記憶を崩した者達~メモリーブレイカーズ~   作:如月ルイ

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なにこれ。学校の名前ですかね?
自分でもよくわからないです。
作者ww


一話 一年高等学校

「じゃ、この問題解けるやつ~?」

シーン………

午後三時二十分、五時間目の授業は数学……。

先生の問い掛けもむなしく一年高等学校の俺の教室は静まり返っていた

「なんだ~?お前らこんな問題も解けないのか~?」

シーン………

なんだ、この思い空気は………。

誰が手をあげてくれっ!じゃないと、当てられる可能性が………。

トントン

突然、後ろから肩を叩かれた。振り向くと、同じクラスメイトの朧月 洸(おぼろつき こう)がいた。いたって言うか、席が後ろだから当たり前なんだが………。

こいつは、物凄い機械いじりが好きな男だ。プロのハッカーにも余裕で勝てる程の腕前だ。ただし………

「なんだよ、洸。」

「なぁ、涼?あの先生ってさ、やっぱカツラつけてるよな。」

こいつはもの凄いバカだ。機械分野以外では。

数学の先生こと俺のクラス一年二組の担任、沼田 浩介(ぬまた こうすけ)は、洸いわくカツラらしい……

 

「それさぁ、本当なのか?誰も見たことねぇしさ。カツラじゃないんじゃないか………?」

そう。洸は、いっつも沼田がカツラ着けてるって言うんだが……未だに誰も見たことがない。

 

「沼田はなぁ、いっつも生徒を怒鳴り散らすだろ?つまり、ストレスがたまってんだよ。だからハゲてる。と思うんだが………。」

「それは、真面目に授業を受けないふとどきものがいるからだろ?」

大体、そうだろう。沼田も理由もない時に怒鳴ったりしないはずだ……それを考えると理由は、簡単だろう。

 

「それって、誰のことだよ?」

「決まってるだろ?いっつも沼田の事をハゲっていってるやつだよっ。」

洸は、俺の言葉を聞いて「う~ん?誰だ?」と言った。

 

「お~い。ホントにわかるやついないのか?」

沼田もそろそろ、待てなくなってきたか………

当てられるな。回避しないと

すこし、辺りを見渡すが誰も手を挙げていない。

「洸、作戦を実行するぞ。」

「えっ、涼。ホントに行くのかよ。」

「ああ。あとは、任せろ。」

そう言って俺は、手を挙げる。

 

「おっ、涼くん。いいねぇ、こうやって手を挙げて貰えると~。」

「先生。トイレに行っていいですか?」

「………行ってこい」

ガラガラ

 

ドアを開いて廊下に出る。そして、俺が向かうのはトイレではなく………

職員室だっ!

今は、授業中なので誰も職員室にはいない。

階段を下りて突き当たりを右へ……

渡り廊下を通ってまた、右に曲がる。すると、左側に職員室が見えた。

 

えっ?俺が何で職員室には来たかって?それは…沼田の机の中にある伝説のカツラ(予備)を見つけて、洸の言っている事が本当かどうかを確かめるためだ。

「ここだな。」

ドアのふちに手を掛けて開いた。

ガラガラ

「よし、誰もいないな………。えっと、沼田の机は~っと。」

入ってすぐのとこだったような気がする。

「おっ!見っけ。」

ご丁寧に机に沼田というシールが貼ってあった。

その時だった。

 

ガタガタ!

突然、後ろの大きな段ボールが揺れ始めた。

「なっ!なんだ!?」

「んっ、んぐっ!」

うめき声まで聞こえる。ヤバイ………。

「んぐっ~。ちょっと!そこに誰がいるの!?ここから出してよぉ~!」

「はへっ?」

いまのは、話しかけられたと言っていいのだろうか。

まぁ、出してと言われたから仕方ないか。ってか、この声……聞いたことがあるような……

 

段ボールの一度剥がされたようなガムテープを剥がした。

 

「ぷはっ!はぁはぁ。あっ、ありがとう。」

「いっ、いえ。どういたしまして。」

段ボールの中から女の子が出てきたので驚いてしまった。

「んっ?あの、何でここに?」

俺が問い掛けると女の子は

 

「いや別に、って!ええぇぇ!………仲田くん?」

「えっ?何で名前を………?」

「私だよ!私!」

短めのスカートに、水色の髪止め…………思い出せない。

 

「ごめん………昔、会ったことがある人かな……?俺、記憶ないんだ……。」

そう。昔の記憶は消えてしまった。今のままでも、十分生活ができるから……別にいいけど……。思い出せるなら、思い出したいが……

 

「覚えて………無いんだ………。」

女の子は悲しそうな顔をしてそう言った。

カチッと時計の針が動いた

そして、チャイムがなった。

「あっ!ヤバイ!ごめん。じゃあ。」

そう言って、俺は教室にもどった。

 

ガラガラとドアを開くと

「涼くんねぇ………ちょっとトイレが長いんじゃないか?」

沼田が不機嫌そうにそう言った。

「えっ、アハハ………すみません。」

席へ帰ると早速、洸が

「どうだった?有ったろ、カツラ」

と聞いてきた

 

「いや、それがな………っ!!」

おい、待てよ……なんだ……この違和感……

 

 

……あの女の子は、なんで職員室にいた?それに、なぜ段ボールの中に?

 

「おっ、おい、どうしたんだ?」

心配そうに洸が聞いてきた

「…すまねぇ。次の授業休む。んじゃあな。」

席を立ってドアを開く

バッと走ったつもりが

ドンッ!

「いてぇっ!ごっごめんっ!」

「んっ?………すまんな。仲田」

目の前には

「カンナっ!?」

神無月 理恵(かんなづき りえ)が立っていた。

 

「……………すこし………ボーッとしていた。すまん。」

「いっいや、俺もちょっと急いでてから。ごめん。」

こいつはいつも、ゆっくり喋る。ロングヘアーで見た目はただの女の子なのに話し方がどうも男っぽい。

みんなからは、カンナと呼ばれている。

気がきく、いいやつだ。

 

「じゃあ………おあいこでいいか…?」

首をすこし傾けて神無月はいった。

 

「おっ、おう。じゃあな。」

「うん………」

俺は、階段を駆け下りて職員室へ向かった。




新しいキャラが登場!ってか、神無月って………!?
長文失礼しました!!

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