ドラゴンボールIF   作:通りすがりの筋肉

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サイヤ人 バーダックは、フリーザの裏切りを知り、たったひとりの最終決戦を仕掛けた
だが、フリーザの凶悪な一撃が、バーダック諸共、惑星ベジータを破壊した
はたして、バーダックはどうなってしまうのか


伝説の超サイヤ人

 

 

 

 

『くっ、くそ、フリーザ‼︎』

 

フリーザの一撃に飲み込まれたはずのバーダックが、目を覚ました

まだ、自分に何が起きたのか、理解が出来ない

 

『うぐ、くっ、た、確か俺は、惑星ベジータの爆発に巻き込まれて...

ここは、どこだ?』

 

見ればバーダックは、布団に寝かされ、戦闘服は脱がされていた

誰かが寝かせてくれたのだろう

バーダックは窓から、外を見渡した

 

『この、景色や空の色、どっか惑星ベジータに似ているが...』

 

恐らくは初めて来た星なのだろうが、何故か初めてではない気がした

その星は、どこか故郷の星に似ていたからだ

 

そう思っていると、バーダックは後ろから声を掛けられた

 

『おぉ、目が覚めたみたいですね』

 

『んっ⁉︎』

 

振り向くとそこには、二人の異星人が立っていた

どうやら、親子らしい

 

『何だこいつら?

見たこともない種族だ...』

 

その種族は、どこか漫画チックに描いたカエルの様な姿をしていた

だが、敵意はないようである

 

『ふふっ、そう警戒しなくても大丈夫

私はイパナ、この村で、医者をしている者です

そしてこの子は、息子のベリーです

森の外れで倒れていたあなたを、見つけて来たんですよ』

 

異星人が自己紹介してくる

バーダックからすれば興味もなければ、自己紹介し返すつもりもないが、何となく、黙って聞いていた

 

『これは、この惑星プラントに伝わる、秘伝の薬です』

 

『惑星プラント?

確か惑星ベジータの元の名前だ...』

 

『これで、あなたの傷も良くなりますよ』

 

そう言うとイパナは、バーダックの傷に薬を掛けた

すると、すぐに薬は効いてきた

 

『(傷の痛みが引いていく、メディカルマシーンの液体にそっくりだ...)』

 

星の名前、この秘伝の薬、バーダックの頭には、一つの推測がうかんだ

 

『いったいどういうことだ?

俺は過去の時代に来ちまったのか?』

 

そんな事が頭に浮かんだ

フリーザの一撃に飲み込まれてからの記憶もなく、バーダックには、疑問だらけだった

 

『おじちゃん、お名前は?』

 

考え事をしていると、不意にベリーに話しかけられた

 

『...ガキは嫌いだ』

 

『うっ...』

 

バーダックは冷たく言った

ベリーは少し残念そうにした

そんな事を言ってると、またギネに怒られるだろうな

なんて考えてると、いきなり轟音が聞こえた

窓の外を見ると、見覚えのある宇宙船が飛んでいた

 

『あ、あれは、まさか⁉︎』

 

そう、フリーザの宇宙船にそっくりだった

宇宙船は、少ししたところに着陸した

 

『あっちは、村の方向だ!』

 

『おっ?』

 

イパナが言うと、ベリーは何事かと、窓の外を見ようと、背伸びしている

 

『(...行ってみるか)』

 

バーダックは独り、宇宙船が着陸した場所に向かって飛び出した

 

『あ、キミ⁉︎』

 

イパナに止められたが、構いはしなかった

もしかすれば、憎き怨敵の宇宙船かもしれないと思うといても立ってもいられなかった

すると、村からいくつかの爆発が起こった

よく見ると、二人の異星人が、村人達は達を襲っていた

 

『(ちっ、フリーザじゃねぇのか...)』

 

どうやら、フリーザではないようだ

別に村人達の事はどうでもよかったが、肩慣らしついでに異星人の相手でもしようかと思って近づいた

 

『よぉく聞け!

今日からこの惑星プラントは、宇宙海賊チルド様の物になる!

