記憶を崩した者達~メモリーブレイカーズ~   作:如月ルイ

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アイデアが出なくなってきたし、どんどんカオスになってくる!誰かぼくをたすけてっ!


三話 秘密

夕暮れの部屋に一人で座り込んで回りを見渡す。

俺以外には誰一人いない。

机の上におかれている携帯をしばらく見つめた………

ブブッ!

携帯が震えて、音楽が流れる。

 

「………メール?」

立ち上がって、携帯を取りに行く。

携帯に届いていたのは、メールではなく、お知らせだった。

 

「ん?なんだ?このアプリ………」

それは、新しいアプリのお試しができると言うお知らせだった。

 

しかし、そのアプリには黒い四角の中に白く『?』が書かれているだけだった。

 

「………押してみるか。」

好奇心に負けたのだ。

俺はアプリを押してしまった。

すると、携帯画面が暗くなった

 

「………。」

ピコンッ!

携帯が震えて効果音が流れた。

画面には「ようこそ!」の文字とそのしたの新規登録の文字。

「なんだよこれ…………。」

とりあえず、新規登録を押してみる。

ピコンッ!

また、携帯が震えて画面が青く変わった。

 

そして、現れる文字 「名前と、パスワードを入力してください。」

 

「なんだよ………勧誘か……?」

しかし、なんで俺の携帯に勧誘アプリなんか……

「あぁ、もう!名前とパスワード入れりゃあいいんだろ!?」

 

名前のところを押して、名前を入れる………しかし、本当の名前ではダメかもしれない………

そう思った俺は「白龍」といれた。

 

「パスワードか………」

普段なら564219なんだが……今回は誕生日にしとくか。

「1017」と入力した。

 

そして、完了ボタンを押す。

 

画面に大きく「登録完了」の文字が現れる。

すぐにログインを押してみた。

「変なサイトに飛ばされたら、すぐに退会しよう。」

しばらく待つと、いくつかのモードを選ぶ画面が出てきた。

 

『チャット』

『バトル』

『クエスト』

『協力戦闘』

『アイテム』

『ログアウト』

『キャラクター編成』

「あ………」

この画面を俺は、知っている………

 

この間、田中さんを助けたあと……紅月の家でトランプをしていたときだ。

紅月が扉を開けて、ゲーム機のなかに入ってる確か…………蒼月とか言うやつが作ったというアプリのモード選択画面が確かこれだった。

蒼月のことはよく知らないが、優れたITらしい。

 

 

と言うことは、このアプリを送ってきたのは

「蒼月かよ………」

でもまぁ、俺も気にはなっていたので一応遊んでみることにした。

 

『クエスト』を押すと、画面に「受注可能なクエストがありません」との表示。

「あ、そうか。キャラクターを決めてなかったな。」

一度戻って『キャラクター編成』を押す。

そこには、細かいキャラクターの詳細やら見た目やらの設定画面が現れた。

 

「あ、何かめんどくなってきた…………」

入力事項が多すぎる。

こんなのやってたら夜中になっちまう。

 

「ん?」

読み進めている途中で『顔写真から作成』という文字があることに気づいた。

 

「こんなので一回で終われるものなのか?」

疑問を抱きながらも、『顔写真から作成』を押してみる。

 

自取りモードに切り替えてから、写真を撮る。

 

カシャッ!

小気味の良い音が部屋に広がった。

 

画面を見ると自分の顔がうつっている。

「この写真から作成っと…………」

しばらく待っていると作成中 残り『1%』の文字が現れた。

 

しばらく時間が掛かるようなので携帯を机に置いて部屋を出た。

 

廊下の窓に目を向けるとすでに、空はた橙色から群青へと変わっている。

 

最近はおかしなことばかりだとおもっていたが、今思えば、空の色が変わることも……地球自体があることも…………そこに生命がいて、人がいることも………自分がいることも………全部おかしなことなんだよな………。

 

階段を降りて、誰もいなくて、真っ暗なリビングを通ってキッチンへ向かう

もう、何度も見ているのだが………誰もいないのはやっぱり寂しく感じてしまう。

 

父さんも母さんも仕事で外国にいったきり、帰ってこない。

 

父さんと母さんから来る手紙を読んで、両親の安否を確認しているのだが………

「そう言えば、今月はまだ来てないな。」

冷蔵庫を開きながら呟いた。

そう。今月もあと少しで終わろうとしているのに、まだ手紙が来ていないのだ。

 

今日、ポストに入っていたのは洸からの手紙(どうせ機械のくだらないやつ)とエルさんからの手紙(まだ開けていない)と光熱費のお知らせだけだった。

 

コーラを取り出してキャップをカラカラとはずす。

そして、口の中にふくむ。

シュワシュワと口のなかで二酸化炭素を放出しながら弾ける。

 

飲み込んだあとも喉から胃にかけて流れる際にシュワシュワとしているのが分かる。

 

「ぷはぁっ!!やっぱりうまい!」

どこやらのヒキニートさんの気持ちがよく分かる。

まぁ、俺は外に出たりすることの方が多いのだが。

あと、パソコンにあんな女の子はいない。

あ、そうだ!紅月のゲーム機に入ってる蒼月に俺のスマホに移ってもらうか!

…………あ、いやいや自宅警備がしたいわけではないし、どこかの団員にさせられたりされたい!みたいなことは、これっぽっちも考えていない………

 

リビングに戻って明かりをつける。

部屋のなかを見渡すと広い机の上に、帰ってきてからポストから取り出した手紙が置いてあった。

 

その中に一枚だけ黒い封筒がある。

黄色い字でEru(エル)と書かれていた。

手紙を見る前に、自分の部屋に一直線だった俺は、まだ手紙の内容を見ていなかった。

 

というか、エルさんって外国人なのか!?

