記憶を崩した者達~メモリーブレイカーズ~   作:如月ルイ

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始めよう。紅い月が消えないうちに


二話 紅い 赤い 朱い…………………夢のなかで

………めんどくせぇ~!

なんで職員室にいかないといけないんだよぉー!!

紅い髪なのは仕方ねぇだろぉぉがよぉぉぉ!!

 

仕方ねぇ、こうなったら思いっきり不良少年を演じてやる!!

 

まず、ポケットに手を突っ込む。

「よし!」

…………タバコ…………は、やめとこ

お酒…………不味そう………

 

 

……

………

…………不良になれねぇーー!

 

くっそー!今度、沼田に合ったらカツラかどうか試してやるっ!

 

よしっ!と、謎に気合いをいれた

 

 

 

 

 

~職員室前~

まぁ、ポケットに手を突っ込んで堂々とはいるか。

ちょうどいい!今は、授業中だからな。先生も、授業をサボってポケットに手を突っ込んだ不良少年が来たと思うだろう。

 

これしかない!

ガラガラ

 

ドアを思いっきり開けて「来ましたよー!」とぶっきらぼうに職員室に入る。

驚いたことに中には人が一人もいなかった。

「…………ん?もしかして今日って………」

恐る恐る予定表に目を向ける。そして今日………6月16日のところを見る………そこには

 

「生徒会議かよっ!」

だからさっきみんなが廊下に整列してたのか!!

先生も、全生徒も今は、体育館。ってわけか!

 

「いや…………しかしだ。」

そう。誰もいないのならだ………。

沼田の机を見つめる

あのカツラがあるか調べるいい機会じゃねぇか!

 

ゆっくりと沼田の机に近づいていく。

そして、一度だけ辺りを見渡して誰もいないことを再確認する。

 

「………………よし!」

誰もいない!

ゆっくりと慎重に引き出しへと手を伸ばす…………

とってを握ってゆっくりと開いた………そこには

 

「な!嘘だろ!!」

そこにはカツラの姿はなく。代わりに家族の写真と生徒名簿が入っていた。

 

…………つまんねぇ!

どうする?このまんま体育館に入ったら怒られるだろうし…………しかたねぇ!

 

 

「仮病使うか。」

うん!それがいい!そうしよう!

 

そして、俺は保健室へと向かった。

案の定、保険担当の浅川先生は、そこにはいなかった。

俺は机のうえにあった早引き申請書に自分の名前やら、なんやらを記入したあとで、浅川先生の机から印鑑を取り出して強く押し当てた。

 

「よし!これで完了っと。」

…………俺、不良っぽくね!?

 

そして、教室で変える準備を済まして正門から堂々と出ていった。

 

そして、家につくと俺は自分の部屋へと向かった。途中で何人ものお手伝いに挨拶をした。

 

ガチャと心地のよい音が部屋になり響いた。

 

「ふぅー。」

荷物をおいて、一息着いたのでベッドにダイブした。

 

…………そのまま俺は夢の中へと沈んでいった。

 

 

真っ暗な中に一台のテレビのようなもの。

画面には俺が映っていた

 

あれ?これってあの時の………

その時流れたのは、親父の部屋へ無断で入ったときの俺の姿……………。

 

「確か、このあと俺は……………」

俺は親父の部屋の機械を眺めている。

その中にある一際大きな機械に目を奪われている。

「俺は…………このあと……………」

テレビのなかの俺が機械に手を伸ばす。

その時だったダンッ!と乾いた音がしたかと思えばテレビの中の俺は床に倒れこんだ。

そうだ!この時俺は誰かに撃たれたんだ!

犯人もわからないままで俺は病院へ運ばれて………

 

その瞬間だった

画面にノイズが走り紅い文字か浮かび始める。

「な!なんだ!?」

そこには、よく見る英語が映っていた。

そうだ。これは、ゲームに負けたとき等に出る…………

「gameover(ゲームオーバー)」

何に負けたんだ?俺が?いつ?

 

テレビ画面から文字が消えると、病院の寝室にいる俺の姿が映った。

 

「これは…………俺の記憶?」

いやいやいや、なんで俺の記憶がテレビに映ったりすんだよ!!

 

…………………まて………

このテレビのマーク…………見たことあるぞ………

これは…………父さんが作った…………あの機械と同じマークだ。

 

あの機械…………

「父さん…………」

嫌な感じだ…………

テレビに映る自分をまじまじと見つめる………………

幼い頃の俺は父さんの背中を見て育った…………

紅い髪………そう……この生まれつきの紅い髪は父親譲りの物だ。

紛れもない父さんの……………その父さんを俺は…………

病室のドアが開いて父さんが入ってくる………

ダメだ………父さん……こっちに来ちゃ……来たら………父さんは………

 

画面の中の俺は立ち上がって父さんに向かっていく。

 

 

 

 

 

右手に果物ナイフをもって…………

直後父さんに向かい走り始める。

グサッ!という音と、父さんの呻き声………倒れ混む父さんを見つめる俺………………

 

なんで………俺は父さんを…………?

画面から目を逸らして自分の手のひらを見つめる。

手のひらは真っ赤に染まっていた。

「……父さん…?………父さん………………父さんっ!」

地面を思いきり殴り付ける

なんで!?俺は父さんを殺した!?とうして!?

画面に目をやるとそこには「gameclear(ゲームクリア)」の青い文字。

 

やけにうるさい、耳なりと何かがささやく声…………

 

『良かったなぁ!ゲームクリアだぞ?ククク』

「誰だ!」

後ろを見ると蒼い髪に蒼い眼鏡をかけた……………俺…………

「なっ、なんで俺が………!?」

たじろいでいるともう一人の俺がテレビを指差した

そちらに目を向けると画面の中の俺はいなかった

 

 

『あのテレビにいたのは………この俺だ。ククク』

「何をいってんだ!?あそこに映ってたのは俺だろ!?」

そうだ。紛れもない俺だ。

 

『へぇ、いいのかなぁ?それじゃあお前が父さんを殺したのか?』

「………………それは」

俺はなぜ、父さんを殺したのか覚えていない。

『覚えてないだろ?』

「……………」

 

口が開かない。

『はぁ……………分かんないのか?ククク、バァカだなぁー!!』

 

言えない………言いたくない…………。俺が父さんを殺したなんて…………自分でも分からない罪を受け入れるのは…………嫌だ

 

『あぁ、そうだ!もうひとついいことを教えてやるよ!!』

テレビのほうでエコーのかかったもう一人の俺の声がする。

『ここはなぁー!!!』

 

ダンッ!

 

 

…………………今の音は…………

『父さんの部屋だ。』

…………自分の腹部を見ると真っ赤に染まっていた

…………撃たれた………のか

 

『はい。ゲェームオーバァーでぇす!クッ、クハハハハッッッ!!!』

視界が眩んでいく。

あいつに手を伸ばすが届かずに空を切った。

痛い。

苦しい。

あのときと同じだ。

それにしても………………あの時は誰が俺を撃ったんだ……………?

完全に視界が眩んで、俺の意識も遠退いていった。

 

 




紅月の見たものは記憶か………………夢なのか………謎ですね。

紅月「神のみぞ知るって所だな!」
洸「え?髪のみぞ知る?」
凉「言いたいだけだろ?」

沼田「お前らっ!勉強しろ!!」

三人「……………はい」

沼田がカツラなのかも謎だ。


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