逆らう奴は皆殺しだ‼︎

カーカカカッ‼︎』

 

汚い笑い声だと、バーダックは思った

 

『おい、お前ら』

 

『ん? 何だ俺達に刃向かう気か?』

 

『馬鹿な奴だ!

キャビラ、見せしめにしてやれ‼︎』

 

『おう、任せろ!』

 

異星人の一人がバーダックにサイコガンを発射したが、バーダックは高速移動でかわし、勢いをつけてホディブローを入れた

 

『ごあぁ!』

 

『......』

 

バーダックが敵の顎を掴み、無言で睨みを利かせていると、もう一人の異星人がサイコガンを撃とうとした

だが、バーダックはまた高速で敵に近づき、撃つ前に蹴りを入れ、後方の岩山まで吹き飛ばした

その間に、先程の異星人も倒れていた

 

『ちっ、これじゃあリハビリにもなりゃしねぇ...』

 

バーダックは、敵のあまりのあっけなさに落胆していると、村人達に囲まれ、例を言われた

 

『ありがとう、あんたは村の救世主だ!』

 

などと言われたが

 

『勘違いすんな、てめぇらが死のうが生きようが、俺には関係ねぇ』

 

そう言い残し、その場を去って行った

村人達は、ただ無言でバーダックの飛んで行った方を眺めていた

 

バーダックは、村から少し離れた所に洞窟を見つけた

 

『当面の住処はここにするか...』

 

何もないただの洞窟だったが、雨風さえしのげれば、特に文句はなかった

バーダックは腰を下ろし、自分に起こった事を考え始めた

 

『まったく、どうなってんだ...

あの爆発に巻き込まれてからの事がどうしても思い出せねぇ...

くそぉ、俺はいったい、どうしちまったんだ...!』

 

バーダックが、必死にあの時の事を思い出そうとしていると、洞窟の入り口から気配を感じた

 

『んっ? 誰だ!』

 

するとそこには、何やら荷物を抱えたベリーが立っていた

 

『あの、これ、おじちゃんに...

食べ物と、お薬を...』

 

ベリーは、行き倒れていたバーダックが心配なのか、バーダックに色々と差し入れを持って来てくれたが、

 

『いらねぇよそんなもん...

いいから、さっさと消えやがれ』

 

などと冷たくあしらうが、ベリーも退こうとはしなかった

 

『さっさと行かねぇと、ぶっ殺すぞ!』

 

バーダックが、冗談半分に言うと、ベリーは涙を浮かべて去って行った

 

『食べ物、ここに置いておくから...』

 

そう言い残して

バーダックは、いらねぇとは言ったものの、やはりサイヤ人は空腹には勝てず、すぐに食べ物を平らげた

 

『(...うめぇじゃねぇか)』

 

はたして美味いと感じたのは、味のせいだけなのか...

 

『(そう言やぁ、ギネの作る飯も、他の奴のより美味かったなぁ...)』

 

愛情は最高のスパイスと言う言葉がある

もちろん、バーダックがそんな言葉を知っているはずもないが

 

『ギネ、ラディッツ...

カカロット...』

 

ここにいない、家族を想い、バーダックは初めて不安な気持ちになる

 

『俺は、帰れるのか...?

もし帰れなかったら、俺は...』

 

そして、少しの弱気を感じた

これも、初めての事だった

 

『...運動でもするか』

 

不安や弱気を吹き飛ばすために、リハビリも兼ねて身体を鍛え始めた

 

翌日、外は雨だった

とくにやる事もなかったバーダックは、この日もトレーニングをしていた

すると、またベリーが食べ物を持って来た

別に用もないので、バーダックは気付かないフリをした

ベリーは、嬉しそうに食べ物を置いて無言で去って行った

まぁ、また来るだろうと思ったバーダックは、分かりやすい所に空になった籠を置いていた訳だが

 

『...変なガキだ』

 

そう言って、トレーニングを続けた

 

『(ほんとにまた来るとはなぁ...)』

 

予想していたとはいえ、いざ本当に来ると感心すらしてしまう

何があの子をそうさせるのか?