「……先に洸からの手紙を読んどくか。」

洸からの手紙を手にとって封を切る。

 

『涼へ!!重要事項なので、ちゃんと読んどけよ!!

コホン!まずは、アレのことなんだがな!

この間お前にも話しただろう?

アレだよ!アレ!

沼田の!』

 

バシッ!と床に手紙を叩きつける。

「また、この事かよっ!!どんだけ、沼田の頭が気になってンだよ!!」

部屋の中で一人で叫ぶ俺は、はたから見れば滑稽の極みだろう………。

いや、見ている人はいないのだが。

 

「……………………ぜーんぶ、みてるにゃよ?」

「ひっ!」

背後から声がしたので振り向くとそこには、灰色の猫がいた。

「な、なんだ………お前か……」

「我輩に向かってお前とは何にゃか!?無礼にもほどがあるにゃよ!」

「あー。にゃあにゃあにゃあにゃあ、聞こえねぇー。」

耳を塞いで背を向けると背後でボンッ!という音がした。

何が起こったのかは知っているので、振り返らずにこうの手紙を拾ってエルさんの手紙と揃えてポケットにしまった。

「ほーら!この姿なら猫なんて言わせないよ!!」

後ろで、少女の姿に変化した猫がわめいている。

すこしなら………構ってやるか……

 

「いや、お前の頭に猫耳ついてんぞ?しかも、尻尾もあるし…………どっからどうみても、コスプレ好きな変人だ。」

「なな!そんにゃ!」

頭を何度かさすって耳を消したあと、お尻をポンポンと叩いて尻尾も消した。

 

「ふぅー!ふぅー!こ、これでどうにゃか!?」

顔を真っ赤にしながら息を荒くしている。

「ん?まぁ、良いんじゃないか?」

「そりゃあ、そうにゃよ!!我輩にできないことはないにゃ!」

 

……………え?まてまてまて!!何でもできるんなら!なんで、あの時俺たちを助けなかったんだ!?

 

「お、おい?猫………?」

「なんにゃ?それと、猫って呼ぶにゃ。」

「あ、んじゃあ、何て呼べば良いんだよ。」

俺が片目を擦りながら猫の方をみる。

 

「そうにゃね~。う~ん。」

しばらく悩んで、猫は「ヤミとでも呼ぶにゃん。」といった。

 

「何だそりゃ。まぁ良いか。んじゃあ、ヤミはどうしてあの時俺たちを助けなかった?」

あの時と言えばわかるだろう。

田中さんを助けにいったときの話だ。

 

「自分で突破しないといけなかったにゃよ。」

「どういうことだ?」

「お前は、白い本の持ち主だったにゃ。黒い本はあの、白い本でしか消滅させられなかったんにゃよ。つまり、あの本の持ち主じゃにゃいと、あの女の子を助けられなかったんにゃ………………理解できたかにゃ?」

 

「つまりは、白い本を持っていたのが俺だったから、田中さんを救えるのは俺だけだった。ヤミはどんな能力を使っても救えなかった。ってことか?」

 

「そういうことにゃ。なかなか、頭が良いにゃね。」

「……………。」

何だろうか…………何かを間違えたような気がする。

まるで、パズルで違うピースを無理矢理はめこんだような感覚…………。

 

「どうかしたにゃ?」

「なぁ、田中さんは今どこにいるんだ?紅月は生きてるって言ってたけど、それ以上はなにもいってくれなかったんだ。」

「にゃーんだ、そんなことにゃか。あの女の子は、生きてるにゃよ。」

俺はその言葉を聞いて、安心した。

 

でも、なぜか…………胸騒ぎかする……。

田中さんが誰にも気づかれずいきなり消えてしまっうのではないかと……………昔もこんなことがあったような気がする……………記憶は戻ったのだが曖昧で、信用できる記憶がないんだ。

 

「涼………すこし肩の力を抜いて、もっと、回りをみるんにゃよ。」

「あぁ、そうだな。ありがとうな。」

……………あれ?まてよ?おいおいおい!

「お!お前!何で人の家に勝手に入ってんだよっ!?」

「ん?鍵か空いてたにゃよ。」

え、鍵!?

玄関に向かって走る。

ドアの前にたって、鍵をみると縦になっていた。つまり……………

 

「開けっぱなしだった!!」

「不用心なのは、ダメにゃよ~。」

リビングの方から声が聞こえる。

…………無念だ。

 

ガクッと、その場に膝をつく。

「あぁ…………俺としたことが…………閉め忘れなんて………」

「気にしにゃい、気にしにゃい~。我輩があけたんにゃし~。」

「だめなんだよ…………開けっぱなしじゃあ…………………え?って!おいぃ!」

リビングに走る

 

「にゃんでそんにゃにバタバタとしてるにゃ。」

「お前が開けたのかよっ!!!」

俺が怒鳴ると、ヤミは「無様な生命にゃね~♪」と楽しそうに言った。

 

「はぁ…………」

気が抜けて、その場に倒れ混んだ。

微かに「だ!大丈夫にゃか!?」と言う、ヤミの声が聞こえていたが、もう聞こえなくなった。

 

俺はただ、なにも考えずに寝ることにしたのだった…………

 

 

 




涼「尻尾………」
ヤミ「ひにゃあ!?にゃ!にゃんで!?」
紅月「てか、涼?お前、いっつもこいつのどこ見てんだよ?(ニヤニヤ」
田中「涼くんのヘンターイ!(www」

涼「み!みんなして笑うなっ!!」


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