インフィニット・ストラトス~ADVERSE FORTUNE THE DESTINY~ 作:ZXZIGA
放課後。
寮へと歩を進める一夏と巧人。その後ろに、大勢の女子が・・・・。
「ねぇ、あれ見てると本当の兄弟みたいよね~」「うんうん!織斑君がお兄さんで鷺波君が弟みたいだよね~」
と後ろで楽しそうな話をしているが、実際は巧人の方が一夏より年上です。
「なぁ・・・巧人・・・」
「ん?どうしたの?」
「一週間後の決定戦・・・・・俺どうすればいいかわかんねェんだけど。」
「大丈夫だよ。君の専用機が来ると思うから。」
「なんでそんなことがわかるんだ?」
「君は、とても珍しいんだよ。データ取りするために専用機を作って寄越すなんてあり得るさ。」
と言っても、武器を作ったのは巧人である。
「ふ~ん・・・・・そんなもんなのか?」
「そんなもんなんだよ。」
寮に着き、自分のポケットをまさぐる。
取り出したのは鍵。
「一夏君の部屋の番号って、何番?」
「俺は、1025だな。」
「僕は、1023だね。」
「別室かぁ~いろいろ聞きたかったのになぁ~」
「ははっ・・・でも目と鼻の先だから、聞けるよね?」
「・・・そうだった。」
「それじゃあ・・・また明日。」
「おう。またな。」
巧人は鍵を開け、ドアノブをつかんで気づく。
(誰かいる?)
廊下に人はいない。監視カメラもなし。
「・・・・・ファントムの出番だね・・・・・フフッ・・・・。」
扉の向こう、部屋の中。
「・・・・・・」
そこにいるのは「更識 楯無」(さらしき たてなし)。だが彼女の名前ではない。
本名は「更識 刀奈」(さらしき かたな)。
妹に「更識 簪」(さらしき かんざし)。
なぜ、彼女は楯無と言われているのか。
彼女の父親こと、16代目 楯無は引退し刀奈が17代目に就任したためである。
そんな話は置いといて。
「・・・・・・・・・・・遅い。」
此処でスタンバイしてるのはどうかと思う。
というよりも、今の彼女の服装は裸エプロン(と言っても水着の上にエプロンを着ているだけである。)だ。
彼女は生徒会長なのに、その自覚はあるのか気になる。これでは生徒会長も減ったくれもない。
ゆっくりと、ドアが開く。その瞬間に、
「あなたぁ~おかえりなさぁ~いわt「何をしている?更識。」へ?」
目の前にいたのは、なんと織斑 千冬だった。
「あ?え?おっ・・・・織斑先生?何故ここに?」
「鷺波と一夏に用があってきたのだが?」
「私も、鷺波君に用があってここにいました。」
「ほぅ・・・・その恰好で、用・・とは?」
楯無は気付かないようだったが、千冬は少し笑っていた。
「あっ・・・・・うっ・・・・えっとぉ・・・・」
ついにこらえきれなかったのか、千冬が笑いだす。
「ふふふふっ・・・まだ気づかないのですか?更識生徒会長?・・・いいえ、刀奈ちゃん?」
「えっ?」
突然の声変わりに驚く楯無。
「僕の変装を見破れないんじゃあ、立派な暗殺者とは言えませんよ?」
「えっまさか・・・・鷺波君?」
「はい。」
笑顔で巧人と同じ声でしゃべる千冬。
「解きましょうか、変装。」
千冬が光輝いた後、そこにいたのは巧人だった。
「なっなんで!?織斑先生がここに・・・・」
「だから僕ですよ。僕が織斑先生に変装してたんです。」
「うっそぉ~」
「僕のISは、どんなものにも変化させることができます。」
ふっへっへ~ここまで来るのにひねりにひねったぜ。
なぜ、楯無を知っているのか。
巧人が学園に入る2年前に、楯無と出会ったからである。
注文されたIS用の武器を持って来た時に出会った。