自分の何がそんなにあの子を惹きつけるのか?

バーダックには分からなったが、決して嫌な気にはならなかった

むしろ何か、胸の中が暖かくなるのを感じた

 

『(...明日も来るんだろうな)』

 

何故か、そんな事を考えていた

 

翌日、またベリーは来た

バーダックは、今日は自分から食べ物をもらいに行った

ベリーは最初は驚いたが、すぐに嬉しそうにバーダックの隣に腰掛けた

ベリーはただバーダックを見ていると、バーダックはパンをベリーに差し出した

そして、自分の名前を教えた

 

『...バーダック』

 

『えっ?』

 

『俺の名前だ』

 

ベリーは、とても嬉しそうにバーダックの名を呼びながらパンを食べた

食事が終わり、少し雑談をした

 

『バーダックさんはどこから来たの?』

 

『...さぁな』

 

『えっ?

わからないの?

ひょっとして、迷子なの?』

 

『...まぁ、そんな感じだ』

 

『そっかぁ...

バーダックさん、家族は?』

 

『...嫁と、ガキが二人いた』

 

『へぇ〜

ねぇ、どんな人達なの?』

 

『...嫁は、まぁ、甘ったるい奴だ

いつもコロコロ表情変えて、忙しい奴だ

ガキは、上がもう五歳になる

生口叩きやがるが、まだまだガキだ

もう一人は、最近産まれたばかりだ』

 

『そっかぁ

でも、迷子なのに、何で最近産まれた子どもの事を知ってるの?』

 

『.........』

 

『バーダックさん?』

 

バーダックは、自分に起こった事を話しはしなかった

もしここが過去の世界で、ここが昔の惑星ベジータなら、自分達サイヤ人はこの星の者を滅ぼしてしまうのだ

多少の後ろめたさと、罪悪感から、自分の事、自分の種族の事を話す事が出来なかった

 

そして、ある程度の時間が過ぎ、ベリーは帰って行った

 

『俺は、どうしちまったんだ...

俺達サイヤ人は、戦う事が生き甲斐なはずだ...

俺だって何人も殺し、幾つもの種族を滅ぼしたじゃねぇか...

なのに今更...』

 

自分を襲った感情に、バーダックは戸惑っていた

今まで誰かを殺しても、こんなふうに感じる事はなかった

だが今は、自覚を持てる程の後悔と罪悪感を感じていた

 

『......寝るか』

 

翌日、バーダックは身体の傷も癒え、絶好調だった

そこへ、血相を変えたベリーが、息を切らしながら走って来た

 

『バーダックさん!

あの、また村に宇宙人が来て...』

 

『...興味ねぇよ』

 

『でも、バーダックさんをさがしてるみたいで...』

 

『俺を?』

 

はたして、この何処とも分からない星で、自分を探す者などいるのか?

バーダックには、まったく心当たりがなかった

 

『その人達、すごく怖くて...

僕、何だが嫌な予感がするんだ...』

 

 

 

ドカーンッ‼︎‼︎

 

 

 

話の途中、村の方から爆発が起こった

 

『何だっ⁉︎』

 

『きっと、さっきの人達だ‼︎

バーダックさん、お願い!

村の皆を助けて‼︎

お願い、お願い!

このままじゃきっと、村の皆が...!

ねぇ、バーダックさん‼︎』

 

ベリーは、そう言いながらバーダックに泣きながらしがみついて来た

 

『...俺には関係、』

 

そこまで言うと、バーダックの頭の中に、今まで死んでいった仲間達、救えなかった仲間達が、脳裏に浮かんだ

 

『バーダックさん!

村の人や父ちゃんを助けて‼︎

ねぇ!

