記憶を崩した者達~メモリーブレイカーズ~   作:如月ルイ

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田中さん大丈夫かなぁー?


第三章 化け物のさだめ
一話 電話


あぁ。どうしてこんなことになったんだ?

俺は今、あるデパートに買い物に来ていた。

しかも、一人だ。

上の階で何かあったようだが…………いま、そんなことは関係ない。

 

「あぁ。どうして売り切れなんだよ!!先着100名って誰が決めたんだよ!!くっそぉーー!」

俺はこのデパートに、とあるアニメの限定アイテムを買いに来たのだが…………俺の前の人で無念の売り切れ。

 

今は、大声で嘆いてみたいが……そんなことをすれば警察を呼ばれてしまう。

「………あぁ。もう!なんで……うわっ!す、すみません!!」

俺が一人で嘆こうとした瞬間に人に当たってしまった

「ん?いや、いいよ。こちらこそ、すまなかったな。」

黒くきれいな髪に黒い瞳をして白と黒が交互に入ったフードつきのジャンパーを着た俺より身長は少し高い男だった。

俺がこの人の容姿を確認していると、あるものが目に映った。

「あっ!そ、それ!!」

「ん?どうした?あ、これか………」

この人が開いた手には俺が今日手に入れられなかった限定アイテムが二つあった。

 

「………あ、お前。さっき、並んでてもらえなかった奴だろ?」

「え、あ、はい。来るのが少し遅くて………。」

俺が目線を下げながら言った。

 

「あ、これやるよ。」

「えっ!?本当ですか!?」

男の人は俺が言い終わらないうちに手を差し出してきた。

 

「ん?あ、これ一応二つもらっといたんだ。」

一人で二つなんて貰えるのか?まぁ、もらえたから嬉しいけど。

「あ、ありがとうございます!あ、まだ名前いってませんでしたね。」

俺がポケットにアイテムをしまいながら言った。

「ええと、僕は仲田 涼って言います。」

俺がそういうと男の人は「そうか。」と言って笑った。

 

「俺はエルって言うんだ。よろしくな。」

「え?エルさんって、外国人さんですか?」

「ん?違うげとな……」

その時だった。

「おーい!涼!!」

 

エスカレーターの上から洸がこっちに手を降っていた

「ん、お友だちさんか?」

エルさんが尋ねてきた。

「あ、はい。すみません。今度あったら何かお返しさせてもらいますので………えっと、携帯とか持ってますか?」

「あ、お返しなんていいけどな。携帯は持ってるよ。」

エルさんは白と黒のスマホを取り出した。

「それじゃあ、これ、僕の電話番号です。何かあったらかけてきてください。」

電話番号を赤外線で送った。

「ん。わかった。それじゃあな。」

そう言ってエルさんはどこかへ歩いていった。

あの人は白黒が好きなのだろうか?

そんなことを考えていると洸が走ってきた。

 

「涼。今の誰だ?」

「ん?知り合いだ。」

「そうか。あ!お前、上で起こった事件知ってるか?」

「あぁ。なんかみんな騒いでたな………なんかあったのか?」

俺が聞いたときだった。

 

ドガァァァンッッッッ!!!!

上の階からの激しい爆音と地響き…………そして、何人もの叫び声

「うわっ!ヤバイぞこれ!!」

洸が頭を押さえながらしゃがんだ

「あぁ。とにかくここから出よう!!」

俺がそう言って洸に近付こうとした瞬間………

ガガガガッッッ!!

 

洸の上からいくつもの大きな瓦礫が落下してきた。

「洸っ!危ないっ!」

洸は、俺が何が言いたいのか分かったようで上を見上げた。あと数秒で洸の真上にいくつもの瓦礫が落ちる。

そうなれば命はないだろう…………。

思いきり地面を蹴って洸に突進した。

洸は、俺にぶつかって吹き飛ばされる。

反動で勢いをなくした俺は、瓦礫の真下で止まった。

目の前に瓦礫が迫ってくる…………しかし、体は動かない。

 

終わった……そう思って目を瞑った

 

………………しかし、いくら待ってもその時は来なかった。

恐る恐る目を開くと瓦礫は粉々になって既に床に落ちていた。

「え?な、なんで?」

俺が驚いていると、視界の端で洸が「うっ………あっ!涼

!大丈夫か!?」と立ち上がっていた。

俺のみなりを見て洸は「よかった!」だとか、「無茶なことすんな!」だとか、「あ、ありがとな!」などと言っていたが、俺はそんなことよりもまず、なぜ大きな瓦礫が粉々になって床に落ちているのかが気になった…………どこかに紅月がいて俺を守ったのか?いや、あいつは、今日は企画会議に出るといっていた。つまりここにはこれない。

砕けたのか?

そうも思ったが、よく見てみると全て綺麗に何者かによって『切断』されていた…………人ができる芸当ではないだろう……………。

 

「おい、涼?聞いてるのか?」

「あ、すまない………と、とにかく早くここから出るぞ。」

 

俺たちは外に出た。

外では何人もの警察とやじうまの群れが辺りを埋めつくし上を見上げていた。

俺達も上を見上げると、デパートの所々から煙が上がっていた。

 

「ちょうど俺達がいた場所の上から全部煙が出てるな………」

洸がそう言った瞬間に激しい音をたててさっき俺達がいた階が煙をあげた。

 

あと少し遅ければ巻き込まれていだろう………。

 

それにしてもあの瓦礫を切断したのはいったい何者だ?

俺と洸はそのあと家に帰ることになった。

まぁ、時間も遅かったし当たり前なのだが……

 

その帰り道だった。

プルルルルルッと俺の携帯が震えて着メロがなり始めた

「ん?誰だ?」

俺が携帯を取り出すと電話だった。

名前のところにエルと表示されていた

 

「あ、エルさん?」

いきなりなんの用事だろうか………

 

ピッと電話をとって耳に当てて「もしもし。仲田です」

と言うと電話からは『あ、仲田か?俺だ………エルだ………』とエルさんの声がしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エルさん~~!
エル「なんだ………?」
いや、呼んだだけです!!(笑顔)
エル「おー。そんな勇気がよくあったな………」
ズガンッ!!
痛いです。
頭が痛いデス………
エル「なんなら、心臓抜き取ろうか?」
すみませんでしたっ!!(土下座と見せかけて寝転ぶ

エル「よし。心臓な………」

作者はこのあと死にました………

って言うのは嘘です(笑い&泣き
さぁ!第三章開始!

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