時の留美ちゃん?私達の後輩だなんて嘘みたいだね。

てっきり私と言うものがいながら先輩が他の女の子にちょっかいを

掛けてるのかと思いましたぁ〜。」

 

「あの〜一色さん?いろはさん?何時から俺とお前が付き合ってるんですか?」

 

「何言ってるんですかぁ〜?先輩と私の仲じゃ〜ないですか。」

 

「誤解を招く言い方はよしてくれないですか?」

 

八幡はさも嫌そうな感じで鬱陶しそうに言ってるけど本当にそうなの?

それといろは先輩、顔は笑顔なんだけど目が笑ってなくて怖いよ!

 

「まあ、留美が実習の時のお礼も兼ねて買い物に付き合って

欲しいって事なんでな。」

 

「へぇ〜、まあ私としては候補がまた一人増えたって事で

嬉しい限りなんですがね。」

 

「小町さん、小町さん・・・もうこれ以上候補者増えてもね?

それに、うちらの後輩だし。」

 

「いえいえ、後輩だろうと先輩だろうと決めるのはお兄ちゃんだし!ね?」

 

「兎に角、そんなんじゃ~ねえよ。」

 

何でそんなに一生懸命否定すんのよ八幡!

 

「じゃあ、そろそろ映画始まっちゃうから行こう八幡!」

 

八幡の二の腕をちょっと、摘んで二人に笑顔で挨拶してみた。

 

「ん?おうっ・・・」

 

「 ・・・・えっ?八幡って何ですか?先輩の名前呼びですか?

先輩も許してるんですか?私は先輩なのに後さっき彼女の事、

名前呼びなんですか?私は苗字呼びなのに何でですか?

それに何で二の腕に絡まれているんですか?先輩?」

 

一色先輩声が低い、怖い、怖い!笑顔が怖い!

八幡がビビってる!速く逃げたい!

 

「えっ?まあ、昔から留美って呼んでいたからな。」

 

「そうなんですか?じゃ~私も八幡って呼んでいいですかぁ~?」

 

「いや、お前はダメだ!あざといからな。」

 

「え~それって酷くないですかぁ~?」

 

「いや、お前にはその位で丁度いい。」

 

「え~酷い~留美ちゃん羨まし過ぎる!」

 

「そうだ、何の映画見るんですか私達も付き合っちゃおかな?」

 

え~そんな嫌だなマジで付いてくんの二人とも?どんだけ八幡の事好きなの

ダメだって!

 

「いや~それは先約の留美ちゃんに譲ってあげて次回のお楽しみって事で

いいんじゃないですか?一色先輩!」

 

小町先輩が助け舟を出してくれた、サンキュです!

 

「そうだな・・留美との約束があるからな・・」

 

八幡の屁っ放り腰!

 

「ぶぅ~!絶対ですよ約束ですからね!せ~んぱい!

次回は私をデートに連れてって下さいねきっとですよ!」

 

「ああ、機会があればな。」

 

「直ぐに連絡しますね~デ・イ・ト。」

 

「でわでわ、私達はこれにてお兄ちゃん?」

 

「何だよ?」「ちゃんとエスコートしてあげてね!」

 

「はいよ。」

 

「留美ちゃん、せ~んぱい、じゃまたね!」

 

最後まで一色先輩は怖かった・・・

 

「「はぁ~~っ・・・」」

 

八幡と二人で大きなため息をついた。

 

八幡ってメチャクチャモテルじゃん!それも美人で可愛い人ばっか!

だけど、私といる時は私の事だけ見てよね・・・バカ・・

 

 

・・・・・

 

 

「物凄く疲れたね八幡?」「全くだ・・・」

 

 

トボトボ映画館に移動し映画館でやっと落着く事が出来た。

 

映画は私の好きな洋画のアクション物だった。

凄く迫力があって最後のヒロインとの別れが少し悲しく

泣けて来る様なものだった。途中、危ないシーンでうっかり

八幡の手握っちゃったし最高に面白かった!

 

映画館を出たらすっかり日が暮れかけていた。

 

「飯でも食ってくか?」「うん」

 

「何が食いたい?あんまり高いところはダメだぞ。」

 

「大丈夫、何でもいい。」「ラーメンでもか?」

 

「いい、八幡が決めてくれるんなら何でもいい。」

 

「サイゼでもいいのか?」「うん。」

 

「じゃ、そこのパスタ屋さんはどうだ?」「うん、いい。」

 

パスタ屋さんで私はドリアを八幡は普通のミートスパを食べた。」

 

「意外とイケるな。」「うん!美味しい。」

 

セット物の飲み物で八幡と私はカフェオレを頂きポツリポツリと

話をした。

 

「あのさ・・・」「うん?」

 

「ありがとう・・・・・」

 

「お礼を言われる様な事してないぞ。」

 

「ううん、ずっと言いたかった。小学生の頃から八幡には

助けてもらった。」

 

「千葉村の事か?」「うん。」

 

「当時は分からなかったけど今なら分かる!どれだけ楽になったか。

後ね、クリパの時に色々面倒を見てくれた。演劇をやらしてくれた。

少ないけど友達が出来た。ありがとう・・・」

 

「そうか・・でも何もしてない。」

 

「何故そんな事言うの?私は八幡に感謝してるし、」

 

「止めろよ!」「えっ?」

 

「俺はしてない。感謝される事は何も。」

 

「・・・・分かった。」「何をだ?」

 

「八幡はした覚えが無くても私は感謝してるの!だから、それでいい。」

 

「よく分からんな・・」「うん、よく分かんない。だけど、それでいい。」

 

お互い言ってる事は平行線だけど八幡の事が少し分かった気がする。

 

ありがとうね、八幡・・・

 

 

・・・・・

 

 

「本当にここでいいのか?」

 

パスタ屋さんを出て駅の改札口でさよならをする事に

 

「うん、ここでいい。八幡今日はありがとう・・・あの・・・」

 

「うん?」

 

「楽しかったよ・・・」「ああっ、俺もな。」

 

「明日、いよいよだね。」

 

「ああ、明日いよいよだ。」

 

「じゅあね、八幡。」

 

「じゃあな、留美。」

 

 

 

 

 

 

 







二期のルミルミ場面カット、かなり寂しかったです。
アニメの場合仕方ないのかな?もう少しゆっくりと
進行してくれればいいかと思いました。その分、
皆さんにルミルミ補充していただければと思います。
留美と八幡次回、最終回になると思います。










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