ねぇ‼︎』

 

そして、礼を言いながら近寄ってくる村人達を思い出した

バーダックは、胸が熱くなるのを感じた

 

『...っ

どけぃ‼︎』

『うわっ‼︎』

 

バーダックはベリーを引き剥がし、村に向かって全速力で飛んだ

 

『バーダックさん...』

 

村に着くと、多くの異星人が破壊行為を繰り返していた

自分達もあの様な事をしていたと思うと、胸が苦しくなった

しばらく行くと、二人の異星人に攻撃されそうなイパナを見つけた

バーダックは高速で近づき、一人は蹴り倒し、もう一人は瞬で背後を取り、絞め殺した

 

『バ、バーダック‼︎』

 

『バーダック?

あぁ君か、トービとキャビラを倒したって奴は...』

 

一人の異星人が、隠していた素顔を晒しながら近づいて来た

 

『あぁっ⁉︎

フリーザ⁉︎』

 

その素顔は、怨敵 フリーザによく似ていた

 

『ぐっ...!

フリーザァァァ‼︎』

 

『どわぁぁぁ⁉︎』

 

バーダックはいきなり殴りかかり、その異星人を吹き飛ばしたが、踏ん張った異星人に蹴り飛ばされた

 

『貴様ぁ‼︎』

 

『おわぁぁぁ‼︎』

 

『バーダック‼︎』

 

たった一撃の蹴りで、バーダックはかなりのダメージを負った

 

『くっ、何てパワーだ...!

ふっ、ぐぅ......』

 

『雑魚のくせに、このチルド様に刃向かうなんて、生意気じゃねぇか!

えぇっ⁉︎』

 

倒れたバーダックに近づき、頭を踏みながら異星人は話し出す

 

『フ、フリーザァ...』

 

『さっきからフリーザ、フリーザって、失礼な奴だね

ボクが誰だか分かってるの?

ボクは最強の宇宙海賊 チルド様なんだよ⁉︎』

 

『チ、チルド⁉︎』

 

やっと会えたと思った敵は、自分の探す者ではなかった

 

『(フリーザじゃねぇのか?

ここが過去だって言うなら、こいつは...

じゃあ、フリーザの⁉︎)』

 

『やめないか!

うわぁ‼︎』

 

バーダックを助けようと近づいたイパナが、チルドの尻尾に吹き飛ばされた

 

『父ちゃん‼︎

父ちゃん!』

 

バーダックの後を追って来たベリーが、イパナに近づく

幸い、死んではいなかった

 

『ちくしょう!』

 

『あぁあ、お可哀想に...

しかし、まったく、とんだ拍子抜けだったよ!』

 

そう言ってチルドは、バーダックを蹴り飛ばした

 

『うわぁぁぁ‼︎』

 

『こんな弱い奴、もういらない』

 

チルドは、フリーザのデスウェイブの様な技の体勢に入った

指先から、紫色に光る不気味な球体が現れた

 

『や、やめろぉ‼︎』

 

チルドは、ベリー達を振り返り、不敵に笑った

 

『バーダックさぁぁぁん‼︎‼︎』

 

ベリーは、バーダックを助けようと泣きながら走って来る

 

『小僧、やめろぉ...!』

 

バーダックの制止も聞かず、ベリーはただひたすら走って来る

 

『親子そろって...

邪魔だよ‼︎』

 

チルドはそう言うと、ベリーに向かってデスウェイブを放った

直撃はしなかったものの、ベリーは後方の岩山に叩きつけられた

 

『『ベリーっ‼︎⁇』』

 

『まったく、どいつもこいつもゴミの分際で、出しゃばるからだ』

 

『ちくしょう...っ‼︎』

 

『ん?

へぇ、まだ立ち上がれるんだ?』

 

バーダックは、身体のダメージと共に、己の不甲斐なさ、無力感、そしてチルドに、フリーザに、そして自分自身に怒りを感じていた

 

『情けねぇっ...

くっ、本当にっ...

俺にもっと力があればっ‼︎』

 

拳を強く握りしめすぎ、掌からは血が滴り落ちる

やり場のない怒りをぶつけるため、地面に頭突きを入れた

 

『あの時も』

 

バーダックの頭に、救えなかった仲間達の最後の姿が浮かんだ

 

『あの時も‼︎』

 

次に浮かんだのは、フリーザを前にしながら、何も出来ずに惑星ベジータを破壊された時の光景だった

 

『うぅぅぅぅぅっ!

