はまち外伝   作:ふたなり2

10 / 20



教育実習も終了日となり八幡が学校から去って行く。
淋しくなる留美は……








留美と八幡 ( さよなら比企谷先生 )

 

 

バタバタ脱線しながら楽しく会議を終え、

ほのかの趣旨にあった告白をする事に。

 

それは「後悔しない様にお弁当を渡し自分の気持ちを

伝える。」だった。

 

「それじゃ、今度の日曜日にある練習試合の時に

お弁当を手渡しして告白をするんだね。」

 

「はい、頑張ります!」

 

うわ、何時になくほのかちゃんが燃えている。

軽くコブシを握りガッツポーズだよ。

 

「頑張ってね、ほのかっち!応援するからね!」

 

「ええ、いい結果になるよう頑張って。」

 

由比ヶ浜先輩、なんか自分が告白するみたいに

ほのかちゃんの両手をとって目をウルウルさせてる。

 

雪ノ下先輩は穏やかに微笑みながら頑張れって言った。

 

みんなの応援に嬉しそうなほのかちゃんに八幡が釘を

刺してきた。

 

「一色、たとえどんな結果になってもだ、頑張った結果だ。

上手く行く時もあればいかない時もある。結果をちゃんと

受け入れて行く様にな。」

 

「そうね、こればかりは相手の意思もあるし此方が

努力したからって報われない場合もある事だし。」

 

「二人とも前向きに行こうよ!正義は最後に勝つんだよ!」

 

「其れを言うなら『愛は勝つ』じゃ、なくて?」

 

「あっ〜そうとも言うし〜。」

 

由比ヶ浜先輩が焦ってるけどほのかちゃんを励まして

くれてありがたい!

 

最終決戦を前に円陣を組んでほのかちゃんにエールを

送った。(これ、八幡と雪ノ下先輩はやりたがらなかったが

由比ヶ浜先輩に推され渋々やってた。音頭をとったのは

勿論、由比ヶ浜先輩 )

 

俺には縁が無いと思ってたと八幡が零してた。

もう、立派な仲間がいるのに「ボッチ」じゃないよ八幡くん。

 

 

・・・・・

 

 

後2回残っていた八幡の授業も無事終了し金曜日の放課後を迎えた。

今日で学校での八幡とはさよならだ…。

 

今週奉仕部の活動は当日のお弁当献立作りとその練習に

料理を作り八幡に味見をしてもらったりと忙しかった。

八幡はほのかちゃんが作った料理を「小町よりはイマイチだけど

大丈夫だ俺が保証する」って絶賛してくれたしほのかちゃんも

喜んでた。たけど、どんだけシスコンなの?

 

でも、来週から部室の隅で本を読んでる八幡がいなくなるのは

寂しい、別に何をやるでもなく座って本を読んでるだけなんだけど

其処にいるだけで安心できるもん…嫌だな。

いつの間にかいて当たり前の存在になってる。

来週から其処にはいないんだ。

その事を考えない様にしてたけどやっぱ、ダメだよ…

いやだ…いなくなるのは嫌だ。私のワガママ聞いてくれた…

ずーっと面白くなかった生活が八幡が来てから何だか

毎日楽しかった。ほのかちゃんも、ううん、ほのかだけじゃない

静先生も今日は特にさみし気だ。

 

八幡に授業のお礼と記念としてカンパで買った

ネクタイをプレゼントした。

八幡って、メチャ驚いちゃってアタフタしてた。

「バッカお前ら、嬉しすぎるだろ止めろよ。」って。

八幡のクスんだ目に光るものが見えちゃった!

私も泣いちゃったけど…授業ありがとう比企谷先生…

 

 

ほのかちゃんと二人、部室に行く為、職員室にカギを借りるのと

八幡の様子を見に行ってみた。

 

最終日、最後の挨拶や雑談を数人の実習生の中で八幡は

ヤレヤレって感じで混ざってた。

他の実習生は先生方と楽しそうなんだけどね。

 

「どうした?比企谷〜。」

 

静先生に一言二言何か言われてから八幡がボソッと言って

話してるけど、いきなり静先生…八幡にヘッドロックを

かけてる!うわ、先生〜女の子だからダメだよもう〜。

 

「そう言う事だからこれからも頑張れよ!」

 

静先生が八幡の背中をバーンと軽く叩いた。

 

「うっ、平塚先生、お願いだから止めて!俺、壊れちゃうから。」

 

八幡、思いっきり焦ってるけど大丈夫かな?

 

私達が見ているのに気付いた静先生が八幡に言った。

 

「比企谷先生、最後の奉仕部、指導を頼む。」

 

「うっす!」

 

私達に気付いた八幡は照れ臭そうによって来て

 

「部室に行くか。」って言って頭をガシガシと

かいて教室を後にしたのだった。

 

奉仕部の部室での3人はいつもの様に八幡が本を

読んで静かにしてる。私とほのかちゃんは、

浜田君に渡した下駄箱の手紙の事で盛り上がった。

 

私に迷惑をこれ以上負担をかけたくないと

ほのかちゃんが調整を辞退し下駄箱のラブレターに

変更したのだ。

 

「どんな感じで書いたの?」

 

「普通だよ、試合の始まる前に待ってますって。」

 

「え〜来なかったらヤバくない?」

 

「その時はまた改めて作ってアタックするから。」

 

「そっか、ほのかちゃんがいいならいいか。」

 

「うん。」

 

下校時間になり駐輪場でほのかと「明日、ガンバ!」

って言いながら笑ってさよならした。

 

 

・・・・・・・

 

 

バス停で八幡を待った。

 

遅れて来た八幡は少し驚いていたが黙って

すぐ横に並んだ。

 

「どした、バスまだ来てなかったか?」

 

「うん、来てなかった。」

 

「そっか、じゃ仕方ないな。」

 

「そう、仕方ないよ。」

 

バスの来るまで何と無く気まずいや。

あ〜速く来ないかなバス。

 

バスはやがて二人を乗せ駅へと向かう。

 

「明日…。」

 

「明日がどうした?」

 

「明日は八幡どうしてるの?」

 

「明日は千葉テレビでプリキュア見て小町の作った

料理をゆっくりと食べて過ごすから忙しい。」

 

「特に用事はないのね?」

 

「いや、だから家で」「ないのね?」

 

「お前、雪ノ下かよ?」「お前じゃない、留美。」

 

「あ〜 分かったよ、留美。で、どうするんだ?」

 

「お買物に付き合ってよ。」

 

「ほのかと行ったらどうだ?ほかの友達とか。」

 

「八幡がいい。」

 

「だから、ほのかっち・・・そうだ由比ヶ浜だったら

いい物選んでくれるぞ!」

 

「八幡がいいの!」

 

「・・・はいはい、分かったよ。」

 

「あと、映画とかも見たい。」

 

「映画か?そう言えば封切りの奴が何本が

あったな。」

 

「それでいい。」

 

「で、何時にする?」

 

「じゃ、10時にララポートは?」

 

「了解〜。」

 

「……ん。」言ってて顔が火照るのが分かる。

 

えっ?ヤダ?八幡簡単にデートOKしちゃったよ。

アタフタと焦り気味でいるとバスは駅についてしまった。

 

顔を真っ赤にしてる私を後目に「じゃあな。」と八幡。

 

「うん、明日…」

 

離れて行く八幡の後姿をずっと見ていたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 






もう少しだけつづきます。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。