ぐっ、くぅっ!』

 

バーダックは怒りが頂点に近づくのを感じた

その時、空の色は変わり、雷がひかり、バーダックのすぐ横に落雷が落ちた

そして、バーダックから身体をスパークが起きた

 

『俺が...

俺がっ...

俺がっ...!

貴様を倒すっ‼︎』

 

『はははははっ、このボクを倒すだと?

馬鹿め!』

 

『うううぅぅぅぅぅっ‼︎

うううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ‼︎‼︎』

 

バーダックの身体から、気が溢れ出した

地面は割れ、落雷は落ち、地震が起きた

そして、だんだんバーダックの容姿に変化が起きた

髪が逆立ち、髪色が黒から金色に変わりだした

瞳の色も黒から、淡いグリーンに変わった

 

『ふっふっふっふっふっ.......

ふっふっふっ、はーっはっはっはっはっ‼︎』

 

チルドの笑う姿が、フリーザと重なったその時、バーダックの怒りが頂点に達した

 

 

 

プッチン!

 

 

 

『っ!

ずあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎』

 

『何っ⁉︎』

 

バーダックは、とうとう伝説の戦士、超サイヤ人に目覚めた

身体からスパークが起こり、その凄まじエネルギーで、空間が歪んでいる

 

『いったいこれは...

この漲る様なパワーは...?』

 

『何だ、さっきまでとは様子が...?』

 

バーダック自身にも、自分が超サイヤ人になったという自覚はなかった

だが、今の自分はチルドよりも圧倒的に強いという事は分かった

それ故、まるで散歩でもする様にチルドに近づいた

 

『貴様は絶対に許さねぇ...』

 

『たかが金色になったくらいで、いい気になるなよ‼︎』

 

そう言うとチルドは、バーダックに連続気功弾を食らわせた

砂煙りが上がり、何も見えなくなったが、チルドは決まったと思った

 

『ふんっ、金色になっても、何も変わらないじゃないか!

ふんっ、口ほどにもない...

えぇっ⁉︎』

 

チルドは目玉を飛び出して驚いた

バーダックが平然としながら、更に歩み寄って来たのだ

傷付いたのは服だけで、バーダック自身は無傷だった

 

チルドはムキになり、バーダックに殴りかかったが、いとも簡単に攻撃を止められ、掴まれた拳を振りほどく事すら出来なかった

 

『くそぉぉぉ‼︎

どうなってるんだ‼︎

な、何者なんだ、貴様⁉︎』

 

『...俺は、ただの、サイヤ人だ』

 

『サ、サイヤ人だと⁉︎』

 

『覚悟はいいな?』

 

『ぐっ⁉︎』

 

次の瞬間、チルドはバーダックの猛攻にあった

地面に叩きつけられ、殴られ、更に地面に叩きつけられ、投げ飛ばされ、また投げられ、最後に上空に蹴り上げられた

が、チルドも何とかふんばり、空中で制止した

 

『くそぉぉぉ‼︎

認めない、認めないぞ‼︎

ちくしょぉぉぉ‼︎

ボクは宇宙海賊 チルド様だぞぉ‼︎

ボクより強い奴なんて、この世に居てはいけないんだぁ‼︎』

 

チルドは、スーパーノヴァを作り出した

 

『いつまでも寝言ほざいてんじゃねぇ!』

 

対するバーダックも、リベリオントリガーを撃つ姿勢をした

 

『この小汚い星ごと、みんな死んじまえぇ‼︎‼︎』

 

『死ぬのは、てめぇだぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎』

 

チルドのスーパーノヴァと、バーダックのリベリオントリガーがぶつかった

最初は互角と言った感じだったが、直ぐに均衡は破れ、リベリオントリガーが押し出した

 

『くたばれぇぇぇぇぇ‼︎‼︎‼︎』

 

そしてフルパワーになり、一気にスーパーノヴァを打ち破った

 

『そんなっ⁉︎

このボクがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎⁇⁇』

 

チルドはリベリオントリガーに宇宙まで押し出された

バーダックは、ただ空を見上げていた

 

 

 

 

 

〜チルドの宇宙船〜

 

『チルド様...』

 

チルドは、奇跡的に生きていた

が、力尽きるのは時間の問題だった

 

『い、一族に伝えろ...

金色に変化する、サイヤ人には、気をつけろ、と.........』

 

そう言って、チルドは力尽きた.........

 

 

 

 

 

 

〜惑星プラント〜

 

『バーダックさん...』

 

ベリーは、生きていた

幸い、大した怪我もなかった

 

『.........』

 

『ごめんなさい、迷惑かけて......』

 

『ベリー...』

 

『は、はいっ』

 

『...ありがとな』

 

『えっ?』

 

バーダックは、微かに微笑んだ

すると、バーダックの身体が光に包まれた

 

『バーダックさんっ⁉︎』

 

『...俺は、俺の居たとこに戻る』

 

『そ、そんなっ!』

 

『ベリー...』

 

『バーダックさん...』

 

『ベリー、おめぇが持って来てくれた飯、美味かったぜ...

ありがとな、ベリー...

...またな』

 

『バーダックさんっ‼︎

バーダックさんっ‼︎‼︎‼︎』

 

ベリーは必死にバーダックの名を叫んだ

バーダックは、ただ微笑みながら手を挙げ、そして光に包まれ、消えて行った............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っは⁉︎』

 

次にバーダックが目を覚ますと、そこは惑星ベジータの遥か上空、フリーザに惑星ベジータを破壊される少し前の時間に戻っていた

 

『(こ、これはいったい...)』

 

バーダックは、自分の身体を確認した

傷はあるが、大してダメージはない

むしろ、フリーザを目の前にしても恐怖がない

そして、自分の内に眠るパワーも、まだ健在だと確認した

 

『(どうやら俺は、あの星でかなり強くなって帰ってきたみたいだな)』

 

バーダックは確信した

今ならフリーザに勝てると

 

『ふっ、これで、全てが変わる...

この惑星ベジータの運命...

この、俺の運命...

そして、貴様の運命もっ‼︎』

 

あの時と同じ状況になった

バーダックはライオットジャベリンを、フリーザはスーパーノヴァを構えた

 

『これで最後だぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎』

 

『ほっほっほっ‼︎』

 

ライオットジャベリンとスーパーノヴァがぶつかった

そして、一瞬でスーパーノヴァを打ち消し、フリーザはライオットジャベリンに飲み込まれた

 

『なっ⁉︎

そんな、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁ‼︎⁇』

 

フリーザを飲み込んだライオットジャベリンは、遥か遠くに飛んで行った

そして、残った兵士は逃げ出すか、応援に駆けつけたサイヤ人と交戦、あるいは投降した

ザーボンやドドリアは、隙を見つけ逃げ出した

 

『やったな、バーダック!』

 

『おぅ、トーマ』

 

『まさか、あのフリーザを倒しちまうなんて...

あんた、ほんとにバーダックかい?』

 

『.........色々あったんだ』

 

バーダック達は残った兵士を片付け、惑星ベジータに帰った

 

『...ギネ』

 

『バーダック‼︎』

 

バーダックは帰宅すると、ギネが泣きながら抱きついてきた

いつもなら引き剥がすが、今日は、抵抗したかった

 

『バカバカ、心配したんだからっ!』

 

『...あぁ、すまねぇ』

 

それだけ言うと、バーダックはギネの頭を撫でてやった

そして、顔を上げた妻の唇に、キスを落とした

 

 




どうも、ギネです!

侵略を止めようって、どうしたのバーダック⁉︎

どうしたの急に?

ベジータ王子が絶対許さないわよ?

え、ちょっと、バーダック⁉︎

次回 ドラゴンボールIF

守護者サイヤ人?

見てよね♡

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